2019年8月14日 | お役立ち情報
表現力がある人の特徴と表現力を高める方法
おいしい料理を食べたときや、すてきなプレゼントをもらったとき、「おいしい」「うれしい」といった感情はあるものの、大胆に自分の思いや感情を表現することが苦手という人は少なくないのではないでしょうか。
外国人のようにストレートに感情を表現するのはどこか照れ臭いし、別に表現力が乏しくてもそれほど困らないのでは…。そう思うあなたは、表現力がもたらす魅力的なパワーにまだ気づいていないのかもしれません。
そこで、今回は表現力の魅力とともに、表現力を身につける方法についてご紹介します。
「表現力」とは自分の思いや感情を伝える力
表現力とは、感じたことを顔の表情や身ぶりで表したり、自分の思いや感情などを言語や音楽、絵画などで表現する力のことです。言語で表現する詩人や小説家、音楽、絵画、舞踊などで表現する芸術家、テレビや舞台で活躍する役者たちは、「表現者」と呼ばれることもあり、豊かな表現力を身につけています。
また、フィギュアスケートやアーティスティックスイミングなどは採点項目に「表現力」が設けられるなど、自分を魅力的に見せる演出として表現力が求められています。
「生きる力」を育む上で基本となる重要な能力
もっと身近な例で言えば、人に自分の考えをわかりやすく伝える「話す力」や「書く力」も表現力です。
幼少時代から身につけておきたい能力として、文部科学省が定める「小学生に対する学習指導要領・生きる力」の言語活動の充実に関する基本的な考え方において、思考力や判断力と並んで「表現力」の向上が課題とされているほど、とても重要な能力なのです。
表現力とは、言葉に温度感をプラスするもの
テキストだけのメールの文面は、ときとして相手の気持ちが読めないときがあります。特に相手から注意を受ける文面の場合などは、相手が気分を害しているのか、それともちょっとした注意を促すものなのか、その温度感がわからないことがあります。SNSなどの「絵文字」機能はこうしたときにはとても便利ですが、ビジネスメールでの引用にはふさわしくありません。
面と向かっての対話の場合でも、表現力が乏しいとメールの文面のように感情を読み取ることが難しく、受け手が不安に感じてしまいます。このように表現力とは、コミュニケーションを円滑に行うためにも必要な能力と言えます。
「ある」と「ない」でどう違う?表現力がある人の特徴
頭の中には言いたいことがたくさんあるのに思うように相手に伝えることができない。話相手に意見や感想を求められたときに気の利いた言葉が言えないなど、表現力が乏しい人は、ビジネスや日常生活において損をしているケースが目立ちます。
表現力がある人とない人の違いとして、ここでは表現力がある人の特徴を見ていきましょう。
素直に自分の思いや感情を伝えることができる
「うれしいことはうれしい」「好きなものは好き」「嫌なことは嫌」など表現力がある人は、自分の思いや感情をはっきりと言葉や態度で意思表示することができます。
表現力がある人は喜怒哀楽といった顔の表情も豊かなため、相手に対して「自分が何を考えているか」「どう思っているか」、一緒にいて「楽しい」ことや「うれしい」といった気持ちを伝えることができます。
ボキャブラリー(語彙力)が豊富
いろんなことを知っていて、話し上手な人のことをボキャブラリーが豊富な人などと言います。ボキャブラリーとは語彙(力)のことで、表現力のある人はこのボキャブラリーを豊富に持っています。
スポーツ選手のインタビューで、何を聞かれても「がんばります!」と答える選手がいますが、観ている側としては退屈してしまいます。その点、語彙力のある人は、似たような質問に対しても、豊富な語彙力で違った回答をすることができます。
褒め上手
おいしい料理を食べた感想がいつも「おいしい」だけでは、せっかくの料理も味気ないものになってしまいます。しかも、それが大切な人の手料理だったとしたら、作った人もさぞがっかりすることでしょう。
表現力のある人は同じように「おいしい」というときも、表情豊かに「君の作ったこの料理はすごくおいしいよ!」とか、「あの名店の味に勝るとも劣らないおいしさだね!」など、いいと思ったことは恥ずかしがらずにしっかりと伝えることができ、言葉のバリエーションもたくさん持っています。
人生経験が豊富
小説家が面白い世界観を描いたり、役者がリアルな迫真の演技をする上では、自身の体験がベースとなるように、表現力がある人は普段からいろんなことに興味を持ち、いろんなことを経験しています。
人は経験した以上のことはなかなか語れません。実際にさまざまなことを体験して、その中で感じるリアルな感情こそが、その人の豊かな表現力の源になっています。
プレゼンや自己紹介が上手い
表現力がある人のほとんどは話し上手な人であり、プレゼンテーション能力にも長けています。話す言葉としての豊かな表現力に加え、身ぶり手ぶりや声の大きさの強弱などで、聞き手の関心を集めるのが得意です。
ビジネスのプレゼンテーションはもちろん、自己紹介などにおいてもユニークな話や演出で、みんなの印象に残る存在となります。
周囲からの評価が高く、いきいきしている
自分の意見や考えを相手にわかりやすく伝えることができるので、上司への報告なども端的に済ますことができます。しかも、話も面白くて、褒め上手。相手の誘いを断るときも巧みな表現力で相手を傷つけずに断ることができます。
表現力のある人は、周囲からの評価も高く、いきいきと自信に満ちあふれています。
表現力がない人は、本心が伝わらず損をすることが多い
いっぽう、表現力のない人は、本心では楽しんでいたり、喜んでいる場合でも、その気持ちが相手に伝わりにくく、相手を不安にさせてしまうことがあります。また、語彙力の少なさから思っていることを上手に伝えることができず、つい相手を誤解させてしまうことも少なくありません。
このように表現力がある人とない人では、会社でも友達づきあいでも評価や立場がまったく異なります。できることなら表現力を身につけて、まわりの人たちと上手にコミュニケーションをとっていきたいもの。そこで、続いては表現力を高める方法について見ていきます。
表現力を高める方法
表現力を身につけるメリットを紹介したところで、続いては実際に表現力を高める方法について見ていきます。表現力を高めるには、いろんな本を読んだり、各地を旅して美しい景色を見たり、魅力的な人と出会い面白い話やためになる話を聞いたり、実際に心を感動させる出来事を体験することがいちばん。
ここでは、そうした体験から普段の生活の中で行える方法について紹介します。
小説を読む・たくさんの言葉に触れる
言葉の表現力においては、圧倒的に語彙力がものを言いますから、普段からたくさんの言葉に触れておくことをおすすめします。
なかでも小説は、文章だけで膨大な世界観を描いているため、言葉の表現力を高めるのにはピッタリです。
感じたことを日記などに綴る
「通勤途中で見かけた花がきれいだったな」「電車の中でお年寄りに高校生が席を譲っていたな」など、毎日の生活の中できっといくつも印象に残る出来事を体験していると思います。ですが心に留めただけでは表現力の向上にはつながりません。
そこで、感じたことは言葉として日記に綴ったり、ブログなどで発信するようにしましょう。
単語ではなく、長いセンテンスで話す
言葉の表現力において、「書く力」は日記やブログなどでスキルを磨けますが、「話す力」は実際に人と話すことで、表現力を鍛えることができます。
人と会話をする上では、「自分が思ったことをしっかりと使える」「単語ではなく、なるべく長いセンテンスを話す」など、自分で目標を決めて取り組んでみるといいでしょう。
習い事をする
英会話や音楽教室、ヨガや料理教室など、新しい何かを経験することで自分の世界が広がり、表現の幅も広がります。こうした趣味の習い事教室などでは、はじめて会う人たち同士で自己紹介する場面もあるので、自己PRの練習にもなります。
英会話を習う
習い事の中でも特におすすめしたいのが英会話です。英会話を習ったことのある人なら経験があると思いますが、習い始めた人の多くが、外国人の先生から表情の硬さを指摘されます。
英語の発音は日本語に比べて抑揚が大きく、ジェスチャーなども取り入れて話すため、表情やジャスチャーとしての表現力アップはもちろん、日本語のほかに英語を話せるようになることで、言葉としての表現力もアップします。
鏡でいろんな表情をチェックする
顔の表情による表現力に磨きをかけるには、鏡に向かってさまざまな表情をつくってみることがおすすめです。自然な笑顔はもちろん、表情筋を動かすためにも口や目を大きく開けたり閉じたりして、さまざまな表情をつくってみましょう。笑顔の場合、口角が上がって、目元が自然にほほ笑む程度が理想です。
感動的な経験をする
そもそも何かを表現するとき、自分の中に「表現したいもの(気持ち)」を持っているかどうかが重要です。こうした気持ちがないと(あるいは弱いと)表現力がとても薄いものになってしまいます。
そこで、実際に旅に出て美しい景色を見たり、新しいアクティビティなどに挑戦してみたり、忙しくて時間がとれない人は、映画や小説などで、ワクワクした気持ちを自分の中に取り入れるようにしましょう。
豊かな表現力を身につけて、いきいきと楽しい毎日を過ごしましょう!
表現力とひと言で言っても、言葉、表情、ジェスチャー、芸術など、さまざまな表現方法があります。なかでも言葉や表情による表現力はビジネスや日常生活においても、とても重要な能力ですから、この機会にぜひ表現力を鍛えてみましょう。
AI(人工知能)の技術が発達し、人間社会で人型のロボットが活躍しはじめていますが、こうしたロボットの開発で難しいのが豊かな表現力と言われています。
人が人たるこの表現力を鍛えて、あなたも自信に満ちた楽しい毎日を過ごしてみませんか。