2019年8月10日 | お役立ち情報
今さら聞けないIT用語をまとめて簡単解説
テクノロジーの進化とともに、次々と新しい用語が登場するIT業界。知識が追いつかず打ち合わせについていけなかったり、新人社員に意味を聞かれて答えられなかったり、知らないままにしておくと恥ずかしい思いをするだけでなく、業務効率にも支障をきたします。
いっぽう、会話の端々にIT用語を織り交ぜて話をすると、「かっこいい」や「この人デキる」と思われがちですが、話す側としても実は意味を知らずに使っているなどというケースも中にはあるのではないでしょうか。そこで、今回はぜひともおさえておきたいIT用語を紹介します。
最新のIT用語
情報スピードが速いITの世界では新しい用語も次々に誕生しています。ここでは、ここ数年の間に使われるようになったIT用語を紹介します。
サブスクリプション(subscription)
要約すると「購読」を意味し、予約購読、購読料、会費、寄付(金)、出資(金)、応募、申込、加入、署名、承諾などの意味を持つ用語。
ソフトウェアの購入(サブスクリプション購入)時などに使われることが多く、会員制のサービスや機器の保守契約などについて、一定期間の利用権を購入することを言います。
ブロックチェーン(blockchain)
ビットコインなどの仮想(暗号)通貨取引の登場によって出てきた言葉で、ネット上の流通を支える仕組みや技術のこと。
銀行や証券会社などの従来型の取引においては、中央管理者が取引台帳を管理していますが、ブロックチェーンでは、参加者それぞれが取引台帳を分散管理することで、改ざんなどが困難なネットワークを構築します。
ブロックチェーンという名前の由来は、台帳の1ページを取引情報の塊(=ブロック)とし、それをチェーンでつないでいるイメージから。ブロックチェーンのメリットとしては、安全性のほかに、送金をする際など個人同士でダイレクトに取引ができるため、手数料が安いという点が挙げられます。
RPA(Robotic Process Automation)
ホワイトカラーの業務を、パソコンやサーバー上にあるソフトウェア型のロボットが代行するなど、ロボットによる業務自動化の取り組みを表す言葉です。人間が行う業務の処理手順を操作画面上から登録しておくことで、ブラウザやクラウドなどさまざまなアプリケーションによって業務を自動化します。
すでに工場のライン業務などで導入されていたITやロボットの適応範囲をホワイトカラーに拡大したもので、現在、金融、流通、サービス、小売、製造、不動産、自治体などホワイトカラーの業務自動化を拡大する技術として活用されはじめています。
RPAは「デジタルレイバー」や「仮想知的労働者」とも呼ばれ、単なるツールとしてではなく、業務全体を把握することで人間と協働で生産性を向上させる技術として、注目を集めています。
IoT(Internet of Things)
家電や自動車など、これまでインターネットに接続されていなかったさまざまな製品が、ネットワークを通じてサーバーやクラウドに接続されることで、従来にはない機能や価値を持たせるというもの。
たとえば、自動車の位置情報をリアルタイムで把握して渋滞情報を配信したり、家電(エアコンなど)であれば、普段の使用状況などを学習(データとして蓄積)し、室内の温度が常に最適になるよう自動調整してくれたりと、インターネット経由で製品と相互通信することで、日々の暮らしがより快適になるようサポートしてくれます。
フィンテック(FinTech)
金融(Finance)と技術(Technokogy)を組み合わせた造語で、ITを駆使した金融に関するサービスのこと。スマートフォンアプリによる決済や資産運用、ビッグデータや人工知能(AI)などの最新技術を駆使したもので、「おサイフケータイ」などもフィンテックのひとつと言えます。
打ち合わせや会議でよく使われるIT用語
IT業界に限らず、打ち合わせや会議の場でよく耳にする用語を紹介します。
エビデンス(evidence)
「証拠」や「裏付け」の意味。もともと医療や科学の現場において、新しい仮説を発表するときなどに、その説を裏付けるもの(=エビデンス)として用いられてきた言葉ですが、今ではビジネスシーンに浸透し、「言った、言わない」といったトラブルを避けるため、議論の要旨などを文書やメールで残す意味としても用いられています。
ローンチ(launch)
直訳すると「打ち上げ」を意味し、新サービスや新商品の販売などをスタートさせるとき、特にWebサイトを公開するときなどに用いられます。
リスケ(reschedule)
リスケジュールを略してリスケ。スケジュールを組み直すときや、計画を変更するときなどに用いられます。
タスク(task)
「作業」や「仕事」を意味する言葉ですが、特に「一定時間内に果たすべき作業」として用いられます。もとはコンピューター用語で「コンピューターで行う作業のひとつの単位」の意味。業務を管理することを「タスク管理」、作業を同時進行することを「マルチタスク」と言います。
コンテンツ(content)
ラテン語の「中に含まれたもの」を語源とする、「内容」や「中身」を意味する言葉。ITの世界では、デジタルデータとして一定の形式で表現・記録した「デジタルコンテンツ」のことを略してコンテンツと呼び、具体的には、映画やテレビ番組、音楽、演劇、文章、写真、マンガ、イラストなどが挙げられます。
特に内容が充実したWebサイトなどは「コンテンツが充実している」と言われます。
Web系のIT用語
Webのシステムを構築する上でよく耳にする用語から、Webマーケティングで使用される用語を紹介します。
CMS(Contents Management System)
HTMLなどのWebの専門知識がない人でも、簡単にホームページを作成したり、更新したりできるシステムのこと。自分たちで手軽にテキストや画像の差し替えができるため、ホームページ制作においてはCMSを導入するケースが増えています。
WordPress
前述した「CMS」のひとつ。通常、ブログに記事を投稿する場合、新しいHTMLファイルを作成し、サーバーにアップロードしなければなりませんが、WordPressをサーバーにインストールすれば、HTMLを使わずにブログなどを更新できます。
SEO(Search Engine Optimization)
「検索エンジン最適化」と訳され、Googleなどの検索サービスの検索結果で、自らのWebサイトが上位に表示されるように工夫すること。
SEOの具体的な手法としては、適切なキーワードの選択や、ページ内におけるキーワードの適切な使用などが挙げられますが、ランク付けを行うアルゴリズムは頻繁に変更されるためこれといった策がなく、有益なコンテンツを充実させていくことが、ランクを上げる有効な手段と考えられています。
コンバージョン(Conversion)
Webサイトにおける成果や目標達成のこと。何をコンバージョンとするかは目的によって異なり、資料請求の問い合わせや、採用サイトならエントリーボタンをクリックした回数などをコンバージョンとして設定します。
ランディングページ(Landing Page=LP)
ランディングとは着地するという意味で、Web上にあるリスティング広告等をクリックした人が、はじめに訪れるページのこと。実店舗であれば、はじめてお店にやってきた人が、商品を購入してくれる、あるいは買わないけれどもお店に興味を持ってくれるように、ランディングページの印象はとても重要です。
LPO(Landing Page Optimization)
直訳すると「ランディングページを最適化する」という意味。成果を上げるためにはどういったランディングページが望ましいか、ABテストなどを行ってページを改善することを指します。
インプレッション(impression)
Webサイトに掲載される広告の効果を計る指標のひとつで、広告の表示回数のこと。Webページを閲覧するとき広告が1回表示されると1インプレッションとカウントします。
リーチ(reach)
Web広告に対してどれくらいのユーザーが閲覧したかを指す言葉で、よく「リーチ数」という言葉で使われています。
セキュリティ関連のIT用語
巧妙な手口でセキュリティをこじ開け情報を盗み取ろうという側と、セキュリティシステムで不正アクセスを守ろうとする側、どちらの技術もいたちごっこで進化しているため、ITの世界ではつねに新しいセキュリティに関する言葉が誕生しています。
ワンタイムパスワード(OnetimePassword)
1回しか使えない、使い捨てのパスワードのこと。認証を行うたびに毎回異なるパスワードを使用し、一度使用したパスワードは使い捨てにすることで、万が一、パスワードが盗まれたとしてもそのパスワードは繰り返し使用されることがないため、高い安全性が保持できます。
バックドア(backdoor)
直訳すると「裏口」や「勝手口」の意味。コンピューターに設けられた通信経路のうち、正規の利用者認証やセキュリティなどを回避してシステムに侵入するための接続経路のこと。また、一度システムに侵入した際、次回も侵入しやすくするために裏口(バックドア)を仕掛けることを指します。
ホワイトリスト(whitelist)
アプリケーションの実行やWebサイトへのアクセスなどの許可に関するリストのなかで、特に警戒する必要のない安全な対象を定義したリストのこと。リストで定義されているアプリケーションだけを実行させることで、安全性を保持します。
対義語となるブラックリストは、警戒する必要がある危険な対象を定義したリストで、リストに定義されているアプリケーションは実行させず、それ以外のアプリケーションの実行は防ぎません。
フィルタリングサービス(filtering service)
インターネット上のWebページなどを一定の基準で判別し、選択・排除する機能のこと。前述のホワイトリストが使われている身近な例のひとつが、携帯電話などのフィルタリングサービスです。子どもが使う携帯電話には、有害なサイトを閲覧不可にすることができます。
フィルタリングする際は、ホワイトリストでは安全なサイトだけを指定し、その他のサイトへのアクセスをブロックします。
基本のIT用語や話題のIT用語をおさえて、デキるビジネスマンに!
ITやWeb業界などでは業務効率を上げるためにも、基本のIT用語や話題のIT用語は一通りおさえておきたいものです。
難しい聞き慣れない用語をサラッと披露すると、まわりに与える印象もグッとアップしますね。また、IT技術が広く普及した現代では、一般生活においてもさまざまなIT用語を耳にする機会が増えています。
ますます高度化する情報化社会に取り残されないためにも、わからない言葉や気になる言葉を聞いたときは、そのままにせずに調べて知識として身につけるようにしましょう。