2019年6月9日 | お役立ち情報
必ず確認しておくべき登山の服装【登山初心者は要チェック!】
澄んだ空気にキレイな高山植物、沢から発せられるマイナスイオンなど、いま自然の癒しを求めて、山歩きを楽しむ人たちが増えています。そのブームはご年配の人から若者までまさに老若男女。
数年前からファッショナブルな登山ウェアが充実し、おしゃれなコーディネートを楽しむ女性登山者を指して「山ガール」なる流行語も誕生したほど。
そんな楽しいイメージばかりが先行しがちな登山ですが、自然を舞台にしたレジャーでは、毎年アクシデントに見舞われる人も後を絶ちません。山の天気は変わりやすいため、特に服装や身のまわりのアイテムには気をつけたいところ。
そこで今回は、山デビューに向けてぜひ揃えておきたいウェアや靴、リュック、その他必要な備品などを紹介いたします。
登山の服は「重ね着」が基本
山の天気は変わりやすく、天候が崩れて急に気温が下がったり、突然の雨に襲われたりすることもあります。また、動いて汗をかいているのに、防寒のアウターなどを着たままだと、インナー(肌着)がグショグショで不快なうえ、風邪をひく恐れもあります。
登山ではその時々の状況にすばやく対応できるように、重ね着が基本。こまめに脱いだり、着たりして体温を調整することが重要です。
肌の露出は避け、動きやすさと機能性を重視
夏の登山はかなり汗をかきます。そのため、綿よりも通気性や速乾性の良い素材のほうが快適に過ごすことができます。また、夏の登山だからといって、半袖や短パンなどは避けましょう。
肌を露出させる部分が多いと転倒したときにケガをしたり、蚊やヤマビルの被害や、極度に日焼けする恐れもあります。段差を乗り越えたりすることもあるため、パンツはジーンズやチノパンより、動きやすい伸縮性のある素材のものがおすすめです。
すすんでカタチから入りましょう!登山の基本的な服装・靴・リュックなど
暑さや寒さ、雨、風などから身を守り、一日を快適に過ごすためにも、ウェアや靴、リュックなどは、機能性を重視して選びたいもの。初心者だから安価なものではなく、経験のない初心者だからこそ、さまざまな場面で快適にサポートしてくれる機能性に優れたいいモノを選びましょう。
ウェアは3つのレイヤーを重ね着
ウェアの性能は時代とともに進化していますが、ウェアに求められる性能は大きく2つ。熱や汗などを体内から放出させる機能と、雨や冷気などから防御する機能です。
そして、天候や温度変化にすばやく対応できるように登山の服装は重ね着が基本。内側から「ベースレイヤー(肌着)」「ミドルレイヤー」「アウターレイヤー」と呼ばれる3つのウェアを重ねて着るのが一般的です。
ここでは3つのレイヤーをはじめ、その他の服装について細かく紹介します。
アウターレイヤー
いちばん外側に着る雨や風を防ぐウェアです。雨などの水滴をはじく防水性に加え、汗などの蒸れを外に逃がす透湿性を備えたモノがおすすめです。
ミドルレイヤー
ベースレイヤーとアウトレイヤーの中間に着る、フリースやネルシャツ、薄手のダウンなどの保温性が高いウェア。保温性に加え、汗を吸って外に逃がす吸水性と、湿気を外に逃がす透湿性を備えたモノがおすすめです。
ベースレイヤー
肌に直接着る肌着の役割を持つウェア。汗をすばやく吸水して肌をドライに保ってくれるタイプがおすすめ。直接肌に触れる部分なので着心地のいいモノを選びましょう。
パンツ
岩を登ったり倒木をまたいだり、登山では脚を大きく広げる場面も多々あります。そんなときに脚の動きを制限しないようにパンツは伸縮性のあるモノがおすすめです。汗もたくさんかくので、吸水性と透湿性をチェックしましょう。
パンツには「ロングパンツ」をはじめ、タイツ(レギンス)などと合わせる「ショートパンツ」や、ロングとショートの切り替えができる「コンバーチブルパンツ」があります。
タイツ
ショートパンツのときに合わせて使用するアイテムです。タイツの種類には、寒さやケガなどから脚を守る「サポートタイプ」と、圧力をかけることで血行を良くする効果を持つ「コンプレッションタイプ」があります。
靴下
登山靴を履き慣れていない人にとって、靴下選びはとても重要です。険しい山道を歩くためにつくられた登山靴は靴底が硬くつくられています。そのため普段履いているような靴下ではすぐに足裏が痛く、マメなどもできやすいのです。
登山靴を履くときの靴下を選ぶポイントは、足裏を保護するクッション性が高い厚手のモノであること。そして、足裏にもたくさん汗をかくので、吸汗速乾性に優れ汗をすばやく吸い取ってくれるモノを選びましょう。
手袋
山歩きであると安心なのが手袋です。岩場など慎重に進むエリアでは直接硬い岩に手をおいたり、転倒した際はとっさに手をつくため、素手だと何かと危険です。また、雨を直接受け続けると手がかじかんで指の感覚がなくなるので、手袋は忘れずに用意しましょう。
帽子
日差しが強い時期にはツバが広いハットタイプがおすすめ。直射日光を遮り、紫外線対策にもなります。帽子の中は熱がこもるので通気性に優れたモノを選びましょう。冬は保温性が高いニット帽がおすすめです。
登山靴は目的に合わせて最適な一足を
デコボコの山道やゴツゴツした岩場を歩くには、ソールが硬く安定感があり、足首をしっかりホールドしてくれる登山靴がおすすめです。ひとことで登山靴と言っても、ローカット、ミドルカット、ハイカットとタイプもさまざま。トレッキング用やハイキング用、本格登山用まで、目的に合わせて最適な一足を選びましょう。
サイズはつま先が当たらないよう1~1.5cm大きめのサイズを選ぶようにしましょう。
トレッキング用
ソールがやや硬めで、足首部分がしっかりホールドできる、一般的な登山道におすすめのシューズです。
ハイキング用
ソールや足首部分が柔らかくつくられている、整備された登山道におすすめのシューズです。ソールや足首部分が柔らかいため急斜面の歩行には適していません。
アルパイン用
ソールの安定感と足首のホールド感に加え、防寒・保温・断熱性に優れた、雪山での長期縦走のためにつくられたシューズです。
登山用リュックは体にフィットするモノを
山に行くときに欠かせないのが登山用リュックです。タウンユースのリュックとのいちばんの違いは、背負ったときのフィット感の良さ。重い荷物を背負って長時間歩くため、できる限り体に負担がかからないように設計されています。
また、背中にフィットするよう装備された背面パッドには、背中が発する汗による蒸れを防ぐ効果も。さらに、荷重を支えるウエストベルトや荷物を安定させるチェストベルトを採用。随所に設けられた大小さまざまなポケットも登山用リュックの特徴と言えます。
リュックの大きさの目安ですが、日帰りで30L前後、1泊で40L前後のモノを選びましょう。
春夏秋冬、季節ごとの山歩きを楽しむ服装
春夏秋冬、一年を通して山はいろんな表情を見せてくれます。山デビューするなら、過ごしやすく新緑がまぶしい5~6月上旬や、紅葉が美しい9~10月下旬がおすすめですが、夏には夏の、冬には冬の魅力があります。
そこで、それぞれの季節を快適に過ごす、季節に合わせた服装を紹介します。
春
通気性と透湿性の良い化繊素材のTシャツなどをベースレイヤーに、ミドルレイヤーは長袖シャツやロングスリーブなどを合わせます。アウターレイヤーはこの時期、ソフトシェルジャケットがおすすめです。
夏
夏はとにかく汗をかくので汗をすばやく外に逃がしてくれる、速乾性に優れた化繊素材の半袖をベースレイヤーとして着込み、ミドルレイヤーには吸水性が高いポリエステル素材のモノを。ポリエステル素材のウェアは紫外線を防止する効果も期待できます。
この時期のアウターレイヤーには雨対策としてレインウェアを用意しておきましょう。
秋
初秋は春と同じようなウェアでOKですが、本格的な秋を迎えたらミッドレイヤーには保温性が高いフリースや薄手のダウンを着込みましょう。アウターレイヤーには、防水・防風・透湿性を備えたモノを。低地は秋でも、山の上はすでに冬の気配がすることもあるのでご注意を。
冬
冬登山の服装で重視したいのが保温性と吸湿速乾性です。保温性の高いダウンなどを着ていると、動いているときに大量の汗をかきます。かいた汗が残っていると、休憩時に体を冷やす要因となるため、冬の登山服には保温性と吸湿速乾性がマスト。アウターレイヤーは、防水・防風・透湿性を備えたモノを選びましょう。
ウェア以外にも備えておきたい便利アイテム
続いて、山歩きをサポートしてくれる便利アイテムと、いざというときのために備えておきたいアイテムを紹介いたします。
ヘッドランプ
予期せぬトラブルであたりが暗くなってきた。こんなときに備えて用意しておきましょう。ヘッドランプは両手をフリーにできるので、作業もしやすく歩行時も安全です。
サングラス
紫外線は標高が高くなるほど強くなり、山での紫外線対策は絶対です。国内でのピークは7~8月ですが、晴天でも曇天でも量に違いこそあれ紫外線は一年を通して存在します。サングラスは、フレームは軽く顔にフィットするものを、レンズは紫外線カットされた明るめのモノを選びましょう。
タオル・手ぬぐい
汗を拭いたり、雨などの水滴を拭き取ったりするタオルは、化学繊維が使用された速乾性の高いモノがおすすめです。化学繊維が使用されたタオルは、速乾性以外にも、抗菌・防臭や汚れが落ちやすいといったメリットがあります。
地図・コンパス・GPS
地図やコンパスも登山の必需品です。地図は登山の事前準備としてその山をイメージしておくのにも役立ちます。そして、迷ったときは地図とコンパスでルートを再確認しますが、自分のいる現在地がわからないというのはよくあるケース。
そこで便利なのがGPSです。スマホのアプリでもGPS機能が使えるモノがありますので、インストールしておくと便利です。
救急用品
山ではトラブルがつきもの。もしもの事態に備えて救急用品も用意しておきましょう。
(用意しておきたいモノ)
- 消毒液
- 綿棒
- 絆創膏
- 綿ガーゼ
- テーピング
- 爪切り
- トゲ抜き
- ハサミ
- 緊急ホイッスル
- ポイズンリムーバー
時計
現時刻を知ることはもちろん、コースポイントの通過時刻や到着時刻を予測することで遭難の回避にもつながります。なかには、「高度計」や「コンパス」などの機能を搭載した登山用の時計もあります。
携帯電話
万が一、遭難したときの連絡手段として携帯電話やスマホは持っていきましょう。スマホの場合、通話以外にも「地図」や「コンパス」、「GPS」など山で役立つアプリの使用も可能です。
行動食
ちょっとした休憩時に手軽に栄養補給ができるモノがおすすめです。
(例)
- チョコレート
- ナッツ類
- ようかん
- ドライフルーツ
- アメ
など
日焼け止め
山は思いのほか紫外線が強いため、顔を中心に日焼け止めクリームを塗るようにしましょう。
害虫対策も忘れずに!山では吸血生物にご注意を
ヤマビルやマダニなど、山には山ならではの害虫も潜んでいます。なるべく肌を露出させないのはもちろんのこと、虫除けを活用して万全の状態で臨みましょう。特にマダニはSFTSなどといった感染症の恐れもあるため十分な注意が必要です。
フマキラーでは、マダニを退治するさまざまな殺虫剤を取りそろえています。「ダニフマキラー」はダニの駆除だけでなく、しっかり予防もできます。家族みんなで使えるやさしいミストタイプの虫よけ「天使のスキンベープミスト プレミアム」もマダニに効果を発揮します。
店員さんのアドバイスをよく聞いて、用途や自分に合ったモノを選びましょう!
機能性に優れたオシャレなウェアや、山で役立つ便利アイテムなど、お店でアレコレ選ぶときから、すでに登山の楽しさは始まっています。
どんなウェアを選ぶかは、山での快適さを左右する重要なポイントとなりますから、登山の専門店などで店員さんのアドバイスをよく聞いて、用途や自分に合ったアイテムを揃えましょう。
これから山デビューされる人は、ぜひとも十分な知識と装備を持って、山へお出かけください。