落語、講談、漫才・・・寄席のはじまり

このところ人気の若手落語家や講談師が登場し、日本の演芸界を賑わせています。こうした落語家や講談師が登場し、いつでも楽しむことができるのが「寄席(よせ)」と呼ばれる常設の演芸場です。

寄席では落語や講談の他にも漫才、漫談、手品、紙切りなどさまざまな芸を見ることができます。
今回は、日本の伝統的な演芸を楽しむことができる寄席についてご紹介します。

寄席のはじまり

寄席は、江戸時代に町辻や神社、寺の境内などで講談や落語が催され、観客を寄せ集めることから、人寄せ場という意味でこれを寄せ場といい、さらに略して寄せと言うようになりました。「講釈場(こうしゃくば)」「寄せ席」「寄せ場」などが語源となり、常に演じられる定席(じょうせき)としてできた興業場のことを寄席と呼ぶようになりました。

初めて大掛かりな寄席が開かれたのは、寛政10年(1798年)、江戸下谷にある下谷神社の境内で、もとは櫛職人であった初代三笑亭可楽(さんしょうていからく)によって開かれた寄席興業と言われています。
当時、寄席では講談や落語のほか、浄瑠璃、小唄、手妻(てづま)、説教、歌祭文(うたざいもん)、ものまねづくしなどの演芸が流行りました。

現在、東京にある常設の寄席として有名なのは、鈴本演芸場(東京・上野)浅草演芸ホール(東京・浅草)、新宿末廣亭(東京・新宿)、池袋演芸場(東京・池袋)の4カ所です。

落語家の階級

江戸時代は講釈が主演目でしたが、江戸庶民の中で落語の人気が出てきてからは寄席と言えば、落語が主演目となりました。
寄席の最後の演目は落語が決まりで、最後に登場する落語家をトリをとる、トリをつとめると言います。

落語家には階級があり、階級の低い落語家は寄席では裏方として重要な役割を担っています。
ここでは落語家の階級をご紹介します。

前座見習い

師匠が入門を許可すると、前座見習いとなります。見習いになった弟子は、師匠宅に通いや住み込みで、師匠が出かける際には師匠のかばん持ちや師匠宅の雑用の仕事をやりながら、その間、着物の着方やたたみ方、太鼓などの鳴り物の稽古など基本的なことを身に付ける修業を積みます。

前座

基本的なことがある程度できるようになると、師匠から楽屋入りすることが許可され前座となります。寄席のプログラムの中で一番前に高座へ上がることから前座と呼ばれます。

前座は、前座見習いの仕事の他に、楽屋では掃除やお茶の用意、その日出演する芸人のめくりを揃えたり、他の出演者の道具の準備などをします。開演前には太鼓などの鳴り物の演奏や「開口一番」という最初の一席もつとめます。

二つ目

二ツ目とは、寄席のプログラムで二番目に高座へ上がることから二ツ目と呼ばれます。
二ツ目になると、師匠宅や楽屋での雑用はなくなり、着物も紋付羽織、袴を着ることができるようになります。二つ目となると自由度は増えますが、師匠から自立して自分で落語会を開催したり、仕事を探さなくてはなりません。

真打ち

二ツ目を約10年つとめると、最後の階級の真打ちになります。

真打ちは、寄席のプログラムで一番最後に出演するトリをつとめることができるようになり、「師匠」と呼ばれ弟子を取ることもできます。真打ちの語源は、昔の寄席の高座にはろうそくが立っていて、寄席が終わると最後の出演者がろうそくの芯を打つ(切って消すこと)ことをしたために「芯打ち」といわれ、縁起を担いで「芯」を「真」に替えて真打ちとなったと言われています。

主な寄席用語

席亭(せきてい) 寄席の運営者や経営者。
定席(じょうせき) 一年中無休で演芸が開催される寄席。
木戸銭(きどせん) 入場料。
高座(こうざ) 落語や講談などの演芸が行われる舞台。
香盤表(こうばんひょう) 芸人の序列順が書いてある進行表。
ネタ帳 楽屋でその日に出た演芸の題名を書く帳面。後から出る芸人はネタ帳を見て、演目が重ならないように自分の演目を決める。
めくり 出演者の名前を書いた紙。高座の下手に置かれることが多い。
色物 落語以外の演芸。昔は落語は黒、その他は朱墨で演題を書いていたため、その名残。
トリ 最後に高座に上がる芸人。主任とも言われる。
まくら 落語で本題に入る前の導入となる話。
さげ・おち 落語の最後の肝心なせりふ。

寄席では落語をはじめ、漫才、漫談、手品、紙切りなど普段あまり見ることができない日本の伝統芸能にふれることができます。寄席は出入りも自由なので、自分の都合
に合わせて出掛けることもできます。

寄席の空間はいつも笑いにあふれているので、さえない時には気分もすっきりとなり、そのうち御贔屓(ごひいき)の芸人さんが見つかると、寄席に行くのが楽しみになるかも知れません。

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