2018年9月20日 | お役立ち情報
食費の平均はいくら?家族の人数別 (世帯別) 1ヶ月の食費と節約のコツ
「1人暮らしだけど食費がかかりすぎる」「子どもがよく食べるから食費が…」といったように、食費の問題はいつの時代もよく取り上げられています。
他の家庭の食費も聞いてみたいという方は多いですが、食費のみを聞く機会はなかなかありませんし、何より聞きづらいと感じる部分もあります。
そこで今回は家族の人数別(世帯別)に見た1ヶ月の食費平均および食費節約のコツを解説します。現在、食費の悩みを抱えている方は必見です。
総務省統計局の調査データを参考に1ヶ月の食費をチェック
総務省統計局では世帯別に見た1ヶ月の食費平均データを公表しています。まずはこの調査データを参考にして、世帯別の食費平均を見てみましょう。
世帯人数 | 1ヶ月の食費平均 (外食費・酒類代込み) |
---|---|
単身世帯 | 3万9,808円 |
総世帯(平均2.35人の世帯) | 6万2,248円 |
2人以上の世帯(平均2.99人の世帯) | 7万2,934円 |
【参考サイト】総務省統計局「家計調査報告 (家計収支編) 平成28年 (2016年) Ⅲ 総世帯及び単身世帯の家計収支」
単身世帯、総世帯、2人以上の世帯の定義は以下のようになります。
- 単身世帯・・・1人暮らしの世帯
- 2人以上の世帯・・・単身世帯(1人暮らし)を除いた世帯の家族構成人数平均値 (2016年は日本全体で2.99人)
- 総世帯・・・単身世帯(1人暮らし)も含めた世帯の家族構成人数平均値 (2016年は日本全体で2.35人)
上記の表を参考にすると、やはり1ヶ月の食費が最も安く収まるのが単身世帯となり、世帯人数が増えていくと、それに比例して1ヶ月の食費も高くなります。
ちなみに上の表には外食費と酒類の費用も含まれています。この外食費と酒類代を抜いた1ヶ月食費平均は以下のようになります。
世帯人数 | 1ヶ月の食費平均 |
---|---|
単身世帯 | 2万6,681円 |
総世帯(平均2.35人の世帯) | 4万7,810円 |
2人以上の世帯(平均2.99人の世帯) | 5万7,872円 |
世帯人数ごとの1ヶ月食費平均を解説
前述の総務省統計局の調査データでは単身世帯の1ヶ月食費平均が約2万7,000円、2人以上の世帯(約3人の世帯)の1ヶ月食費平均が約5万8,000円となります。
このデータを踏まえるとあくまでもおおよそですが、家族が1人増えると食費も約1万5,000円増える計算になります。この計算式を使って世帯人数ごとの食費をまとめましたので、以下をご覧ください。
世帯人数 | 1ヶ月の食費平均 (外食費・酒類代は含まず) |
---|---|
単身(1人暮らし) | 2万6,681円 |
2人 | 4万1,681円 |
3人 | 5万6,681円 |
4人 | 7万1,681円 |
5人 | 8万6,681円 |
6人 | 10万1,681円 |
以上が世帯人数別に見た1ヶ月の食費平均となります。上記の表と現在、実際にかかっている食費を見比べてみて、明らかに平均より上回っている家庭は食費の見直しを図ったほうがよいといえるかもしれません。
あなたは食費の節約ができている?エンゲル係数を使って確認してみよう
「うちの家庭は食費の節約ができているのか?」という疑問を解決するには、エンゲル係数を用いるとよいでしょう。家庭科の授業でも習った覚えがあると思いますが、エンゲル係数とは食費にかかるお金が消費支出(家計)の何%を占めているかを表す数値です。エンゲル係数は以下の計算式で求めることができます。
・食料費÷消費支出×100=エンゲル係数
食料費は文字通り料理を作るのに必要な米、パン、魚、肉、野菜、調味料などの食材にかかったお金のことです。そして消費支出とは可処分所得(実収入-社会保険料・税金等=可処分所得)の中で、1ヶ月に実際に使ったお金のことを指します。
具体的には家賃、光熱費、食料費、医療費などが該当します。ちなみに貯蓄やローン、借金の返済額は消費支出には含まれないため、計算するときには注意しておきましょう。総務省統計局がまとめた世帯別のエンゲル係数は以下のようになっています。
- 単身世帯・・・25.1%
- 総世帯・・・25.7%
- 2人以上の世帯・・・25.8%
終戦直後などの日本はエンゲル係数が60%を超えるなど、食費にかかる割合は非常に高いものでした。
それから高度経済成長期などの時代を迎え、人々の生活が豊かになるにつれて、エンゲル係数も下がっていき、現在では1ヶ月にかかる食費の割合は平均で1/4、約25%~26%となっています。
このような理由から現代社会でエンゲル係数が26%を超えている家庭は、食費がかかりすぎている可能性があるといえるでしょう。
要注目!食費を節約するコツを徹底解説
1ヶ月にかかる食費を計算して「高い!」と感じている家庭も多いのではないでしょうか。食費を節約するには複数のコツがあります。ここでは食費節約のコツをまとめましたのでご紹介します。
基本は自炊に徹する
節約の基本中の基本ですが、基本は自炊に徹するようにしましょう。特に1人暮らしの方にありがちなことですが、昼食や夕食を外食で済ませてしまうことはよくあります。
ここで先ほどの総務省統計局のデータを参考に外食費を含んだ食費と、外食費を含まない食費を見比べてみましょう。
- 単身世帯・・・3万7,837円(外食費含む)・2万6,681円(外食費含まない)
- 総世帯・・・5万9,498円(外食費含む)・4万7,810円(外食費含まない)
- 2人以上世帯・・・6万9,814円(外食費含む)・5万7,872円(外食費含まない)
※すべての世帯で酒類代は含まず
どうでしょうか?総務省統計局の調査では毎月の外食費は全世帯で約1万円ということがわかっています。
自炊は節約すれば1食300円~400円(1人前)ほどで作ることができますが、外食は低価格を売りにしている店舗でも500円~1,000円前後(1人)はかかってしまいます。
このような理由から現在外食中心の生活になっている方は、できるだけ自炊に切り替える努力をしてみましょう。
昼食、夕食どちらも外食で、自炊をする時間がないという方も、仕事が終わった後の夕食だけは自炊をするように心がければ、食費カットを実現できるはずです。
買い物は1週間に1回のまとめ買いが基本
毎日仕事終わりにスーパーへ足を運んだり、休日は家族みんなで食材の買い出しなどに出かける家庭は多いです。しかし、1週間のうちに何度も買い物に出かけるパターンは食費がかさむ原因となります。
その主な理由としてはスーパーなどへ行くと必ず「これ安い」「あれも安い」となり、余計なものまで購入してしまうからです。
商品を見ることがなければ、そのような状況にはならないため、食材の買い出しは1週間に1度と決めて、まとめ買いをするようにしましょう。
まとめ買いで失敗しないコツは買い物メモを作成することです。事前に購入するものをメモしておけば、購入点数が多くなるまとめ買いでも買い忘れを防ぐことができます。
5日~7日分のメニュー(献立)を事前に決めておく
毎日買い物に行くのであれば、スーパーなどで食材を見ながらその日の献立を決めることができますが、まとめ買いではそれができません。そのため、事前に5日~7日分のメニュー(献立)を決めておきましょう。
先にメニュー(献立)を決めておくことで、まとめ買いをする際に余分なものを購入する必要がなくなりますし、どの食材をどれくらい揃えればよいかという点も把握することができます。
1人で5日~7日分のメニュー(献立)を決めるのは大変という家庭は、家族に意見を求めてもよいでしょう。
1週間単位の食費予算を決める
まとめ買いや自炊を心がけるようにしても予算を決めておかなければ、不要なものまで購入してしまう可能性が高くなります。そのため、買い物に行く前にあらかじめ1週間分の食費予算を決めておくようにしましょう。
単身世帯の1ヶ月の食費平均は2万6,681円ですから【2万6,681÷4週間(1ヶ月)=6,670円】となります。
この食費はあくまでも平均値ですから、少し余裕を持たせて1週間7,000円でもよいですし、食費にあまりお金をかけないという方であれば1週間6,000円を食費予算にしてもよいでしょう。
もちろん食費の大幅カットを目指す家庭であれば、厳しめの予算に設定してもかまいません。ただし、その場合は毎日のレシピなどをかなり工夫する必要がありますので、慣れるまでは少し余裕を持った予算に設定しておくことを推奨します。
低価格で使い勝手がよい食材を選ぶ
食材を購入するときは低価格でどのような料理にも合う使い勝手のよいものを選ぶようにしましょう。使い勝手のよい食材を購入しておくことで、仮に材料切れなどを起こしても、その食材で代用することができます。
また保存期間が長い食材を選ぶのもおすすめです。1週間分の食材をまとめ買いするときの不安点は、食材の傷みです。
日持ちの悪い食材であれば、1週間待たずに傷んでしまう可能性が高いですが、傷みの進行が遅い食材なら安心して保存しておくことができます。以下に使い勝手のよい便利な食材をまとめておきましたので、買い物の際に参考にしてください。
- 野菜・・・キャベツ、じゃがいも、玉ねぎ、ニンジン、大根、ほうれん草など
- 肉・・・鶏むね肉、鶏もも肉、ひき肉など
- その他・・・納豆、卵、牛乳、豆腐、ヨーグルト、ホットケーキミックスなど
旬の食材を活用する
たけのこ、じゃがいも、玉ねぎ、キュウリ、トマトなど、食材には「旬の時期」というものがあります。食費を節約したい方は、このような旬の食材を有効活用しましょう。旬の食材が食費節約に役立つ理由は「安い」からです。
季節外れの食材の場合、ハウス栽培や遠方からの輸送、肥料の大量使用などの影響で価格が高騰します。
しかし、旬の食材は人が手間や費用をかけなくても育ちやすいため、低価格での販売が可能となります。また旬の食材というぐらいですから、大量購入も可能であり、万が一レシピに困ったときなども大いに活躍してくれます。
PB(プライベートブランド)を活用する
近年、食費を節約したい方たちに注目されているのがPB(プライベートブランド)の商品です。PB(プライベートブランド)の最大のメリットは、食品メーカーが製造する商品よりも価格が安い点にあります。
PB(プライベートブランド)商品は企画や製造をすべて自社で行っており、余計な中間コストがかかっていないため、低価格での販売を可能にしています。
食品のジャンルはPB(プライベートブランド)商品の数も多いため、食費節約を目指す方は積極的に購入していきましょう。
業務用の食品スーパーを活用する
「量が多くて安い商品」を狙うなら、業務用の食品スーパーに足を運ぶのもよいでしょう。業務用の食品スーパーとは文字通り、飲食店などを業務している人向けの業務用食材が販売されている店舗のことです。
このように聞くと業務用のスーパーは一般の人は購入できないと思われがちですが、どのような人でも利用することができます。
業務用のスーパーの商品の特徴は1個、1個がビッグサイズであり、かつ価格が安い点にあります。業務用のスーパーは買い手が業者中心であり、一度に仕入れる商品の量も膨大になります。
まとめて大量の商品を仕入れることで、仕入れ単価も安くなるため、価格も下げて販売することが可能となります。
業務用のスーパーで失敗しない買い物のコツは「賞味期限がある程度長いものを選ぶ」ことです。前述のように販売されている商品はサイズが大きいため、一般家庭では使い切るのに日数を要する可能性があります。
賞味期限までに使い切れず、最終的には捨ててしまうシーンも考えられるため、日持ちしない食材などは一般のスーパーで購入するようにしましょう。
コンソメやかつおだしといった粉末調味料、パスタやうどんなどの乾物麺などは賞味期限が比較的長く、業務用のスーパーで購入するには適しています。
食材の保存方法を工夫する
特売日に食材をまとめ買いしたものの、結局使い切れずにゴミ箱へ捨ててしまうという家庭は多いです。食費節約はまとめ買いがひとつのカギを握っていますから「いかに食材を長持ちさせることができるか」という点も意識しておかなければなりません。
食材の保存方法でおすすめしたいのが冷凍保存です。冷凍保存は冷蔵保存よりも長持ちしやすいため、肉や魚など日持ちしない食材の保存にも適しています。冷凍保存するときのコツは少々面倒でも小分けにすることです。
具体的には肉であれば1回で使う分量ごとに分けてラップでくるむ、魚はキッチンペーパーなどで水気を取り除いてから一切れずつラップでくるむと生臭さも気になることはありません。
キャベツやレタスなどの野菜は芯の部分をくり抜いて、そこに水分を含んだキッチンペーパーを詰め込むことで長持ちするようになります。
家族にも協力をお願いする
食費節約を目指すと決めたら、自分だけではなく家族にも協力してもらいましょう。具体的には「今月から外食を減らす」「おやつは100円以内のものを買う」などが挙げられます。
1人暮らしの方であれば、自分が節約すれば必然的に食費も減りますが、複数の家族がいる家庭の場合は全員が食費節約という意識を持って行動しないと、思うような結果を得ることはできません。
「私は節約を頑張っているのに、旦那が外食に行きたいといってくる」「子どもが高いお菓子ばかりを買い物カゴに入れてくる」といったことがないように、事前に家族全員に食費節約をしたい旨を伝えておきましょう。
食費節約はちょっとした工夫で達成できる!
私たち人間は食事をしないと生きていけないため、食費というのはほとんどの人が共感できる問題でもあります。しかし、食費は光熱費(電気、ガス)などと比べると比較的節約しやすいジャンルでもあり、ちょっとした工夫で目標を達成できることも多々あります。
買い物に行く頻度、1週間分のメニュー(献立)や予算の設定、PB(プライベートブランド)商品や業務用の食品スーパーの活用など、複数のテクニックを駆使して食費節約を成功させてみましょう。