休み明けの体調不良の原因とは?なぜ起こるのか仕組みと解消方法を解説

休み明けの体調不良の原因とは?なぜ起こるのか仕組みと解消方法を解説

休日に家族や友達と一緒に出掛けたり、昼寝などをして過ごす方は多いですよね。このような休日の生活はある意味「夢の時間」ともいえるものですが、一転して休み明けの翌日になると体調不良を訴える方が続出します。

なぜ休み明けに体調不良を起こす方が増えてしまうのか?今回は休み明けの体調不良の原因、対策、解消方法などを解説します。

休み明けの体調不良は具体的にどんな症状が現れる?

通常休み明けというのは体力も回復し、万全な状態で仕事や家事に取り組める日でもあります。ところが休み明けに体調不良を訴える人というのは少なくありません。多くの人が休み明けに感じる症状は以下のとおりです。

  • だるさ
  • 眠気
  • 食欲不振
  • 集中力低下
  • 憂鬱

ご覧のように疲労が蓄積された状態でよく見られる症状と似たようなことが、休み明けの体にも起きています。不思議なのは休日に思う存分睡眠をとったはずなのに眠気や集中力低下といった症状が起きることです。

この眠気、集中力低下などの影響によって、休み明けの仕事の作業効率が良くないという方も多いです。休み明けの体調不良は社会人であれば一度は誰もが通る道であり「何とかしたい」という声もよく挙がっています。

休み明けの体調不良の原因とは?

休み明けの体調不良の原因とは?

休み明けの体調不良を解消するには、まず原因を突き止めなければなりません。ここでは休み明けに襲ってくる体調不良の原因を解説します。

体内時計の乱れ

平日は仕事や家事の関係で、朝早くに起床するといった生活パターンになっている方は多いです。このような方たちは「せめて休日ぐらいはゆっくり寝よう」ということで、週末の朝寝坊をしやすいです。

睡眠の専門家の多くはこの週末の朝寝坊こそが、休み明けの体調不良を招く原因だといいます。私たち人間の体には約24時間周期の体内時計が備わっており睡眠、覚醒、ホルモン分泌などさまざまな働きを調整しています。

平日は規則正しい早寝早起きをしているため、体内時計は常に正常な状態を保っています。ところが休日の夜ふかし、朝寝坊などによって起床時間や就寝時間にズレが発生すると、これをきっかけにして、体内時計が乱れ、時差ボケのような状態を招くことになります。

このような時差ボケは「社会的時差ボケ」ともいわれており、近年睡眠研究者の間でも注目されています。社会的時差ボケによって招く主な症状は「眠気」「食欲不振」「集中力低下」などです。

これらの症状は先ほど取り上げた休み明けに見られる主な症状とぴたりと一致しています。このことから休み明けの体調不良の主な原因は休日や週末の夜ふかし、朝寝坊が大きく関係しているといってもよいでしょう。

社会的時差ボケを引き起こす典型的な例が夜勤などの交代勤務です。交代勤務者は睡眠障害、肥満、高血圧、糖尿病、うつ病などのリスクも高まることがわかっています。

また世界保健機関(WHO)の下部組織にあたる国際がん研究機関では、交代勤務は「人に対する発がん性があると考えられている」というレベルに分類されています。

食生活の乱れ

週末や休日になると食生活にも変化が現れることがあります。具体的には家族で外食をしたり、友人や知人とお酒を飲みに行くなどが挙げられます。このような休日ならではの食事やお酒はとても楽しいため、ついつい食べすぎや飲みすぎを起こしてしまいます。

食べすぎや飲みすぎによって招く弊害は胃の機能低下です。胃の機能低下が起きると、食事などで摂取した食べ物がなかなか消化しきれなくなるため、長時間に渡って胃もたれやお腹がつっぱる感じ(膨満感)が続くことになります。

また週末や休日は摂取する栄養素に偏りが見られやすく、その結果、休み明けに風邪などの症状を訴える方もいます。ちなみに胃の機能低下は肩、背中、腰などのこりの原因にもなります。

ストレス

アウトドア派の方はもちろんのこと、インドア派の人も平日と休日では1日の過ごし方も異なることが多いでしょう。具体的には休日はレジャーを楽しむ、食事を楽しむ、寝るのを楽しむなどが挙げられます。

このような行動は平日の生活では絶対にできない、いわば「非日常的な生活」といえます。非日常的な生活を送ることで、平日に蓄積されたストレスも発散できるため、一見すると休み明けは万全な状態になると思われがちです。

ところが休み明け前日の夕方から夜になると「明日からまた仕事か…」「また朝早い生活を送るのか…」「今日はもう早めに寝ないと…」といった憂鬱な感情が強くなります。この「元の生活に戻らなければならない」というストレスから、体調不良を訴える方も出てきます。

「ストレスは万病のもと」という言葉があるように、人は大きなストレスを受けると不安感、気分が落ち込む、集中力の低下、疲れやすいなどさまざまな症状を引き起こすことがわかっています。

日曜日の夜や月曜日の朝に非常に憂鬱な気分に陥る「ブルーマンデー症候群(サザエさん症候群)」も同じような環境から起きるものです。休日の非日常的な生活をした後に、現実社会(平日)へ気持ちを切り替えるのは、それぐらい体力や精神力を使うということです。

休み明けの体調不良を解消する方法

休み明けの体調不良を解消する方法

ここでは休み明けの体調不良を解消する方法を解説します。

起床後に太陽の光を浴びる

朝起きたときに太陽の光を浴びる方法は、健康な体を作る方法などでも推奨されています。まず起床後に太陽の光を浴びるメリットですが「体内時計がリセットされる」という点にあります。

目の中に光が入ることで、その光が網膜視床下部路を通り、脳の視交叉上核に伝わります。この作用によって光の刺激が脳にインプットされ、体内時計は正しいリズムを刻むことができます。

休日の夜ふかしや朝寝坊は体内時計の乱れを引き起こし、眠気やだるさの原因にもなります。

起床後に太陽の光を浴びることで、休日に乱れた体内時計を整える効果が期待できるため、休み明けでも体調不良にかかることなく仕事や家事に取り組める可能性が高くなります。

ちなみに最近の研究結果では、私たち人間の体内時計は24時間ぴったりではなく、24時間+αということがわかってきました。つまり規則正しい生活をしていても体内時計は少しずつズレてくるということです。

このわずかな体内時計のズレを修正してくれるのも太陽の光となります。そのため、休み明けに関わらず、太陽の光は毎日浴びたほうがよいといえるでしょう。

また太陽の光によって体内時計がリセットされると睡眠ホルモンのメラトニンの分泌がストップします。

そしてこのメラトニンは約15時間後に再び分泌され、体の休息モードを作ってくれます。規則正しいメラトニンの分泌リズムも良質な睡眠を得る効果が期待できますので、健康的な体を整えることができます。

朝食をしっかり食べる

体内時計をリセットするには朝食を食べることも効果的です。朝食を食べることで血糖値を下げるインスリンが分泌されますが、この作用によって体内時計がリセットされます。

つまり朝食には太陽の光を浴びるのと同じように「眠りの体→活動の体」に変化させる効果が期待できるということです。

また栄養バランスの整った朝食をしっかりと摂取することで、脳にも十分なエネルギー源が行き渡るため、休み明け特有の集中力低下による凡ミスなども減らすことができます。

朝食のメニューですが、基本的にご飯やパンなどの炭水化物(糖質)、魚や納豆などの良質なタンパク質、野菜などの食物繊維など栄養バランスが整うように意識しましょう。

ちなみに魚の脂にも体内時計のリセット効果があります。このような理由から休み明けの体調不良を解消するには「ご飯」「みそ汁」「魚」「納豆」などの和風のメニューはおすすめといえるでしょう。

休み明けの体調不良を防ぐには休日の過ごし方も大切

休み明けの体調不良は起床後の太陽の光と朝食によって緩和することが可能です。これに加えて休日の過ごし方もちょっとした工夫を取り入れることで、休み明けの体調不良を防ぐことは十分に可能です。

ここでは休み明けの体調不良を防ぐために、休日に意識しておきたいポイントをご紹介します。

休日最終日は平日と同じ時間に起床し、就寝する

休日は仕事などのことを考えなくてもよいため、どうしても朝寝坊をしてしまう人が多いです。しかし、休日の夜ふかしや寝溜めは体内時計の乱れを引き起こす原因にもなります。

これを防ぐにはやはり休日でも平日と同じ時間に就寝、起床するといった工夫が必要になります。特にこの点を意識しておきたいのは休日最終日です。

休日最終日に休みだからといって昼過ぎまで眠ってしまうと、夜になかなか寝付けなかったり、夜中に目が覚めてしまいやすくなります。その結果、十分な睡眠時間が確保できなくなり、休み明け初日の朝に体調不良を訴えることが多くなります。

睡眠の専門家の多くは「休日の寝溜めは平日の起床時間プラス2時間を限度に」といいます。平日の起床時間の2時間以内に起床すれば、体内時計を正常に戻すのはそう難しくありません。

休日最終日は「休み明け初日の体を万全な状態にする日」と割り切って、できるだけ平日と同じ生活リズムをとるようにしましょう。

屋外での適度な運動

平日は仕事などがあるため、自律神経系の交感神経のスイッチがONになっています。交感神経は俗に「闘争と逃走の神経」とも呼ばれており、主に活動時に活性化するものです。簡単に説明すると「体をやる気状態にさせるスイッチ」ということです。

自律神経系には交感神経の他にもうひとつ、副交感神経という神経があります。副交感神経は交感神経とは真逆の性質を持っており、心身の落ち着きに必要な神経です。

主に食事のときや睡眠時など、リラックスできる時間帯には副交感神経が優位な状態になっています。

そして平日は仕事などの影響で交感神経が活性化している状態ですが、休日になるとダラダラした生活になりがちなため、交感神経OFFの状態が長く続きます。

この交感神経OFFの状態が長く続いた後に、交感神経をONにしようと思っても、すぐに切り替えるのは難しいことです。

つまり休み明けは活動の神経(交感神経)がONに切り替わるのに時間がかかるため、やる気が出なかったり、体調が優れないといったことが起きやすくなっています。これを解消するには休日の最終日に軽い運動(ウォーキングやジョギングなど)を取り入れることです。

仕事前に一度交感神経のスイッチをONにさせておくことで、休み明けでも交感神経が活性化しやすい状態を整えることができます。屋内での軽い運動(ストレッチなど)でもかまいませんが、できれば太陽の光を浴びることができる屋外での運動を行うようにしましょう。

太陽の光は体内時計をリセットする効果が期待できるため、翌日の仕事に万全な状態で行ける体を作ることができます。

ちなみに適度な運動にはストレス解消の効果も期待できるため、ストレスによる休み明けの体調不良防止にもつながる可能性があります。

休み明けの体調不良には病気が隠れている可能性もある?

休み明けの体調不良を防ぐには、休日でも規則正しい生活を送るのが有効です。しかし、中には「休日も平日と同じリズムで生活していたのに、それでも体調が優れない」「休み明けの憂鬱な気分が2週間以上続いている」といった不調を訴える方もいます。

このような休み明けの体調不良が長期化しているケースでは、軽症うつ病を発症している可能性もあります。うつ病とは脳の機能異常によって、抑うつ症状(やる気の低下、気分の落ち込み)や食欲不振、不眠などの症状が現れる病気です。

軽症うつ病の場合は重度のうつ病と異なり、仕事や家事には影響のない範囲で症状が続くといわれています。そのため、周囲はもちろんのこと、本人すら病気だと認識していない可能性が高いです。

休み明けの憂鬱な気分や体調不良は通常数日(早い人なら1日)~1週間ほどで治まることが多いです。もし休み明け後の体調不良が2週間以上続くのであれば、一度心療内科を受診することをおすすめします。

休み明けの体調不良は規則正しい生活で吹き飛ばそう!

休み明けの体調不良は規則正しい生活で吹き飛ばそう!

休み明けの体調不良の原因は「休日と平日の生活リズムの違い」であることが多いです。私たちは休みの日になると気分がワクワクするため、ついつい不規則な生活を送りがちです。

この休日の不規則な生活のツケが休み明けに回るため、体調不良を引き起こすことになります。

休日には多くの楽しみがありますが、休み明けの体調を万全にするために「良質な睡眠」「栄養バランスの整った食事」「適度な運動」などを意識しておくとよいでしょう。現在、休み明けの体調不良で悩まされている方はぜひ参考にしてください。

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