中秋の名月(十五夜)の意味とは?月見団子などのお供え物をする理由や由来

中秋の名月(十五夜)の意味とは?月見団子などのお供え物をする理由や由来

美しい月を眺めながら、月見団子などを食べる行事「中秋の名月(十五夜)」。秋の代表的な行事のひとつでもあり、日本では当たり前の行事でもあるため、多くの人は中秋の名月について深く考えたことはないかもしれません。

しかし、中秋の名月にはさまざまな意味や願いが込められています。中秋の名月の由来やお供え物に関する知識を深めると、さらにお月見が楽しくなることでしょう。今回は中秋の名月の意味、月見団子などのお供え物をする理由などを解説します。

中秋の名月(十五夜)の意味

中秋の名月(十五夜)とは文字通り「中秋に見ることができる美しい月(満月)」のことを指します。中秋とは旧暦の8月15日を意味する言葉です。旧暦の季節では7月~9月の時期が秋に該当します。

そして8月15日は7月~9月期間のちょうど真ん中、つまり秋の中日なので「中秋」と呼ばれています。

ちなみに満月は1年間のうちに12回~13回ほど見ることができますが、中秋だけ特別扱いされるのは、旧暦の8月が1年の中で最も月が明るく美しいとされているからです。

中秋の名月(十五夜)っていつなの?

子どもを中心に中秋の名月(十五夜)を楽しみにしている家庭は多いですが、ここで疑問なのが「なぜ中秋の名月は毎年日にちが違うのか?」という点ではないでしょうか。以下に2014年から2023年までの中秋の名月の日をまとめましたのでご覧ください。

西暦 中秋の名月(十五夜)の日 曜日
2014年 9月8日 月曜日
2015年 9月27日 日曜日
2016年 9月15日 木曜日
2017年 10月4日 水曜日
2018年 9月24日 月曜日
2019年 9月13日 金曜日
2020年 10月1日 木曜日
2021年 9月21日 火曜日
2022年 9月10日 土曜日
2023年 9月29日 金曜日

※日付はすべて新暦

ご覧のように中秋の名月は毎年見事にバラバラの日になっています。前述のように中秋の名月は、現行の新暦ではなく旧暦によって定められています。

現在使われている新暦は地球による太陽の公転周期(約365.24219日)を基準にしている「太陽暦」です。

一方の旧暦は太陽以外にも月の満ち欠けの周期(約29.53日)を1ヶ月の基準としており、1年は【29.53日×12ヶ月=354.36日】、閏月がある年を【29.53×13ヶ月=383.89日】とする「太陰太陽暦」を用いていました。

その年最初の新月の日を1月1日と定め、次の新月が訪れる29日後もしくは30日後を新しい月(2月1日)とするのが旧暦の特徴です。そして新月から満月になるまでの日数は平均で約14日~15日後となるため、毎月15日頃が満月の日となります。

つまり旧暦の8月15日はその年の8回目の満月の日ということですね。こう考えると中秋の名月は規則的で簡単そうに思えますが、旧暦の日にちを新暦に変換するとまったくバラバラの日になります。

これは新暦においては月の満ち欠けはまったく日にちと関与していないからです。このような理由から新暦が用いられている現代では、中秋の名月の日が毎年異なることになります。

中秋の名月(十五夜)を見てお月見をする由来

秋といえば「お月見!」という方も多いと思いますが、なぜ中秋の名月(十五夜)の日に月を眺める行事が始まったのでしょうか?お月見の由来についてまとめましたので、ご覧ください。

稲の豊作を祈った宴

旧暦の8月15日といえば夏の作物の収穫もほとんど終わり、稲刈りをするまでの手の空く時期でした。そのため、この時期は稲の豊作を祈る祭りが行われており、これがお月見の始まりになったともいわれています。

一説によるとこの時期に行われていた祭りは稲の豊作祈願ではなく、芋類の収穫祭だったともされています。このようにお月見の由来に関しては、複数の説があるため、正確な起源というのはわかっていません。

中国の中秋節が日本に渡来

中秋の名月は日本古来の風習というイメージがありますが、起源は唐時代の中国で始まった「中秋節」ともいわれています。中国人は秋の年中行事として、庭でお茶、お酒、おつまみ、月餅などを楽しみながら、美しい月を眺めていました。

この習慣がやがて日本に伝わり、月餅の代わりに月見団子を食べるというアレンジを加えながら、今に至っています。

ちなみに中秋節は中国語では「団円節」とも呼ばれています。この名称からもわかるように、中秋節は家族団らんのための行事でもあり、また農作業で助け合いながら頑張ってきた仲間の慰労会的な役割も果たしていました。

中秋の名月(十五夜)で月見団子をお供えする理由

中秋の名月(十五夜)で月見団子をお供えする理由

中秋の名月(十五夜)に欠かすことができないお供え物のひとつに丸い団子があります。みなさんもよくご存じの月見団子のことですが、なぜ中秋の名月の日には団子をお供えするのでしょうか?

中秋の名月の日に団子を備えるようになったのは、江戸時代からともいわれています。前述のように旧暦8月15日には「秋の収穫を祈る」「秋の収穫に感謝する」という意味を込めてお祭りをしていました。

そのため、米を粉にし、丸く形成した団子をお月様にお供えするようになったとされています。月にお供え物をする理由については、月は信仰の対象であり、団子を丸くするのは、もちろん月に見立てているためです。

ちなみに月見団子の形ですが、主流は丸型となっていますが、一部の地域(京都など)では、少し細長い形にすることもあります。

これはかつての中秋の名月では里芋をお供えするのが一般的であったため、里芋をイメージした形の月見団子が作られるようになったという説があります。

月見団子の数や並べ方

月見団子をお供えするときの疑問としてよく挙げられるのが「数」と「並べ方」です。まず月見団子の数に関してですが、現在は「15個」「13個」「12個」「5個」の説があります。ここではその数字の意味と並べ方について解説します。

15個

現在、最も主流といわれている数がこの15個です。15個の理由は非常に簡単で、中秋の名月(十五夜)の「十五」にちなんで15個としています。15個の団子の並べ方ですが一段目に9個(3×3)、二段目に4個(2×2)、三段目に2個を盛るようにします。

このときに三段目の団子が正面から見て、1個に見えるように器の向きを調整するようにしましょう。正面から見て団子が2個見えるように置くのは、仏教の法事などにおいての置き方です。

中秋の名月(十五夜)はどちらかといえば、日本の民族信仰として伝えられた神道の行事に近いものがあります。そのため、三段目の団子は1個に見えるように置くのが好ましいとされています。

12個・13個

こちらも中秋の名月(十五夜)では比較的有名な数です。この12、13の数字は「その年に見られる満月の回数」を表したものです。前述のように満月は毎月1回見ることができます。そのため基本的には12個の団子をお供えしていたわけですが、13個になる年もありました。

以前用いられていた太陰太陽暦は月の満ち欠け(周期)で1年の日付が決められていました。ところが太陰太陽暦は太陽暦と比べても1年の日数が約11日ほど少ないため、そのまま放置しておくと暦と季節がズレる現象が発生します。

太陰太陽暦を用いていた時代は、このズレを調整するために「閏月」がある年を作りました。現在の太陽暦でも4年に一度2月29日があります。閏月はこの1ヶ月バージョンと考えてもらうとわかりやすいです。

太陰太陽暦は約3年に一度閏月がある年がやってきます。この閏月がある年は1年間に見られる満月の回数が13回となるため、13個の団子をお供えしていました。

ちなみに日本には中秋の名月(十五夜)の他にも、十三夜がありますが、このときにも13個の団子をお供えします。

12個、13個の団子を用意したときの並べ方ですが、13個の場合は一段目に9個(3×3)、二段目に4個の団子を並べます。12個の場合は一段目に9個(3×3)、二段目に3個の団子を並べるようにします。

5個

中秋の名月(十五夜)だから、15個の団子をお供えするというのは先ほど解説しました。しかし、中には15個の団子を作るのは大変という場合もありますよね。

このような場合は15個を簡略化して5個の団子をお供えするという方法もあります。5個の団子を並べるときは一段目4個、二段目に1個とするのが慣習となっています。

中秋の名月(十五夜)のお供え物リスト

中秋の名月(十五夜)のお供え物リスト

中秋の名月(十五夜)のお供え物は月見団子が有名ですが、実はそれだけではありません。ここでは中秋の名月でお供えする主な食べ物や飾り物をまとめましたのでご紹介します。

里芋・さつまいも・きぬかつぎ

前述のように中秋の名月はもともと芋類の収穫を祝うために行われたという説があります。

このことから中秋の名月は、別名「芋名月」とも呼ばれており、お月見当日は里芋、さつまいもといった芋類の食材をお供えし、月に収穫のお祝いと感謝の意を表します。

この際にブドウなど、ツル性の食べ物を一緒にお供えすると月とのつながりが強くなるともいわれています。

お供えした後の里芋はきぬかつぎにします。きぬかつぎとは、里芋の小芋を皮のまま茹でで蒸し、仕上げに皮を少しむいた料理のことをいいます。

きぬかつぎはそのまま食べてももちろん美味しいですが塩、醤油、味噌などをつけて食べると老若男女が楽しめる味に変化します。

ちなみにきぬかつぎという名前は、平安時代、高貴な女性が外出する際につけていた「衣被ぎ(きぬかつぎ)」が由来とされています。

衣被ぎは顔まですっぽり隠れる衣のことであり、白い顔が衣から少しだけ見える姿が里芋の皮をむいた状態と似ていることから、名付けられたとのことです。

旬の野菜・果物

秋の季節は「味覚の秋」ともいわれるように、旬の野菜や果物が多く収穫されます。中秋の名月は作物の収穫に感謝する行事でもあるため、旬の収穫物をお供えするのが一般的です。

中秋の名月でお供えする主な野菜や果物は、前述の里芋やさつまいもを始め、かぼちゃ、きのこ、栗、柿、ブドウ、梨などがあります。これらの野菜や果物はお供えした後に、家族や仲間で食べることもできるため、味覚の秋を思う存分楽しめるでしょう。

ススキ

全国に広く分布するススキは、日本人にとって最も身近な植物のひとつに該当します。中秋の名月では月見団子と一緒にススキを飾るイメージが非常に強いです。

なぜ中秋の名月ではススキを飾るのでしょうか?実は中秋の名月で飾られるススキは、稲穂の代用として飾られています。

稲穂は本来月の神様の依り代(よりしろ)と考えられています。依り代とは神霊(月の神様)が憑依するもののことであり、稲穂を飾ることで、その実りを連想させ、豊作を祈るというものでした。

しかし、中秋の名月の時期はまだ稲穂が実る前でもあったため、代わりに穂の出たススキを稲穂に見立てて飾ったのが始まりとされています。

地域によってはお月見で飾ったすすきは捨てずに、庭や水田に立てたり、軒先に吊るすこともあります。こうすることで家や田んぼなどを災いから守ってくれるともいわれています。

中秋の名月(十五夜)は必ずしも満月になるとは限らない?

中秋の名月(十五夜)は必ずしも満月になるとは限らない?

1年の中で最も美しい満月を望むことができると知られる中秋の名月(十五夜)ですが、実は必ずしも満月になるとは限りません。これは月が地球の周囲を移動するスピードが一定ではないことが関係しています。

月が地球を周回する軌道は楕円の形をしています。つまり月は地球に近づいたり、遠ざかったりしながら周回しているわけです。そして月は地球の近くを周回しているときはスピードが速くなり、逆に遠くを周回しているときはスピードが遅くなります。

そのため、新月から満月になるまでのスピードが速いと、満月の後に中秋の名月を迎えることになりますし、スピードが遅いと満月の前に中秋の名月が訪れることになります。以下は2010年~2017年までの中秋の名月(十五夜)と満月の日付になります。

西暦 中秋の名月(十五夜)【旧暦8月15日】 満月
2010年 9月22日 9月23日
2011年 9月12日 9月12日(同じ)
2012年 9月30日 9月30日(同じ)
2013年 9月19日 9月19日(同じ)
2014年 9月8日 9月9日
2015年 9月27日 9月28日
2016年 9月15日 9月17日
2017年 10月4日 10月6日

ご覧のように2010年から2017年までの8年間で中秋の名月(十五夜)と満月の日付が一致したのはわずか3回です。

このような事実を知ると、残念な気持ちになる方もいますが、天文学的な分野から見ると、中秋の名月と満月の日付が一致することは少ないです。

豆知識や雑学が好きな方などは、今年の中秋の名月が近づいてきたら、家族や仲間に教えてみてはどうでしょうか。

1年の中で最も月が美しくなる中秋の名月(十五夜)を思う存分満喫しよう!

中秋の名月(十五夜)は稲の豊作を祈る、芋類の収穫を祝う、中国の中秋節が日本に伝わったなど、さまざまな説があります。説によって行事の内容も多少異なってきますが「月に感謝の意を表する行事」には変わりありません。

旧暦8月15日は1年の中で最も月が美しくなる日といわれています。家族や仲間と一緒に月に感謝しながら、月見団子や旬の食材を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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