2018年6月25日 | 動物
猫を留守番させるための準備と注意点!感じるストレスや寂しさへの対策
ペットを飼っていると、避けて通れないのが「お留守番対策」。猫は昔から「留守番に強い」と言われていますが、飼い主がいないとストレスや寂しさを感じています。猫だって、飼い主からずっと放っておかれたら、拗ねたり怒ったりします。
この記事では、猫が留守番で感じるストレスや寂しさについて解説し、安心して留守番させるための準備や対策をご紹介します。
猫も留守番するとストレスや寂しさを感じる
飼い主に愛されて育った猫は、飼い主がいなくなるとストレスや寂しさを感じます。
もともと猫の習性は、単独行動をしてもあまり苦痛を感じない傾向にあります。犬のようにリーダーを決めて群れで行動しなくても生きていけるので、生まれながら1匹でいることに慣れています。
しかし、人に飼われて餌をもらったり遊んでもらったりしていると、誰もいなくなった時に寂しいという感情を抱きます。猫は環境の変化を嫌うので、長く一緒にいる飼い主の姿が見えないと不安になります。
猫にも寂しがり屋の性格がある
猫にもそれぞれ性格があり、甘えん坊な猫や寂しがり屋ですぐに拗ねてしまう猫もいます。単独行動できる習性があっても、飼い主と長く住んでいると人への依存度が高くなります。
留守番させるとき「猫だから1匹でも大丈夫だろう」と思わずに、自分の飼い猫の性格を理解しておくと良いでしょう。
猫は拗ねることもある
猫は、飼い主に放っておかれると拗ねることがあります。拗ねているときの猫の行動は、次のようなものです。
猫が拗ねているときの行動
- 押し入れや部屋の隅っこに隠れる
- 名前を呼んでも無反応
- 怒ったり、攻撃したりする
- 物を落としたり、トイレを散らかしたりする
猫の機嫌が戻るのに決まった時間はありません。優しく接してあげるとすぐに甘えてくるときや、長期間拗ねたままになることもあります。
留守番させて猫が拗ねているときは、家に戻った後に声をかけたり、おもちゃで遊んであげたりして、できるだけ猫と接する時間を長くとるようにしましょう。
「分離不安症」の症状について
寂しさが強くなると、猫も心の病気になる可能性があります。「分離不安症」とは、慣れ親しんだ仲間や人、場所から離れてしまうことで不安を感じる心理学の言葉です。人だけでなく、猫や犬といった動物にも起こります。
猫の場合、分離不安症になると、初期段階では、飼い主に絶えず付きまとったり、ニャーニャーと鳴いたりして飼い主の気を引こうとします。そこから悪化すると、次のような症状になります。
「分離不安症」の症状
【躁(そう)の状態】
- 興奮して落ち着かない
- 鳴き声が大きくなる
- カーテンやテーブルに登って物を壊す
- 攻撃的になる
- 吐いたり、よだれをたらしたりする
【うつの状態】
- 食欲を失い、怯えた姿勢や表情を見せる
- 自傷行為をしてしまう
- トイレ以外の場所でおしっこやうんちをしてしまう
分離不安症の猫を留守番させるときは、暴れても大丈夫なように部屋の片付けや戸締りをしっかりとしておき、飼い主の匂いのするタオルや洋服などを与えると良いでしょう。
ストレスなく留守番させるために必要な準備
猫が留守番をしてストレスを溜めないように、きちんと準備を整えましょう。猫が寂しがらず、快適に留守番できる環境づくりをご紹介します。
留守番に必要な用具をそろえる
猫が快適に留守番するためのペット用品が充実しています。次にご紹介するペット用品から、飼い猫にあった商品を選びましょう。
ペットフィーダー(自動給餌器)
ペットフィーダーとは、一定の時間になったら自動的に決められた量の餌を出してくれる機械です。餌は腐りにくいドライフードが最適です。一日に餌を出す回数が決められ、餌が出たら飼い主のメッセージ録音で食事をお知らせする機能が付いた商品もあります。
給水器
飲み水を与えるための機械です。猫が近づいたときに飲み水が出てくる仕組みです。たくさんの飲み水をお皿に入れておくのもいいのですが、器をひっくり返してしまうと、飲み水が無くなってしまいます。猫がぶつかっても倒れる心配のない給水器を用意すると安心です。
予備のトイレ
猫は、汚れたトイレでは用を足さないので予備のトイレを用意します。普段のトイレから少し離して置いておき、普段のトイレが汚れてもいいように準備しましょう。
エアコン
猫が快適に留守番できるように、部屋の温度を調節しておきましょう。猫の身体には汗腺がないので暑さの対応があまりできません。夏場は、熱中症にならないようにカーテンを閉めて、エアコンは室温を25~28度ぐらいの除湿に設定しておくと良いでしょう。
冬の場合は、毛布などを用意しておきます。電気カーペットやコタツといった電気を使う暖房器具は、コードで感電する可能性もあるので使用を控えたほうが安全です。
おもちゃ(飼い主の匂いがついたもの)
猫が退屈しないようにお気に入りのおもちゃがあったら置いておきます。ただし、誤飲するような小さいものや、ひも状のものは事故が起こる可能性があるので控えましょう。
寂しがり屋の猫には、飼い主の匂いがついたものを置くと良いです。飼い主がいなくても、匂いで安心感を与えられます。寂しがり屋の猫にピッタリです。
留守番カメラ
留守番中の部屋の様子を映し出してくれる「留守番カメラ」という機械があります。外出中でも、部屋の中に設置したカメラで様子を確認できます。
飼い主の声を送れる機能や給餌器とカメラが一体化した商品もあるので、自分が使いやすい商品を選びましょう。
猫を留守番させるときに注意すべきこと
猫は、好奇心が旺盛な動物です。身体能力も高いので、ちょっとしたすき間や高いところにも平気で移動します。留守番中は、猫に何かがあってもすぐに対応できません。棚が倒れたり、何かに絡まったりして、猫がけがをしないように事前に注意しておきましょう。
しっかり戸締りする
猫が外に出てしまわないように、戸締りをしっかりとしましょう。賢い猫だと、ドアノブや窓のカギを開けてしまうかもしれないので、ドアストッパーを使ったりドアノブの方向を変えたりして厳重にすると安心です。
立ち入り禁止エリアを守る
キッチンやお風呂場、飼い主の寝室など、猫に入ってほしくない場所は、戸締りやパーテーションを設置してしっかり入らないようにしましょう。パーテーションやゲートを設置した時には、安全のために自宅にいるときに使ってみて、きちんと猫が入れないようになっているかを確かめると良いです。
猫の身体能力はとても高いので、飼い主が万全だと思っても全く役に立っていないことがあるので注意しましょう。
コンセントを抜く
猫がコンセントをいたずらして感電しないように、できるだけコードを抜いたり、触ったりできないようにしましょう。また、長く伸びた延長コードで遊ぶ可能性もあるので、絡まってしまわないように整理するとよいでしょう。
倒壊、落下事故に注意する
猫が本棚や家具に登って倒れてしまうと、倒壊や落下の事故になります。突然の地震もあるので、突っ張り棒などで家具が倒れないように固定して対策を施しておきましょう。
誤飲に注意する
アクセサリーや文房具、乾電池など小さなものを置いておくと、猫が誤飲する可能性があります。床に落ちているゴミなども誤飲につながるので、部屋はキレイに掃除しましょう。
ゴミを捨てても、ごみ箱を漁ることもあります。留守番をするときはゴミ捨て場に捨てておくか、いたずらしにくい場所に移動させておくと良いです。
何日も留守番をさせるときの対策
猫に何日も留守番させてしまうときは、留守中に起こる事故を防ぐための予防策が必要です。快適に留守番できるように、準備を万全にしても何が起こるか分かりません。数日間、家を留守にするときの対策をご紹介します。
ペットシッターに依頼する
ペットシッターは、犬や猫など家で飼う動物の世話を代行してくれるサービスです。留守中でも、定期的に家に行き、ペットの食事の世話やトイレ掃除などを行います。
ペットシッターの会社によって、ペットがワクチン接種を受けていないとサービスを引き受けてくれない規則があるので、利用するときには会社のホームページなどで確認しましょう。
知人、友人に依頼する
ペットシッターに合いカギを渡すのが不安ならば、まず知人や友人にお願いすることを検討してはいかがでしょうか。警戒心が強い猫の場合、見知らぬ人に抵抗があるならば、留守をする前に猫と友人が遊ぶ機会をつくると良いでしょう。
外出先に連れていく
猫を外出先に連れていくときには、問題があります。猫は、自分の住環境の変化に敏感です。見知らぬ環境に連れてこられたとき、不安で興奮したり元気が無くなったりする場合があります。
移動中の交通手段でバスや電車を利用するときには、ペットを乗車させるための規則があるので確認が必要です。猫が外出をするのにどのような反応をするか不安な時は、試しに一度出かけてみるといいでしょう。
ペットホテルに預ける
ペットを専門的に宿泊させるペットホテルを利用するときは、注意が必要です。猫によってはホテルに泊まることがストレスになるかもしれません。
ペットホテルは、ペットの様子をリアルタイムで見られたりシャンプーしたりしてくれる便利なサービスがあり、猫専用のホテルには、初めての場所でも猫が安心して過ごせるような設備を整えています。
しかし猫は、住み慣れた場所から離れるのを嫌がるので、性格によってはどんなに設備やサービスが良いところでもストレスになることもあります。
猫をペットホテルに泊めるのが不安な時は、ホテルと事前に相談するのが良いでしょう。
猫の気持ちになって留守番の対策をしよう
飼い主が猫と離れると寂しいように、猫も飼い主から離れてしまうことを寂しく感じます。飼い主がいないことで不安に思うストレスをできるだけ解消するために、留守番中でも安全に遊べて食事ができる環境を整えましょう。
快適に留守番できる環境が整っていれば、猫が「飼い主から放っておかれている」と思わずに安心して“1匹の時間”を過ごせるのかもしれませんね。