2022年4月26日 | 病気・害虫について

知っておきたい野菜に発生する害虫とそれぞれの対処法

家庭菜園では、「大切に育てた野菜がこんな姿に!」と嘆くシーンが少なくありません。季節や天候、環境によって、野菜はさまざまな害虫の被害に遭います。この記事では、野菜に付くさまざまな害虫をピックアップし、発生する時期と被害に遭いやすい野菜の種類、効果的な対処法をご紹介し、害虫の予防や対策のポイントもまとめました。家庭菜園で害虫にお困りの方は、ぜひ参考にしてください。

野菜の害虫~ダンゴムシ

土を耕すダンゴムシは生活に役立つ「益虫(えきちゅう)」と言えますが、野菜の新芽などを食べてしまうことがあります。
特徴と発生時期
ダンゴムシは「節足(せっそく)動物」の中の「甲殻(こうかく)類」に属し、「オカダンゴムシ」と呼びます。発生時期は2~11月頃で、石の下や湿気がある場所で落ち葉などを食べますが、ナスやジャガイモなどの新芽や根を食べることもあります。まれに、冬に屋外で保管している白菜なども被害に遭います。
対処法
植物保護が目的の場合は、ダンゴムシに適応がある農薬を使用して駆除します。できるだけ農薬を使いたくないという方は、花ガラや落ち葉を取り除き、土も水はけが良く通気性の良い環境作りを心がけましょう。

ダンゴムシについては、「ダンゴムシが大量発生する原因とは?ダンゴムシの習性を知って対策しよう!」の記事も参考にしてください。
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野菜の害虫~ナメクジ

葉などに粘液で光る通り道を見つけたら、ナメクジがいると考えられます。
特徴と発生時期
ナメクジは「軟体動物」の「腹足(ふくそく)類」に属し、カタツムリと同じく陸に住む「陸貝(りくがい)」の仲間です。発生は3~11月頃で、湿度が高く暗い場所を好み、夜間に活動します。キク科とアブラナ科の野菜に付きやすく、レタスやキャベツ、白菜のほか、ネギなども被害に遭います。
対処法
ナメクジにはよく「塩をかける」と言いますが、実際は縮むだけで駆除には至りません。植物保護が目的の場合は、ナメクジに適用がある農薬を使用して駆除します。

ナメクジについては、「ナメクジとカタツムリの違いは?それぞれの特性を徹底解説」の記事でもご紹介しています。
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野菜の害虫~アブラムシ

アブラムシは、野菜だけでなく多くの植物に付く害虫として知られています。
特徴と発生時期
「カメムシ目(半翅目【はんしもく】)」に属し、国内には形状や羽の有無などが異なる700種類以上が生息します。発生は3~10月頃で、ウリ科やナス科、ネギ科などの野菜に寄生して汁を吸い、ウイルス性の病気を運ぶことがあります。甘い液体を尻(しり)から出してアリを呼び寄せ、天敵であるテントウムシを回避しています。
対処法
反射光を嫌うため、光る素材の防虫ネットやテープを使用したり、土の上にアルミホイルなどを置いたりしましょう。近くにマリーゴールドなどを植えると、虫よけの効果が期待できます。捕獲には、虫取り用の黄色いテープをつるします。また、アブラムシに適用がある農薬を使うのもよいでしょう。

アブラムシについては、「アブラムシが発生する原因とは?アブラムシの退治方法と予防方法」の記事もご覧ください。
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野菜の害虫~アオムシ

野菜の葉が食われて糞(ふん)が落ちていたら、アオムシの仕業と考えられます。
特徴と発生時期
主にモンシロチョウの幼虫を指しますが、実際は「チョウ目(鱗翅目【りんしもく】)」に属するチョウやガの幼虫のうち、毛が短い緑色のものを総称します。4~6月と9~11月頃に発生し、アブラナ科のキャベツや白菜、ブロッコリー、チンゲン菜などを好みます。モンシロチョウが野菜の近くを飛んでいるときには、産卵をしています。
対処法
苗を植え付けてすぐに防虫ネットをかければ、被害を未然に防げます。アオムシはキク科やセリ科の植物を嫌うので、近くに植える方法もおすすめです。小さいアオムシや葉の裏に卵を見つけたら、すぐに取り除きましょう。大量に発生したときは、アオムシに適用がある農薬を使用してください。

アオムシについては、「アオムシが発生する原因とは?アオムシの退治方法と予防方法」でもご紹介しています。
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野菜の害虫~コガネムシ

コガネムシは、幼虫と成虫のそれぞれが被害を及ぼすやっかいな害虫です。
特徴と発生時期
「甲虫目(鞘翅目【しょうしもく】)」に属し、成虫は卵型で金属のような光沢を持ちます。4~5月と10~11月頃には、幼虫が土の中でサツマイモやトウモロコシなどの根を食べます。成虫は6~9月頃の日没後に飛来し、マメ科の葉や花を食べたり、柔らかい土や有機物が多い土に産卵したりします。
対処法
植え付ける際は土の中に幼虫がいないか確認し、周辺にあるマメ科の植物は取り除いてください。成虫が増える6月より前に、土の上に「ココヤシファイバー」などを敷くと産卵を防げます。数が多いときには、コガネムシに適用がある農薬を使用します。

野菜の害虫~カメムシ

悪臭を発するカメムシは、「ヘッピリムシ」や「ヘクサムシ」などの別名があります。
特徴と発生時期
「カメムシ目(半翅目【はんしもく】)」に属し、国内では90種類以上が生息しています。発生の時期は4~10月頃で、マメ科のインゲンや枝豆のほか、ナス科のトマトやピーマン、ジャガイモなどに寄生して汁を吸います。花粉が多い年には大量に発生する傾向があり、洗濯物に付いたり家の中に入ったりすることもあります。
対処法
手で直接つかむとにおいが付くので、ペットボトルで作った捕獲用の容器やガムテープなどを使用しましょう。

カメムシについては、「カメムシが大量発生する原因とは?カメムシの退治方法と予防対策」の記事も参考にしてください。
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野菜の害虫~ハムシ

名前の通り、野菜などの葉を食べて穴だらけにする害虫です。
特徴と発生時期
「甲虫目(鞘翅目【しょうしもく】)」に属し、国内には500種類以上が生息します。種類にもよりますが、発生の時期は4~11月頃で、成虫はカブやダイコン、コマツナ、チンゲン菜などの葉を食べ、幼虫は種類によって葉や根を食べます。キュウリなどのウリ科の野菜に付く「ウリハムシ」も、ハムシの仲間です。
対処法
アブラムシと同様に反射光を嫌うので、光る素材の防虫ネットやテープなどが有効です。植え付けてすぐの時期は、苗の周りに4本の支柱を立てて肥料の袋などで囲う「あんどん」も虫よけにおすすめです。大量に発生したときは、ハムシに適用がある農薬を使用しましょう。

野菜の害虫~カイガラムシ

あらゆる植物に寄生し、成虫は硬い殻(から)を持つため駆除が困難な害虫です。
特徴と発生時期
「カメムシ目(半翅目【はんしもく】)」に属し、漢字では「介殻虫」と書きます。発生時期は5~7月頃ですが、室内の安定した環境では1年を通して活動します。ナスやピーマン、キュウリなどの野菜の汁を吸い、糖分を含む排せつ物はアリなどを寄せ付け、「すす病」を引き起こします。
対処法
暗くて風通しが悪く、ほこりが多い場所に発生しやすいので、周辺の環境を整えましょう。葉の裏に卵や幼虫・成虫を見つけたら、すぐに取り除いてください。数が多いようであれば、カイガラムシに適用がある農薬を使用しましょう。

カイガラムシについては、「カイガラムシが発生する原因とは?カイガラムシの退治方法と予防対策」の記事でもご紹介しています。
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野菜の害虫~ハダニ

体長はおよそ0.5mmとごく小さく、葉の裏にひそむ害虫です。
特徴と発生時期
クモの仲間で「ダニ目」に属し、国内ではおよそ 70種が生息します。キュウリやホウレンソウ、里芋などの葉の裏で汁を吸うので、葉の色が抜けて「カスリ」の布のようになって弱ります。発生時期は4~11月頃で、気温が高く乾燥したときに繁殖する傾向があります。
対処法
糸を出しながら風に乗って来たり、植物や人に付着したりして移動するため、駆除が難しい害虫です。周辺の雑草を抜いて定期的に散水するか、ビニールを折り返した「ダニ返し」を設置すれば数を減らせます。殺虫剤も効果がありますが、成分に対して耐性が付くので同じ種類の使用は避けましょう。

野菜の害虫~ヨトウムシ

夜間に野菜の葉や実がなくなっていたら、ヨトウムシによる被害と考えられます。
特徴と発生時期
「チョウ目(鱗翅目【りんしもく】)」に属す「ヨトウガ」や「ハンスモンヨトウ」などの幼虫を指し、漢字では「夜盗虫」と書きます。発生の時期は5~10月頃で、キャベツや白菜、ナス、トマト、キュウリなどの野菜を好み、夜になると土から出て来ます。産卵の時期が長いため、何度も被害に遭うことがあります。
対処法
植え付け時は土の中の幼虫を、生育中は葉の裏の卵をチェックしましょう。予防には防虫ネットが効果的です。夜間にライトで光を当てておく方法もおすすめです。捕獲には、「米ぬか」を使用した仕掛けが効果的です。

ヨトウムシについては、「ヨトウムシ(夜盗虫)が発生する原因とは?ヨトウムシの退治方法と予防対策」の記事も参考にしてください。
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野菜に付く害虫の予防と対策

最後に、野菜に付く害虫の予防と対策のポイントについてまとめました。
観察と手入れ
害虫は早い段階で気付けば繁殖を防げるので、茎や葉の様子、葉の裏の卵を毎日観察しましょう。葉が混み合った部分はカットして風を通し、雑草は随時抜き取ってください。土の上にココヤシファイバーや「バークチップ」などを敷くマルチングをほどこせば、産卵や病気のまん延を防げます。
防虫ネットや不織布など
植え付けた苗に、防虫ネットや化学繊維の薄い「不織布(ふしょくふ)」などをかぶせれば害虫の侵入を防げます。苗が小さい時期には、ハムシ対策と同様に苗の周りに4本の支柱を立てて肥料の袋などで囲う「あんどん」を仕立てる方法もおすすめです。面積が広い畑にはアーチを作り、編み目の粗い「寒冷紗(かんれいしゃ)」を使用することもあります。
コンパニオンプランツなど
虫よけには、お互いによい影響を与える「コンパニオンプランツ」を近くに植える方法もおすすめです。アブラムシにはマリーゴールドやミントなど、ハムシにはネギやニラなどの組み合わせがあります。また、ムギ類などの「バンカープランツ」と呼ばれる「おとり」を植えると、天敵の虫が来て野菜の被害を減らせます。
自然農薬の使用
古くから農家に伝わる方法として、酢を水で薄めて散布するのが効果的です。劇的な効果は期待できませんが、害虫に耐性が付きにくい点がメリットです。
殺虫剤の使用
野菜に付く害虫を手軽に退治したいときには、フマキラーの「カダンセーフ」がおすすめです。カダンセーフは、食品成分由来の膜が病害虫を包んで退治。害虫は呼吸ができずに窒息死し、病原菌も栄養を得られず死滅します。屋内での使用や、お子様・ペットのいるご家庭でも安心してご使用いただけます。また活力成分の天然アミノ酸とAO(アルギン酸オリゴ糖)を配合していますので、病害虫対策だけでなく植物の生育もサポートする優れものです。

野菜の害虫は毎日の観察で予防しよう

今回は、野菜に付く害虫について、多く発生する時期や被害に遭いやすい野菜、効果的な対処法をご紹介しました。害虫の対策は、早い時期に防虫ネットなどで予防し、毎日の観察と環境の整備を心がけましょう。見つけたときにはすぐに対処して、まん延させないことが大切です。害虫の特徴や対処法をマスターして、野菜作りを存分に楽しみましょう!
「カダンライフ」で紹介する記事は、フマキラー株式会社または執筆業務委託先が信頼に足ると判断した情報源に基づき作成しておりますが、完全性、正確性、または適時性等を保証するものではありません。
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