定番の怖い話を紹介!この夏は怪談話で盛り上がろう

定番の怖い話を紹介!この夏は怪談話で盛り上がろう

暑い夏は、怖い怪談話でヒヤッと涼しい気分を味わいたくなりますよね。友達と集まったときに、怖い話で盛り上がる機会があるかもしれません。

この記事では、昔から伝わる定番の怖い話や現代の怖い話まで、有名な話とそのあらすじをご紹介します。暑い夏の夜は、背筋が凍るような怖い話で盛り上がってはいかがでしょうか。

定番の怖い話

昔話の怖い話や、日本に伝わる妖怪の話など、怖い話は子供の頃から耳にする機会がありますよね。昔話の中には、なんとなく知っているけれど、はっきり覚えていない話もあるかもしれません。今でもやっぱり怖いと思ってしまうような定番の怖い話を3つご紹介します。

① 怖い昔話といえばこれ!「耳なし芳一」

怖い昔話といえばこれ!「耳なし芳一」

子供の頃に「耳なし芳一」を読んで、ゾッとした経験がある人も多いのではないでしょうか。「耳なし芳一」のあらすじを簡単にご紹介します。

山口県の下関、阿弥陀寺に目が不自由な芳一というびわ法師がいました。芳一のびわの弾き語りは師匠の和尚さんをしのぐほどで、とくに平家物語の「壇ノ浦の合戦」は評判でした。

ある夏の夜、1人でびわの稽古をしている芳一のところに身分の高い人の使者がやってきます。びわを弾いてほしいと頼まれた芳一は、その使者に連れられて大きな屋敷の大広間に連れて行かれました。そこで「壇ノ浦の合戦」の弾き語りを聞かせると、むせび泣く声も聞こえてきます。そして「今夜から6日間、毎晩びわの演奏を聞かせてくれ。しかしこのことは誰にも言わないでほしい」と頼まれたのでした。

それから毎晩外出する芳一を見て和尚さんは不審に思いますが、芳一に聞いても何も言いません。そこで寺男に尾行させてみると、芳一は安徳天皇のお墓の前でびわを弾いていることがわかりました。芳一の周りは鬼火が取り囲んでいます。

寺男は芳一を連れ戻し、和尚さんに真相を話しました。このままでは芳一が殺されてしまうので、和尚さんは亡霊から芳一を守るため彼の体中に経文を書き、誰が呼びに来ても返事をしてはいけないと言いつけました。

その夜、また亡霊が芳一のところに来たのですが、芳一の姿が見えません。しかし耳だけは和尚さんが経文を書き忘れていたため見えてしまい、亡霊は迎えに来た証拠として耳をちぎって持ち帰りました。翌朝和尚さんは耳がちぎられた芳一を見て謝り、傷の手当てをします。芳一のびわはさらに有名になり、「耳なし芳一」と呼ばれるようになりました。

② 日本の代表的な妖怪「ろくろ首」

妖怪といえば、「ろくろ首」を思い出す人も多いのではないでしょうか?ろくろ首は首が長く伸びるタイプと、首が飛び回るタイプがあるのですが、小泉八雲の「ろくろ首」は後者です。簡単にあらすじをご紹介します。

昔、回龍という行脚僧がいました。以前は侍だったのですが、仕えていた大名家が滅亡したため出家したのでした。あるとき回龍が旅していると、人里離れた寂しい場所で日が暮れてしまいます。野宿しようと思っていたところで木こりに声をかけられ、家に泊めてもらうことになりました。木こりの家に行くと4人の男女がいて、みんな回龍に礼儀正しいあいさつをしました。

回龍は用意してもらった部屋でお経を唱えていましたが、喉が渇いたので水を飲みに行きます。5人が寝ている部屋をのぞくと、いずれも頭がありませんでした。それを見て、回龍は彼らがろくろ首だと気づきます。「ろくろ首は胴体を別の場所に移動させれば離れた首は元に戻れない」と書物に書いてあったことを思い出し、回龍は主の足をつかんで胴体を家の外に引きずり出しました。

あたりを見渡すと、5人の首は宙に舞い、回龍を食べる話をしています。女の首が回龍の様子を見に行き、部屋にいないことと主の胴体がないことに気づきました。5人の首は回龍を見つけ、襲いかかります。回龍は若木を引き抜き、首を殴りつけたので4つの首は逃げ出しました。しかし主の首だけは回龍の袖に食いつき、死んでしまっても離れません。

回龍は「土産物ができてしまった」と大笑いしながら首をぶらさげたまま行脚を続けました。その首は、旅の途中で追いはぎに衣ごと渡しました。しかし追いはぎはだんだん怖くなってきて、首を供養したとのことです。

想像しただけでも恐ろしい話ですが、出家する前は侍だった回龍の豪快さが感じられて読後は爽快感も残ります。

「ろくろ首」も先にご紹介した「耳なし芳一」も小泉八雲の「怪談」に収められていますので、興味がある方はぜひ読んでみてください。

③ 母親の愛情を感じる「子育て幽霊」

母親の愛情を感じる「子育て幽霊」

幽霊というとやはり怖いイメージがありますが、「子育て幽霊」は幽霊になっても子を思う気持ちにジーンとくる話です。あらすじを簡単にご紹介します。

ある夜、あめ屋の戸をたたく音がするので店の主人が出てみると、青白い顔をした女が「あめをひとつ売ってください」と言います。次の日も女はやってきて、あめをひとつ買っていきました。

女は毎晩あめを買いに来ましたが、7日目の翌朝、銭箱の中に仏事に使われるしきみが入っていたため、不審に思った店の主人は女があめを買いに来たときに後をつけます。

すると墓の前で女は姿を消し、赤ん坊の泣き声がしてきます。墓を掘り返すと、ひつぎの中には女の死体と生きた赤ん坊がいました。

女は赤ん坊を育てるため三途の川の渡し賃、六文銭であめを買い、お金がなくなったらおそなえのしきみの葉をお金に変えてあめを買っていたのでした。

死んでも我が子に食べさせなくてはという母親幽霊の愛情が伝わってくる話ですね。子育て幽霊の話は各地にありますので、あらすじの細かい点は異なるものもあります。

京都にはこの話のモデルとなった店も存在し、「幽霊子育飴」が売られています。

現代の怖い話

都市伝説や掲示板サイト発祥の、現代の怖い話もどんどん増えています。昔話に比べると身近に感じられるものもあるでしょう。現代の怖い話の中から有名なものをピックアップしてご紹介します。

学校の怪談話「トイレの花子さん」

学校の怪談話「トイレの花子さん」

現代の怖い話というと、都市伝説の「トイレの花子さん」があります。おかっぱ頭に白のシャツ、赤の吊りスカートがトレードマークのトイレの花子さん。起源は1950年代で、その頃は「3番目の花子さん」と呼ばれていました。それが1980年代に日本中に広まり、1990年代には映画化もされました。

トイレに向かって名前を呼ぶと返事をする花子さん。地域によって少しずつ相違点はあるものの、基本的には次のようにして花子さんを呼びます。

学校の校舎の3階にあるトイレを手前から奥に向かって順番にノックし、「花子さん、いらっしゃいますか?」と尋ねます。これを3回ずつおこなうと、手前から3番目のトイレから「はい」と返事が戻ってきます。そのトイレのドアを開けると花子さんからトイレに引きずり込まれるということです。

怖いけれど試してみたくて、学校のトイレでドキドキした思い出がある人も多いのではないでしょうか。

トイレの花子さんをモチーフにした映画も複数あります。2013年の「トイレの花子さん―新劇場版―」のあらすじを簡単にご紹介します。

田舎の祖母の家に引っ越してきた女子高生のさよは、高校で仕方なくいじめに加担します。しかし、いじめられた女子が高校のトイレで亡くなっているのを発見。そのときおかっぱの赤いスカートをはいた女の子を目撃します。その後、いじめのリーダー格の女子が自殺し、学校の先生も事故で亡くなりますが、そのたびに赤いスカートの女の子が目撃されるのです。

実はさよには姉がいたのですが、母親はさよの父親と再婚するために彼女の姉を殺していたのです。母は祖母を殺し、自分も自殺。姉がトイレの花子さんだったことを知ったさよは、彼女が大事にしていたというぬいぐるみを持って学校のトイレに向かいますが、自分も取りつかれてトイレの花子さんに…。

終盤は怖いシーンが満載です。暑い夏に怖い映画を観たくなったら「トイレの花子さん―新劇場版―」を観てみてはいかがでしょうか。

怖い短編「赤いクレヨン」

短編の怖い話「赤いクレヨン」は、タレントの伊集院光さんが発表したことで広まったと言われています。あらすじをご紹介します。

ある新婚夫婦がマイホームを購入しました。中古物件でしたが、新築同然なのに価格は大変安く売られていました。ある日、夫婦はクレヨンが落ちていることに気づきます。夫婦には子供はおらず、誰かが侵入した形跡もないので不思議に思っていました。

その後もいつの間にかクレヨンが落ちているので、夫婦は不審に思い、家を調べ始めます。するともう1つ部屋としての空間があるべきなのに入り口がなく壁だけになっていることに気づきます。壁紙をはがし、くぎで打ち付けられた扉を開くと、そこは何もない部屋がありました。しかし壁一面を埋め尽くす「おとうさんおかあさんごめんなさいだして」という赤い文字が…。

夢のマイホームを買ったら実は…という身近に起こりそうな恐怖に身の毛もよだちます。幸せな新婚夫婦に起こった恐怖の話「赤いクレヨン」は短編なので、「怖い話を聞かせて」と言われたときにもおすすめです。

怖い都市伝説「メリーさんの電話」

怖い都市伝説「メリーさんの電話」

ゾッとするような都市伝説「メリーさんの電話」も有名な話です。あらすじをご紹介します。

女の子はメリーという人形を大切にしていましたが、家族で引っ越しをする際に仕方なく処分することになりました。ある夜、電話がかかってきたので少女が出ると「私、メリーさん。今ゴミ捨て場にいるの」といって切れます。少女はいたずらかと思っていましたが、また電話がかかってきます。「私、メリーさん。今〇〇駅にいるの」「私、メリーさん。今郵便局の近くにいるの」と電話のたびに少女に近づいてきます。

そしてとうとう「私、メリーさん。今あなたの家の前にいるの」。少女が玄関を開けても誰もいません。すると再び電話が…。「私、メリーさん。今あなたの後ろにいるの」。

怖い話で盛り上がるとき、最後の「今あなたの後ろにいるの」というところだけ怖い声で話してみましょう。恐怖感がアップして盛り上がりますよ!

その後、少女とメリーさんがどうなったかは語られていませんが、さまざまな説も登場しています。

掲示板サイトで広まった長編の怖い話「八尺様」

掲示板サイトでは数々の怖い話が紹介されていますが、中でも「最高に怖い」と評判なのが、「八尺様」。あらすじを簡単にご紹介します。

語り手は高校生の男子です。春休みに田舎に住む祖父の家にバイクで遊びに行ったときのこと。広縁でくつろいでいると、「ぽぽ、ぽぽっぽ、ぽ、ぽっ…」と奇妙な音が聞こえてきます。前を見ると帽子をかぶった白いワンピースの女性を見かけたのですが、2メートルほどの垣根から頭が出ているということは、かなりの大女です。そのことを祖父母に話すと大慌て。

どうやら少年は八尺様という大女に魅入られてしまったようです。八尺様に魅入られたら数日のうちに取り殺されてしまうのだから大変なことになりました。祖父に「今日は帰すわけにはいかない」と言われ、お札を貼り、盛り塩を置いた部屋に朝まで閉じこもっておくように言われます。

しかし夜中になって目を覚ますとおじいさんの声で怖かったら出て来ていいと声をかけてきたり、窓をコツコツたたく音がしたりして、少年は恐怖の夜を過ごすことに。

朝になって父や祖父、親族の男たちによってガードされ、車で自宅に帰りました。このときも八尺様がついてくる気配がしていましたが、何とか振り切ることができました。八尺様は村に封印されていて、村の外には出られないので自宅に帰れば安心です。それから少年は二度と祖父の家に行くことはなく、祖父の葬儀の際も参列しませんでした。

しかし10年ほどたって、八尺様を封じている地蔵様が誰かに壊されたことを知らされ、再びあの声が聞こえてくるのではないかと不安に…。

八尺様には成人前の若者、とくに子供が狙われることが多いのだとか。周りの人には見えない存在に付きまとわれるのはすごく恐いですよね。

まとめ

夏になると怪談話やお化け屋敷など、怖い世界をのぞいてみたくなりますよね。普段は怖い話を避けている人も、夏の風物詩として怖い話を聞きたくなるかもしれません。

子供の頃からなじみがある定番の怖い話や、都市伝説やネットで広まっている現代の怖い話など、簡単なあらすじを覚えておくと、「みんなで怖い話をしよう」というときに役立つでしょう。

今回は有名な怖い話のあらすじを簡単にご紹介しましたが、機会があればぜひ原本も読んでみてはいかがでしょうか。

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