2018年11月5日 | 園芸・ガーデニング
プランターの選び方のポイントとは?種類や大きさなど【ガーデニングの基本】
ガーデニングの必須アイテムのひとつといえばプランターです。現在、ホームセンターなどに足を運ぶと非常に多くのプランターが販売されていることが確認できます。
しかし、あまりの数の多さゆえ「一体どのプランターを選んだらよいのだろう?」と悩む方は少なくありません。
中には価格や見た目で判断してしまう人もいますが、このような選び方は植物の成長を阻害してしまう原因にもなります。そこで今回は植物がすくすくと成長しやすくなる、プランター選びのコツなどを解説します。
鉢とプランターの違い
ガーデニング初心者の方からよく上がる疑問が「鉢とプランターの違いって何?」というものです。鉢とプランターの違いですが、両者の間には明確な区別はないといわれています。
しかし、強いて違いを挙げるとするならば小型でひとつの植物を植えるのに適したものが「鉢」といわれる傾向にあり、鉢よりも大型の容器で長方形型のものが「プランター」と呼ばれることが多いようです。
一般的に鉢よりもプランターのほうが植え込みスペースが広いため、庭がないマンションなどに住む方たちに人気の容器でもあります。ただし、鉢にも寄せ植え向きのものがあったり、プランターでもサイズが非常に小さいものも存在します。
このような理由から鉢とプランターに、明確な違いはないとされています。しかし今回はプランターの選び方がメインテーマですので、世間一般がイメージしているプランターに焦点を当てて解説します。
プランター選びのコツを徹底解説!
プランター選びで意識しておきたいポイントなどをまとめましたのでご覧ください。
素材
一口にプランターといっても使われている素材には複数の種類があります。プランターで使用されている主な素材は以下のとおりです。
- プラスチック
- 木製
- 素焼き(テラコッタ)
- 陶器
- 発泡スチロール
この中でガーデニング初心者、プランター栽培初心者に最もおすすめといわれているのが、プラスチック製のプランターです。プラスチック製のプランターが初心者におすすめな理由ですが、重量が軽い点にあります。
プランター栽培は観賞用の植物栽培と違って、小さな畑代わりとして使用する方も多いため、必然的に土の量も多くなります。その結果、総重量が重くなりがちなのがプランター栽培の数少ない欠点でもあります。
前述のようにプラスチック製プランターは重量が軽いのがメリットですから、力のない女性でも持ち運びがしやすいのが魅力的です。
「プランターを移動させることは滅多にないのでは?」と感じるかもしれませんが、マンションなどではベランダの掃除をするときにプランターをどかす必要がありますし、台風や大雨などの天候不良のときは被害を被らないように、安全な場所へ移動させることもあります。
このような理由からプランター栽培ではプラスチック製の素材が使われたものが推奨されています。
またプラスチック製プランターは低価格で購入できるため、初期の資金力に乏しい方でも問題なくガーデニングを始めることができます。色やデザインも豊富なので、オシャレな雰囲気を出したいなどのこだわりがある方にもおすすめです。
プラスチック製以外の素材に注目すると木製プランターは重量が重いのが難点ですが、通気性が良く、根が活発に呼吸をしやすい状態を作ってくれます。素焼き(テラコッタ)、陶器はいずれも土を高温で焼き上げているため、重量はあります。
しかし、素焼き(テラコッタ)は通気性に優れているため、根腐れを防ぐ効果が高いです。また熱伝導率も低いので、外気温の影響も受けにくく、土の温度が安定しやすいというメリットがあります。
一方の陶器は焼く際に釉薬(うわぐすり)を塗っているため、表面がコーティングされたようになります。このタイプは耐水性には優れていますが、透水性や通気性には難点があります。
最後の発砲スチロールですが、こちらは断熱性に優れているのがメリットですが、排水性や通気性がないため、使用する際は側面や底に穴を開けて利用するとよいでしょう。
サイズ・容量
プランター選びではサイズや容量の項目にも十分気を配る必要があります。基本的にプランターのサイズが大きければ大きいほど、良い生育が期待できます。
容量が小さすぎるとどうしても植物や野菜の根が張るスペースが限られるため、生育不良や病気などのトラブルに見舞われる可能性も高くなります。
このような理由からプランターを選ぶときは、育てる予定の植物に合ったサイズや容量のものを選ぶことが大切です。ただし、注意点としてはプランターは鉢と違って明確な規格というものがありません。
メーカーや商品によってサイズもまちまちであることが多いです。そのため、初めてプランターを購入する方などは、戸惑うことが多いですが、サイズや容量はパッケージや商品の裏に貼ってあるシールなどに記載されていますのでご安心を。
目安としては横幅60㎝~70㎝、高さ20㎝前後で容量13L~16L、横幅60㎝~65㎝、高さ30㎝前後で容量20L~25Lとなっています。
排水穴
プランターの水はけが悪いと、水やりをしたときに水が溜まりやすくなります。通気性が悪いプランターは土の粒の間に水分が溜まるため、根が窒息状態に陥りやすく、その結果根腐れを起こすことになります。
このような理由からプランターを選ぶときは、排水穴のチェックもしっかり行っておくようにしましょう。排水穴の位置はプランターによって異なりますが、基本的には側面に付いているものをおすすめします。
底面に排水穴が付いているプランターでスリットが入っていないタイプのものは、水が土台内側部分に溜まりやすいため、排水性が悪いといわれています。また害虫が侵入しやすいという難点もあります。
排水性能、害虫侵入の面から見ると側面に排水穴が付いているタイプのプランターを選ぶのが無難です(もちろん側面タイプのものでも100%害虫の侵入を防げるわけではありません)。
その他では単純に排水穴の数が大きい、多いといったプランターも排水能力に優れているという特徴があります。
失敗しないプランター栽培のコツ
前述のようにプランターを選ぶときは「素材」「サイズ・容量」「排水穴」といった点を意識しておくとよいです。
しかし、プランター栽培を成功させるには、プランター選び以外にも大切なことがあります。ここではプランター選びと同じぐらい大切なプランター栽培のコツをご紹介します。
近くに植えすぎない
プランターは植木鉢よりもサイズが大きく、多くの株を植えることができます。このプランターの良さを活かすために、ついつい株同士の間隔を狭くして植えてしまう方が多いようです。
植物や野菜にはそれぞれ適切な間隔というものがあります。多くの株を植えられるからといって、株同士の間隔を詰めてしまうと植物や野菜の生育を阻害してしまう可能性があります。
複数の株を植える場合は、タネの袋などに記載されている株間(株同士の間隔が何㎝必要か)をしっかりチェックしておきましょう。またプランター選びのときも、この株間を意識しておくと予定どおりの植え付けを行うことができます。
新しい土を使う
ときどき「もったいない」という理由で、以前の栽培で使っていた古い土を使い回す方がいますが、これも植物や野菜の生育には良い影響を与えないのでやめておきましょう。
古い土には雑菌が繁殖しており、目に見えない害虫や害虫の卵が住み着いている可能性が高いです。
また肥料の成分も偏っているため、成長不良を起こしやすい状態になっています。このような理由からプランター栽培を行う際は、必ず新しい土を使うようにしましょう。プランター栽培、ガーデニング初心者の方は市販の培養土でも問題はありません。
これらの培養土はすでに酸度も調整されているため、自分で一から土作りを行う必要がないのがメリットです。培養土の種類も花用や野菜用といったようにしっかり分かれていますので、目的に合ったものを選ぶようにしましょう。
支柱や防虫ネットの活用
育てる花や野菜にもよりますが、プランター購入時に一緒に揃えておきたいアイテムに支柱や防虫ネットがあります。支柱とは一言で説明すると植物のそばに立てる棒のことを指します。
支柱はウリ科、マメ科などのツル性の植物や実が大きくなる植物のスムーズな成長を促すために、使用されることが多いです。その他にも茎が細い花や草の近くに立てることで、植物を支える働きをしてくれます。
また支柱を立てることで、植物同士が密集してしまうのを防ぐことができるため、風通しや日当たりなども良好になりやすいというメリットがあります。そして防虫ネットは花や植物に飛来する害虫を防ぐ効果があります。
一般的な防虫ネットは網状のシートになっているため、害虫は植物に近づくことができない仕組みになっています。害虫ネットを使用することで、農薬を使う必要もないため、安全性の高い野菜などを栽培したいときにはぴったりのアイテムでもあります。
もちろん網目の細かすぎる害虫ネットを使用すると、通気性や遮光性に問題が出てくる可能性もありますので注意が必要です。
育てる植物が「通気性が多少悪くても育つか?」「日当たりが良好でない環境でも育つか?」といった点を確認しながら、最適な防虫ネットを揃えるようにしましょう。
水やり
水やりは簡単なように思えて、非常に奥が深く、農学の世界などでは「水やり3年」ともいわれています。ガーデニングの水やりというのはそれぐらい深い知識と技術が要求される作業です。
初心者の方がよくやりがちなミスというのが「水のやりすぎ」です。やる気がある方はついつい気合いを入れて水をあげてしまう傾向にありますが、頻繁に水を与えると、最終的には根が酸欠状態になり、根腐れを起こす可能性が高くなります。
たしかに植物栽培には水が大切ですが、酸素はそれ以上に重要なワードになってきますので、水やりの頻度というのも考えて行うようにしましょう。
正しいプランターの選び方を知って、失敗しないガーデニングを目指そう!
今回は花や野菜などの植物栽培に欠かすことができないプランター選びのコツなどを解説しました。現在はさまざまなメーカーから、非常に多くのプランターが販売されています。
そして各プランターは使われている素材などによって、その特徴が大きく異なります。プランター選びで大切なことは「育てる植物に合ったもの」を選ぶことです。
高い通気性や排水性が求められる植物に、排水穴が少ないプランターを使っても、植物が苦しむだけです。またプランター栽培にはプランター選び以外にも意識しておきたい基本的なコツがあります。
プランターの選び方と同時にこれらのコツも覚えておくと、プランター栽培成功の確率も高まります。現在、プランター選びで迷っている方はぜひ参考にしてください。