2018年7月10日 | お役立ち情報
褒め上手になる方法!心理や特徴を押さえた褒め方のコツ
周囲の人から褒められるというのは小さな子どもはもちろんのこと、大人でも嬉しく感じるものですよね。しかし、この褒めるという行為を苦手とする人は意外と多いです。
一見すると簡単にできそうな褒めるという行為に、なぜ苦手意識を持ってしまうのでしょうか?人を褒めるというのは良好な人間関係を築く上でも非常に大切なことです。そこで今回は褒めるのが苦手な人でも実践できる褒め上手になる方法をご紹介します。
褒める・褒められることで得られるメリット
人を褒めるという行為は、褒める側も褒められる側にもメリットがあるのをご存じでしょうか?まずは褒める、褒められることで得られる2つのメリットをご紹介します。
褒めることで観察力が身に付く
人を褒めるときには、相手の特徴をしっかりと観察する必要があります。なぜなら普段まったく接しない、見ていない人に対してはどこに褒めるポイントがあるのかがわからないからです。
初対面の人と会話をするときには「外見」「性格」「喋り方」などすべての部分において手探り状態です。しかし、コミュニケーションの回数が増えていくと「良い面」「悪い面」がはっきりとわかるようになります。
人を褒めるという行為も同様であり、相手とのコミュニケーションを増やすことで、正確な褒めポイントというものが見えてきます。観察力は仕事、ビジネスなどでリーダーが必要とするスキルのひとつです。
したがって褒め上手になるということは、仕事力の向上にもつながる可能性があります。もちろんこれは仕事だけではなく、日常的な人間関係構築などにおいても同じことがいえます。
褒められることで快楽物質が分泌される
人は褒められることでドーパミンと呼ばれる快楽物質が脳から放出されます。ドーパミンとはやる気や行動力を高める神経伝達物質です。人は褒められて嫌な気分になることはめったにありませんが、これはドーパミンの分泌が関係しているからです。
褒められてドーパミンの分泌量が高まると「よし、次も頑張ろう」「やってやるぞ」といった前向きな気持ちになることが多いです。
また人間の心理には承認欲求があります。アメリカの心理学者でもあるアブラハム・マズローが提唱した「マズローの欲求段階」では自己実現の欲求の次に承認欲求があります。
褒められることで「人から認められた」という欲求が満たされ、やる気もアップすると同時に褒められた相手に対して信頼感が生まれるようになります。
身近な環境で多くの人から厚い信頼を集めている方はいませんでしょうか?もしかしたら、その人はトップクラスの褒め上手かもしれません。
ビジネスなどで強い組織というのは上司と部下の信頼で成り立っています。上司が褒め上手であれば、部下のやる気もアップしてより良い結果が出る可能性が高くなるでしょう。
もちろん家庭や友人などと良好な関係を築く上でも重要な要素となります。
なぜ褒めるのが苦手な人がいるのか?
よく日本人は他人を褒めるのが苦手といわれます。ではなぜ人を褒めるのが苦手なのでしょうか?ここでは人を褒めることに苦手意識を持ってしまう原因を解説します。
「下心があると思われてしまう」という気持ちが強すぎる
褒めるのが苦手な人は周囲の反応を気にしすぎてしまう傾向があります。確かに間違った褒め方、過剰な褒め方などをした場合は周囲も「褒めて何かを貰おうとしているの?」「ゴマすり?」といった感情を抱くことがあるでしょう。
また特に異性を褒める場合は下心がなくても「〇〇君は〇〇さんに気があるのかな?」と思われてしまうこともあります。このような周囲の目が影響して、なかなか褒めるという行為に移せない方は意外と多いです。
人の悪い部分しか見てない
いつも人の悪口ばかり言っている方をときどき見かけませんか?このような方の場合、他人の悪い部分を探していることが多いため、褒めるべきポイントがまったく把握できていません。
だから人を褒めるという行為が苦手なのです。もちろん相手に良い点がひとつもない、悪い部分ばかりというのであれば、相手にも原因があるでしょう。しかし、人には必ずひとつは良い部分があります。
褒め上手の方はこの数少ない良い部分をしっかり見極めて、嬉しい言葉をかけてくれますが、人の悪い部分しか見ていない方は残念ながら、良い点は目に入ってこないことが多いです。
「人のどの部分を見るか?」によって褒め上手か否かというのが分かれるといえるでしょう。
褒め方がわからない
最近は「褒めて伸ばす」というスタイルを支持する層も増加傾向です。教育やビジネスの世界でも褒めることを推奨する専門家も多くなっています。
ところが私たち日本人はもともと褒め下手なので「褒め方がわからない」という悩みを抱えた方が多いです。
これは人の悪口しか言わないタイプの方と違って、決して自分が悪いわけではありません。むしろ人を伸ばすのに大切な褒めるという行動で悩むのはとても素晴らしいことだと思います。
「どうやって褒めるの?」「どこの部分を褒めればいいの?」など多くの人が悩みながら、その答えを探しています。詳細は後述しますが、褒める能力はちょっとしたコツひとつで伸ばせることができるので安心しましょう。
褒め上手になるポイントを徹底解説!
ここでは褒め上手になるために意識しておきたい主なポイントをまとめましたのでご覧ください。
褒めることに恥ずかしい気持ちを持たない
日本では「謙譲の美徳」という言葉があるように、自分を低く見せることで相手の地位を高め、尊敬するのがよしとされています。
そのため、人が持つ長所を口にはっきりと出して褒めることを積極的には推奨されていません。このような理由から私たち日本人は褒めるのも、褒められるのも慣れておらず、恥ずかしいという感情を抱きがちです。
しかし、過去の研究からも褒めるという行為は多くの人にプラスの効果をもたらすことがわかっています。したがって人を褒めることに恥ずかしい気持ちを持つ必要はまったくありません。
「褒めることで自分にも相手にもメリットがもたらされる」という考えを持っているなら、周囲の目を気にせずに積極的に褒めるという行動をとってみましょう。
相手の話をよく聞く
相手の褒めるポイントがなかなか見つからないという方は、相手の話をよく聞いていない可能性もあります。相手の話をよく聞かないと、その人の好きなことや興味のあること、考え方などは当然のことながら頭に入ってきません。
相手の話にしっかりと耳を傾けることで「〇〇さんのそういう考え方はとても好きだな」「〇〇君の好きなものにかける情熱は素晴らしいね」といったように、的確に褒めることができるようになります。
また口下手な人はポイント、ポイントで相槌を打ちながら真摯に話を聞いてあげるのも効果的です。
「私はあなたの話をまじめに聞いています」という姿勢を見せることで、相手も「真剣に話を聞いてもらえてよかった」「〇〇さんはわかってくれる人」という気持ちを抱くようになるでしょう。
「結果」ではなく「過程」を褒めてあげる
こちらは特に子どもの教育に関するテーマでも取り上げられることが多い褒め方です。褒め上手な人というのは、結果よりも挑戦した努力や結果が出るまでの過程を褒めることが多いです。
子どもの勉強で例を挙げると「〇〇は今週のテストで100点取ってえらかったね」という両親がいたとします。この場合は「100点」という結果を褒めていますね。
一方の過程を褒めるというのは以下のような例が該当します。「〇〇は今週のテストは80点だったけど、前回間違った問題は正解してるし、よくあれから努力したね」。
どうでしょうか?上の例は結果ではなく、前回間違った問題をクリアするべく必死に努力した過程を褒めています。このように努力や過程を褒めてあげることで人というのは「よし、もっと頑張ろう」という気持ちが湧いてきます。
逆に結果を褒めてあげるのも決して間違った褒め方ではありませんが、結果に固執しすぎると相手に「次も良い結果を出さなきゃ…」という変なプレッシャーを与えてしまう可能性があります。
そのプレッシャーから自分の力を出せなくなるといったケースもあるので、注意が必要です。ちなみに今回は子どもの勉強で一例を取り上げましたが、この方法は仕事などのシーンでも有効活用できるので積極的に試してみましょう。
嘘はつかない
相手を褒めるときは、自分が心からそう思える部分だけを褒めるようにしましょう。ときどき、場の空気を壊さないために思ってもいない点を褒める方がいます。リップサービス的な褒め方は、相手によっては「絶対口先だけ」と捉えられてしまうことがあります。
こうなると逆に不信感を与えてしまう可能性もあるので、相手を褒めるときは心から称賛できる点を伝えるようにしましょう。「なぜそう思ったの?」と聞かれたときに、具体的な答えを返せるとより理想的ですね。
感じたことをストレートに伝える
相手を褒めるときに「どのように伝えればよいか?」と考えすぎてしまうと、なかなか言葉が出てきません。最も簡単なのは「心の中で感じたプラスのことをそのまま言葉に出す」ということです。
具体的には相手の仕事ぶりが「ヤバすぎる(凄いという意味での言葉)」と感じたら、直接「〇〇君の仕事ぶりはいつも的確でヤバすぎるね」といったような褒め方があります。もちろんこの褒め方は相手を選ぶ必要があるでしょう。
気心の知れた家族、友人、知人、同僚、後輩などにはこのような褒め方でも問題ないかもしれませんが、取引先や先輩、上司などには使わないほうが無難かもしれません(※中には器の大きい人もいるため、絶対とは限らない)。
ドラマや映画のようなカッコいいセリフで褒めたいという方もいるかもしれませんが、あまりに凝った回りくどい褒め方をしてしまうと、相手にも伝わりづらいです。
そのため、気心の知れた相手などを褒める場合は、心の中で出てきた言葉をそのまま伝えたほうが良い結果につながることが多いでしょう。
相手のどこを見て、何を褒めればいいの?
褒め方がわからないという方の中には「相手のどこの部分を見て褒めればよいのか?」という疑問を抱えている方も多くいます。ここではそのような方のために、相手を褒めるポイントや特徴などをまとめましたので解説します。
性格
性格は相手を褒めるときの定番ポイントですね。ポジティブで前向きな人、周囲を明るくさせるためにいつも笑顔でおもしろい発言をする人などは、性格を褒められると嬉しい気分になることが多いでしょう。
「〇〇君の話はいつもおもしろくて社内が明るくなるよ」「失敗しても前向きな姿勢を崩さない点は素晴らしいね」と褒めてあげることで、相手にもますます頑張ろうという気持ちが生まれます。
また普段は口数が少なく、大人しい性格の人に対しては「黙々と仕事をしている姿勢は見習いたいね」「僕は仕事そっちのけでおしゃべりに夢中になるから〇〇君のような性格はうらやましい」といった褒め方があります。
一般的に口数が少なく、大人しい性格の人というのは根暗と思われることもありますが、上の例のように見方を変えるだけで、多くのメリットがあることがわかります。
「口数が少ない」「大人しい」という本人も気にしている可能性がある部分を肯定してあげることで「こんな自分でも認められた」という気持ちが湧いてくるでしょう。
行動
人は結果ではなく、挑戦したという事実や結果を出すまでの過程を褒められたほうが、やる気が高まるという研究結果もあります。そのため、どのような分野でも自ら行動して、努力したという事実を褒めてみてはどうでしょうか。
具体的には「こないだのマラソン大会、結果は出なかったけどタイムは縮まったし、相当努力したんだね」「今回の営業は上手くいかなかったけど、笑顔や言葉遣いが成長したね」といった褒め方ですね。人というのは努力した点、頑張った点を褒めてもらうと俄然やる気がアップします。
考え方
仕事方法、勉強方法、コミュニケーション方法など人にはそれぞれの考え方や価値観があります。この考え方、価値観を褒めてあげると相手も「わかってくれる人がいた」という気持ちになり、やる気もアップするでしょう。
「〇〇君の考え方は最も無難で安心できるよ」「〇〇さんの考え方は新しい風を起こしそう」といった褒め方がありますね。考え方や価値観に共感できると相手との距離感もグッと近くなるため、日頃からしっかりと観察しておくようにしましょう。
褒め上手になって良好な人間関係を築こう!
今回は褒め上手になる方法をテーマに解説してきました。日本人はもともと褒める、褒められることに慣れていません。したがって今でも多くの方が褒めるという行動に対して、悩みを抱えています。
人を褒めるというのは自分にも、相手にも多くのメリットをもたらすことがわかっています。そのため、褒め方のコツを少しでも学んでおくことを推奨します。褒め上手になって良好な人間関係を築けるように頑張ってみましょう。