2018年7月19日 | お役立ち情報
夏のお弁当の食中毒対策!入れてはいけない食材と傷みにくいおかず
梅雨時から夏にかけては食中毒が最も発生する時期です。このようなときに心配になるのが毎日のお弁当作りです。お弁当は調理してからすぐに食べるわけではないため、どうしても食中毒のリスクが高くなります。
大切な家族が食中毒にかからないか心配になるママやパパも多いでしょう。そこで今回は夏のお弁当の食中毒に関するお役立ち情報をまとめましたので解説します。
夏のお弁当で入れてはいけない食材とは?
まずは気温や湿度が高い夏場のお弁当で入れない方がよい食材をまとめましたのでご覧ください。
卵
卵は栄養価が高く、老若男女が大好きな食材のひとつですが、夏のお弁当には適していません。近年、卵が原因のサルモネラ属菌による食中毒が増加傾向にあり、農林水産省などでも注意喚起がなされています。
サルモネラ属菌による食中毒は、主に生卵や加熱不足の卵によって引き起こされることが多いです。したがって夏のお弁当では卵(特に生、半熟)を入れるのは避けておいたほうが無難です。
生野菜
お弁当の彩りやスペースを埋めるために、千切りキャベツやレタスを使用している家庭も多いのではないでしょうか。しかし、このような生野菜も夏のお弁当では基本的にNGです。
これは生野菜に豊富に含まれている水分が時間の経過とともに出てきてしまい、雑菌の繁殖を許してしまうからです。このような理由から水分を多く含む生野菜(レタス、キャベツ、トマトなど)は夏のお弁当には適しているとはいえません。
ただしヘタを取ってしっかりと洗ったミニトマトなどはお弁当に入れても問題はないとされています。ミニトマトを入れる際はキッチンペーパーなどで十分に水気を落とすようにしてください。
チャーハン・混ぜご飯
チャーハン、混ぜご飯なども傷みやすいです。チャーハンや混ぜご飯には肉、野菜などの具材が含まれています。
これらの食材には水分が含まれているので、通常の白米と比べるとどうしても傷みやすくなりがちです。特に具材に卵を使ったチャーハン、混ぜご飯などには注意しておきたいところです。
煮物
肉じゃがやかぼちゃの煮つけなどの煮物は日本人が好むメニューですが、夏のお弁当には向いていません。煮物も生野菜と同様に水分が多いので、時間が経つと雑菌の繁殖を招く可能性があるためです。
前日に作っておいた残りの煮物などは、ついついお弁当に入れたくなってしまいますが、安全性を重視するなら避けておいたほうが無難です。どうしても入れたい場合はしっかり煮込んで水分を飛ばす、濃い目の味付けにするといった工夫を施してみましょう。
魚介類
魚介類は牛肉や豚肉といった畜肉と比べても傷みの進行速度が早いです。これは魚に含まれている水分量が多い、肉質が弱いといったことが主な理由となります。生の魚介類はもちろんのこと、火を通す場合も十分すぎるほどに加熱することが重要です。
夏場のお弁当に魚料理を入れると、ニオイの問題も出てくるので、あまりおすすめはできません。ちなみにかまぼこやはんぺんなどの練り製品も夏場は傷みやすいので注意が必要です(お弁当に入れるときは十分に加熱すること)。
果物・フルーツ
食後のデザートとして大人気の果物やフルーツですが、安全性の面から見ると夏のお弁当には入れないほうがよいでしょう。理由としては果物やフルーツも水分が出やすい食材だからです。
おかずと一緒にスイカ、イチゴ、キウイなどを詰めることも多いと思いますが、果物やフルーツから出た水分によっておかずまで傷んでしまうことがあります。
果物、フルーツ系の食材をどうしてもお弁当に入れたい場合は、果物専用の容器に入れ、保冷剤でしっかりと冷やすということを意識しましょう。
マヨネーズを使用したおかず
ポテトサラダやマカロニサラダなどのマヨネーズで和えているおかずはお弁当としても定番です。しかし、夏場にマヨネーズを使ったおかずをお弁当に入れるのはあまり推奨できません。
マヨネーズ自体には塩や酢などが含まれているため、殺菌作用があります。ところがサラダやお惣菜に使用したときに食材から水分がにじみ出やすくなるのです。調理時に水分が多く出ることで防腐効果が弱まってしまいます。
他の食材と混ぜることで、菌が繁殖しやすくなることから、マヨネーズを使用したおかずはお弁当に入れないほうが無難といわれています。
【参考】お弁当づくりによる食中毒を予防するために:農林水産省
夏のお弁当は抗菌・殺菌効果がある食材を有効活用しよう!
前述のように高温多湿になる夏場のお弁当は他の季節と比べても傷みのスピードが早いです。そこで有効活用したいのが抗菌、殺菌作用のある食材です。
これらの食材を使えば食中毒を100%防げるわけではありませんが、無対策よりかは安全性は高まります。ここでは夏のお弁当で活用したい抗菌、殺菌効果がある主な食材をご紹介します。
梅干し
殺菌作用のある食材として有名なのが梅干しです。梅干しに含まれているクエン酸がお弁当箱内の殺菌を行ってくれるので、日の丸弁当などは非常に理にかなったメニューといえるでしょう。
ただし、ご飯の真ん中に梅干しを入れただけでは、梅干しの周辺しか殺菌効果を発揮しません。したがってお弁当全体に梅干しの殺菌効果を取り入れたい場合は、細かくして散らばしてみたり、他の食材に混ぜ込むといった工夫を施すとよいでしょう。
近年、流行りの減塩梅干しやはちみつ梅干しといった甘い梅干しは、一般的な梅干しと比較すると殺菌効果が落ちるので注意が必要です。
醤油
日本人にとって非常になじみの深い調味料でもある醤油。食材に旨みをつけたり、魚や肉の生臭さを解消できる万能調味料です。
日本では古くから肉や魚を醤油に浸して保存してきたという知恵が伝えられていることからも、醤油には優れた殺菌力があることがうかがえます。
乳酸、塩分、酸性pH、アルコールなどが組み合わさることで、醤油は大きな殺菌効果を発揮するといわれています。
お酢
お酢は細菌の増殖を抑える効果があることで知られています。東京都立衛生研究所において「食酢の静菌作用」に関する実験が行われました。
実験方法はご飯にすし飯程度の酢(米飯三合に食酢60ml)を混ぜ、そこに大腸菌と黄色ブドウ球菌を接種し、30℃と15℃の環境で保存してどれほど菌が増えるか調査するというもの。
そして実験の結果、食酢なしのご飯は4時間~7時間ほどで菌の大量繁殖が起きることがわかりました。一方の食酢入りのご飯の場合は15℃保管で1日、30℃でも10時間ほどは大丈夫という結果が報告されています。
このようにお酢には優れた抗菌、殺菌作用があるため、気温が高い夏場のお弁当への利用は非常に適しています。キッチンペーパーにお酢をつけて、お弁当箱を拭く方法も有効です。
わさび
わさびの辛味成分でもある「アリルカラシ油」には、食中毒の原因となる腸炎ビブリオ、サルモネラ、O157といった細菌の増殖を抑制する効果があるといわれています。
刺身やすしといった生魚を使用する料理においては食中毒予防と同時に、生臭さ解消や食欲増進効果も期待できます。
ちなみに最近ではわさびの防カビ、防臭効果を活用したお弁当用のシートも販売されています。その高い抗菌力、殺菌力からお弁当箱のフタにわさびを塗るといった対策法もおすすめです。
カレー粉
カレー粉に含まれるウコン(ターメリック)の中には、クルクミンと呼ばれる成分が入っています。
クルクミンには優れた防腐効果があるため、食材が傷みやすい夏の季節にカレー粉を活用するのはぴったりです。カレーの風味は食欲をそそる効果も期待できるので、夏バテなどの方にも適しています。
大葉
独特な香りと辛味が特徴的な大葉。この香りと辛味を生み出しているのがペリルアルデヒドです。ペリルアルデヒドは別名シソアルデヒドと呼ばれており、殺菌効果や食材の腐敗を防ぐ効果が認められている成分です。
刺身のつまや料理のおもてなしで大葉が欠かせないのはこれらの殺菌、防腐作用があるためです。おかずの間仕切りにも使用できるので、非常に使い勝手が良い食材ともいえるでしょう。
夏のお弁当におすすめの傷みにくいおかず
ここからは夏のお弁当におすすめしたい、傷みにくいおかずをご紹介します。
揚げ物
唐揚げなどの揚げ物類は中までしっかりと火が通っているので、傷みにくいおかずとしては非常におすすめ。生野菜や煮物と違って、水分が出にくいのも傷みにくい理由として挙げられます。
揚げ物のメニューは唐揚げ以外にもエビフライ、天ぷら、豚カツなど豊富にあるため、レシピのマンネリ化も防ぐことができます。
ただし、コロッケは傷みが早いじゃがいもを使っているので注意が必要です。揚げたあとは油をキッチンペーパーなどでしっかりと落としてから、お弁当箱に入れるようにしましょう。
きんぴらごぼう
和食の定番といってもいいほどのおかずがきんぴらごぼうです。きんぴらごぼうは汁気が少ないので、傷みにくいおかずとして大活躍してくれます。夏のお弁当にきんぴらごぼうを入れる場合は、濃いめの味付けを意識しておきましょう。
近年は健康ブームの影響もあり、薄味が推奨されていますが、味付けで使用される塩分にも殺菌作用があります。
そのため、普段から味付けが薄いおかずなどを入れている家庭では、夏場はいつもより少しだけ味が濃くなるように調整することを推奨します。もちろん過度な塩分摂取は体にも悪影響を及ぼしますので、あくまでも適度な濃さ、塩分量を意識することが大切です。
肉のシソ巻き
豚肉などに大葉を巻いたおかずです。前述のように大葉には優れた殺菌作用、防腐作用があるので、傷みの進行を遅らせてくれます。
またきんぴらごぼうと同様に醤油、みりん、砂糖などでしっかりと味付けしておくことを推奨します。ちなみに中に梅干しを入れたり、梅ソースをかけると抗菌作用でさらに傷みにくくなり、さっぱりとした味わいも楽しめるようになります。
わさび入り玉子焼き
夏のお弁当に卵を使うのは避けておくのが無難と解説しましたが、卵が大好きな方からしてみると、卵なしのお弁当は楽しみが半減してしまいますよね。そこでおすすめしたいのがわさび入りの玉子焼きです。
味付けとしてわさびを少しだけ入れると、食中毒の原因となる菌の増殖を抑えてくれます。もちろん玉子焼きは中までしっかりと火を通すことが絶対条件です。半熟卵、目玉焼き、スクランブルエッグといった加熱が不十分の卵料理は入れないようにしましょう。
アスパラベーコン カレー風味
アスパラガスをベーコンで巻いたアスパラベーコンも定番おかずのひとつです。アスパラガスなどの緑黄色野菜を嫌う子どもは多いですが、ベーコンと一緒に炒めることですんなりと食べられるようになるケースもあります。
また食中毒対策として、カレー粉で味付けするのもおすすめです。前述のようにカレー粉に含まれているクルクミンという成分が、食材の傷みを遅らせてくれます。
コクのあるベーコンにスパイシーな香りが加わるため、ご飯がすすむ一品としても大活躍してくれるでしょう。
自然解凍できる冷凍食品
お弁当を食中毒から守るためには、保冷することが有効です。そこでおすすめしたいのが、近年注目を集めている自然解凍が可能な冷凍食品です。解凍せずにお弁当に入れておけば、昼食の時間帯には食べごろになっています。
自然解凍タイプの冷凍食品は保冷剤代わりにもなるので、食中毒対策としては非常に適したおかずといえるでしょう。このタイプの冷凍食品をお弁当に詰める場合は、できるだけお弁当箱の中央に配置することを推奨します。
このようにすることで周辺のおかずも冷やしてくれるので、一石二鳥となります。唐揚げ、ベーコンのポテト巻きなど子どもから大人までが大好きなおかずが揃っているため、品揃えの少なさで悩むことがないのも大きなメリットです。
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お弁当は作ってから食べるまでに時間があります。その間ウイルスの付着や菌の繁殖による傷みが心配になりますよね。フマキラーの「食品用アルコール除菌フードキーパー」は、お弁当に直接スプレーするだけで、菌による食品の傷みを抑え、生鮮食品の鮮度をキープします!100%食品成分でできているので、もちろん口に入っても安全です。
またお弁当だけでなく、さまざまな食材やお料理、保存容器や調理器具にも使用することができます。
夏のお弁当の食中毒対策をしっかりと施して家族の安全を守ろう!
例年6月~9月にかけて発生することが多い食中毒ですが、そのうちの約1割ほどは自宅や家庭が原因となっています。
したがって毎日子どもやパパのお弁当を用意するママさんは、ある程度時間が経過しても傷みにくいお弁当を作る必要があります。もちろんこれはママやパパが自分のお弁当を作るときにも同じことがいえます。
傷みにくい食材選び、調理前の手洗い、調理器具の手入れなどに力を入れて、家族全員が安心、安全なお弁当を食べられるような対策を施してみましょう。夏のお弁当作りで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。