本好きな子供に育てる方法!読書したくなる環境を作る

本好きな子供に育てる方法!読書したくなる環境を作る

「子供が本嫌い」「本に興味を持ってくれない」。このような悩みを抱えた両親は非常に多いです。読書というのは子供にさまざまな効果、メリットをもたらすことがわかっています。そのため、子供に本を読んでもらいたいと願う気持ちを持つのはとても良いことです。

しかし子供に本を好きになってもらうにはちょっとしたコツがあります。このコツを知らないと、子供がますます本嫌いになってしまう可能性も。そこで今回は本好きな子供に育てる方法やコツなどを解説します。

本好きな子供は学力も高い?

よく本を読むのが好きという子供は勉強もできると言いますが本当なのでしょうか?まずはこの疑問を解消すべく、文部科学省に置かれている国立教育政策研究所の調査データを見てみましょう。

文部科学省が実施した平成28年度全国学力・学習状況調査では小学6年生の児童に対し、質問紙調査を行いました。この調査の中の一つに「読書は好きですか」という質問があります。

回答選択肢は「当てはまる」「どちらかといえば、当てはまる」「どちらかといえば、当てはまらない」「当てはまらない」の4つ。以下に「当てはまる」と回答した児童と「当てはまらない」と回答した児童のテスト成績をまとめましたのでご覧ください。

国語A 国語B 算数A 算数B
読書が好き 76.9 62.7 80.4 50.7
読書が好きではない 64.7 47.4 71.8 40.2

【参考サイト】国立教育政策研究所「平成28年度 全国学力・学習状況調査 報告書 3. 参考資料」

いかがでしょうか?「読書が好き」と回答した児童はすべてのテストにおいて「読書が好きではない」と回答した児童の成績を上回っています。ちなみに同調査では「新聞を読んでいますか」という質問もあります。

こちらも「毎日読んでいる」と回答した児童は「ほとんど、または、まったく読まない」と答えた児童よりも高いスコアを出していることがわかりました。この調査結果で興味深いのは、読書の好き嫌いが算数のテスト成績にも影響していると思われる点です。

読書をすると国語力が伸びるというのはよく聞きますが、上の調査結果を見ると明らかに他の教科にも良い影響を与えていることがわかります。したがって読書が好きというのは、全体的な学力向上に大きく役に立つ可能性を秘めていると言えるでしょう。

子供が本好きになる方法を解説!

子供が本好きになる方法を解説!

読書好きの子供は学力も高いことがわかりましたが、今度は子供を本好きに育てる方法を考えましょう。「子供の本嫌いを何とかさせたい」という悩みを持つママ、パパは多いと言います。ここでは子供が本好きになるための方法をご紹介します。

読み聞かせをする

幼少期に両親が絵本などの読み聞かせをしてくれたという経験をお持ちの方は多いと思います。この読み聞かせですが親にとっては子供への愛情表現の一つであり、子供にとっては親から愛されていることの喜びを感じることができる行為の一つです。

鳴門教育大学の浜崎隆司氏、黒田みゆき氏らが行った調査で興味深いデータがあります。この調査はT県内の教員養成系大学に在籍する18歳~22歳の大学生および大学院生に読み聞かせに関する質問に回答してもらうというもの。この中に「絵本の読み聞かせの影響について (あなたの人生にとって読み聞かせされた経験はなんらかの影響はあると思いますか)」という質問があります。

そしてこの質問に「はい」と回答したのは、274名の読み聞かせ経験者のうち197名ですが、何とこの197名全員が「その後の人生でポジティブな影響があった」と答えています。

ポジティブな影響とは具体的に表現すると「読み聞かせの継承」「学習効果」「想像力」「共感性」などのことです。本を読むことは学習力向上に役に立ちますが、浜崎氏、黒田氏らが行った調査によって想像力、共感性など感性や情緒の面においても良い影響をもたらすことがわかったのです。

そのため、現在小さい子供がいる家庭では積極的に絵本の読み聞かせをすることを推奨します。小学校低学年ぐらいまでは文字から情報を得るのは難しい時期です。したがって、小さいうちから本を好きになってもらうには親が読み聞かせをするのが最も有効な方法です。

ちなみに米国のハーバード大学では、パパが読み聞かせをすると子供の考える力、興味を引き出す力が高まるという研究結果も発表されています。絵本の読み聞かせというとどうしてもママのイメージが強いですが、子供の能力を高めるためにもパパも子供に読み聞かせをしてあげましょう。

両親も読書をする

「子は親の背中を見て育つ」という言葉がありますが、小さい子供は親の行動をよくマネします。つまり親が読書をしている姿を子供に見せることで、子供も本に興味を持ってくれる可能性があります。

文部科学省が行った調査では、読書が好きな保護者の子供は読書が好きになる傾向が高くなることがわかっています。
【参考サイト】文部科学省「親と子の読書活動等に関する調査」

このような調査結果から子供に本を好きになってもらうために、親も一緒に読書をすることは有効な方法と言えるでしょう。子供の本嫌いで悩む両親は非常に多いですが、このような場合自身の行動を一度振り返ってみることを推奨します。

全家庭がそうだとは限りませんが「ヒマな時間はテレビばかり見ている」「お菓子、お茶の時間が長い」など、両親が読書とは無縁の環境を作っていることも考えられます。これでは子供も本に触れる機会がありませんから、興味を持つのは難しくなります。

子供にばかり求めるのではなく、ママ、パパが率先して読書をし、本が身近にある環境を整えてあげましょう。

本の表紙が見えるように並べる

ママ、パパは子供が思わず本を手に取りたくなるような環境も用意してあげなければいけません。最も簡単にできる方法としては「本の表紙が見えるように収納しておく」ことです。

きれいに整理整頓されていることも大事ですが、やはり本の可愛い表紙、楽しそうな表紙が見えるように収納することで、子供も本に対して興味を持つ可能性が高くなります。ちなみに書店などでは読者に特に購入してもらいたい本を「面置き」という方法で陳列します。

面置きとは本の表紙が見えるように並べることです。この表紙が見えることによって、読者の興味を引きやすくしているというわけですね。確かに本の表紙は著者の顔写真が使われていたり、印象的なキャッチコピーが載せられていることが多いため、思わず手に取りたくなる時があります。

反対に文字だけの背表紙を見せられても、よほど興味のあるジャンルではない限り、手に取ろうとは思いませんよね。

このように表紙が見えるように並べるというのは、本に興味を持ってもらう上では非常に有効な方法です。最近はインターネットでも面陳列タイプの本棚を手軽に購入できるので、子供の本嫌いで悩むママ、パパは検討してみましょう。

書店・図書館に頻繁に連れて行く

書店・図書館に頻繁に連れて行く

最初は興味がなかったのに何度も触れていくうちに、次第に良い感情が起きる経験をしたことってありませんでしょうか?具体的には「この曲は最初まったく好きになれなかったけど、何回も聞いてたら爽やかなメロディーラインが最高と感じるようになった」「席が隣になってからよく話すようになったクラスメイトを好きになった」などが挙げられます。

このように繰り返し触れていくうちに好印象を持つことを「単純接触効果」と言います。単純接触効果は米国の心理学者でもあったロバート・ザイアンスが論文にまとめたことで広く知られるようになりました。

心理学者の名前をとって「ザイアンスの法則」とも言われることがあります。子供に本を好きになってもらうには、このザイアンスの法則を用いた方法を試すのも有効です。つまり本がたくさんある場所「書店」「図書館」へ頻繁に通うということです。

特に図書館はお金をかけずに本と触れ合うことができるため、経済的に多くの本を買ってあげられないという家庭にもおすすめです。ただし、最初のうちは図書館に興味を抱くことが少ないため、中には嫌がる子供もいるかもしれません。

そのような場合は「ママが図書館で借りたい本があるから一緒に来てくれるかな?」といったような誘い方をしてみましょう。間違っても頭ごなしに怒って、無理やり連れて行く行為はしてはいけません。

また最初のうちは書店、図書館に行った帰りにご褒美を用意してあげるとよいでしょう。帰りに美味しいご飯を食べに行ったり、お菓子やアイスを用意してあげることで子供にも「図書館に行けば何か良いことがある」といった気持ちが生まれてきます。もちろんご褒美は子供が本を好きになるまでの間だけで問題ありません。

何度も本に触れることで子供から「本屋さん行こう」「図書館行こう」と口にする可能性も高くなります。本が好きになると書店、図書館へ行くことがご褒美そのものに変わりますから、別のご褒美を用意する必要もなくなります。

特に本嫌いの子供を持つママ、パパは最初のうちは大変かもしれませんが、辛抱強く本にたくさん触れる機会を与えてあげてください。

読む本は子供に自由に選ばせる

読む本は子供に自由に選ばせる

どうしても子供に本を読ませたい親がやってしまいがちなのが「この本を読みなさい」というもの。要は親が読ませたい本を子供に無理やり読ませようというものですね。ママ、パパも「この本は教育には素晴らしいから、ぜひうちの子供にも読ませたい」という一心でとっている行動だと思います。

しかし、親が読ませたい本を子供に無理やり読ませるのはあまり推奨できる行為ではありません。理由としては、子供がますます本嫌いになってしまう可能性が高くなるからです。その本を読んで子供が「とても面白かったよ!パパ、ママありがとう」という気持ちになってくれたら、本を好きになってくれるでしょう。

では「この本まったく面白くない」という場合はどうなるでしょうか?答えは簡単で本を読むという行為が苦痛に感じ、ますます本を遠ざけてしまう可能性が高くなります。

これでは「本を好きになってもらう」という目標を達成することができません。したがって本を好きになってもらいたい場合は、まず子供が興味を持った本を読ませてあげることが大切です。

たとえ本を好きになったきっかけが漫画だったとしても、年齢を重ねると人生の役に立つ著書などを好むこともあります (※漫画にも人生の役に立つ作品は数多くあります)。そのため、両親は子供が選ぶ本を自由に読ませてあげましょう。「子供に本を好きになってもらう」という本質を見失わないように、子供をそっと見守ってあげることも大切です。

子供が読書をしていたらほめてあげる

子供が読書をしている姿を見た時にはほめてあげましょう。親がほめてあげることで子供にも「本を読むことは良いことなんだ」という気持ちが芽生えやすくなり、積極的に本を読むことが増えるようになります。

ただし、注意点としては嘘をついたおだてのほめ言葉はやめておきましょう。読書をしている子供の姿を見て「偉いな」「同じ本を繰り返し読んでいるけど、1冊の本を大事にするのはとても良いことだな」と思ったら、その本当の気持ちを素直に子供に伝えることが大切です。

子供も大きくなってくると親の気持ちを徐々に理解するようになります。そうするとおだての褒め言葉に対して「本を読ませるために、思ってもない言葉ばかりかけてくる」という気持ちになることも。ですから子供を褒める時はママ、パパが心の中で本当に感じたことのみを伝えるようにしましょう。

子供を本好きに育てるのは両親の地道な努力が必要不可欠

子供を本好きに育てるのは両親の地道な努力が必要不可欠

今回は子供に本を好きになってもらう方法などを解説しました。本が好き、読書が好きという子供はさまざまな研究や調査により、多くのメリットをもたらすことがわかっています。

そのため、小さいうちから本に触れさせたい気持ちを持つことは、とても素晴らしいことです。しかし子供に本を好きになってもらうにはママとパパもある程度工夫をしてあげる必要があります。

ママ、パパも一緒に本を読むなど、生活習慣をある程度変える必要もあるかもしれません。そのため、最初は両親も苦労することがあるでしょう。ただしこれはどの世界においても同じことが言えます。

子供に野球を好きになってもらいたい場合はパパが練習相手になってあげる、ママと同じピアノ好きになってもらいたい場合は時間を割いて教えてあげるなど、子供が何かしらの能力を伸ばすには親も多少の努力をしなければなりません。

子供は両親の背中を見て育ちます。将来、子供が「本が大好き」と言ってくれるようにママ、パパも頑張ってみましょう。子供の本嫌いで悩む家庭はぜひ参考にしてください。

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