2022年1月12日 | お役立ち情報
快眠できる寝具の選び方を解説。ベッドを使用する際に必要な寝具は?
私たちの生活は、睡眠の質に左右されるといっても過言ではありません。毎日の快眠を得るには、環境や好みに合わせて適切な寝具を選ぶことが大切です。今回は、ベッドに必要な寝具と選び方を種類別にご紹介し、寝具のお手入れなどについても解説いたします。
ベッド用の寝具と選び方~マットレス類
はじめに、マットレス類の種類と選び方をご紹介いたします。
寝具の種類と選び方
ベッドに必要なマットレス類の種類と選び方は、次のとおりです。
ボックスシーツ
マットレスを包み込むベッド用のシーツで、四辺にゴムが入るタイプもあります。シングル・ダブルなどのサイズに加えて、マットレスの厚さに5~10cmほど足した高さの数値も確認しながら購入してください。素材は綿(めん)100%、綿とポリエステルなどの混紡(こんぼう)などがあり、織り方によって肌触りが異なるので好みで選びましょう。
ベッドパッド
キルティング加工を施した薄手のマットで、マットレスとシーツの間に敷いて使用します。マットレスへの汚れ防止や、寝心地を調節する目的があります。購入時はサイズや素材のほか、洗濯ができるかどうか確認しましょう。汗をかきやすい場合は、吸湿性のよいウールや綿素材を選ぶと快適に過ごせます。
マットレス
なるべく実際に寝転んだりさわったりして、感触を確かめてから購入しましょう。マットレスには、主にコイル(バネ)が入ったスプリングタイプと、ウレタンや樹脂を用いたタイプがあります。硬すぎても柔らかすぎても体に負担がかかるので、仰向けで寝たときに背骨が自然なS字になるような硬さを選んでください。
- スプリングタイプ
「ボンネルコイル」は、複数のコイルを連結させて表面をウレタンなどでおおったマットレスで、やや硬めで通気性がよく、体が深く沈まない点が特徴です。「ポケットコイル」は1つずつ布でくるんだコイルを並べたマットレスで、やや柔らかめで体にフィットします。商品によって弾力が異なるため、実際に寝たりさわったりして選びましょう。
- ウレタンや樹脂のタイプ
「低反発(ていはんぱつ)」のマットレスは、柔らかめで体の動きに合わせてゆっくりと形を変える点が特徴です。適度な硬さがある「高反発(こうはんぱつ)」のマットレスは、軽くて洗えるタイプも多く、寝返りしやすいので就寝中によく動く方に適しています。ウレタンや樹脂のマットレスは、冬の冷え込みを軽減できます。
トッパー
寝心地や硬さを調節する寝具のひとつですが、必須ではありません。トッパーはやや厚みがあり、低反発・高反発のタイプや、凹凸の突起の部分で支えるウレタンフォームのタイプ、羊毛や羽毛を使用したタイプなどがあります。なお、トッパーを使用するときのシーツは、マットレスとトッパーを重ねた高さを計測してから購入してください。
敷きパッド
シーツの上に敷く薄手のパッドで、キルティング加工が施されています。必ず用意するものではありませんが、吸湿性が高く体感温度を調節できるメリットがあります。暑い季節や汗をかきやすい方には冷感タイプ、寒い季節には温感加工の施されたタイプがおすすめです。肌に直接触れる敷きパッドは、素材や洗濯の方法も確認しましょう。
除湿シート
マットレスの下に敷くシートで、水分を吸収・放出してカビを防止する役目があります。こちらも必ず用意するものではありませんが、暑い季節や汗をかきやすい方におすすめです。除湿シートは、「布団が干せない」「冬にベッドの底面が結露する」などの環境にも適しています。吸湿すると色が変わるタイプや繰り返し洗えるタイプなどがあります。
敷き方と組み合わせ
基本的なマットレス類の敷き方は、次のとおりです。
敷きパッドや除湿シートをプラスする場合は、次の順番で敷いてください。
ベッド用の寝具と選び方~掛け布団類
続いて、掛け布団類の種類と選び方をご紹介いたします。掛け布団は軽くて体にフィットするものを選び、保温性や吸湿性、水分の放湿性に優れたものがよいでしょう。
寝具の種類と選び方
掛け布団は種類が豊富なので、目的や好みに合わせてお選びください。購入するときは、シングルやダブルなどのサイズに気をつけましょう。
羽毛布団
水鳥の羽毛(ダウン)を用いた布団で、軸のついた羽(フェザー)が混ざったタイプもあります。羽毛布団は軽くてフィット感があり、保温性や吸湿性、放湿性に優れています。羽毛布団の選び方は、全日本寝具寝装品協会が発行する「GFマーク」、日本羽毛寝具製造協同組合が発行する「ゴールドラベル」などを確認することがポイントです。
羊毛布団
羊の毛を用いた布団で、ウール布団とも呼びます。羊毛は、巻いて縮んだ「捲縮(けんしゅく)」と呼ばれる繊維が特徴です。保温性は羽毛布団よりもやや劣りますが、吸湿性はほかの繊維より高く、放湿性にも優れています。羊毛布団も、GFマークや国際羊毛事務局による「ウールマーク」がついた商品を選んでください。
綿(わた)布団
アオイ科の綿(わた)から採れる繊維を用いた布団で、ポリエステルが混ざったタイプもあります。綿布団は吸湿性に優れ、天日干しにすれば放湿してかさが回復する点がメリットです。保温性は羊毛布団よりもやや劣り、重さもありますが、定期的に仕立て直しをすれば長く使用できます。綿布団も、GFマークがついているものを選ぶと安心です。
真綿(まわた)布団
真綿とはカイコがつくる繭(まゆ)を引き伸ばして綿状にしたもので、かつて「わた」と呼びましたが、上記の綿と区別して真綿の名がつけられました。真綿布団は「シルク布団」とも呼ばれ、軽くてフィット感が高く、保温性や吸湿性、放湿性に優れています。大日本蚕糸(さんし)会による「日本の絹マーク」がついているものであれば、間違いありません。
合繊(ごうせん)布団
合繊とは合成繊維のことで、化学的につくられたポリエステルなどを指します。合繊布団は軽くて耐久性があり、扱いやすく安価な点がメリットです。合繊はほとんど吸湿しませんが、繊維の間から水分を放湿するため蒸れる心配はありません。合繊布団もGFマークがついたものを選び、定期的なクリーニングで清潔に使用しましょう。
毛布
毛布の素材には、ウールやカシミヤ、シルク、綿、アクリルなどがあります。吸湿性が高いウールやカシミヤ、シルク、綿の毛布は、肌に直接触れると汗を吸うので快適に眠れます。とくにウールは、吸収した湿気を吸着熱(きゅうちゃくねつ)として発生させるため、冬は温かく過ごせます。綿やアクリルの毛布は、家庭でも洗濯できる点がメリットです。
タオルケット
春から夏に使用する上掛けで、綿や麻、ポリエステル、アクリルなどとそれぞれの混紡があります。綿の素材は、保温性や保湿性、吸湿性に優れた綿パイルや、柔らかく通気性がよい綿ガーゼなどが主流です。麻は素材の質や熱伝導性のよさから、冷感や涼感が得られます。混紡のタオルケットの中には、ひんやりとして快適に眠れるタイプもあります。
掛け布団の組み合わせ
一般的な掛け布団の組み合わせは次のとおりですが、好みや体感に合わせて変更してください。
または
布団の掛け方については、「冬に布団は何枚使う?布団の中が寒いときの対策を解説」の記事で詳しくご紹介しています。
ベッド用の寝具と選び方~まくら類
次に、ベッド用の寝具としてまくらやクッションについてご紹介いたします。
まくら
睡眠の質に影響しやすいまくらは、サイズや形状、高さ、硬さ、素材を吟味して選んでください。一般的なサイズは43×63cmですが、50×70cmくらいのものもあります。一般的な長方形のほか、首の部分が盛り上がってフィットするタイプ、サイドが広めのタイプなどが販売されています。
仰向けで寝ることが多い場合は、頭をまくらに乗せたときに首の骨が自然な状態でS字になる高さが適しています。横向きが多い場合は、頭を乗せて首から背骨までがまっすぐになる高さを選んでください。理想の高さは、壁に背を当てて自然に立ち、壁から首までの距離に2cmを足した数値とされています。微調整しながら、快適な高さを探してみましょう。
まくらの硬さは、実際に頭を乗せたりさわったりして、心地よいと感じるものを選んでください。素材には、羽毛やそば殻などの天然素材や、パイプやビーズ、ウレタンなどの人工素材があるので、季節に合わせて変えてもよいでしょう。
クッション
ベッドに使用するクッションは、背当て(背もたれ)クッションやジャンボクッションなどがあります。必ず用意するものではありませんが、ベッドでスマートフォンやテレビを見るとき、本を読むときなどに背に当てて使います。種類が豊富なクッションは、サイズや素材だけでなく、ベッドや寝室のコーディネートなども考えながらお選びください。
ベッド用の寝具と選び方~そのほか
そのほかの寝具の選び方は、次のとおりです。
各種カバー類
布団やまくらなどのカバーを掛ける寝具は、洗い替え用に複数のカバーを用意しておきましょう。綿100%のカバーは肌触りや吸湿性に優れ、織り方によって感触やイメージが異なります。混紡は保温性が高く、安価で扱いやすい点がメリットです。そのほか、防ダニなどのアレルギー対策を施したカバーもあります。
掛け布団のカバーは、ズレを防止するひもやスナップなどが内部についているものをおすすめします。さらに襟元(えりもと)の汚れ対策としては、専用のカバーを掛けたり、大判のタオルをクリップや安全ピンで留めたりといった工夫もあります。
ただし、羽毛布団に安全ピンなどをさすと、中身が出てくるリスクがあります。羽毛布団には、こまめに洗濯しやすい布団カバーを使用するとよいでしょう。
ベッドスプレッド
「ベッドスプレッド」とはベッドの全体に掛ける布のことで、マルチカバーとも呼ばれます。こちらも必須ではありませんが、おしゃれな寝室を演出する際におすすめです。色や模様が豊富で、素材、厚さも自由に選べます。ベッドの足元に掛ける「ベッドスロー」も用意すると、さらにセンスアップした寝室にまとまります。
ベッド用の寝具のお手入れ
最後に、ベッドに使用する寝具のお手入れについてご紹介いたします。
寝具の洗濯とクリーニング
家庭で洗えるカバー類やタオルケット、薄手のマットなどは、1週間や1ヵ月に1度などとサイクルを決め、定期的に洗濯して清潔を保ちましょう。羽毛布団は5~7年に1回のタイミングで専門のクリーニングに出すか、仕立て直しを依頼します。羊毛布団や綿布団は使わなくなる時期にクリーニングに出し、3~5年くらいを目安に仕立て直します。
真綿布団はクリーニングができないので、5年を目安に「引き直し」と呼ばれるリフォームまたは買い替えをご検討ください。合繊布団は定期的にクリーニングに出し、5年を目安に買い替えましょう。マットレスは、2~3年を目安にして専門店にクリーニングを依頼してください。
寝具の干し方
天気のよい日は、掛け布団を屋外に干しましょう。布団を日光に当てると、水分の蒸発や殺菌の効果が期待できるため、快適な睡眠につながります。掛け布団を干すタイミングは、1~2週間に1回程度です。
干す時間の目安は、夏は2時間ほど、冬は2~3時間ほどですが、布団の素材によって異なるので商品の指示に従ってください。長雨の時期や布団を干すスペースがない場合は、布団乾燥機を使用するとよいでしょう。
マットレスは天日干しができないため、普段は起床後に掛け布団をめくって空気に当て、2~3週間に1回は取り外して日陰の壁などに立てかけて乾燥させてください。月に1回は表面のほこりを掃除機で吸い取ると清潔を保てます。
布団の干し方については、「布団を干す時間を解説!寝具の種類や季節で違いはある?」の記事を参考にしてください。
寝具のお手入れと快適な睡眠
長雨の時期やこまめに布団を干せないご家庭には、フマキラーの「激乾 ふとん除湿・脱臭シート」をおすすめします。敷き布団の下やベッドパッドの下に敷くだけで、パワフルな除湿能力を発揮します。吸湿状態がひと目でわかる「再生サイン」がついているので、サインの色が変わったら天日に干すだけで繰り返し使用できます。布団の除湿は、湿気を好むダニ対策やカビ対策にも有効。また、脱臭成分が配合されているため、気になるニオイを取ることができます。
なお、おやすみ前にはフマキラーの「アレルシャット 夜ぐっすり朝すっきりミスト」をおすすめします。おやすみ前の布団にスプレーすれば、舞い上がり防止とアレル物質変性のダブル効果で、アレル物質を97%カットします(各種条件により効果は異なります)。心やすらぐナイトフローラルの香りは、微香タイプで眠りを邪魔せず、香りが残りません。
寝具の選び方は環境と好みに合わせて
今回はベッドを使用する方に向けて、寝具と選び方を種類別にご紹介し、寝具のお手入れなどについても解説いたしました。寝具を選ぶ際は、素材の特性を理解して環境と好みに合うものを探すことが大切です。快眠が得られないときは、まくらの高さや種類も見直してみてください。
ご紹介した寝具の選び方を参考にして、心地よい眠りを手に入れましょう。