山梨ってどんなところ?山梨県の文化・食べ物・お祭り・県名の由来などを紹介!

山梨ってどんなところ?山梨県の文化・食べ物・お祭り・県名の由来などを紹介!

富士山、八ヶ岳、南アルプスなど、高い山に囲まれた地形の山梨県は、県土の約78%を森林が占める自然豊かな県です。ぶどうや桃、さくらんぼなどの収穫量が常に全国上位のフルーツ王国でもあり、ワイン、日本酒、ジュエリー、織物など地場産業も盛んです。

今回は、豊かな自然に恵まれた山梨県の魅力をたっぷりお届けします。

山梨県とは

はじめに、山梨県の基本情報をご紹介いたします。

県の位置

山梨県は日本のほぼ中央にあり、東経約138〜139°、北緯約35°に位置します。東京都、神奈川県、静岡県、長野県、埼玉県に囲まれた内陸県です。

県名の由来

明治時代に山梨、八代、巨摩、都留の4つの郡からなる甲斐の国が廃藩置県で山梨県になりました。県名の由来は、「果物のヤマナシがたくさんとれたから」「山をならして平らな地にした『山ならし』から付けられた」など諸説あります。

山梨県の文化

山梨県の文化

山梨県に伝わる文化のうち、主なものをご紹介いたします。

無尽(むじん)

山梨県には「無尽」という飲み会文化があります。月に1回程度、特定のメンバーで集まって食事会や飲み会を開き、食事代とは別にお金を出し合って積み立てる山梨県独自の文化です。積み立てたお金は、メンバーが順番に受け取るシステムです。ルールはグループによって異なりますが、基本的には「金額を自由に設定できる」「お金の使い道は自由」「全員にお金が行き渡るまでおこなう」といったルールがあります。

「無尽」の歴史は鎌倉時代に始まった庶民の助け合い精神による融資制度です。冠婚葬祭でお金が必要になったときや病気などで困窮したときに、お互いに助け合う互助制度として発達していきました。融資制度は江戸時代まで発展しましたが、明治時代には営利目的が増え、しだいに「無尽」の文化は薄れていきます。しかし山梨では、今でも一緒に食事をしたり、お酒を飲んだりする「無尽」の習慣が残っています。

日本のワインの発祥の地

山梨県は日本のワインの発祥の地で、国内のワインの約3割を生産しています。

【参考】国税庁「国内製造ワインの概況」

主なぶどう品種は「甲州」と「マスカット・ベーリーA」です。「甲州」で作られたワインはすっきりした味わいで和食に合うといわれています。一方、「マスカット・ベーリーA」で作られたワインはイチゴのような香りで渋味や酸味が少ないことが特徴です。山梨県には明治初期の老舗から平成に新設された醸造所まで80のワイナリーがあり、近年は海外の権威ある著名なコンクールで受賞を果たすなど、国内外で高い評価を得ています。

平成25年7月には「山梨」が、国税庁が原産地名を保護する地理的表示として、ワイン産地では初めて指定を受けました。これにより、要件を満たしたワインのみが山梨ワインと表示できます。

山梨ジュエリー

山梨県は日本屈指の宝飾の産地で、その歴史は水晶の産地として始まりました。水晶原石は枯渇してしまいましたが、「原料の調達」「ジュエリーの企画・デザイン」「宝飾の研磨加工や貴金属加工」「国内外への流通」といったあらゆる製作工程がそろう世界的にも珍しいジュエリー産業の集積産地です。産地ブランド「Koo-fu・クーフー」は、質の高いオリジナル素材と高度な加工技術で人気を集めています。

また、山梨県には日本唯一のジュエリーについて学べる公立の専門学校があり、学生たちがジュエリーについて学んでいます。甲府市の「山梨ジュエリーミュージアム」では山梨県で産出された水晶の常設展示がある他、実演工房や体験工房もあり、土日祝日には宝石の研磨やシルバー加工などの体験を楽しむことが可能です。

甲州印伝

「甲州印伝」は山梨県に400年以上前から伝わる革工芸品で、鹿革に漆で模様づけをする独特な加工法が特徴です。手になじむ柔軟性と強度を兼ね備えていることから、戦国時代には武具にも使われていました。現在は財布や小物入れ、名刺ケース、スマホケースなど、普段使いしやすいさまざまな製品が作られています。

山梨県の食文化・有名な食べ物

山梨県の食文化・有名な食べ物

続いて、山梨県の主な食文化をご紹介いたします。

ほうとう

「ほうとう」は、小麦粉を練った平打ち麺をかぼちゃ、きのこ、芋類、野菜、肉などのたっぷりの具材とともに味噌仕立ての汁で煮込んだ山梨県の郷土料理です。戦国時代には武田信玄が陣中食にしていたといわれています。山梨県では物事がうまく運んだときに「うまいもんだよ、かぼちゃのほうとう」という言葉があるほど、山梨県で親しまれている県民食です。

吉田のうどん

「吉田のうどん」は富士吉田市の郷土料理です。日本一硬い麺といわれるほど、歯ごたえとコシの強さが特徴です。出汁はしょうゆとみそをブレンドしたものが一般的で、噛めば噛むほど素材と出汁のうまみが口の中に広がります。茹でキャベツや甘辛く煮た馬肉をトッピングして食べるのが一般的です。

甲府鳥もつ煮

「甲府鳥もつ煮」は鶏のレバー、砂肝、ハツ、きんかん、ヒモなどを甘いしょうゆのたれで煮詰めた料理です。甲府のB級グルメとしても知られています。一般的なもつ煮は汁気があって長時間煮込んだものが想像されますが、「甲府鳥もつ煮」は少量のタレで強火で短時間照り煮し、うまみや甘みをとじこめていることが特徴です。

ぶどう

山梨県はぶどうの生産量が日本一で、全国のぶどう生産量の25%を生産しています。

【参考】農林水産省「令和4年産日本なし、ぶどうの結果樹面積、収穫量 及び出荷量

山梨県でぶどう生産量が多いのは、昼夜の温度差が大きい内陸性気候が関係しています。山梨県では「デラウェア」、「巨峰」、「ピオーネ」、「シャインマスカット」などの他に、山梨県オリジナル品種の「甲斐のくろまる」「ブラックキング」などを栽培。「甲州」は日本最古の栽培品種で、生食とワイン用に利用されます。

山梨県の伝統的な行事・まつり

山梨県の伝統的な行事・まつり

山梨県に伝わる主な伝統行事や祭りは、次のとおりです。

吉田の火祭り

8月26日、27日の「吉田の火祭り」は北口本宮冨士浅間神社とその摂社である諏訪神社の祭りで、富士山の山じまいの祭りでもあります。日本三奇祭や日本10大火祭りの一つに数えられ、国の重要無形民俗文化財に指定されている祭りです。

8月26日の諏訪神社祭の後、神輿が浅間神社を出発し、氏子中に神幸します。夕方、御旅所に奉安されると高さ3メートルにもなる70本以上の大たいまつに一斉に火が点されます。町中が火の海と化す光景は壮観です。27日は御旅所から神社本宮に神輿を納めます。氏子がすすきの玉串を持ち、神輿の後に従って境内を回るため「すすき祭り」ともいわれます。

信玄公祭り

「信玄公祭り」は、例年武田信玄公の命日(4月12日)の前の金曜日〜日曜日に甲府市中心部の会場で盛大に開催されます。武田信玄公と上杉謙信が激突した川中島大合戦に出陣する様子を忠実に再現する祭りです。

祭りのメインは2日目で、信玄公を中心に武田24将のそれぞれを大将とする軍団が編成されます。県内各地からは1,000名を超える軍勢が舞鶴城公園に集結し、川中島に向け出陣する様子を再現。燃えさかるかがり火のもと、よろい・かぶとで身を固めた武者たちが風林火山の旗をなびかせ、甲府の街へ繰り出します。勇ましい戦国歴史絵巻は圧巻です。

信玄公祭りは「世界最大の武者行列」としてギネス世界記録に認定されています。

厄除地蔵尊大祭

毎年2月に甲府市の塩澤寺でおこなわれる祭りです。二本のご本尊のうち国の重要文化財指定の地蔵堂に安置されている「石造地蔵菩薩座像」が、この日の24時間だけ耳を聞き、善男善女の願いを聞き入れ厄難を逃れることができるといわれており、ご利益にあやかろうと全国各地から多くの参拝客が訪れます。

厄年の人は、年の数だけ1円玉、節分の豆、あめ玉など丸いものをお地蔵様にお供えすると厄を逃れられるという言い伝えもあるそうです。

住所:山梨県甲府市湯村3-17-2
公式サイト(甲府市):https://www.city.kofu.yamanashi.jp/kanko/event/entakuji-matsuri.html

山梨県の建築物・遺産

山梨県の建築物・遺産

山梨県の主な建築物や遺産は次のとおりです。

猿橋(さるはし)

桂川に架かる長さ30.9m、幅3.3m、高さ31mの「猿橋」は、「岩国の錦帯橋」「木曽の棧(かけはし)」と並ぶ日本三奇橋のひとつに数えられています。谷が深く橋脚が立てられないため、両岸から張り出した四層のはね木によって橋を支える珍しい構造です。歌川広重の『甲陽猿橋之図』にも描かれています。

西暦600年頃、百済から来た造園博士の志羅呼(シラコ)が、たくさんの猿がつながりあって対岸へと渡る姿からヒントを得て作られたといわれていますが、起源ははっきりしていません。昭和7年には国の名勝に指定されていて、秋になるとカエデやモミジ、イチョウが周囲を美しく染め上げます。

住所:山梨県大月市猿橋町猿橋
公式サイト(大月市観光協会):https://otsuki-kanko.info/category/content-page/view/31

北口本宮冨士浅間神社

「北口本宮冨士浅間神社」は、富士山の北口(吉田口)登山道の起点となっている神社です。西暦110年、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の折にこの地で富士山の心霊を遥拝し、「北方に美しく広がる裾野をもつ富士は、この地より拝すべし」と仰せになりました。そこで鳥居と祠を立てて浅間大神と日本武尊を祀ったのがはじまりです。

1900年以上の歴史がある神社で、富士山世界遺産構成資産の一つでもあります。本殿はじめ境内11棟の建造物は、国の重要文化財に指定されています。

住所:山梨県富士吉田市上吉田5558番地
公式サイト:https://www.sengenjinja.jp/index.html

武田神社

甲府市の「武田神社」は甲斐の国の名将、武田信玄公を祀る神社です。大正8年に、信虎・信玄・勝頼の三代が60年余りにわたって居住した躑躅ヶ崎館跡に創建されました。境内には当時からの堀、石垣、古井戸などが残され、宝物殿には国の重要文化財に指定されている太刀「吉岡一文字」が展示されています。境内の「三葉の松」は黄金色になって落葉することから、身につけると金運のご利益があるといわれています。

住所:山梨県甲府市古府中町2611
公式サイト:http://www.takedajinja.or.jp/1_jinja.html

県民の日

山梨県の県民の日は11月20です。明治4年11月20日に甲府県を山梨県に改めたため、この日が県民の日に決まりました。

まとめ

富士山や南アルプスなどの山々に囲まれた山梨県は、温泉やフルーツ狩りなどレジャーを楽しめるスポットがたくさんあります。見学や試飲を楽しめるワイナリーも多いので、ワイン好きの方は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。武田信玄公ゆかりの地も多いので、歴史ファンの方にとっても魅力的でしょう。

山梨県の自然や文化、美味しい食べ物を体験しにぜひ訪れてみてください。

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