広島県福山市はどんな町?おすすめグルメや観光スポットを紹介

広島県福山市はどんな町?おすすめグルメや観光スポットを紹介

広島県東南部に位置する福山市は人口約45万人の中核市です。北は神石高原町、西は府中市、尾道市、東は岡山県笠岡市・井原市と接し、南は瀬戸内海に面しています。温暖な気候と豊かな自然に恵まれる福山市は、新幹線「のぞみ」が停車する交通の要所です。

本記事では、福山市のご当地グルメや観光スポットを中心に、福山市の魅力をたっぷりとお伝えします。広島旅行の際に福山市を訪れようとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

福山市の概要

福山市は、広島県第2の人口を誇る備後地方の中心都市で、歴史や文化資源に恵まれた地域です。江戸時代に水野勝成が築城した福山城がシンボルとなっていて、JR福山駅の新幹線ホームからもその姿を眺められます。

瀬戸内海に突き出た沼隈半島の東南部に位置する鞆の浦(とものうら)は、潮待ちの港として古くから栄えていました。市内には国宝を2つ持つ明王院や草戸千軒町遺跡など、貴重な歴史遺産が数多く存在します。

また、福山市は繊維産業が盛んで、江戸時代後期には日本三大絣の一つ「備後絣」が生産されるようになりました。備後絣で培われた厚手生地の織布技術や藍染などの染色技術によって日本一のデニムの産地として発展し、生産量は全国シェアの約8割を占めています。

福山市は1945年の大空襲で市街地の約8割が焼失しましたが、その後、市民がばらの苗1,000本を植え、「ばらのまち福山」として復興が始まりました。2025年には福山市で世界バラ会議の開催が予定されています。

福山市のご当地グルメ

続いて、福山市のご当地グルメや郷土料理をご紹介します。福山市を訪れたときは、地元ならではのグルメをぜひ味わってください。

鯛めし

鯛めし

鞆の浦は鯛料理が有名です。なかでも鯛を米と一緒に炊きあげた「鯛めし」は定番です。その他にも、鯛茶漬けや鯛塩ラーメン、鯛そうめんなど、バリエーション豊かな鯛料理を楽しめます。

鞆の浦に浮かぶ仙酔島では、毎年5月に約380年の歴史をもつ伝統漁法・鯛網(観光鯛網)が行われ、観光客に人気です。「鯛しばり網漁法」は、今では鞆の浦でしか見ることができない貴重な漁法です。

うずみ

うずみとは、お椀に具材を入れ、汁をかけた上にご飯をかぶせて食べる福山市の郷土料理です。江戸時代、福山藩の初代藩主・水野勝成による倹約政治により、贅沢品であった鶏肉やエビなどをご飯の下にうずめ、質素に見せかけて食べたことが由来とされています。小エビ、鯛、里芋、にんじん、しいたけ、松茸、鶏肉などの具材が定番です。ご飯の下から何が出てくるか、宝探しのような発見があり、楽しく食べられます。

近年はうずみ(うずめる料理)がさまざまなジャンルに取り入れられ、氷の下にフルーツをうずめたかき氷や、具材を麺の下にうずめたラーメンなども登場しています。

福山ばら寿司

福山市の花「ばら」にちなんだ福山ばら寿司は、酢飯の上に色とりどりの具材を美しく盛り付けた福山名物です。スモークサーモンや小鯛でばらの花をかたどり、錦糸卵、穴子、レンコン、しいたけ、いくらなどさまざまな具材が華やかに盛り付けられています。福山駅で購入できる駅弁としても人気があります。

福つまみ

福つまみとは、福山特産の食材「ねぶと」「ちいちいいか」「くわい」「ガス天」「鯛ちくわ」を使った7種類のおつまみの総称です。「福山のおつまみ」と「福が来る、幸せな気持ちになれる」というイメージから名づけられました。

  • ねぶと…瀬戸内海でよく食べられる小魚(テンジクダイ)で、唐揚げや南蛮漬けなどで食べられます。
  • ちいちいいか…「ベイカ」のことで、小ぶりでもちもちしているのが特徴です。天ぷら、酢みそあえ、煮付などで食べられます。
  • くわい…芽が伸びた姿が「芽出たい(めでたい)」として、おせち料理に使われます。福山のくわいは全国シェアの約6割を占めています。
  • ガス天…小魚とごぼうを使った天ぷらです。食感がガスガスしていることが名前の由来です。
  • 鯛ちくわ…福山で豊富に獲られる小鯛をたっぷり使用したちくわです。通常のちくわより肉厚で、上品な香ばしさがあります。

7種類のメニューは、「ちいちいいかの天ぷら」「ちいちいいかの酢味噌」「ねぶとの唐揚げ」「ねぶとの南蛮揚げ」「くわいの素揚げ」「鯛ちくわ」「ガス天」です。地元の飲食店でも楽しめます。

福山ラーメン

福山市のご当地ラーメン「福山ラーメン」は、尾道ラーメンに影響を受けながらも、独自の発展を遂げ他ラーメンとして、地元で愛されています。

スープは鶏ガラをメインにウルメイワシなどの小魚から取ったダシを使用したしょうゆ味ベースです。麺はもちもちした平打ち熟成生麺です。背脂は尾道ラーメンより少なめであっさりとしています。

福山市の観光スポット

福山市には、歴史的にも見どころの多い観光スポットが数多く点在しています。福山市を代表する観光スポットをご紹介します。

福山城

福山城は1622年に水野勝成によって築城されました。天守は1945年の空襲で焼失しましたが、1966年の市制施行50周年事業で再建されています。

福山城の天守北側は、風雨への備えと防御力を上げるために鉄板が張られていました。2022年に築城400年記念として改修工事「令和の大普請」が完了し、鉄板張り天守が復元されています。この復元により、福山城は日本で唯一、天守北側壁面総鉄板張りの城となり、白と黒の美しいコントラストが見られます。また、駅から近いことも福山城の特徴で、JR福山駅の新幹線ホームから間近に見える全国でも珍しい城です。

福山城の内部は地下1階から5階まで福山城博物館として、福山城に関する貴重な資料や、福山藩初代藩主・水野勝成と水野家にまつわる資料などが展示されています。

住所:広島県福山市丸之内一丁目8番
公式サイト:https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/miryoku2023/287233.html

鞆(とも)の浦

鞆(とも)の浦

瀬戸内海沿岸のほぼ中央に位置する鞆の浦は、古くから潮町の港として栄え、万葉集にも詠まれた瀬戸内海を代表する景勝地の一つです。風光明媚な景色が広がっているため多くの映画やドラマのロケ地にも選ばれており、スタジオジブリの「崖の上のポニョ」のモデルになったことで注目を集めています。

鞆の浦のシンボルである常夜燈は江戸時代に建てられた灯台です。現存する江戸時代のものとしては日本最大級といわれ、夕暮れになると明かりが灯る姿はひときわ美しく、幻想的なムードを醸し出します。

高台に位置する医王寺は眺望が良く、境内の「太子殿」からは瀬戸内を一望できます。また、江戸時代に起きた「いろは丸事件」で坂本龍馬ら海援隊と紀州藩が談判を行った場所として知られる「福禅寺 対潮桜」の座敷も、瀬戸内海に浮かぶ仙酔島や弁天島など鞆の浦の美しい眺めを楽しめる場所です。さらに、いろは丸事件の際、坂本龍馬が宿泊した「桝屋清右衛門宅」の龍馬の隠れ部屋も一般に公開されています。

鞆の浦は2018年5月に日本遺産に認定されました。国の「重要伝統的建造物群保存地区」、ユネスコ「世界の記憶」と合わせて3つの評価を受けているのは、国内で鞆の浦のみです。

参考サイト:https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/miryoku2023/289472.html

明王院

明王院は、807年に弘法大使が開いたといわれる真言宗大覚寺派の古刹です。本堂は鎌倉時代末期に再建され、全体に和様、細部には唐様を用いた折衷様式の建物としては、現存する最古といわれています。また、五重塔は室町時代前期に建立され、全国の五重塔の中でも5番目に古いものです。本堂と五重塔はともに国宝に指定されています。

住所:福山市草戸町1473
公式サイト:http://www.chisan.net/myooin/

阿伏兎観音(あぶとかんのん)

阿伏兎観音(あぶとかんのん)

阿伏兎観音は、瀬戸内海に突き出た沼隈半島の南端、阿伏兎岬の断崖絶壁に立つ朱塗の観音堂です。元亀年間(1570年~1573年)に毛利輝元によって創建されました。航海安全や子授け・安産の祈願書として知られ、瀬戸内海の絶景を一望できるスポットです。自然と一体化した美しい姿は、歌川広重の浮世絵にも描かれており、国の重要文化財に指定されています。

住所:福山市沼隈町能登原阿伏兎1427-1
参考サイト:https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/miryoku2023/288942.html

仙酔島(せんすいじま)

鞆の浦から船で5分ほどのところに浮かぶ仙酔島は、瀬戸内海国立公園を代表する景勝地で、古代からの自然が手つかずのまま残っています。仙酔島には仙人が住んでいたという伝説があり、「仙人が酔うほどに美しい島」というのが名前の由来です。島内では海水浴場や無料キャンプ場、2種類のハイキングコースが整備されているため、さまざまなアクティビティを楽しめます。また、南側の海岸線沿いには青・赤・黄・白・黒の5色の岩が200m以上続く「五色岩」があります。五色岩が存在するのは、日本で仙酔島だけです。

ただし、2021年8月8日の台風9号の被害により、五色岩に続く遊歩道や山側からの迂回ルートは通行止めとなっています(解除予定時期は未定)。

住所:福山市鞆町後地
参考サイト:https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/miryoku2023/287776.html

ばら公園

ばら公園

ばら公園は福山市の「ばらのまち」を象徴する美しい公園で、福山市民の憩いの場です。福山市は1945年の福山空襲で、市街地の約8割が焼け野原になりました。荒廃した街の復興のため、市民がばらの苗を約1,000本植えたことが「ばらのまち福山」の始まりです。1965年頃にはほとんど現在の姿になり、ばら公園と呼ばれるようになりました。2024年にはリニューアルされ、670種、7,000本のばらが咲き誇ります。毎年5月にはばら公園をメイン会場とした「福山ばら祭り」が開催され、市民や観光客で賑わいます。

住所:福山市花園町1-5
参考サイト:https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/soshiki/koen/90840.html

まとめ

歴史と美しい自然、「ばらのまち」として平和への想いが込められた福山市。日本百名城にも選ばれている福山城は駅から近いため、すぐに観光を始められるアクセスの良さも魅力です。

古くから景勝地として知られる鞆の浦や、本堂と五重塔が国宝に指定されている明王院など、見どころも数多くあります。また、鯛料理をはじめとした新鮮な海の幸や郷土料理も福山市の魅力です。広島旅行ではぜひ福山市を訪れて、すてきな時間を過ごしてはいかがでしょうか。

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