2017年12月5日 | お役立ち情報
日本のバーゲンセールのはじまり
いまではどこでも見かけるバーゲンセール。
「歳末大感謝祭」「在庫一掃セール」「クリアランスセール」「年末謝恩セール」、また最近では「ブラックフライデー」など、いろいろなタイトルで打ち出されていますが、ひとことで言うと、通常価格より価格を下げた一斉大売出しということです。例えば、現商品を新商品に入れ替える時期などに行われ、通常より安めの価格で販売されます。
売る側は、売れ残りを少しでも減らしたいし、買う側は、安くなったタイミングで掘り出し物を見つけることができる。まさに売り手、買い手どちらにとってもWIN-WINの関係が成立するのが、バーゲンセールですね。ではこのバーゲンセールですが、そのはじまりはいつ頃からなのか、ちょっと調べてみました。
そもそもバーゲンって何?
「バーゲン」の意味としては、安い買い物や見切り品、掘り出し物を意味します。そのバーゲン品を安売り、特売、格安などで売るのが、バーゲンセールです。特に、流行物については新商品への切り替え時期、季節を先取りするシーズン物については、その季節真っ最中に開催されることが多いようです。というのも、流行物にしてもシーズン物にしても、時期を逃してしまうと売れ残りとなってしまい、処分するか、次のシーズンまで在庫として抱えなくはならず、非経済的ですよね。だったら利益は減っても、トントンでも、もっと言えば赤字でも処分したいわけです。
最近ではあまり見かけなくなりましたが、以前は「赤字大決算市」や「出血大売出し」みたいなチラシもよく見かけました。そういうわけで、「バーゲン」には、安く買えるという心理と、掘り出し物があるだろうという心理がはたらくようで、何となく宝探しのようなワクワク感がありますね。もっとも流行物へのこだわり派には、まったく気にならないワードなのかも知れませんが。
バーゲンのはじまり
日本のバーゲンセールのはじまりについては諸説あるようですが、日本橋三越が1923年(大正12年)8月5日に開催したものが最初とされている説があるそうです。三越は、1673(延宝元)年に三井高利が創業した越後屋がはじまりで、屋号の「越後屋」と三井家の姓を取った「三井呉服店」から、1904年に「三」と「越」を取って「三越呉服店」となり、その後現在の「三越」に至っています。そうすると、当時のバーゲンセールの商品は、呉服や和小物だったということになりますね。
「ブラックフライデー」と「サイバーマンデー」
ちょっと盛り上がりに欠けるかなという感じですが、最近言われはじめているのが、「ブラックフライデー」。日本では昨年頃から家電量販店などで使われはじめているそうです。ブラックフライデーは、「暗黒の金曜日」の意味ではありません。アメリカで、毎年11月の第4木曜日に行われる感謝祭の翌日の金曜日のことです。感謝祭の翌日からクリスマスセールがはじまり、百貨店などをはじめとした小売店が黒字になることにちなんで、ブラックフライデーと呼ばれています。たくさんの商品が売れて、儲かるから黒字という意味なんですね。
このブラックフライデーに対して、あまり知られていないのが、「サイバーマンデー」です。サイバーマンデーは、ブラックフライデーに対して、感謝祭の次の月曜日にインターネット上のオンラインショップなどで行われるセールのことです。オンラインショップにも、お買い得の商品がけっこうあるそうです。
福袋は、1月のバーゲン品
ところで、日本においては、1月の冬物一掃セールとは別にかたちを変えたものが、福袋でしょう。その歴史は古く、福袋の原型は江戸時代にまで遡ると言われ、呉服店が、1年の裁ち余りの生地を袋にいれて安く販売したのがはじまりと言われています。
福袋は、袋の中に何が入っているのかわからないところが魅力ですが、目玉商品ばかりではなく、在庫処分品も一緒に入っている可能性もあり、当たりはずれがあるのも福袋の楽しみの一つとなっています。これも店側からすれば、バーゲンセールの一種と言えるかも知れません。
バーゲンは商売の中から生まれたムダを無くす知恵
バーゲンセールは、特に夏と冬が大きなイベントのようですが、結局のところ、「~セール」とかのタイトルで、1年中どこかで行われている感じですね。でもこのバーゲンセールは、店側にとっても買う側にとっても経済的で、とても合理的な販売方法と言えます。まさに、WIN―WINの関係ですね。
バーゲンがはじまって約100年が経ちますが、これは商売の中から生まれたムダを無くす知恵と言えるかも知れません。
バーゲン品の中からお宝探しをしてみるのも、賢いお買い物方法かも知れません。