2021年5月13日 | お役立ち情報
お弁当は前日に作り置きしても平気?おすすめ作り置きおかずも紹介
毎朝のお弁当作りを手早く済ませるために、前日におかずを用意したいと思う方も多いことでしょう。とはいえ前日にお弁当を作る際は、衛生面に十分気をつけなければなりません。
今回は、お弁当を前日に作る方法を中心に、注意するポイントやお弁当箱に詰めて保存する方法、作り置きできるおかずのレシピとお弁当の傷みを防止する対策についてご紹介いたします。
対策をしっかりすれば、前日のお弁当作りもOK!
結論からいうと、対策をすれば前日にお弁当を作ることは可能です。はじめに、お弁当を前日に作るときの手順と、おすすめできない行動をご覧ください。
前日に作る場合の手順
お弁当を前日に作ったときは、当日の朝に加熱して殺菌することが大切です。最もよい方法は、前日におかずを作って冷ましてから冷蔵庫で保存、翌朝に加熱して殺菌し、冷ましてからお弁当箱に詰めるという手順です。
冷ますときは皿に盛ってテーブルパラソルなどをかぶせ、夏場は扇風機などを当てて短時間で冷ましましょう。なお、前日のご飯は冷蔵庫で冷やすとパサパサして固くなり、加熱後もよい食感とはいえません。ご飯だけは、当日の朝に炊いたものを冷まして持参することをおすすめします。
前日に作ったお弁当のNG行動
前日に作ったおかずを冷蔵庫で保存し、そのままお弁当箱に詰めるのはNGです。冷蔵庫の中でも菌は繁殖するので、過信はできません。前日に作ったおかずは、温めて殺菌してから持参しましょう。
また、前日に作ったおにぎりを持参する行為も避けてください。おにぎりには厚みがあり、中心が冷めるまでに時間がかかるため、菌が繁殖するおそれがあります。前日に作ったおにぎりを翌朝に加熱し、冷ましてから持参する方法もありますが、初夏から梅雨、夏にかけては避けるほうがよいでしょう。
なお、おにぎりの具には火が通ったものやふりかけを使用し、のりを巻く場合は当日に作業してください。作る際は素手ではなく、ビニール手袋やラップを使って菌の繁殖を防ぎましょう。
お弁当を前日に作る際の注意点
前日のお弁当作りで気をつける点は、次のとおりです。
入れてはいけないもの
生野菜や果物、マヨネーズやドレッシング、タルタルソースなどは菌が繁殖しやすいため、前日から詰めるのは避けてください。ハムやかまぼこなどは切ってから湯通しなどで加熱し、冷まして入れましょう。こまかい細工をしたキャラ弁は、時間の経過や加熱によって変形するのでおすすめできません。
調理のポイント
お弁当に限らず、加熱して調理するメニューは中までしっかりと火を通すことが大切です。また、お弁当のおかずは、味をやや濃い目に作ると菌の繁殖が予防できるだけでなく、冷めてもおいしく食べられます。そのほか防腐効果が期待できる梅干しやシソ、ワサビ、ショウガ、カレー粉などの食材も、積極的に活用しましょう。
衛生面の注意
調理の際は衛生面に気をつけ、お弁当箱などの食器類、調理器具はよく洗って乾燥させてから使用してください。お弁当を詰める際はビニール手袋などを使用して、おかずを素手で触らないようにしましょう。
また、温度の高い状態でフタをすると、内側に水蒸気がついて傷む原因につながります。おかずを加熱した後は、冷ましてから詰めてフタをすることもポイントです。
【参考】
農林水産省「お弁当づくりによる食中毒を予防するために」
前日にお弁当に詰めて持参する方法
朝にお弁当箱へ詰める手間を省く方法として、前日のうちに詰めておく技をご紹介いたします。ただし、こちらの方法は気温が低い秋から冬の間に実践してください。
前日に詰める際の注意点
作ったおかずは、冷ましてからお弁当箱に詰めましょう。煮汁が出るおかずは、いったんキッチンペーパーなどに置いて水分を吸わせてから詰めます。おかず同士が密着しないように、カップで仕切ることもポイントです。
どうしても前日にご飯を詰めたい場合は、もち米を混ぜて炊いたり水分を多めにして炊いたりすると、食感の変化が軽減します。チャーハンや炊き込みご飯、混ぜご飯などにしてもよいでしょう。海苔(のり)などで顔や文字を作るときは、当日の朝に作業してください。
トマトやレタス、果物などを入れたいときは、当日の朝に洗って水分をふき取ってから詰めます。ゼリーなどのデザートも、当日の朝に入れましょう。
朝にお弁当箱ごと温める
前日にお弁当箱に詰めて保存したときは、必ず翌朝に全体を加熱し、冷ましてからフタをして持参してください。お弁当箱ごと温める場合はレンジで加熱できる容器を選び、おかずのカップは紙かシリコン製を使用しましょう。ピックやバランは熱で変形する場合もあるので、後から飾りつけてください。
外出先でお弁当箱を温める
勤務先や学校などの外出先に電子レンジがあるときは、食べる前に加熱してもよいでしょう。上記と同様、お弁当箱やおかずカップは加熱できるものを選び、熱で変形しやすいピックやバランは使わないようにしてください。気温が上がる日は、お弁当箱を保冷剤で冷やしながら持参することをおすすめします。
冷凍したまま持参する
前日におかずをお弁当箱に詰めて冷凍し、そのまま持参する方法もあります。この場合は常温で解凍させるため、冷凍しても食感が変わりにくいメニューや、加熱の必要がない冷凍食品を詰めてください。
解凍時はお弁当箱の外側に水分がつくので、タオルなどで包んで持参しましょう。気温が上がる日は早く解凍しすぎないよう、保冷剤や保冷バッグで温度を調節してください。
前日に用意!お弁当の作り置きおかず
それでは、前日に作り置きできるおかずのうち、冷凍できるメニューのレシピをご覧ください。材料の分量は、お好みに合わせて用意してください。
主菜のおかず
お弁当用として、前日に作り置きができる主菜のおかずをご紹介いたします。
シソ巻きハンバーグ
下味をつけたひき肉を小さめに成型して焼き上げます。豆腐を入れるので、ふんわりとした食感に仕上がります。
【材料】
- 牛と豚の合いびき肉
- 豆腐
- シソの葉
- 酒
- しょう油
- かたくり粉
- ショウガ(チューブでも可)
【作り方】
- 豆腐を水切りする
- ボウルにひき肉、豆腐、酒、しょう油、かたくり粉、ショウガを入れてこねる
- 小さめのハンバーグに成型し、シソを巻く
- フライパンを加熱し、中火で3の両面を焼く
- フタをして中までしっかり火を通す
チキンのケチャップ焼き
本格的に作るときは、鶏肉に小麦粉をまぶしてから焼きます。薄切りの玉ねぎをレンジで加熱しておき、仕上げに加えてもよいでしょう。
【材料】
- 鶏もも肉
- 塩、コショウ
- ケチャップ
- 砂糖
- しょう油
- ゴマ油
【作り方】
- 鶏もも肉をひと口大に切り、塩、コショウをふる
- フライパンを加熱してゴマ油をしき、1の両面を焼く
- ケチャップ、砂糖、しょう油を混ぜておく
- 2にフタをして中までしっかり火を通す
- 4に3を加え、全体に絡めて仕上げる
オクラの薄切り肉巻き
オクラの代わりとして、アスパラやインゲン、ニンジンとエノキなどもおすすめです。肉は牛肉でも豚肉でもよく、調味料はめんつゆでも構いません。
【材料】
- 薄切り肉
- オクラ
- みりん
- しょう油
【作り方】
- ヘタを取り除いたオクラを半分に切る
- 薄切り肉を広げてオクラを置き、巻く
- フライパンを加熱し、2の巻き終わりを下にして並べる
- 3を転がして全体を焼く
- 4にみりんとしょう油を加えて絡める
豚肉の香味蒸し
いったん火にかければ手が空くので、ほかの作業ができる点もメリットのおかずです。お弁当箱には、水分を切ってから詰めてください。
【材料】
- 豚小間切れ肉
- 長ネギ
- ニラ
- 酒
- しょう油
【作り方】
- 長ネギを斜めの薄切りに、ニラを数cmの長さに切る
- なべの底に小間切れ肉を均等に広げる
- 2の上に長ネギとニラを重ねる
- 酒としょう油を回し入れる
- なべにフタをして、弱火で蒸す
- いったんフタを開けて、全体をかき混ぜる
- 再びフタをして全体に火が通るまで蒸す
サツマイモの肉みそチーズ
サツマイモの甘みと肉みそ、チーズのコクがよく合うおかずです。肉みそを多めに作って冷凍すれば、ほかの料理にも利用できます。
【材料】
- サツマイモ
- 牛と豚の合いびき肉
- 長ネギ
- ショウガ(チューブでも可)
- 砂糖
- 酒
- しょう油
- 赤みそ(白みそでも可)
- 塩
- とろけるチーズ
【作り方】
- サツマイモの皮をむき、1.5cmくらいの角切りにして水にさらす
- 長ネギを薄い輪切りまたはみじん切りにする
- 1を平たい皿に入れ、柔らかくなるまで電子レンジで加熱する
- フライパンを加熱し、ひき肉とショウガを入れていためる
- 4の肉の色が変わったら、長ネギを加えていためる
- 砂糖、酒、しょう油、赤みそ、塩を混ぜて5に加え、いためる
- 3の上に6を盛り、とろけるチーズを乗せてレンジまたはオーブンで加熱する
副菜のおかず
続いて、お弁当用として前日に作り置きができる副菜のおかずをご紹介いたします。
ひじきとちくわのいため煮
本格的なひじきの煮物よりも手軽に作れます。ちくわの代わりに、かまぼこやひき肉などを利用してもよいでしょう。
【材料】
- 芽ひじき(乾燥)
- ちくわ
- インゲンまたは絹さやなど
- めんつゆ
- ゴマ
- ゴマ油
【作り方】
- ひじきを水で戻し、ザルに上げて水気を切る
- ちくわを斜め薄切りに、スジを取ったインゲンを数cmの長さに切る
- フライパンを加熱し、ゴマ油をしいて①をいためる
- 3の水分が飛んだら、2を加えていためる
- めんつゆとゴマを加えて味つけする
レンコンのきんぴら風
レンコンの代わりに、定番のゴボウを使用しても構いません。辛みをつけたいときは、鷹の爪(たかのつめ)の輪切りを加えてください。
【材料】
- レンコン
- 酢
- ニンジン
- ひき肉
- めんつゆ
- ゴマ
【作り方】
- レンコンの皮をむき、いちょう切りにして酢水にさらす
- ニンジンも皮をむいていちょう切りにする
- フライパンを加熱し、ひき肉をいためる
- 3の色が変わったら、1と2を加えていためる
- 全体に火が通ったら、めんつゆとゴマを加えて味つけする
切り干し大根の洋風いため
和風のイメージがある切り干し大根は、洋風の味つけでもおいしく調理できます。加える野菜は、豆苗やニンジンなどお好みでアレンジしてください。
【材料】
- 切り干し大根
- ピーマン
- ウインナーまたは魚肉ソーセージ
- オリーブオイルまたはバター
- ケチャップ
- ソース
- コショウ
【作り方】
- 切り干し大根を水で戻し、洗ってしぼってから数cmの長さに切る
- ピーマンのヘタとタネを取り、細切りにする
- ウインナーを斜め薄切りにする
- フライパンを加熱してオリーブオイルをしき、1、2、3を入れていためる
- 全体に火が通ったら、ケチャップ、ソース、コショウを加えて味つけする
ニンジンとツナの和えもの
お弁当に入れるときは全体を加熱しますが、すぐに食べる場合はツナ缶をそのまま使用して構いません。
【材料】
- ニンジン
- ツナ缶
- しょう油
【作り方】
- ニンジンの皮をむいて細切りにする
- 1を平たい皿に入れ、電子レンジで加熱する
- 2にツナとしょう油を加えて混ぜ、再度加熱する
ブロッコリーのバジル風味
鶏もも肉を加えると、ボリュームのある主菜になります。野菜は、玉ねぎやレンコン、ジャガイモなどを自由に組み合わせてください。
【材料】
- ブロッコリー
- ニンジン
- シメジ
- オリーブオイル
- ニンニク(チューブでも可)
- 塩、コショウ
- バジル(乾燥タイプ)
【作り方】
- ブロッコリーを小房に分け、ニンジンの皮をむいて小さめの乱切りにする
- 1をそれぞれ平たい皿に入れ、電子レンジで加熱する
- シメジの石づきを取って小房に分ける
- フライパンを加熱し、オリーブオイルとニンニクをいためる
- 2と3を加えて軽くいためる
- 塩、コショウ、バジルを加えて味つけする
前日のお弁当作りにおすすめ
特に初夏から夏の間は、前日に作ったお弁当が傷まないように保冷剤や保冷バッグを利用して持参してください。近年では、お弁当の傷みを防止するシートやバランなどの抗菌グッズも販売されています。
前日に作ったお弁当には、フマキラーの「食品用アルコール除菌フードキーパー」をおすすめします。直接スプレーするだけで、お弁当などの食品の傷みを抑えて鮮度を保持。GSE(グレープフルーツ種子エキス)など食品由来の成分を使用しているため、毎日のお弁当にも安心してご利用いただけます。
前日に作るお弁当は衛生面に注意
今回は、朝のお弁当作りの負担を減らす対策として、前日にお弁当を作る方法とおすすめのレシピをご紹介いたしました。前日に作ったお弁当のおかずは冷ましてから冷蔵し、翌朝に加熱することがポイントです。お弁当箱は、おかずとご飯が完全に冷めてからフタをしましょう。
前日にお弁当を用意する際は衛生面に十分気をつけ、特に初夏から夏にかけては保冷剤と一緒に持参するなどして、食品の傷みを防いでください。