リフォーム費用の相場は?コロナ禍で話題の在宅勤務用リフォーム補助制度も解説

リフォーム費用の相場は?コロナ禍で話題の在宅勤務用リフォーム補助制度も解説

コロナ禍のなか、テレワークなどで自宅にいる時間が増えた方も多いことでしょう。なかには、リモート需要で自分のワークスペースや会議用スペースがほしいという方や、在宅時間をさらに快適なものにしようと、キッチンやお風呂などのリフォームを考えている方もいるのではないでしょうか。そして、「正直なところ、費用の見当がつかずにためらっている」という方も少なくないかもしれません。

そこで今回は、リフォーム費用の相場について詳しく解説いたします。さらに、最近話題になっている在宅勤務用のリフォーム補助制度について、制度の対象や補助範囲内で可能な工事・注意点などについてもご紹介いたします。

リフォーム費用はどう決まる?

リフォーム費用はどう決まる?

家をリフォームしようと考えたとき、気になるのがその費用ですが、全く見当がつかないという方も多いのではないでしょうか。リフォーム費用の目安となるのが「坪単価」です。坪単価は、住んでいる場所や環境、室内の状況などによって高くなったり安くなったりするので、単純な計算で決めることができません。

住んでいる場所が都心部であれば坪単価は高く、郊外に行くほど安くなります。また、住んでいる家が戸建てかマンションかによっても坪単価は異なります。戸建ての場合は内装に加え外装もリフォームすることがありますが、マンションの場合は外装のリフォームが必要ないため、戸建てに比べて坪単価が安くなります。さらに、室内の傷み具合が大きいとその分リフォームが必要になるので坪単価は高くなり、リフォームする場所やグレードなどによっても単価が変わります。

リフォーム費用の相場

リフォーム費用の相場

リフォームにかかる費用は、どこをどのようにリフォームするかによっても大きく変わります。家の中の場所ごとに、リフォーム費用の相場をみていきましょう。

場所1:キッチン

自宅にいる時間が増えたことで、以前より料理をするようになったという方も多いのではないでしょうか。キッチンをリフォームする場合、費用は50100万円台が相場の目安です。コンロやシンクが横並びになっているI型は、50万円前後で交換可能です。スペースが広くとれるL型の相場は、100万円以上にもなるといわれます。対面式キッチンやアイランドキッチンに変える場合は、給排水の工事が必要になることからさらに高額に。人気のアイランドキッチンにリフォームする場合、300万円以上が相場の目安です。

場所2:お風呂

お風呂は60120万円が相場の目安となります。お風呂の種類には「在来浴室」と「ユニットバス」があり、ユニットバスを新しいものに交換する場合は、比較的安くリフォーム可能です。ユニットバスは、浴槽・パネル・水栓などすべて規格に合ったものを使用することで、工期が短く、その分価格も抑えることができるのです。

これに対して在来浴室は、浴槽や床、壁など好みの素材を選ぶことができ、デザインの自由度も高いという特徴がありますが、その分費用も必要です。タイル張りの古い浴室(在来浴室)をユニットバスに変えたり、浴室を広くしたり、こだわりの機能をプラスしたりすると、相場の目安は100~200万円となります。お住まいがマンションの場合リフォームには制約があり、お風呂を広くしたいと思っても建物の構造上難しかったり、管理規約によって追い炊き機能をつけられなかったりすることがあります。また、ユニットバスにすることで元の浴室空間が若干せまくなる場合もあることを覚えておくとよいでしょう。

場所3:トイレ

トイレは15~30万円が相場の目安です。便器を交換する場合は、性能によって金額に差が出ます。通常の便器への交換であれば10万円前後から、人気のタンクレスタイプも20万円前後で交換可能です。さらに、節水・節電機能や自動掃除機能などのついた便器への交換は、30万円前後が目安となります。和式のトイレを洋式にしたり、トイレの空間を広くしたり、トイレ内に手洗器をつけたりすると、さらに費用が高くなります。

場所4:洗面所

洗面所は20~50万円が目安です。リフォームのメインとなる洗面台には、洗面ボウル・水栓金具・収納キャビネットなどがセットになっている「ユニットタイプ」と、それぞれの素材・色を自由に選べる「システムタイプ」があります。安価なユニットタイプに比べ、自由度の高いシステムタイプはこだわりの分だけ高額になります。

場所5:床(畳をフローリングにする)

畳をフローリングにする場合の相場は15~60万円で、使用する床材や部屋の広さなどによって価格が決まります。たとえば天然の無垢材には、パイン・メープル・オーク・タモ・杉など多数の種類があり、それによって価格もさまざまです。合板などを使った複合材だと、無垢材よりは費用を抑えることができます。

場所6:壁(クロスを珪藻土にする)

室内の湿度を調整する効果があり、断熱や耐火性にも優れることから壁材として人気の珪藻土。壁紙を珪藻土に変更する場合、リフォーム費用は18~30万円が目安です。珪藻土とは、プランクトンの死骸が海底などに堆積してできた粘土質の土です。化学物質を使用していないため家族の健康面においても安心なうえ、消臭効果や遮音性にも優れるといった特徴を有します。

費用を抑えるなら、珪藻土を購入して自分でリフォームするという選択肢もあります。職人さんのような出来ばえにはならなくとも、ひと味違う仕上がりが期待できます。

場所7:仕事スペース

在宅ワークをする人のなかには、リビングのダイニングテーブルなどを利用したり、リビングの一角にデスクを置いたりしている方も多いことでしょう。そばで子どもが遊んでいたり、家族の気配がしたりすると、なかなか落ち着いて仕事ができないものです。特にリモート会議などを頻繁に行う場合、間仕切りのある仕事スペースがほしいという方も多いのではないでしょうか。

室内に間仕切りを設けて半個室をつくる場合、1520万円が相場です。押し入れやクローゼットなどを個室にリフォームする場合は、40万円前後。コンセントがなくて電気工事が必要な場合はプラス10万円ほど、と見積もっておくとよいでしょう。

補助金を活用する

補助金を活用する

家で過ごすことの多くなったこの機会にぜひリフォームを考えたい、でも費用はそれほどかけられない…。そのようなときは、補助金を活用するという方法があります。リフォームに関する補助制度には、全国で利用できるもののほか、自治体が独自に実施するさまざまなものがあります。ここでは補助金の制度についてご紹介いたします。

在宅勤務用のリフォーム補助制度

「国土交通省が在宅勤務を対象としたリフォームの補助制度を創設した」といううれしいニュースが、昨年日経新聞の朝刊で報じられました。その内容は、「新型コロナウイルス感染拡大に伴い、全国的にリモートワークが普及していることを考慮し、新型コロナウイルス感染拡大防止や働き方の多様性に応えるため、2021年度予算概算要求のなかに、在宅勤務用の自宅リフォーム費用の3分の1を補助する新制度の創設を検討している」というものです。詳細は発表されていませんが、国会で承認されれば、2021年の4月以降にこの制度が利用できると見込まれています。

対象となるのは、戸建てやマンションに住んでいる会社員か個人事業主で、省エネや耐震性能を向上させるリフォーム費を補助する「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の補助金のなかに新たに在宅勤務を付け加えるものとし、在宅勤務における増築や防音対策、間仕切り設置費用などがそれに該当すると考えられています。

ただしこの推進事業は、「リフォームによって住宅を長持ちさせること」を前提目標としているため、単純に希望の場所をリフォームすればよいというわけにはいかないようです。

その他、補助金の対象となるリフォーム

補助金の対象となるリフォームには、「バリアフリー化」「省エネ化」「耐震化」に関するものなどがあります。高齢者の生活を守り、環境にやさしく、安心して暮らすことのできる環境を整備するためのリフォームが、その対象となっています。なお、自治体によって対象となるものが異なりますので、詳しくはお住まいの窓口までお問い合わせください。

バリアフリー化のリフォーム 【対象工事例】

  • 手すりの取り付け
  • 段差をなくす
  • 滑らないように床材を変更
  • 扉を引き戸に変更
  • トイレを和式から洋式へ変更

省エネ化のリフォーム 【対象工事例】

  • 断熱タイプの窓やペアガラスへの変更
  • 断熱パネルの設置
  • 高断熱浴槽付き浴室への改修
  • 高効率給湯器の設置
  • 節水トイレへの変更
  • 太陽光発電システム導入

耐震化のリフォーム 【対象工事例】

  • 耐震診断
  • 耐震改修設計
  • 耐震改修工事

リフォーム見積チェックサービスを活用

「見積りが適正価格なのかわからない…」といったときには、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが提供している「リフォーム見積チェックサービス」を活用するのが良いでしょう。電話で相談し、見積書や図面などを送ると、見積書の単価や市場価格と乖離がないかなどをチェックしてもらえます。事業者に確認するポイントやリフォームをする上での注意点などもアドバイスしてもらえますので、不安のある方は活用してみましょう。

【参考】
住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)

より快適に、働きやすく!リフォームで住まい方も改革してみませんか?

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在宅ワークが増え、家にいる時間が長くなったことで、以前にも増して家への愛着が強くなったという方もいるのではないでしょうか。

リフォームをして家の中を変えていくことには、とても新鮮な楽しみがあります。もともとある大切なものに新たな工夫を施すことで、家への思いはますます深まっていくことでしょう。この機会に思い切ってキッチンを変えてみたり、夢だった書斎をつくってみたり、新しい働き方に合わせて住まい方も少し変えてみてはいかがでしょうか。

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