虫食いから衣服を守ろう!虫食いの予防方法や穴があいた服の補修方法を解説

虫食いから衣服を守ろう!虫食いの予防方法や穴があいた服の補修方法を解説

「クローゼットから久しぶりにセーターを出したら、虫食いの穴を見つけてショック!」という経験のある方も多いのではないでしょうか。お気に入りの一着の場合、そのショックは特に大きいものです。

この虫はどこから入ってきたの?と思うかもしれませんが、クローゼットや衣装ケースの中が、気づかぬうちに衣類害虫の好む環境になっているのかもしれません。そこで今回は、セーターなどの衣類を虫食いから守るために家庭でできる対策法や、虫に食われてしまった衣服の補修方法についてご紹介いたします。

虫食いとは

虫食いとは

虫食いとは、小さな虫に食われてあいてしまった穴のことです。どこかに引っ掛けた覚えもないのにセーターなどの衣類に穴があいている場合、虫食いによる被害である可能性が高いといえます。

ポリエステルなどの化学繊維では虫食いの被害は起こりにくいのですが、綿や絹などの天然素材や毛などの動物繊維の場合、それが虫のエサとなることで衣類に穴があけられてしまうのです。

衣類害虫が穴をあける

衣類を虫食いする虫は「衣類害虫」と呼ばれています。この虫の正体は、カツオブシムシ類の「ヒメカツオブシムシ」や「ヒメマルカツオブシムシ」、イガ類の「イガ」や「コイガ」の幼虫です。なかでも特に多いのが「ヒメマルカツオブシムシ」といわれます。米粒くらいの体に短い毛の生えた黒っぽい虫が洋服についているのを、見たことのある方もいるのではないでしょうか。

これらの虫が衣類を食べるのは幼虫の時期のみで、成虫が衣類を食べることはありません。しかし、成虫が家の中に入り込むと、室内で産卵し幼虫が発生するため注意が必要です。

5~6月頃に産みつけられた「ヒメカツオブシムシ」や「ヒメマルカツオブシムシ」の卵は、孵化してから約9カ月もの期間を幼虫として過ごします。「イガ」や「コイガ」は発生のサイクルが短く、一年に3回産卵し、一生の約3分の2を幼虫として過ごします。

好む素材がある

衣類害虫には、動物の毛などを使用した天然素材を好んで食べる特徴があります。天然素材には、蚕からとれるシルクや山羊の毛からとれるカシミヤ、羊の毛からとれるウールなどがあり、なかでも好むのがウール製品です。このように動物からとれる天然繊維が好まれる理由には、動物繊維に含まれるタンパク質が衣類害虫の栄養源となっていることが挙げられます。

虫食いから衣類を守る方法

虫食いから衣類を守る方法

虫食いから衣類を守る最大のポイントは、衣類害虫の好む環境をつくらないということです。ここでは、衣類害虫が嫌がる環境づくりや、その他の防御法についてご紹介いたします。

環境に気をつける

衣類害虫である「ヒメカツオブシムシ」「ヒメマルカツオブシムシ」「イガ」「コイガ」の幼虫は、暖かく暗い場所や、通気性が悪く湿度の高い場所を好む習性をもちます。特に幼虫期には、光から離れようとする性質(負の走行性)があるため、暗い場所へと集まります。高温多湿の日本において、風通しが悪く陽の届かない部屋のクローゼットや衣装ケースの中などは、まさに衣類害虫にとって暮らしやすい環境なのです。

虫食いの被害には室内の温度や湿度が大きく関係しており、衣類害虫は室温15~30℃、湿度50~80%の環境を好みます。定期的に窓やクローゼットの扉を開けて、室内を乾燥させるようにしましょう。室温10℃以下や35℃以上、湿度90%以上になると、活動は鈍化します。

クリーニングしたての衣類は、仕上げに使用する蒸気で湿気を含んでいることがあります。虫を寄せつけないためにもビニールカバーを外し、風通しのよい場所に数時間吊るしてから収納するようにしましょう。

衣類についた食べこぼしなどを除去する

たとえ植物繊維や合成繊維の衣類でも、食べこぼしや汗・皮脂汚れがついたまま収納すると、虫食いの被害にあうことがあります。衣類を収納する際は、洗濯やクリーニングでしっかりと汚れを取り除くようにしましょう。

衣類害虫を家の中に入れない

衣類害虫は、一体どのようにして家の中に入ってくるのでしょうか。

カツオブシムシ類やイガ類の虫たちはもともと野外に生息していますが、屋外干しの衣類にくっついて卵を産みつけることがあります。それに気づかず洗濯物を取り込んでしまうことで家の中に侵入、暗くて暖かいうえ通気性も悪く、湿度の高いクローゼットなどが格好のすみかになってしまいます。屋外に干した衣類を取り込む際は、衣類に虫や卵がついていないかチェックし、さらに表面を丁寧にブラッシングしてから収納するようにしましょう。

衣替えは晴れた日におこなう

夏服から冬服へ、冬服から夏服へ。一般的には年に2回、「衣替え」として衣装ケースの中身を入れ替えますが、晴れた日を選んでおこなうようにしましょう。雨の日におこなうと衣類が湿気を吸い、その状態で衣装ケースにしまうと虫食いの原因になってしまいます。

定期的に換気や掃除をする

衣類害虫は暖かく湿気のある環境を好むため、定期的に窓を開けてクローゼットに風を通し、内部の湿気を取り除くようにしましょう。クローゼット周辺に除湿機を置いたり、衣装ケースの中に除湿剤を入れたりするのもおすすめです。

また、ホコリや皮脂などのタンパク質を含んだ汚れは、衣類害虫の大好物です。こうした汚れをこまめな掃除で取り除いてきれいな環境を保つことも、虫食いを防ぐ対策のひとつといえます。

防虫剤を正しく活用する

クローゼットや衣装ケースには、防虫剤を使用する方も多いことでしょう。その際、衣類を詰め込み過ぎると、効き目が半減してしまいます。また、使用する薬剤によってその特徴も異なるため、衣類にニオイがついたり、金糸や銀糸などを使用した衣類には向かなかったりする製品もあります。よく確かめて、衣類の素材に合った防虫剤を選ぶようにしましょう。

フマキラーの「サザン・ロング洋服ダンス用」は、天然消臭剤で衣類にニオイがつきません。さらに、さまざまな衣類の混在によるニオイやカビなどの複合臭もすっきり消臭。他の防虫剤と併用可能で、金糸、銀糸、毛皮などにも安心してお使いいただけます。吊るした衣類で揮散口(きさんぐち)が塞がれないハイポジション設計により、12ヵ月間安定した効果を発揮します。

虫食いされた衣類の補修方法

虫食いされた衣類の補修方法

虫食いの穴ができてしまった場合、部屋着ならそのまま着られるという方もいるかもしれません。しかし、外で人に会うときなどは少し気恥ずかしいものです。

たとえほんの小さな穴でも、そのままにしておくとどんどん被害は広がってしまいますし、愛着のあるお気に入りの衣類ならばなおさら、どうにかして穴をきれいにふさぎたいと思うものです。そこで、虫食いされた衣類の補修方法についてご紹介いたします。

補修はできる?

穴の大きさや衣類の素材などによって難易度も異なりますが、Tシャツやトレーナーなどのスウェット類、ニット類などは比較的直しやすいので、ぜひチャレンジしてみてください。スーツにあいた穴をきれいに補修するには「かけはぎ」という高度な技術を要するため、補修のプロにお願いしたほうが安心といえるでしょう。

補修方法

Tシャツやトレーナーなどのスウェット類、ニット類などの補修方法についてご紹介いたします。

<Tシャツや、トレーナーなどのスウェット類の場合>

  • 用意するもの

・穴のあいた箇所と同じ色の糸
・縫い針
・アイロン

  • 補修の仕方
  1. 縫い針に糸を通して玉止めをします。
  2. シワができないように、できるだけ穴の近くの糸をすくうようにして穴を塞いでいきます。
  3. 穴が塞がったら裏側で玉止めをします。
  4. 穴を塞いだ部分にアイロンをかけて、補修した部分を目立たなくすれば完成です。

Tシャツやトレーナーなどのスウェット類の場合、ワッペンなどをつけて補修した部分を隠し、かわいらしく仕上げる方法もあります。

また、Tシャツの場合は補修用の布を使えば、裁縫をしたことがないという方や裁縫が苦手な方でも簡単に穴を塞ぐことができます。アイロン接着で手軽に補修でき、100円ショップでも入手可能です。

<Tシャツの穴を補修用の布で塞ぐ方法>

  • 用意するもの

・Tシャツと同じ色の補修用の布
・ハサミ
・アイロン

  • 補修の仕方
  1. Tシャツを裏返します。
  2. 補修用の布をハサミで穴よりもひとまわり大きいサイズにカットします。
  3. 穴が完全に隠れるように上からカットした布をのせます。
  4. 布の上にアイロンをかければ完成です。

<ニット類の場合>

  • 用意するもの

・穴のあいた箇所と同じ色の糸
・縫い針

  • 補修の仕方
  1. 縫い針に糸を通して玉止めをします。
  2. できるだけ穴の際の編み目をすくうようにして穴を塞いでいきます。このときニットの編み目の方向に合わせて縫うのがポイントです。
  3. 穴が塞がったら裏側で玉止めをします。

大切な衣類を虫食いから守りましょう!

大切な衣類を虫食いから守りましょう!

ものを大切にするという観点からも、虫食いで穴のあいてしまった衣類は、ぜひ補修して長く着続けたいものです。そして何よりも、お気に入りの衣類を虫食いから守るためには、衣類害虫が好む環境を家の中につくらないことが大切です。

衣類害虫は、高温多湿で暗く、エサ(ホコリや皮脂汚れなど)のある環境を好みます。定期的に室内の換気や掃除をおこなって、大切な衣類を虫食いの被害から守りましょう。

「For your LIFE」で紹介する記事は、フマキラー株式会社または執筆業務委託先が信頼に足ると判断した情報源に基づき作成しておりますが、完全性、正確性、または適時性等を保証するものではありません。

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