2021年1月21日 | お役立ち情報
歯ブラシの選び方を年齢別に解説。虫歯や歯周病を予防しよう
毎日の歯磨きに必要な歯ブラシ。ドラッグストアなどでも、さまざまなタイプが売られています。しかし、「あまりよく考えないで歯ブラシを選んでいる」という方も多いのではないでしょうか。
歯をきれいに磨くには、自分に合った歯ブラシを選ぶことが大切です。そこで今回は、歯ブラシ選びの重要ポイントや、年齢別の選び方について解説いたします。また、歯磨きを効果的かつ清潔におこなうには、適切に歯ブラシを交換する必要がありますので、交換時期の目安についてもご紹介いたします。
歯ブラシを選ぶときのポイント
虫歯や歯周病を防ぐには、歯ブラシ選びが大切です。自分に合った歯ブラシを選ぶポイントは、主に次の4つです。
ヘッドの大きさ
自分の口に合った大きさを選びましょう。一般的な歯ブラシは3列植毛で、横が2〜2.5cmほどの大きさです。
目安は上の歯2本分
ヘッドの目安は上の歯2本分とされています。
ヘッドが大きければ、一度に広範囲を磨くことができます。歯並びがよく歯茎の状態も健康な方であれば、大きめのヘッドでも毛先がきちんとあたり、効率よく歯を磨けることでしょう。
小さめが磨きやすい
とはいえヘッドが大きすぎると、奥歯まで磨きにくいというデメリットがあります。小さめのものを選んだほうが、歯並びの悪いところから歯と歯の隙間や奥歯など、隅々まで磨きやすいといえます。ただし、ブラシが小さいため歯を1本1本丁寧に磨く必要があり、歯磨きに時間がかかります。
歯ブラシのヘッドは、自分の口の大きさや歯並び、歯茎の状態などを考慮して、磨きやすい大きさを選んでください。
毛の硬さ
毛の硬さには、「ふつう」「かため」「やわらかめ」の3種類があります。自分に合ったものを選びましょう。
ふつう
もっとも一般的な歯ブラシの硬さは「ふつう」です。硬すぎず、やわらかすぎないので、歯や歯茎に負担をかけずに歯垢を落とすことができます。歯茎の状態が健康な方は、「ふつう」の硬さを選んでください。
やわらかめ
歯周病などで歯茎が弱っている人や歯茎が腫れている人、ブラッシングすると歯茎から出血する人や歯質が柔らかい人は、刺激の少ない「やわらかめ」の歯ブラシで磨きましょう。ただし、やわらかめの歯ブラシでは歯垢が落ちにくいので、丁寧に磨くようにしてください。歯茎の状態が改善したら、ふつうの硬さのものに戻しましょう。
かため
「かため」の歯ブラシには歯垢を落としやすいというメリットがあると同時に、歯や歯茎を傷めるリスクがあります。歯肉に厚みがある人や歯茎から出血しない人、歯質が硬い人などは「かため」でも問題ありませんが、歯茎を傷めないように気をつけて歯磨きしてください。
毛先の形状
毛先の形状には異なるタイプがあり、それぞれに特徴があります。歯磨きの目的に合わせて選ぶと、効率よく歯磨きができるでしょう。
毛先が平ら
毛先が歯に均等にあたり、一度に広い面を磨けます。歯垢がたまりやすい歯と歯肉の間も磨きやすい形状です。しかし、歯と歯の隙間は磨きにくいため、歯間ブラシやデンタルフロスを併用するとよいでしょう。
山切りカット
歯と歯の間にフィットして、歯間の汚れを除去しやすいという特徴があります。しかし、歯に直角にブラシをあてると毛先が寝やすいため、歯垢の除去効果は若干劣ります。
毛が太い
一般的な歯ブラシの毛は0.2mm程度の太さで、歯垢を落としやすいという特徴があります。歯の表面を磨きやすいため、歯を白くしたい人にも向いています。
毛が細い
0.2mmより細い毛は極細毛といい、歯と歯の間や歯周ポケットにブラシが届きやすいという特徴があります。毛の全体が細いとコシが弱いため、根元から中ほどまでは適度な太さがあり、毛先に向かって細くなるように設計されているものもあります。
【参考】歯ブラシの選び方~口腔保健支援センターより~|徳島県ホームページ
柄(ハンドル)の形状
平均的な歯列の方は、ストレートタイプで問題なく磨けることでしょう。しかし奥歯にヘッドが届きにくい場合は、柄がカーブしたタイプを選んでください。これまで磨きにくかった奥歯まできちんとブラシが届き、磨きやすくなるでしょう。
【年齢別】歯ブラシの選び方
選び方には、年齢別に大切なポイントがあります。乳歯が生えてきた赤ちゃんから高齢者まで、歯ブラシ選びのポイントを年齢別にご紹介いたします。
0〜2歳
赤ちゃんの乳歯が生えはじめるのは、生後6カ月頃からです。生えはじめたら乳歯ケアが必要ですが、まずは赤ちゃんが歯のケアに慣れるまでガーゼ磨きをしましょう。ぬるま湯で湿らせたガーゼを人差し指に巻きつけ、乳歯の表と裏をやさしく拭きます。
赤ちゃんがガーゼ磨きに慣れてきたら、歯ブラシを使って磨きましょう。歯磨きに苦手意識をもたせないためにも、ヘッドは小さく毛はやわらかめを選んでください。歯ブラシを自分で持つようになったら、太くて握りやすく、安全のために曲がるタイプの柄を選びましょう。
3〜5 歳
乳歯が生えそろう3歳頃からは、自分で磨く練習をはじめたいものです。小さな子どもの手でも握りやすいよう、柄はまっすぐで太めのタイプを選びましょう。奥歯まで生えそろってくる乳歯をきちんと磨けるように、「ふつう」の硬さのブラシを選んでください。また、歯磨きの最中に転倒すると危険ですので、柄の曲がるタイプを選ぶと安心です。
この時期は歯ブラシを噛む子どもが多いため、毛先がすぐに開いてしまいます。この状態ではきれいに磨けないため、こまめに歯ブラシを交換しましょう。
6〜12歳
乳歯から永久歯へ生え変わり、虫歯のリスクが高まる時期です。とくに一番奥の第一大臼歯は虫歯になりやすいため、奥歯まで隅々磨ける歯ブラシを選ぶ必要があります。6〜12歳用の歯ブラシは、まっすぐで奥歯まで届く長さのものを選びましょう。奥歯までブラシが届きやすいように、ヘッドは薄くてコンパクトなものが適しています。3〜5歳と同じように、しっかり磨ける「ふつう」の硬さを選びましょう。
大人
歯茎の状態や目的に合わせて、自分が使いやすい歯ブラシを選びましょう。
歯周病の予防
歯周病では歯茎が腫れる場合もあるので、「やわらかめ」のものを選びましょう。歯垢が潜みやすい歯と歯茎間の歯周ポケットにしっかり届き、汚れをきちんとかき出すのは毛先の細いブラシで、歯周病予防に適しています。
虫歯の予防
虫歯の予防には、歯垢を除去しやすい毛先の平らな歯ブラシを選びましょう。ブラシが歯に均等にあたるため、口の中全体の歯垢を除去できます。大きいヘッドでは奥歯までブラシが届かず、磨き残しの原因になりますので、ヘッドは小さめを選びましょう。
奥歯が磨きにくい場合
歯ブラシが届きにくい奥歯は歯垢も除去しにくく、虫歯や歯周病になりやすい傾向があります。奥歯に歯ブラシが届きにくい場合は、コンパクトなタイプを選びましょう。ヘッドが小さくネックも細いタイプは歯の奥まで届きやすいので、奥歯の奥までしっかり磨けます。
高齢者
高齢者は、歯茎も弱くなっているので、「やわらかめ」のブラシを選ぶのも良いでしょう。ヘッドはコンパクトなタイプのほうが、口の中に入れやすいのでおすすめです。柄は握りやすいストレートタイプがよいでしょう。握力などが低下している場合は、太めの柄のほうが握りやすいといえます。
【参考】歯周病 – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020
仕上げ磨き用
子どもが小さいうちは、保護者の方が仕上げ磨きをしてください。磨き残しをなくすだけでなく、虫歯の有無や永久歯の生え具合など、口の中の状態をチェックできます。仕上げ磨きをするときは、子どもが使っている歯ブラシではなく、仕上げ磨き用の歯ブラシを用意してください。
仕上げ磨き用の歯ブラシは、奥歯まで届く長さのものを選びましょう。子どもの口は小さいので、ヘッドは薄くてコンパクトなもの、毛は「やわらかめ」を選びましょう。
仕上げ磨きは、小学校に入学する6〜7歳でやめてしまう方が多いようです。しかし、小学校中学年の9歳くらいまで、できれば高学年の12歳頃までは続けた方がよいといわれます。生え変わったばかりの永久歯は象牙質がまだ柔らかく、虫歯になりやすいためです。加えてこの時期は、まだ上手に磨けない子どもも少なくないため、仕上げ磨きで虫歯を防ぎましょう。
歯ブラシの交換時期の目安
歯ブラシを清潔に使用するうえで、交換時期の目安は1ヵ月です。毎日口の中の汚れを落とすのに使っているため、まだきれいに見える歯ブラシでも菌が繁殖しているおそれがあります。
また、1ヵ月たっていなくても毛先が開いてきたら交換しましょう。毛先の開いた歯ブラシでは汚れの除去効果が落ちるうえ、歯や歯茎を傷つけるおそれもあります。歯ブラシを裏から見て毛先が横にはみ出していたら、新しいものに取り替えてください。
まとめ
歯ブラシは、自分の歯や歯茎の状態、目的に合わせて選ぶことが大切です。ヘッドの大きさや柄の形状を変えるだけで、現状よりも奥歯が磨きやすくなるかもしれません。これまで何気なく選んでいた方は、ぜひ自分に合った歯ブラシを探してみてください。
また、歯ブラシだけで歯間の汚れを取りきるのはなかなか大変です。歯間ブラシやデンタルフロスなど、歯ブラシ以外のアイテムも活用してはいかがでしょうか。
丁寧な歯ブラシ選びと歯磨きで、虫歯や歯周病を効果的に防ぎましょう。