2020年12月11日 | お役立ち情報
万年床はダニやカビが発生しやすい!布団が干せないときの対策を解説
布団で寝起きしている人のなかには、「時間がない」「面倒くさい」あるいは「片づける場所がない」などの理由から、布団を床に敷きっぱなしにしている人がいるのではないでしょうか。
床に敷きっぱなしにした布団のことを「万年床(まんねんどこ)」といいます。万年床には湿気や汚れがたまりやすいことから、ダニやカビが発生しやすく、放っておくと健康を損ねたり、布団はもちろん床にまで大きなダメージを与えたりすることになりかねません。
そこで今回は、万年床に潜むリスクと、布団が干せないときの対処法などについて、わかりやすくご紹介いたします。
万年床ってどのような状態?
人は、寝ている間にコップ1杯分(およそ200ml)の汗をかくといわれ、その汗は毎日布団にも染み込んでいきます。そのため、フカフカだった布団に湿気がたまり、中の綿なども固まってしまうため、布団自体がペチャンコな状態になってしまいます。湿気は特に布団の裏側にたまりがちですが、万年床の場合、布団と床との間に風の通り道がない状態が続きます。このため、たまった湿気を取り除くことができないのです。
万年床の問題「ダニ」「カビ」
布団を敷きっぱなしにしている場合、シーツもかけたままにしているということが多いのではないでしょうか。その場合、汗とともにフケや髪の毛、垢や皮脂汚れ、ホコリなども日ごとに蓄積されていきます。湿気だけでなくエサとなる汚れまでたまった万年床は、「ダニ」や「カビ」にとって繁殖しやすい好環境です。放っておくと健康を害する事態に発展するおそれがあるので注意しましょう。また、布団を敷くのが「畳」と「フローリング」のどちらなのかによって、万年床の問題点には違いが現れます。
ダニ
高温多湿でエサが豊富にある環境を好むダニは、室内のソファーやカーペットなどに潜り込んで生息しています。ダニは、世界に約5万5000種いるといわれ、日本でも約2,000種が確認されています。
家の中によくいるダニは「ヒョウダニ」「コナダニ」「ツメダニ」「イエダニ」などで、なかでも布団によく生息するのがヒョウダニ(チリダニとも呼ばれています)です。体長およそ0.1~0.3mmの小さなダニで、人を咬んだりはしないものの、死骸やフンなどがアレルギー性疾患の原因になるといわれています。肉眼ではとらえにくいサイズで、しかも布団の繊維の中に潜んでいるため、なかなかその存在に気づくことはありません。
しかし、布団に潜むダニは1㎡あたり10万匹いるといわれます。特に床が畳の場合は、畳の中にもツメダニやコナダニが生息することから、布団に生息するダニの数も格段に多くなります。
ダニについては、「ダニが発生する原因とは?ダニの退治方法と予防対策」で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
カビ
カビなどの菌類も、温かく湿った場所を好みます。汗を吸い込んだ布団は、カビにとっても快適な環境なのです。特に布団の裏側には、温かい布団と冷たい床との温度差によって結露も発生。布団の裏側は、思った以上に湿気のたまりやすい場所なのです。
フローリングの床に布団を敷きっぱなしにするのは、特に要注意です。畳と違ってほとんど通気性がないため、湿気が逃げにくくカビの生えやすい状態です。また、目に見えなくともカビの胞子は空気中を漂っており、吸い込んでしまうとアレルギー性疾患を引き起こすおそれがあります。
さらに布団だけでなく畳やフローリングまで傷めると、賃貸住宅の場合は修繕費用を請求されるケースもあるので、十分に注意しましょう。
その他の問題「睡眠の質」
一般的に睡眠時間を8時間とすると、1日の3分の1は寝ている時間です。人生の3分の1の長さを占める睡眠の質にはこだわりたいものです。よい睡眠は、心身や脳の疲労を回復させて、翌日を元気で過ごす活力を与えてくれます。こうしたことから、寝具にこだわる人たちも少なくありません。
布団に体を預けたとき、お尻や肩甲骨など体の出っ張っている部分には、少なからず圧力がかかります。この圧力を分散してくれる高機能な低反発マットもありますが、普通の敷布団で快適さを求めるには、ある程度の厚みと弾力が必要です。万年床の湿気でペチャンコになった敷布団では、圧力を吸収することができません。特にフローリングに万年床の場合、敷布団に弾力が足りず体が固い床に近づくことから、圧迫感を受けて痛みが出てしまうケースもあります。もちろん、湿気でいっぱいの掛布団も、安らかな眠りをもたらすアイテムにはならないでしょう。
このように、湿気を吸った万年床の布団には、睡眠の質を低下させるといった問題もあるのです。
布団のケア方法
万年床が抱えるダニやカビのリスクは、心身の健康問題に直結します。ダニやカビの発生を防ぐために、布団をケアする方法についてご紹介いたします。
布団をたたむ
まず励行したいのが、「毎日布団をたたむ」という習慣です。布団をたたむことで、それまで覆われていた床の表面に風が通るようになり、湿気の解消につながります。
布団を干す
お日さまの匂いがするフカフカの布団は、気持ちのよい眠りへといざなってくれるでしょう。布団の湿気を取り除くには、天気のよい日に干すのが効果的です。時間の目安は、夏なら片面1時間程度、冬は2時間程度で十分。時間帯は日差しの強い10時~14時頃がおすすめです。汗をかきやすい夏場は1週間に1回、冬は2~3週間に1回くらいを目安に干すようにしましょう。
布団を干す際、ホコリを落とそうとタタキなどでバンバンと叩く方も多いようです。しかし、布団を強く叩くと中綿を傷めてしまううえ、中にいるダニの死骸をつぶしてしまい、アレルギーリスクが高くなるおそれもあります。布団は叩かず、取り込んだときに表裏両面に掃除機をかけ、ホコリやダニの死骸を吸い取るようにするのがポイントです。
布団クリーナーで吸う
日中留守がちだと、布団の外干しにはどことなくためらいがあるものです。だからといって休日に干そうとしても、天気がよいとは限りません。また、布団に花粉などのアレルゲンを付着させないためにも外には干したくない、という場合もあるのではないでしょうか。
そこで便利なのが、布団掃除に特化した「布団クリーナー」です。普通の掃除機では除去しにくいとされる繊維にしがみついたダニや、繊維の奥に隠れているダニを、特別な振動やUVランプなどで効果的に取り除きます。布団をベランダまで運ぶ負担もなく、天気や時間を気にせずいつでも手軽にきれいにできるというメリットがあります。
布団乾燥機を使う
湿気やダニ対策には、布団乾燥機も効果的です。およそ70℃の熱風で、布団にたまっている湿気を取り除いてフカフカにします。湿気を取り除くことでカビの予防になるうえ、高熱に弱く50℃~60℃で死滅するといわれるダニの駆除にも効果的です。ただし、ダニの死骸やホコリはそのまま残るため、乾燥機使用後は掃除機をかけてきれいにしましょう。
除湿機やエアコンの除湿機能を使う
布団の湿気を取り除くには、室内で除湿機を使用したり、エアコンの除湿機能を使ったりするのも効果的です。
扇風機やサーキュレーターで風を送る
湿気のたまっている部分に扇風機やサーキュレーターで風を送ることで、布団の湿気をとばすことができます。エアコンの除湿機能などと併用すると、より高い効果が見込めます。
すのこを使用する
ベッドには脚があるため、床との間に風の通る空間が保たれ、布団を敷きっぱなしにした状態に比べて湿気にくいというメリットがあります。湿気防止にベッドを置きたいけれども部屋にそれほどスペースがないという方や、布団のほうが落ち着くという方には、すのこを使うことをおすすめします。布団と床の間にすのこを敷くことで、風の通る空間が生まれ、万年床に比べて湿気がたまりにくくなります。
ニオイが気になるときは
布団を敷きっぱなしにすると、湿気や汚れとともにニオイもたまってきます。気になるニオイは、自らの汗や皮脂、加齢臭をはじめ、ダニの死骸やフン、カビなどが原因です。このニオイを取り除くには、天気のよい日に布団を干すのがいちばんですが、手軽にできる対策としては、フマキラーの「激乾 ふとん除湿・脱臭シート」がおすすめです。
敷布団の下に敷くだけでパワフルな除湿能力を発揮。湿気を好むダニやカビの対策に有効です。さらに、配合された脱臭成分が、気になるニオイをすっきり取り除きます。
ダニ対策には
想像しただけで恐ろしくなる、布団の中に大量に潜むダニ。布団を干したり、クリーナーをかけたり、どんなに努力してきれいにしても、そのすべてを取り除くことは困難を極めます。また、何の対策もしなければ、外出先で衣類に付着したりペットとともに室内に入り込んだりして、ダニはどんどん増えてしまうかもしれません。
フマキラーの「ダニフマキラー」は、スプレーするだけで退治と予防の効果があり、ダニの増殖を抑制します。屋内塵性ダニ類(ヒョウダニ、コナダニ、ツメダニ)をはじめ、イエダニやペットに付着するマダニやノミにも効果的です。広い範囲にムラなくスプレーでき、布団以外にも畳やカーペットなどにもお使いいただけます。
布団をケアして、清潔で寝心地のよい状態で安らかな睡眠を!
今回は、万年床の湿気と汚れがもたらす数々の弊害について解説いたしました。心身の健康に「万年床」がどれほどネガティブな影響を及ぼしているか、再確認していただけたことと思います。
敷きっぱなしをやめて風通しを良くするだけでも、布団の湿気を取り除くことができますし、丁寧にケアすれば清潔感や寝心地の良さも格段にアップします。ぜひとも布団をこまめにケアして、よい睡眠を手にしてみませんか。