2020年12月14日 | お役立ち情報
年賀状の返事はいつまでにすべき?書き方や例文・寒中見舞いとの違いを紹介
新年を祝う気持ちとともに、旧年中お世話になった方々に感謝の気持ちを伝えたり、日ごろなかなか会えない方と近況を報告しあったり。新しい年のはじまりに届く便りを、楽しみにしている人も多いことでしょう。デジタル全盛の時代にあっても、紙の手触りや差出人の筆跡がリアルに感じられる年賀状は、見る人をどこか温かい気持ちにさせてくれます。
ところで年賀状のなかには、送っていなかった人から届くものもあります。そのようなとき、返事はいつまでに出すべきかご存知ですか。三が日を実家や旅先で過ごして年賀状の確認が遅くなったときなど、特にそれが気になる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、年賀状のマナーについてご紹介いたします。
年賀状の返事はいつまでに出せばよい?
送っていなかった方から年賀状が届いた場合、すぐに返事を出すことができればよいのですが、忙しく過ごしてつい後回しになってしまうこともあります。こうした場合、いつまでに返事を出せば相手に失礼がないのでしょうか。気になる期日と、返事の書き方をあわせて見ていきましょう。
1月7日を境に「寒中見舞い」になる
年賀状をいただいた相手に返事を出す場合、1月7日の「松の内」までに届くようにするのが一般的なマナーとされています。松の内とは、家の前に正月の松飾りを立てておく期間のこと(※地域によって異なる)です。それまでに届けることができない場合、年賀状ではなく「寒中見舞い」として返事を書きます。
寒中見舞いとして出す場合は、一般的に1月8日から立春(2月4日頃)までがその期間となります。ちなみに「寒中見舞い」という言葉には、冬の寒さのなか相手を思いやるお見舞いの気持ちが込められています。
年賀状の返事はどのような内容にすればよい?
送っていなかった方に返事を出す場合、なるべく早く返信したいものです。しかしタイミングによって、「年賀状」なのか「寒中見舞い」なのかが異なるため、返事の内容も変えなければなりません。また、先に年賀状をいただいていることから、どのような内容にすればよいか悩むかもしれません。
ここでは、1月7日の松の内を境にした2つのパターンについて、気をつけたいポイントをご紹介いたします。
1月7日までに届く場合は「年賀状」
1月7日の松の内までに届くようなら、年賀状として返事を出します。内容は、「1.賀詞」「2.お礼」「3.お詫び」「4.自分の近況報告」「5.締めのあいさつ」とするのが一般的とされています。三が日中に届くようなら、お詫びを添えずに出してもよいかもしれません。
年賀状には、お祝いの気持ちを表す言葉として「謹賀新年」「賀正」「迎春」などの賀詞(がし)と呼ばれる言葉がよく使われます。そのなかには、時期的にそぐわないものや、目上の方に対しては失礼にあたるものがあるので気をつけましょう。
時期的に、謹賀新年・賀正・迎春はOK
「明けましておめでとうございます」など文章としての賀詞をはじめ、「謹賀新年」「賀正」「迎春」なども、一般的には1月7日まで使えます。ただし、日時を限定する意味を含む「元旦」や「元日」などの言葉は、2日以降に届く年賀状にはふさわしくないといえるでしょう。
目上の方に、賀正・迎春・寿などはNG
「謹賀新年」には、謹んで新年をお祝いいたします、という意味があります。「賀正」にも新年を祝うという意味があるので、同じように使用している人も多いのではないでしょうか。
賀詞には1文字のもの(寿など)や2文字のもの(賀正・迎春など)、4文字のもの(謹賀新年・恭賀新年など)や文章(明けましておめでとうございます、など)ほかさまざまありますが、もともとは相手を敬う言葉(謹、恭など)を含む4文字が基本とされています。1文字や2文字の賀詞は省略した言葉であり、目上の方に用いると失礼にあたることを覚えておきましょう。
年賀状の返事の書き方(例文):友人など親しい人に出す場合
あけましておめでとうございます(1.賀詞)
心のこもった年賀状を ありがとうございました(2.お礼)
年末より帰省していたため ごあいさつが遅れ申し訳ございません(3.お詫び)
皆様 お元気そうなご様子で何よりです
我が家も 皆元気にしております(4.近況報告)
今年はお会いできることを 楽しみにしております(5.締めのあいさつ)
年賀状の返事の書き方(例文):会社の上司などに出す場合
謹んで新年のお慶びを申し上げます(1.賀詞)
ご丁寧な年賀状をいただき ありがとうございました(2.お礼)
新年のごあいさつが遅れましたこと 深くお詫び申し上げます(3.お詫び)
旧年中は大変お世話になりました
本年も仕事に精進する所存でございますので
引き続きご指導のほど よろしくお願いいたします(5.締めのあいさつ)
注意点①:賀詞を重複させない
年賀状でありがちなミスが、賀詞を重複させてしまうことです。「あけましておめでとうございます」と文章で賀詞を使ったときは、「謹賀新年」や「迎春」などの言葉は添え書きしないように注意しましょう。
注意点②:句読点を打たない
年賀状の文面には「、」や「。」などの句読点を打たない、というマナーがあるのをご存知でしょうか。これは、句読点が区切りを意味することから、「相手との関係が終わる」と考えられていることに由来します。また、古来日本では文書を書く際に毛筆を使用していたため、句読点を打つ文化がなかったことも影響しているようです。
1月7日以降に届く場合は「寒中見舞い」
送っていなかった方から年賀状が届き、どうしてもすぐに返事が出せない場合(相手の手元に1月8日以降に届く場合)は、「寒中見舞い」として返信するようにしましょう。
内容は、「1.寒中見舞いの言葉」「2.相手の健康を喜ぶ言葉」「3.年賀状のお礼・お詫び」「4.近況報告」「5.締めのあいさつ」とするのが一般的です。1月8日以降立春(2月4日頃)までの間に、相手の手もとに届くようにします。この期間を過ぎてしまった場合は、寒中見舞いを「余寒見舞い」として出すようにしましょう。『まだ寒さが続いておりますが~』と、相手を思いやるニュアンスになります。
また、寒中見舞いを書くときに気をつけたいのがハガキの種類です。余っている年賀ハガキを使いたくなりますが、寒中見舞いには通常の官製ハガキを使用するのが一般的です。年賀ハガキが余ったときは、手数料を支払うと郵便局で取り替えてもらうことができます。
寒中見舞いの書き方(例文):友人など親しい人に出す場合
寒中お見舞い申し上げます
心のこもった年賀状を ありがとうございました
年末より帰省していたため ごあいさつが遅れ申し訳ございません
皆様 お元気そうなご様子で何よりです
我が家も 皆元気にしております
今年はお会いできることを 楽しみにしております
まだまだ寒さが続きますが 風邪などひかれぬようご自愛ください
寒中見舞いの書き方(例文):会社の上司などに出す場合
寒中お見舞い申し上げます
厳寒の折 お変わりございませんか
ご丁寧な年賀状をいただきながら ごあいさつが遅れましたことを 深くお詫び申し上げます
旧年中は大変お世話になりました
今年も引き続きご指導のほど よろしくお願いいたします
最近 風邪が流行っておりますので どうぞご自愛くださいませ
LINEやメールでの返信は失礼?
すっかりデジタル化の進んだ昨今、新年のあいさつはメールやLINEを主とする人たちも多いのではないでしょうか。とはいえ、自分には年賀状が届いているのに、LINEやメールで返事を済ませるのは、少し気がひけるというものです。
確かに、相手の方から年賀状が届いている場合は、こちらも年賀状で返すほうが無難といえます。たとえ親しい間柄でも「こちらは年賀状を送ったのに、軽くLINEやメールで返された」と思う人もいるでしょう。それが会社の上司や目上の方であれば失礼にあたるばかりか、場合によっては「常識のない人」と思われてしまうおそれもあります。よほど親しい友人や家族でない限りは、年賀状を受け取ったら年賀状で返信するのがよい選択といえそうです。
「年賀状が来たら出す」ようにしたいときは
慣習として年賀状を送っているけれども自分に届く数は年々減ってきている、と感じている方もいるのではないでしょうか。相手からの返事がなかった場合、次の年は出すかやめるか悩むケースも多いと思います。
こうしたことから、いつもやりとりしている方は別として、来るか来ないかわからない相手の場合、「その方から年賀状が来たら出す」という方法をとることもあるようです。
年賀状を出す相手をしぼる
「年賀状が来たら出す」ことを望む人のなかには、数多く書かねばならないことに負担を感じている方もいるのではないでしょうか。適切な時期をみはからって、年賀状以外の付き合いのない方を差出人リストから外し、出す人をしぼってみるのもひとつの手かもしれません。もちろんこの場合も、相手から年賀状が届いたら丁寧な返信をする、という心づかいを大切にしましょう。
年賀状の返事は、マナーを守って心をこめた返信を
年賀状の返事を出す場合は、相手に届くタイミングによって「年賀状」で出すか「寒中見舞い」で出すかが決まります。また、最近では新年のあいさつをメールやLINEでおこなう人たちが多くなっているようですが、年賀状でいただいた方には、こちらも年賀状で返信するのが無難といえます。
賀詞や句読点に関する注意事項にも気をつけて、心のこもった丁寧な返事を心がけましょう。