2019年12月11日 | 動物
猫の習性・行動とその理由を紹介!かわいい行動から謎の行動まで解説
自由気ままなイメージがある猫ですが、人から見るとその習性を不思議に思うことも多いのではないでしょうか?飼い主にとって、とてもかわいく見える習性も多いものですが、それらの行動にはしっかりとした理由があるようです。
本記事では猫の習性と行動、その理由についてご紹介します。
猫の習性・行動とその理由
猫にはおもしろい習性がありますが、その行動には理由があるのです。猫の習性や行動と、その理由についてご紹介します。
高いところが好き
猫は屋外なら木の上や塀の上、屋内ならタンスの上など、高いところを好む習性があります。これは猫の本能であり、高い所にいれば外敵から身を守ることができ、獲物を見つけやすいからです。高い所で過ごすのは危なそうに見えますが、猫は平衡感覚に優れているため、高い場所は危ないというよりむしろ安全な場所なのです。
狭いところを好む
猫がわざわざ狭いところに入り込むのを見て、なぜ狭いところに入りたがるのか不思議に思ったことがある方は多いのではないでしょうか。猫の祖先は中東に生息するリビアヤマネコといわれ、砂漠の穴倉などで外敵から身を隠しながら、ネズミなどを捕って生活していたようです。狭い場所は猫にとって安心できる場所なので、昔ながらの習性で今でも狭いところを好むようです。
スリスリしてくる
猫は飼い主に寄ってきて、足にスリスリすることがあります。このかわいい行動は飼い主に甘えているということもありますが、1番の理由は自分のニオイをつけることが目的です。猫の体には、フェロモンを分泌する臭腺(しゅうせん)がありますので、スリスリして自分のニオイをつけてマーキングしています。猫は自分の縄張りが自分のニオイで満たされていると安心するのです。
帰宅したら猫がすり寄ってくることがあるでしょうが、これもマーキングであり、自分の知らないニオイがする飼い主に自分のニオイをつけているのです。
もちろん猫は甘えてスリスリすることもあります。猫がスリスリしてくると、かわいくて撫でたりおやつをあげたりすることもあるでしょう。猫は賢いので、スリスリすると要求が通るという経験を覚えて、飼い主にしてほしいことがあるときにスリスリする習性があります。
ふみふみする
猫には飼い主の脚や毛布をふみふみする習性があります。この行動は、子猫が母猫のお乳の出をよくするため、おっぱいを押す動きをするものです。毛布も太ももも柔らかくて温かみがあるので、母猫を思い出させるのでしょう。人に対してのふみふみは、誰にでもするわけではなく、お気に入りの人にしかしない傾向があります。
爪とぎ
猫が一生懸命爪とぎをしている姿もかわいいものですが、家の中のどこででも爪とぎをされると困ります。猫の爪とぎにはいくつかの理由がありますが、その1つは狩りをしていたころの習性で、鋭い爪をキープするために爪とぎをしているのです。猫の爪は下に新しい爪が生えてくるため、爪とぎをすることによって表面の古い爪をはがし、鋭い爪を出しています。
また、爪とぎにはマーキングの効果もあります。猫の肉球には臭腺があるため、爪とぎをすることで自分のニオイをつけているのです。
爪とぎにはストレス発散や、気持ちを落ち着かせる効果もあります。そのため猫に爪とぎをやめさせようとするのは酷な話です。爪とぎをやめさせるのではなく、「ここでなら爪をといでいいよ」という環境を与えてあげましょう。爪とぎ器には、さまざまな形や素材があります。お気に入りのものが見つかれば、他の場所での爪とぎを防げるでしょう。
毛づくろい
1日の大半を寝てすごす猫は、起きている時間の結構な割合を毛づくろいして過ごすのですが、毛づくろいにもいくつかの理由があるようです。猫の舌には無数の突起があるため、毛づくろいをすると汚れや古い毛が取れて、清潔に保てます。また、毛を清潔に保つことで自分のニオイも取り去ることができるため、獲物や敵に自分の存在を知られないように本能的に毛づくろいをしているようです。
汗をほとんどかかない猫は、暑い日に毛づくろいをして体温調節をしています。体を舐めると唾液で被毛が湿るため、水分が蒸発するときに発生する気化熱で体温を下げているのです。
単独行動を好む
猫は集団行動をせず、単独で狩りをする動物なので、協力したり服従したりしません。そのため甘えたいときには甘えてきますが、飼い主が遊んであげようとしても知らんぷりするときもあります。猫はマイペースなので、人間の思い通りには行動しません。猫の縄張り意識が強いのも、単独行動を好むことが理由のようです。たとえ室内で飼われている猫でも縄張り意識が強いため、自分のニオイをつけてマーキングを欠かしません。
ゴロゴロと喉を鳴らす
猫にはゴロゴロと喉を鳴らす習性がありますが、このゴロゴロには複数の理由があります。
うれしいときや、幸せなとき、飼い主に何かおねだりしているときにゴロゴロと喉を鳴らすだけでなく、恐怖を感じているときや苦しいときは低い音でゴロゴロと喉を鳴らします。ゴロゴロと低い音を鳴らしているときは、助けを求めているのかもしれませんので、よく様子を見ておきましょう。
よく寝る
猫は1日のうちの15時間前後を寝て過ごします。子猫や老猫であれば、さらに睡眠時間が長いです。これほど睡眠時間が長いのは、猫に野生の本能が残っているからだといわれています。
肉食動物は狩りに備えて体力を温存するために、狩り以外の時間を寝て過ごしているのです。しかしぐっすり寝ているわけではありません。いつでも狩りができるように、浅い眠りがほとんどで、合間に深い眠りが訪れます。そのためちょっとした物音でも目を覚ますのです。
まとめ
猫には人間から見てかわいいと感じる習性が多く、見ているだけで幸せな気分になる飼い主さんも多いと思います。ただその中には、ストレスや体調の変化などを訴えている可能性もありますので、注意深く観察してあげることが大切です。
猫の習性や行動の意味をちゃんと理解し、適切に対処してあげることで、飼い主さんとの信頼関係もより強くなることでしょう。