2019年2月5日 | 園芸・ガーデニング
ガーデニングデザインで自宅のお庭をおしゃれな空間に!
好みの植物やガーデングッズを選び、庭などをおしゃれにカスタマイズするガーデニングデザイン。どんな空間にしようか考えるとワクワクしてきますね。しかし、いざ作業を始めようとしても「何からやればよいだろう?」と悩む人が多いかもしれません。今回は、実際にガーデニングデザインを行なうための準備として、コンセプトの決め方と具体的な進め方、DIYのポイント、業者の選び方などについてご紹介します。
そもそもガーデニングデザインとは?
初めに、ガーデニングデザインについて概要を押えておきましょう。
ガーデニングデザインとは
この記事では、自宅の庭などを好みの植物やガーデングッズでおしゃれに飾って楽しむことを「ガーデニングデザイン」としてご紹介します。必ずしも広い庭だけでなく、敷地の一部や玄関周り、ベランダ、壁面などをお気に入りの空間に作り上げるのも立派なガーデニングデザインです。
なお、ガーデニングの施行業者やショップなどの専門的な分野では「ガーデンデザイン」と表現することもあります。
ガーデニングデザインのコンセプトを決めよう
ガーデニングデザインでは、コンセプトとして自分の好みやリラックスできる雰囲気をピックアップし、目的を決めて進めることがポイントになります。以降の項目で、ガーデニングデザインを行う場所や目的、テイストなどを順にご紹介するので参考にしてみてください。
ガーデニングデザインをするのはどこ?
それでは、ガーデニングデザインを施す場所を具体的に考えてみましょう。
ガーデニングデザインで庭をおしゃれに
国や時代に関係なく、おしゃれでセンスのよい庭は多くの人のあこがれです。用いる素材によって、庭全体の雰囲気が大きく変わるのもガーデニングデザインの特徴です。この機会に、後の項目でご紹介するテイストを参考にしてすてきな庭を完成させましょう。
家の顔である玄関をおめかしするなら
日本では、古くから玄関を「内」と「外」に分ける場所としてとらえ、清潔感や重厚感だけでなくホッと心が和むことを求める文化があります。敷地内で最初に目に触れる玄関周りやエクステリアを、ガーデニングデザインですてきにカスタマイズしませんか?
ベランダでもガーデニングを楽しめる
近年では、ベランダガーデニングでプランターや小物類を上手に組み合わせ、お金をかけないDIYを行なう様子をSNSなどで見かけます。限られた空間をおしゃれにリニューアルするのも、ガーデニングデザインの腕の見せどころです。
日陰のバックヤードをリニューアル
敷地内で目に触れることが少ない、裏庭や通路などのバックヤード。一般的に裏庭は日陰になるため、耐陰性のある植物とその雰囲気に合う雑貨で変化をつけてはいかがでしょうか。バックヤードがおしゃれに変われば、日々の雑事もはかどるかもしれません。
ガーデニングデザインの目的は?
ガーデニングデザインを行なう場所が決まったら、次は目的を考えましょう。
観賞用としてあこがれの空間を作る
ゆったりとくつろげる場所を作ることは、ガーデニングデザインの魅力と言えます。シンボルツリーや季節の花々、おしゃれなガーデングッズのほかに野鳥が遊びに来るスペースもおすすめです。すてきな空間が完成したら、SNSなどに紹介する楽しみもあります。
家庭菜園で安心の野菜作り
安心・安全な野菜があらためて注目される現代では、野菜を自分で作って収穫したい、という人が増えています。庭やテラスなどを、観賞用と菜園に分けたガーデニングデザインもおすすめです。おいしい野菜のための土作りや、たい肥作りなども学びながら楽しめます。
芝生で子どもやペットの遊び場に
子どもやペットが自由に遊べる芝生は人気が高く、夏は芝の蒸散作用により気温の上昇を抑えるというメリットもあります。芝生は年間をとおして手入れが必要なため、心配なときには面積を小さめにするか、子ども用やペット用の人工芝で代用するという方法がおすすめです。
バーベキューやパーティーの場
人が集う場にするには、テーブルやいす、バーベキュー用の炉、洗い場などのスペースを確保したガーデニングデザインを考えます。足元は枕木や砂利、レンガなどで平らにしましょう。雰囲気を盛り上げるすてきな植物やガーデングッズ、ライトもセレクトしてくださいね。
ガーデニングデザインのテイストは?
ガーデニングデザインの目的が決まったら、次は空間を彩るテイストを考えましょう。
エレガントな洋風テイストが人気
本格的なイングリッシュガーデンから日本の住宅に合わせたデザインまで、洋風のテイストはさまざまです。洋書やインターネットなどで好みの雰囲気を探し、イメージを固めてみましょう。ガーデングッズは、色合いを抑えて選ぶと上品にまとまります。
【おすすめのガーデングッズ】
アーチ、パーゴラ、ウッドデッキ、レンガ、タイル、テラコッタ、枕木、バークチップなど
【おすすめの植物】
シマトネリコ、ヒメシャラ、モッコウバラ、ジャスミン、エニシダ、コニファー類など
北欧風のナチュラルガーデンに挑戦
ガーデニングデザインの中でも、根強い人気を保つ北欧風のナチュラルな雰囲気。格安の材料でガーデングッズを手作りする人も少なくありません。ナチュラルなテイストには、白やグリーン、ベージュの色合いや木目の質感がよく似合います。
【おすすめのガーデングッズ】
ウッドフェンス、アイアン、レンガ、タイル、枕木、テラコッタ、すのこ、木箱など
【おすすめの植物】
オリーブ、ハーブ類、アイビー、ワイヤープランツ、シルバーリーフ類、多肉植物など
アンティークやジャンク風で個性を
こだわりの雑貨を並べた、アンティークやジャンクテイストのガーデニングデザインも人気があります。時間の経過を感じさせるさびやコケ、ヒビ、欠けも雰囲気を盛り上げる大切な要素。新品を購入し、あえて手を加えてアンティーク風に見せる方法もあります。
【おすすめのガーデングッズ】
アイアン、テラコッタ、レンガ、ベンチ、ガーデンツール、ブリキ、空き缶、ワイヤー雑貨など
【おすすめの植物】
ハーブ類、アイビー、シルバーリーフ類、ドラセナ類、多肉植物、サボテン類、バラなど
アジアン・トロピカルなどのリゾート風
「住まいの一角をリゾート風にしてくつろぎたい」という人は、熱帯地域や地中海、西海岸などあこがれのリゾート地を再現してみましょう。熱帯原産の植物を育てる場合、地域にもよりますが冬場は室内に取り込むなどして管理を行なってくださいね。
【おすすめのガーデングッズ】
パラソル、デッキチェア、ハンモック、オーニング、岩石、タイル、カゴ、ファブリック類など
【おすすめの植物】
ヤシ類、ソテツ、シダ類、モンステラ、ストレリチア、プルメリア、アデニウム、多肉植物など
大人の和風モダンにリニューアルする
世界的な盆栽の人気により、あらためて見直されている和の魅力。本来の和風庭園に洋風の要素を少し加えた和風モダンはいかがでしょうか。きれいな砂利やししおどしなどで、落ち着いた大人の趣が表現できます。
【おすすめのガーデングッズ】
砂利、岩石、敷石、縁台、池、ししおどし、手水鉢(ちょうずばち)、水琴窟(すいきんくつ)、風鈴など
【おすすめの植物】
ヤマボウシ、イロハモミジ、シュロチク、カラーリーフ類、ヤブラン、ギボウシ、コケ類、盆栽など
ガーデニングデザインを具体的にしよう
ガーデニングデザインのコンセプトが決まったら、いよいよ具体的なイメージを形にします。植物やガーデングッズをどこに配置するか、計測をしながら考えを進めましょう。
エリアの計測と固定されたものを確認
ガーデニングデザインを施す場所をメジャーで計測し、数値を控えておくと便利です。もともと設置されている水道や門扉、室外機、ガレージなどの場所も確認しておきましょう。季節による日当たりも調べておけば、植物を植える際に役立ちます。なお、植物は数年後の大きさも頭に入れておいてくださいね。
デザイン画でイメージを具体的に
ガーデニングデザインを行なう場所の計測ができたら、全体のイメージ図を描いてみましょう。手描きや画像編集ソフトのほか、インターネット上のフリーの設計用ソフトも活用できます。また、デザインの作成だけを依頼できる業者もあるので相談してみてくださいね。平行して、地植え用と鉢植え用の植物をピックアップしておきましょう。
目隠しや防犯も考慮したデザインを
ガーデニングデザインでは、プライベートな空間を守る目隠しも必要です。しかし、植物やフェンスなどで敷地全体を隠す施行は、防犯の面でおすすめしません。侵入窃盗の被害は、全体の約6割が一般住宅というデータも出ています。目隠しは最低限に抑え、ある程度の見通しが利くようにしましょう。防犯対策には、砂利やセンサーライトなどもおすすめです。
ガーデニングデザインの費用は?
ガーデニングデザインは、すべてDIYでやる、一部を業者に頼む、全体を業者に任せる、という3つの方法がありますが、それぞれで予算が異なるのでじっくり検討しましょう。デザイン画を基にして必要なものの価格を調べ、全体でどのくらいの費用になるか数値を出してみます。
毎月の予算内で購入し、少しずつ作業を進めるのもガーデニングデザインの楽しみのひとつと言えます。ただし、「DIYに挑戦したもののうまくいかない」という可能性もあるため、予算は余裕を持って立ててくださいね。
いよいよガーデニングデザインを施行!
予算を決め、材料をそろえたらいよいよ念願のガーデニングデザインの施行に取り掛かりましょう。
植物を地植えにするなら土壌改良を
デザイン画を参考に、植物を植える場所の土壌改良を行ないます。土は耕しながら古い根や石、ゴミなどを除きます。植え付ける2週間ほど前には腐葉土やたい肥を混ぜ、石灰を加えて中和させましょう。1週間ほど置き、水分が多い土には赤玉土やパーライト、川砂などを混ぜ、水はけがよすぎる土にはバーミキュライトやピートモスなどを加え、肥料をすき込みます。
植え付ける品種によっては植物専用の土を用意する方法もあります。大きいシンボルツリーで運搬が難しいときは、業者に植え付けまで頼むのがよいかもしれません。
ガーデニングデザインをDIYで行なうコツ
ガーデニングデザインをDIYで実践するときには、あらかじめ施行方法を調べておきましょう。下記にポイントを挙げていますが、軍手を着用してくれぐれもけがに気をつけながら作業してください。
砂利や敷石
【必要な道具】
シャベル、防草シート、ヒモ(水糸)など
【作業のポイント】
地面を平らにならし、雑草の繁殖を抑えるために防草シートを敷いてから設置しましょう。敷石の場合は、ヒモなどをガイドとして張るとまっすぐに施行できます。
枕木
【必要な道具】
防虫剤、シャベル、砂利またはモルタル、水平器など
【作業のポイント】
シロアリの防虫剤を施し、建物の基礎部分の近くを避けて設置しましょう。表面が数センチ出るくらいの深さを掘り、砂利やモルタルを入れて水平に埋めます。
木工作品
【必要な道具】
新聞紙、ステイン剤、塗料、ハケ、ドライバー、ヤスリなど
【作業のポイント】
木材はステイン剤を塗った後にペンキなどの塗料を施し、乾かしてから組み立てます。使用感を出すときは、全体にヤスリをかけましょう。
レンガ
【必要な道具】
バケツやトレイ、コテ、モルタル、定規、水平器、ブラシなど
【作業のポイント】
レンガを水に浸してから定規を使って水平に積み、間の余分なモルタルは水をかけながらブラシなどで取り除きます。
ウッドデッキ
【必要な道具】
シャベル、砂利またはモルタル、ドライバー、水平器、定規など
【作業のポイント】
初心者の場合、割高でも質の良いキットを選ぶと比較的楽に作業ができます。基礎をしっかりと固め、水平を確認しながら進めましょう。
業者に任せるガーデニングデザイン
一般的に、エクステリアなどの大掛かりな作業はプロに頼む傾向があります。庭の技術資格などを持つ数社を選び、見積もりをお願いしてから決定しましょう。最近では、無料で見積もりや相談を請け負う業者も増えています。要望の聞き取り方、見積もり項目の詳細、説明のわかりやすさなどが比較のポイントになります。
ガーデニングデザインでステキな空間作りを!
今回は、ガーデニングデザインについて具体的な進め方をご紹介しました。ガーデニングデザインを施す場所やコンセプト、デザイン画、費用の試算など、取り掛かる前の準備がたくさんありましたね。
DIYでコツコツと仕上げれば愛着がわくことは間違いありませんが、無理をせずに業者に頼む選択もあります。ゆっくりとガーデニングデザインの計画を立て、おしゃれな空間作りに取り掛かりましょう!