蚊対策まとめ。蚊の発生を防ぐ&刺されない方法を紹介

蚊に刺されないための対策!逆にこんな人はさされやすい!?

冬の季節が終わり、暖かい春が始まると、どこかすっきりした気分になるという方も多いのではないでしょうか。しかし、この春シーズンから、夏、秋シーズンにかけて悩まされる問題のひとつに「蚊」があります。

蚊は暖かい季節になると、繁殖のために吸血行動を行うようになります。そのため、多くの人が蚊に関するお悩みを抱える状況に。

「蚊に刺されすぎて眠れない!」「我が家は小さな子どももいるから蚊を近づけさせたくない」。今回はこのようなお悩みを持つ方たちに、蚊の発生を防ぐ方法や刺されない方法をご紹介します。

蚊に刺されると感染症を発症する可能性も

蚊に刺されると感染症を発症する可能性も

春から夏、そして秋にかけて活発に活動する蚊。蚊が活動することで、私たちは毎年「蚊対策」を行います。蚊の対策を行う理由の一つとして「感染症対策」が挙げられます。一般的に東京都内でよく見かける蚊は、以下の3種類です。

  • ヒトスジシマカ
  • アカイエカ
  • チカイエカ

そして、この3種の蚊ですが、主に以下のような感染症を媒介します。

疾患名 潜伏期間 主な症状
デング熱 2日~14日

(多くは3日~7日)

発熱、頭痛、眼窩痛、筋肉痛、関節痛
ジカウイルス感染症 2日~12日

(多くは2日~7日)

軽度の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、斑丘疹、結膜炎、疲労感、倦怠感など
チクングニア熱 2日~12日

(多くは3日~7日)

急性の発熱、関節痛、発しん
ウエストナイル熱 2日~6日 発熱、頭痛、背部痛、筋肉痛、筋力低下、食欲不振、発しん

【参考】東京都感染症情報センター「蚊媒介感染症」

ご覧のように、国内に生息している蚊でもデング熱、ジカウイルス感染症、チクングニア熱、ウエストナイル熱といった感染症を媒介することがわかっています。

このことから、私たち人間が行っている蚊対策は、刺されたときのかゆみ防止だけではなく、危険な感染症を防ぐという大切な役割も担っているのです。

蚊対策 2つの基本

蚊対策の2つの基本

蚊対策はどのような点を意識して行えばよいのでしょうか?ここでは、蚊対策の基本2つをご紹介いたします。

【基本①】 蚊を発生させないこと

蚊に刺されてしまうのは、蚊が発生しやすい環境になっているからです。つまり成虫が卵を産み付け、幼虫(ボウフラ)やサナギが成長しやすい状況になっているということです。

蚊は私たちが想像している以上に繁殖力が強いため、自宅付近には蚊が発生しやすい場所が多くあります。この蚊が繁殖しやすい環境を、「蚊が繁殖しにくい環境」に変えていくことで、蚊に刺されるのはもちろんのこと、蚊の姿を見る機会も減らすことができます。

【基本②】 蚊を避ける・避けさせる環境をつくる

こちらも後ほど詳しい方法を説明しますが、蚊に刺されないためには、蚊を避ける、蚊が避けていく環境をつくることも大切です。たとえばですが、同じ人間でも、蚊に刺されやすい人と刺されにくい人がいます。

過去に行われたさまざまな研究、調査では、蚊に刺されやすい人は体質が関係しているのではないかといわれています。具体的には、以下のような方が該当します。

  • 体温が高い
  • 肥満体質
  • 汗っかき

ある実験によると、蚊は温度が高いものに反応し、引きつけられることがわかっています。また、蚊には汗のニオイのもととなる乳酸や脂肪酸を嗅ぎ分けるセンサーも備わっています。このセンサーによって蚊は人の皮膚に止まり、吸血を行います。

古くから肥満体質、汗っかきの人は蚊に刺されやすいといわれてきましたが、それは蚊に備わっている高度な感知機能が大きく関係しているということです。

この他、蚊は人の吐く息に含まれる炭酸ガスを感知する機能も持っているため、お酒を飲んでいる人にも近寄ってきます(炭酸ガスはアルコールが分解される際に大量に発生するため)。

また、海外の実験によると、蚊は黒や紺などの色を好むこともわかっており、濃いめの色の衣類を着用している人も蚊を誘引しやすいといわれています。これら複数の要素によって、蚊に刺されやすい人、刺されにくい人に分かれるということです。

では蚊に刺されやすい人はどのような対策を施せばよいのか?体質が原因の場合は、体質改善を目指す方もいますが、これは時間もかかりますし、非効率的な方法です。

体質改善以外にも蚊が苦手とする成分を肌に塗布したり、蚊が近寄りにくい衣類を着用したりするなどの対策法があります。さまざまな工夫を施しながら、蚊を避ける、避けさせる環境をつくっていきましょう。

蚊の発生を防ぐ3つの対策

蚊の発生を防ぐ3つの対策

前述のように、蚊に刺されないための対策法は「蚊の発生を防ぐ」「蚊を避ける、避けさせる」ことです。ここからは、その具体的な対策法をご紹介します。まずは、蚊の発生を防ぐ方法から見ていきましょう。

1.水が溜まるような不要品などを放置しない

蚊は卵から成虫になるまでの期間を水の中で過ごします。蚊はごく少量の水たまりであれば場所を問わずに、卵を産み付けるため、まずはこの水たまりをなくす対策法を実践していきましょう。身近なところで水が溜まりやすいのは、以下のような物や場所です。

  • 植木鉢の受け皿
  • バケツやジョウロ
  • 古タイヤや子どもの遊具
  • 雨どいや側溝

これらの中で片付けられるものは、収納庫や物置に収納してしまいましょう。また、バケツやジョウロは水が溜まらないように、裏返しておくことをおすすめします。

この他、古タイヤは処分できるのであれば、不用品回収業者やカー用品店などに回収を依頼します。

植木鉢の受け皿も、使用していないものは裏返しておきましょう。使用している受け皿は1週間に1度は清掃して、水を替えるようにします。これらの工夫を施すことで、ボウフラ(幼虫)が成長しにくい環境を整えることが可能です。

2.定期的に草刈りなどを実施する

蚊の成虫は、吸血後にやぶや草むらで休む性質があります。特に日本でよく見かける蚊の一種、ヒトスジシマカは活動範囲が狭いため、やぶや草むらで吸血対象を待ち伏せする習性があります。

このような理由から自宅の庭の雑草が目立つ家庭では、定期的な草刈りを意識しておくようにしましょう。庭の雑草が伸び放題だと、窓を開けたときに、蚊が侵入してくる可能性が高くなります。

また、中には庭づくりの材料として植木を植えている家もあります。このような家庭は、植木の剪定を行うことも忘れないでください。その他、庭や玄関などに溜まる落ち葉の処理も定期的に行うようにしましょう。

3.殺虫剤、薬剤を活用する

蚊の発生を防ぐ基本対策は、水たまりをなくすことです。しかし、すべての水たまりを除去するのは難しいという方も少なくありません。このようなときは、殺虫剤や薬剤を活用するようにしましょう。

ボウフラは殺虫剤、薬剤に弱いため、ごくわずかな使用でも一定の効果を見込むことができます。注意点として、殺虫剤や薬剤を使うときは、必ずメーカーが推奨する使用方法や注意書きを守るようにしてください。

蚊に刺されないためにできる4つの対策

蚊に刺されないためにできる4つの対策

最善の策を尽くしても、すべての蚊の発生を防ぐのは不可能に近いです。そのため、蚊が活発になるシーズンでは、蚊に刺されないための対策法もしっかりと実践しておくようにしましょう。ここでは蚊にさされないためにできる対策を4つご紹介します。

1.長袖・長ズボンの着用など、肌の露出を避ける

蚊にさされないための基本対策は、肌の露出を極力少なくすることです。具体的には長袖、長ズボンなどの着用が挙げられます。

また、先ほどもご紹介したように、蚊は黒色などの濃い色を好みやすいです。そのため、身に付ける衣類も白、薄いピンク、薄い水色、薄い黄色など、淡い色のものを選ぶとよいでしょう。

ちなみに蚊の針は平均で約1mm~2mmほどといわれていますので、薄い素材のものだと貫通することも考えられます。このような理由から、デニムなど厚めの素材の衣類も蚊対策には有効です。

また、汗は蚊が寄ってくる原因のひとつとなりますので、綿や麻など吸水性の高い素材を利用するのもおすすめです。

2.殺虫剤・虫よけ剤を活用する

蚊対策の定番ではありますが、殺虫剤や虫よけ剤も有効な対策法のひとつです。前述のように蚊の発生をすべて防ぐのは難しいですので、近くに寄ってきた蚊には殺虫成分が含まれたスプレーなどで対応していきましょう。

また、忌避剤(きひざい)とも呼ばれる虫よけ剤は、蚊が苦手とするディート、イカリジン(ピカリジン)といった成分が含まれています。これら有効成分が配合された虫よけ剤を、露出した肌に塗布することで、蚊が近寄りにくくなります。

蚊は一般的に夕方から明け方にかけて吸血行動が活発化しますので、夜間の野外活動時には、虫よけ剤を使用することを強くおすすめします。虫よけ剤は、有効成分が高濃度なものほど効果が持続しやすいため、虫よけ剤選びの際には参考にしてください。

また殺虫剤、虫よけ剤を使用するときは、各製品で推奨されている使用方法を必ず守るようにしましょう。特に殺虫剤は、誤って肌にスプレーするなど間違った使い方をしてしまうと健康を害する恐れもあるため、十分な注意が必要です。

3.定期的に虫よけ剤を塗り直す

虫よけ剤を使用する場合は、定期的に塗り直すことを忘れないようにしましょう。これは発汗や水などの影響によって、肌に付着していた有効成分が流れ落ちてしまうためです。蚊に刺されやすい時期は暑い夏場などが中心となります。

この時期は発汗量も多くなりますし、キャンプや水遊びなど、屋外での活動も多くなります。夏場に汗をかいてメイクが崩れてしまうのと同じように、夏場の虫よけ剤も時間の経過とともにその効果が失われやすいです。

このような理由から、虫よけ剤を使用する際は、定期的な塗り直しが推奨されています。なお、塗り直しの間隔についてですが、有効成分の濃度によって異なるため、詳細は使用する製品本体やパッケージの表示などを確認してください。

虫よけ剤は3時間~4時間程度、高濃度なタイプで6時間~8時間程度の持続効果があります。

4.窓・玄関・網戸などをしっかりと閉める

こちらも基本的な対策法ですが、窓、玄関、網戸もしっかりと閉めておくようにしましょう。夏場は窓を開けることも多くなりますが、蚊は夕方から明け方にかけて活発に行動しますので、特にこの時間帯は注意が必要となります。

また、細かいポイントとしては網戸の破損(小さな穴など)のチェックも行っておくことをおすすめします。ちなみに蚊は玄関のちょっとした開け閉めでも容赦なく侵入してきます。そのため、玄関に蚊取り線香を設置するなどの対策も有効です。

蚊が活発に活動するシーズンは十分すぎるほどの対策を!

今回は春、夏、秋にかけて悩まされることが多い蚊対策について解説しました。蚊は異常なまでに強い繁殖力を持ち、かつ人の健康を害する感染症を媒介するという厄介な性質を持っています。

そのため、蚊が活発に行動するシーズンには、十分すぎるほどの対策を施すことを強くおすすめします。毎年、「蚊に何ヶ所も刺されている」といったお悩みをお持ちの家庭は、今回ご紹介した対策法を実践してみてください。

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