2020年「子(ね)」年生まれの人のお話し

令和2年となる2020年は子(ね)年。十二支にあてた動物は鼠(ねずみ)です。子年は十二支が一巡りして最初の年となり始まりを意味します。そして2月は29日になる閏年(うるうどし)で、さらに東京オリンピックが開催される年にもあたります。
今回は、何か新しいことが始まりそうな2020年の干支「子」について色々とご紹介します。

干支は「庚子(かのえね)」

干支(えと)は、もともと「干」と「支」の組合せのことをいい、正確には十干十二支(じっかんじゅうにし)といいます。十干十二支は、古代中国の思想である陰陽五行説から発生した概念です。

【十干】
甲(きのえ)
乙(きのと)
丙(ひのえ)
丁(ひのと)
戊(つちのえ)
己(つちのと)
庚(かのえ)
辛(かのと)
壬(みずのえ)
癸(みずのと)

【十二支】
子(し)
丑(ちゅう)
寅(いん)
卯(ぼう)
辰(しん)
巳(し)
午(ご)
未(び)
申(しん)
酉(ゆう)
戌(じゅつ)
亥(がい)

そして十二支の概念を庶民にも広めるために、覚えやすく動物の名前を当てはめるようになったと言われて、12種類の動物にあてはめて訓読みにしたのが、みなさんにもおなじみの子(鼠・ね)・丑(牛・うし)・寅(虎・とら)・卯(兎・う)・辰(竜・たつ)・巳(蛇・み)・午(馬・うま)・未(羊・ひつじ)・申(猿・さる)・酉(鶏・とり)・戌(犬・いぬ)・亥(猪・い)です。

日本に十二支が伝わったのは6世紀の中頃で、江戸時代に入ると庶民の間に年回りや時刻を動物で表現する習慣が浸透しました。子(ね)の刻(深夜0時)や丑(うし)三つ時(午前2時)などは聞いたことがあるかも知れません。2020年は十干十二支では、庚子「かのえね」となります。

ところで、高校野球で有名な甲子園球場の「甲子」は、球場が完成した1924年が十干十二支でいうと、それぞれ最初の「甲」と「子」が60年ぶりに巡り合う年となり、その縁起の良さにあやかって名付けられたそうです。

十二支の「子」の由来

十二支の「子」の元々の由来は、中国の漢書では、「孳(し)」という字で、繁殖する・うむという意味を持ち、新しい生命が種子の中に萌(きざ)し始める状態を表していると言われています。
十二支はもともと一年間の植物が循環する様子を表しているため、十二支の一番目の「子」は生命の誕生や始まりの意味があります。さらに「子」には、鼠の増え方になぞらえて子孫繁栄の意味もあります。
方位は北、時刻は23時~1時を表します。

鼠のことわざ

鼠にまつわることわざや言い伝えを紹介します。

窮鼠猫を噛む(きゅうそねこをかむ)
追い詰められたネズミが逃げ場を失ったときには、必死で猫に噛みつくことがあるという意味から、絶体絶命の窮地に追い詰められれば、弱い者でも強い者に逆襲することがあるという例え。

大山鳴動して鼠一匹(たいざんめいどうしてねずみいっぴき)
大きな山が音を響かせて揺れ動くので、大噴火でも起こるのかと思っていたが、鼠が一匹出てきただけだったという意味から、大騒ぎしたわりには実際には結果が大したことがないことの例え。

鼠は沈む船を去る
鼠は災害に対して予知能力があるとされるので、災害や災いの前になるとそこからいなくなるという意味。

鼠とらぬ猫
なんの役にも立たないことの例え。

ただの鼠ではない
一癖ある人、油断のならない人のこと。

袋の鼠
追い詰められて逃げ場のない状態のこと。

鼠算
急増することの例え。

2020年の子年生まれの人口

平成30年12月に総務省統計局による発表では、平成31年1月1日現在の十二支別の人口をみると、子年生まれの人は、1071万人で2番目の人口でした。十二支の中では、丑(うし)年生まれの人が1087万人で最も多く、午年生まれの人が最も少なく1005万人となっています。

<平成30年12月31日総務省発表資料より>
子(ね)1071万人/丑(うし)1087万人/寅(とら)1053万人/卯(う)1036万人
辰(たつ)1054万人/巳(み)1060万人/午(うま)1005万人/未(ひつじ)1066万人
申(さる)1060万人/酉(とり)1021万人/戌(いぬ)1063万人/亥(い)1055万人

<2020年子年生まれの年齢>
満12歳(平成20年生まれ)
満24歳(平成8年生まれ)
満36歳(昭和59年生まれ)
満48歳(昭和47年生まれ)
満60歳(昭和35年生まれ)
満72歳(昭和23年生まれ)
満84歳(昭和11年生まれ)
満96歳(大正13年生まれ)

2020年子年は、十二支では一番目の年となり、植物の生命の誕生やはじまりを意味します。東京オリンピックが開催され、日本全体が何となく騒がしい雰囲気になりますが、新鮮な気持ちで新しいことを始めたりチャレンジしたり、明るく楽しく一年を過ごしましょう。

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