2022年3月18日 | 花・野菜の育成

春の寄せ植えを楽しもう!おすすめの花や苗選びのポイントを解説

色鮮やかな花々が一斉に咲き誇る春。春の足音が聞こえてきたら、この季節ならではの華やかな寄せ植えを作りませんか。

今回は、花の選び方やおすすめの植物、寄せ植えの作り方と管理、トラブルと対処法について、特に初心者の方に向けて解説いたします。暖かな季節の息吹を感じつつ、春の寄せ植えづくりを楽しみましょう。

春の寄せ植え~植物の選び方

はじめに、寄せ植えに用いる植物の選び方からご紹介いたします。
植物の性質を調べよう
植物にはさまざまな性質があるので、寄せ植えに適したものを選びましょう。
一年草と多年草など
草花には、発芽から枯れるまでが1年以内の一年草(いちねんそう)と、枯れた後も根が残って2年以上生育する多年草(たねんそう)があります。球根類は多年草に分類されますが、園芸では多くの場合区別して取り上げられます。高さがおよそ2m以下の低木(ていぼく)も、寄せ植えによく用いられます。

寄せ植えづくりには、一年草や多年草、球根、低木を組み合わせてもかまいません。一年草は開花が終わったら抜き取り、毎年新しい苗を植えつけます。
開花する時期
春の寄せ植えには、開花期が3~5月頃で次々に花が咲くものを選ぶとよいでしょう。店頭に並ぶ苗はハウス栽培のため、一般的な開花期よりも早めに咲いています。早い時期から植えると寒さで弱るおそれがあるので、気温が上がってから購入することをおすすめします。

球根の花もちは7日程度のものが多く、花の咲く期間はそれほど長くありません。しかし、春らしさを表現できるものが多いため、寄せ植えによく用いられます。
生育の違い
寄せ植えは、植物の生育の違いを活かして育てる楽しみもあります。背が高い植物は鉢の後ろ側や中央に植え、ボリュームが出るものは同じ種類で色違いの株を植えるとよいでしょう。ほふく性(はうように生育する)やつる性のものは、アクセントとして手前やサイドに植えるとおしゃれな寄せ植えが完成します。
環境の好み
植物の生育には日光が不可欠です。とはいえ種類によって、日差しが大好きなものや数時間の日当たりで育つもの、日陰を好むものがあります。また、水を欲しがるものや乾燥した環境を好むものなど、湿度や土の好みもそれぞれです。

好みの異なる植物を同じ鉢に植えると管理が難しいため、寄せ植えは似た好みをもつ植物を組み合わせましょう。
元気な苗の選び方
店頭の苗は、葉の緑が濃く茎もしっかりとしたものを選んでください。また、つぼみが多くついていれば、植えつけ後に開花が期待できます。ポットの底もチェックして、根がしっかりと生長しているか確認しましょう。

春に咲く球根類は前年の秋から植える必要がありますが、芽が出ている「芽出し球根」を選べば、寄せ植えにもすぐ使用可能です。植えるときは、購入した状態と同じ深さに植えつけてください。
テイストとデザイン
寄せ植えを作るときには、あらかじめ置く場所やテイスト、デザインを考えておきましょう。テイストは、エレガントやナチュラル、ポップなど、デザインは三角形やドーム型、ハンギングなどをイメージしながら植物を選びます。寄せ植えの目的や雰囲気に合わせて、メインの植物を決めてから周囲に植えるものを選ぶとよいでしょう。

植物だけでなく、植える鉢や小物類にもこだわれば、ワンランク上の寄せ植えに仕上がります。また、花の混色に気を配り、同系色でまとめるか、反対色を部分的に入れる程度に抑えましょう。

寄せ植えの詳細については、「寄せ植えの基本と作り方。初心者でもおしゃれに仕上げるコツも解説!」の記事をご覧ください。

春の寄せ植えにおすすめの一年草

春に開花する一年草の中でも、管理がしやすい5種類をご紹介いたします。
パンジー・ビオラ
スミレ科スミレ属の一年草で、開花期が10~5月と長いため寄せ植えにおすすめです。花の色や種類が豊富で次々と開花し、管理が簡単な点も大きな魅力です。ほかの花とも相性がよいので、いろいろな組み合わせを試してみましょう。
スイートアリッサム
アブラナ科ニワナズナ属(ロブラリア属)の一年草で、開花期は2~6月と9~12月です。愛らしい小さな花はほかの花にも合わせやすく、ほんのりとよい香りがします。落ちたタネから発芽することもあるほど、丈夫で育てやすい植物です。
ペチュニア
ナス科ツクバネアサガオ属(ペチュニア属)に分類されます。本来は多年草ですが、冬越しが難しいために一年草として扱われます。開花期は夏を除く3~11月で、花の色や品種が多く、ボリュームが出るのでハンギングにも向いています。
プリムラ
サクラソウ科サクラソウ属(プリムラ属)に分類されます。多年草ですが夏を越せないため、一年草として扱われます。開花期は11~4月で寒さに強く、パンジーと同様に花の色や種類が非常に豊富で、育てやすい植物です。
ロベリア
キキョウ科ミゾカクシ属(ロベリア属)に分類され、夏に咲く多年草の品種もあります。開花期は3~6月で、チョウが舞っているような愛らしい花を咲かせます。水色や青色をよく見かけますが、白やピンクなどの種類も流通しています。

春の花については、「春に咲く花10選 ~たくさんの花々に囲まれて思いっきり春を感じよう~」の記事でもご紹介しています。
※フマキラーの外部サイトに飛びます。

春の寄せ植えにおすすめの多年草など

続いて、育てやすい多年草、球根、低木をご紹介いたします。
サクラソウ
サクラソウ科サクラソウ属(プリムラ属)の多年草で、国内では河川敷などに自生しているものもあります。4~5月に白やピンクなどの花が咲き、近年では八重咲き(やえざき)やボール状に咲く玉咲き(たまざき)の品種も見られます。
ゼラニウム
フウロソウ科テンジクアオイ属(ペラルゴニウム属)の多年草です。開花期は3~12月と長く、常緑なので冬も葉を観賞することができます。丈夫で育てやすく、虫よけの効果が期待できる品種もあるため、海外では窓辺を彩る植物としても知られます。
ムスカリ
キジカクシ科(ヒアシンス科、ユリ科)ムスカリ属の球根植物で、3~5月にブドウの房のような花を咲かせます。球根類の中でも育てやすく、ほかの花とも合わせやすいので春の寄せ植えにおすすめです。
チューリップ
春の花の代表格といえるチューリップはユリ科チューリップ属の球根植物で、花の色や品種が非常に豊富です。開花期は3~5月ですが、1株の花もちは5日~1週間ほどです。ほかの花との相性がよく、春を彩る寄せ植えとして楽しむことができます。

チューリップについては、「【チューリップの育て方】植え付け時期は?球根の植え方や肥料・水やりも紹介」の記事もご覧ください。
※フマキラーの外部サイトに飛びます。
アイビー
ウコギ科キヅタ属の多年草で、学名のヘデラでも流通します。常緑のつる性で暑さや寒さに強いため、初心者の方も簡単に育てられます。寄せ植えにするときは小さめの苗を選び、アクセントとして手前やサイドに植えつけましょう。
ワイヤープランツ
タデ科ミューレンベッキア属の低木で、針金のような細い茎に小さな葉が印象的なつる性の植物です。暑さに強く、5~8月には小さな花も咲きます。ほかの植物とも合わせやすいので、寄せ植えのアクセントに用いるとよいでしょう。

春の寄せ植えの作り方

寄せ植えにする植物を選んだら、いよいよ鉢に植えつけましょう。
用意するもの
寄せ植えの作業で必要なものは、下記の通りです。
園芸用のツール
基本のツールとして、シャベルや園芸用のはさみ、ジョウロを用意しましょう。植えつける際は、筒状の土入れ(土すくい)や、割りばしなどの細い棒があると便利です。
鉢やプランター
基本的には、8号サイズ(直径24cmほど)に4~5株くらいを目安に植えます。素材は、通気性のよいテラコッタかグラスファイバー製がおすすめです。
土と肥料など
初心者の方は、市販の培養土を使用すると簡単です。肥料は、即効性のある液体か、徐々に効く固形のものを用意しましょう。鉢の底には、ネットに入れた鉢底用の石を敷きます。
そのほか
ハンギングの寄せ植えを作るときは、ハンギング用の鉢やフックなどを用意してください。倒れやすい植物は、支柱で支えると安心です。デザインによっては、ガーデンピックなどの小物類も用意します。
植えつけの手順
それでは、下記の手順に沿っておしゃれな寄せ植えを作りましょう。

1.鉢の底に鉢底石を敷く

2.底から3分の1くらいの深さまで土を入れる

3.苗のポットを置いてデザインを確かめる

4.メインの植物をポットから出し、根を軽く崩して土に置く

5.デザインに合わせて周囲の植物も置く

6.苗と苗の間に土を入れる

7.土に割りばしを挿して動かし、すき間にさらに土を入れる

8.鉢の縁から数cmほど下まで土を追加する

9.土の表面を軽く押さえてから、根元にたっぷりと水を注ぐ

10.植えつけ後の数日は、日陰に置くか1~2時間だけ日に当てる

春の寄せ植えの管理

最後に、春の寄せ植えの管理について簡単にご紹介いたします。
日当たりと水やり
寄せ植えにした鉢やプランターは、日当たりと風通しのよい場所に置きます。悪天候の日は、風雨の当たらない軒下(のきした)などに移動してください。急激に気温が下がるときは、不織布(ふしょくふ)などで鉢をおおって保温しましょう。

鉢やプランターは、土の表面が白く乾いたときに水やりをします。春は1日1回を目安にして、午前中の暖かい時間に与えましょう。
花がら摘みと手入れ
毎日の観察を欠かさず、咲き終わった花や枯れた葉はこまめに摘み取って、株の衰弱や病気を予防してください。茎が伸びすぎたり混み合ったりしたときは、切り取って姿を整え、風通しをよくしましょう。

基本的には、植えつけて10日から2週間くらい後に肥料を追加します。その後は、液体肥料は10日に1度、固形肥料は1ヵ月に1度を目安に与えてください。
開花後の植え替え
開花の終わった一年草を抜き取って新しい植物を植えると、また違った雰囲気が楽しめます。生育期の過ぎた多年草や低木は、ほかの鉢などに植え替えて水やりを続ければ、翌年も観賞することができます。球根は、葉が枯れたら掘り上げて保管しましょう。

短期間で植え替えるときや、花もちの短い球根と寄せ植えするときなどは、手間のかからないカセット式がおすすめです。メインの植物や球根の周囲に、前もってポットが入るサイズの鉢を植えておき、観賞したい草花のポットを順次入れ替える方式です。
寄せ植えのトラブルには
春の寄せ植えは、葉に白いはん点がつくうどんこ病や、灰色かび病などにかかることがあります。また、気温が上がるとアブラムシなどの害虫の被害に遭いやすいので、早期発見を心がけてください。

春の寄せ植えのトラブルには、フマキラーの「カダンセーフ」がおすすめです。寄せ植えに発症したうどんこ病や灰色かび病、アブラムシなどの害虫に効果があるだけでなく、植物を活性化させる成分も配合されています。また成分には食品原料が由来のヤシ油やでんぷんを使用しているため、お子様やペットが遊ぶ庭でもご使用いただけます。

華やかな春の寄せ植えを楽しもう

今回は、春の寄せ植えにおすすめの植物と選び方、寄せ植えの作り方と管理などについてご紹介いたしました。寄せ植えづくりのポイントは、ご自身のイメージに合わせながらも、環境の好みが似ている植物を選ぶことです。日々の管理を欠かさず、トラブルにもすぐに対処することが大切です。

寒い冬が過ぎれば、春はすぐそこです。さっそく春の寄せ植えに向けた計画を立てましょう!
「カダンライフ」で紹介する記事は、フマキラー株式会社または執筆業務委託先が信頼に足ると判断した情報源に基づき作成しておりますが、完全性、正確性、または適時性等を保証するものではありません。
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