レーヨンの正しい洗濯方法。素材の特徴、保管方法なども詳しく解説!

レーヨンの正しい洗濯方法。素材の特徴、保管方法なども詳しく解説!

レーヨンには、見た目も手触りもシルクのような高級感があります。しかし、どのような特徴があるのか、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、知っておくと役に立つレーヨンの特徴、正しい洗濯方法や保管方法について詳しく解説いたします。

レーヨンは洗濯に失敗すると縮んでしまいます。正しい方法を確認して、美しい光沢と滑らかな質感を長く楽しみましょう。

レーヨンとはどのような生地?

シルクに似た手触りと美しい光沢。レーヨンは、高価なシルクの代用品として人工的に作られた素材であり、日本で最初に製造された化学繊維です。木材パルプに含まれる成分「セルロース」を薬品で溶かして再生された素材で、再生繊維と呼ばれます。主成分がセルロースなので、土に埋めると分解して消滅します。

レーヨンの長所

取り扱いが難しいとはいえ、レーヨンにはさまざまな魅力があります。まずはその長所を確認しましょう。

滑らかな質感

シルクに似せて作られた素材というだけあって、レーヨンは滑らかで柔らかく、肌触りのよい素材です。そのため、高級な裏地としてもよく使用されます。

吸湿性が高い

レーヨンは、化学繊維の中でもっとも吸湿性、放湿性の高い素材です。サラッとした肌触りが魅力で清涼感もあるため、夏用の衣類にもよく使われます。綿繊維以上の吸水性もありますが、綿は吸水すると強くなるのに対し、レーヨンは弱くなるため、洗濯には注意が必要です。

ドレープ性に優れている

ドレープ性に優れている

コシがなく柔らかい素材なので、ドレープ性に優れています。光沢性もあるため、優美で上品な雰囲気を醸し出します。

消臭効果が高い

消臭効果の高さも特徴のひとつです。レーヨンは弱酸性の性質をもつため、汗などアルカリ性のニオイを中和して消臭する効果があります。

染色性に優れている

レーヨンは染色性のよい素材で、色鮮やかに発色します。そのため色彩の自由度が高いというメリットがあります。

レーヨンの短所

長所に富むレーヨンにも、次のようなデメリットがあります。取り扱いの際には、十分注意しましょう。

水を含むと縮みやすい

水を含むと縮みやすい

一番の短所は水に弱いことです。レーヨンが水分を含むと、繊維が太くなって引っ張り合うために縮みやすくなります。そのためレーヨンが100%近い衣類は、自宅で洗濯せずクリーニングに出した方が安心でしょう。洗濯表示が「水洗い可」であっても、濡らす時間をできるだけ短くするよう、手早く洗う必要があります。

また、水ジミになることもありますので、雨の日に着るのは避ける方が無難です。

生地がデリケートで酸性に弱い

レーヨンには、酸性に弱いという特徴があります。そのため、酢やドレッシングなど酸性の液体をこぼすと、穴が開いてしまうこともありますので注意しましょう。

シワになりやすい

レーヨンは弾性に乏しいため、シワになりやすい素材です。洗濯後はシワになるため、アイロンがけが必要です。当て布をして、繊維の方向に沿ってやさしくシワをのばしましょう。

乾きにくい

吸湿性が高いため、少量の汗なら吸い取ってサラサラな肌触りを保ちます。しかし、かなり濡れた場合は乾きにくいという特徴があります。

レーヨンの洗濯方法~まずは洗濯可能かどうか確認

レーヨンはデリケートな生地なので、基本的にはクリーニングに出した方が安心です。特に、レーヨン100%に近い生地は、クリーニングに出すことをおすすめします。

しかしレーヨンには混紡も多いため、自宅で洗える生地もあります。洗濯表示を確認して、桶のマーク(洗濯機の使用可能)や桶に手が入ったマーク(手洗い可能)の表示があれば、自宅での洗濯が可能です。洗濯する場合は、水に濡れると縮みやすいため、やさしく短時間で済ませる必要があります。また、形を整えないまま乾かすと元に戻らないため、干すときにも注意が必要です。

最近はウォッシャブルレーヨンという生地もありますので、洗えるかどうか表示を見てしっかり判断しましょう。レーヨンの割合が低いほど、洗濯でのトラブルが起こりにくいと判断できます。

レーヨンを洗濯するときの注意点

レーヨンを洗濯するときは、オシャレ着用の中性洗剤を使いましょう。デリケートな素材のため、弱アルカリ性の洗剤を使うと生地が傷むおそれがあります。また、濡れると色落ちしやすいので、試しに目立たない場所に塗布してみましょう。少し時間をおいてから白いタオルを当て、色落ちしないか確認すると安心です。

レーヨンの洗濯は、できるだけ手早く済ませてください。水につけると縮みやすいため、洗濯時間が最短となるように心がけましょう。

手洗いする方法

手洗いする方法

水につかる時間はできるだけ短い方がよいので、レーヨンを洗濯するには手洗いがおすすめです。洗濯機で洗うより短時間ですみ、衣類へのダメージも軽減できます。

レーヨンはデリケートな素材なので、やさしく押し洗いしてください。擦り洗いやもみ洗いは避けましょう。洗濯時間はできるだけ2分以内で、スピーディーに洗ってください。短時間で洗い終えるには、桶を2つ用意しておく方法がおすすめです。

  1. 桶を2つ用意して水道水(30℃以下)を注ぎます。片方にだけ規定量のおしゃれ着用洗剤を溶かします。もう片方はすすぎ用の水です。
  2. 衣類を洗剤液につけ、30秒〜1分押し洗いします。
  3. すすぎ用の水を入れた桶に衣類をつけ、泡が出なくなるまですすぎます。
  4. 衣類をバスタオルで挟み、水分を吸い取ります。

洗濯機で洗う方法

洗濯機の使用可能なレーヨンは、目の細かいネットに入れて洗います。衣類を摩擦から守って、ダメージを与えないように洗うことができます。

  1. 衣類を目の細かいネットに入れて洗濯機に入れます。
  2. おしゃれ着用中性洗剤を入れます。
  3. 「ドライコース」「おしゃれ着コース」など、やさしく洗うコースを選択し、30℃以下の水道水で洗います。
  4. 脱水が始まったら10秒程度で止めてください。
    レーヨンは濡れると強度がかなり落ちるので、脱水時間は10秒程度にしてください。手洗いと同じように、バスタオルで挟んで水分を吸い取るのもおすすめです。

レーヨン素材の干し方

レーヨン素材は、乾かす際にも注意が必要です。干し方が悪いと、シワシワになったり型崩れしたりすることがあります。洗濯後はシワをのばし、風通しのよい場所で陰干ししましょう。直射日光が当たると、変色したり繊維が痛んだりすることがあります。

また、ハンガーにかけて吊るすと服の重みで伸びてしまうことがありますので、平干しが基本です。平干し用のネットは100円ショップなどでも販売されていますので、利用してみてはいかがでしょうか。

アイロンのかけ方

アイロンのかけ方

レーヨンはシワになりやすいため、洗濯後はアイロンがけが必要です。生地が完全に乾いてからアイロンをかけましょう。温度は中温にし、薄い色の当て布をしてからアイロンをかけてください。水が苦手なレーヨンにスチームを使うと、生地を傷めるおそれがありますので、必ずドライでかけるようにしましょう。また摩擦に弱いため、力を入れすぎず、繊維の向きに沿ってアイロンをやさしく滑らせてください。

レーヨン素材の衣類を保管する方法

デリケートなレーヨン素材の衣類は、保管するときも注意が必要です。次の2点に気をつけてください。

湿気に注意する

水に弱いレーヨンは湿気で縮むため、保管場所の湿度に注意が必要です。洗濯後は完全に乾いてから保管してください。収納ケースや引き出しには、湿気がこもらないよう乾燥剤を入れましょう。ドライクリーニングに出した場合は、ビニールをはずして陰干ししてから保管してください。ビニールをかぶせたままだと通気性が悪く、湿気がこもってしまうので、注意しましょう。

虫食いに注意する

レーヨンは天然由来の柔らかい繊維なので、虫食いにも注意が必要です。食べこぼしや皮脂、汗などの汚れが残ったまま収納すると、虫食いの被害に遭うおそれがあります。保管前には必ず洗濯して、汚れを落としてから収納しましょう。

虫に食われないためには、防虫剤を入れておくとより効果的です。フマキラーの「サザン・ロング 引き出し用」は揮散口が大きく、収納空間に合わせてすみずみまで効き目の広がる防虫剤です。衣類にニオイがつかないうえに消臭効果もあるので、長期間の保管も安心です。効き目は12ヵ月持続し、引き出しの一番上に置くだけで衣類をしっかり守ってくれます。大切なレーヨンの服を虫食いから守るため、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

シルクに似た光沢や肌触りを楽しむことができるレーヨン。着心地がよく、見た目もエレガントで魅力ある素材ですが、水に弱いというデメリットがあるため、洗濯するときは十分に注意しましょう。水に濡れると縮むため、できるだけ手早く洗うことを心がけてください。洗濯機で洗う場合は、ドライコースなどのやさしく洗うコースを選択し、脱水しすぎないようにしましょう。また、シーズンオフで長期間保管するときは、湿気や虫食いにも注意してください。

レーヨンは手間のかかる素材ではありますが、見た目が美しくて着心地も快適というメリットがあります。お手入れのポイントを押さえて、長く着られるよう大切に扱いましょう。

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