日本酒の種類をまとめて紹介!歴史や起源、杉玉の意味は?

日本酒の種類をまとめて紹介!歴史や起源、杉玉の意味は?

日本酒にはさまざまな種類がありますので、初心者の方はどれを選べばいいかわからないと思っている方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、日本酒の種類を「精米歩合」「原料」「特徴」に分けて解説します。また、日本酒の歴史についてもご紹介しますので、最後までご覧ください。

日本酒と清酒は何が違う?

「日本酒」と「清酒」はどちらもよく使う言葉ですが、両者にはそれぞれ異なる定義があります。日本酒は平成27年に国レベルの地理的表示として指定を受けています。原料の米、米麹に日本国内産のみを使用し、日本国内で製造された清酒のみを「日本酒」と表示できます。海外産の原料を使ったものや、海外で製造したものは、日本酒と表示できません。

一方、清酒は酒税法で「米、米麹、水を原料として発酵させ、こしたもの」と定義されているため、海外産の原料で造った酒も含まれます。清酒の製造過程では「もろみ」をこして清酒と酒粕に別けますが、こす工程がない「どぶろく」は、清酒に含まれません。

精米歩合(せいまいぶあい)とは

精米歩合(せいまいぶあい)とは

日本酒の種類を分類する際に重要なポイントとなるのが「精米歩合」です。精米歩合とは、原料の米を削った割合を指します。たとえば精米歩合60%と記載されている日本酒は、米を40%削って60%を原料にしたという意味です。日本酒造りでは、米を削ることを「磨く」と呼びます。精米歩合の数値が低いほど、より多く磨いていることになります。

原料の米を削る理由は、雑味をなくすためです。日本酒を作るために必要なデンプン質は、米の中心部分に集中しています。その周りはタンパク質や脂質など栄養素が多く含まれるものの、日本酒造りにおいては雑味となり、香りや味わいに影響します。

一般的に精米歩合が高く、お米を削っている割合が少ない日本酒は、コクがある芳醇な味わいになります。一方、精米歩合が低く、お米をたくさん削っている日本酒は、すっきりしたクリアな味わいのものが多いです。精米歩合が低い日本酒はコストがかかることで価格は高い傾向です。

普通酒と特定名称酒の違い

同じ銘柄の清酒でも「純米」「本醸造」などの種類があるため、選び方に迷う方が多いかもしれません。清酒は、「普通酒」と「特定名称酒」の2種類に分類されるので、それぞれの違いを確認しておきましょう。

普通酒

普通酒とは、特定名称酒以外の日本酒です。原料や製法に決まりはなく、比較的リーズナブルな価格の清酒です。

特定名称酒

特定名称酒とは、原料や精米歩合、製法など一定の条件を満たしているものを指します。特定名称酒は大きく「純米酒」「本醸造酒」「吟醸酒」の3種類に分類され、さらに細かくすると8種類に分けられます。

特定名称酒の分類

特定名称酒の分類

特定名称酒は、原料や精米歩合、製造方法によって分類されています。それぞれの違いがどのように分類されるか解説します。

原料の違いによる分類

特定名称酒は、米・米麹・水のみで作られたものを「純米酒」、醸造アルコールを添加したものを「本醸造酒」「吟醸酒」と分類します。醸造アルコールとは、甲類焼酎と同じ方法で造られた蒸留酒です。醸造アルコールを添加することで味わいや香りを引き出し、雑菌が繁殖しないようにする目的があります。

本醸造酒・吟醸酒の醸造アルコールの使用割合は、白米の総重量の10%未満と定められています。10%以上添加したものは「普通酒」に分類されます。

精米歩合の違いによる分類

純米酒には精米歩合の決まりがありませんが、本醸造酒は70%以下、吟醸酒は60%以下と規定されています。また、吟醸酒の中でも精米歩合が50%以下のものを大吟醸酒と分類します。

製法による分類

精米歩合60%以下の米を吟醸造りという製法で造った日本酒は、「吟醸酒」と分類されます。国税庁によると「吟醸造りとは、吟味して醸造することをいい、伝統的に、よりよく精米した白米を低温でゆっくり発酵させ、かすの割合を高くして、特有な芳香(吟香)を有するように醸造することをいいます」と定義されています。吟醸造りは吟醸香と呼ばれるフルーティーな香りが特徴です。

【参考】国税庁「日本酒(清酒)に関するもの

特定名称酒の種類

特定名称酒の種類

ここからは、8種類に分類された特定名称酒それぞれの原料・精米歩合・特徴をご紹介します。

吟醸酒

  • 原料:米・米麹・水・醸造アルコール
  • 精米歩合:60%以下

原料に醸造アルコールが添加され、精米歩合は60%以下、吟醸造りのものを吟醸酒と呼びます。他の清酒に比べて香味が特徴なので、フルーティーな香りを楽しみたい方におすすめです。

大吟醸酒

  • 原料:米・米麹・水・醸造アルコール
  • 精米歩合:50%以下

吟醸酒と原料や製法は同じですが、精米歩合が50%以下までお米を磨いた清酒です。雑味がないすっきりとした飲み口で、フルーティーな香りを楽しめます。

純米酒

  • 原料:米・米麹・水
  • 精米歩合:規定なし

純米酒は米・米麹・水のみが原料で、醸造アルコールは添加されていません。精米歩合の規定はありませんが、一般的には60〜70%のものが多いです。米の旨味やコクを味わえます。

純米吟醸酒

  • 原料:米・米麹・水
  • 精米歩合:60%以下

純米吟醸酒は、お米の旨味とほんのりした甘みが味わえる清酒です。吟醸造りならではのフルーティーな香りも楽しめます。バランスが良いためさまざまな料理に合い、日本酒を飲み慣れていない人でも飲みやすいでしょう。

純米大吟醸酒

  • 原料:米・米麹・水
  • 精米歩合50%以下

純米大吟醸酒と純米吟醸酒の違いは、精米歩合です。純米大吟醸酒は、原料の米を50%以下に磨いて造っているため、雑味がないクリアな味わいです。また、原料が米・米麹・水のみなので、米の旨味やコクを感じられるものが多いです。吟醸造りなので、吟醸香と呼ばれる華やかでフルーティーな香りが楽しめます。

特別純米酒

  • 原料:米・米麹・水
  • 精米歩合:60%以下または特別な醸造方法

特別純米酒の原料や精米歩合は、純米吟醸酒と同じです。純米吟醸酒は吟醸造りで醸すことが条件ですが、特別純米酒は精米歩合が60%以下であれば「特別純米酒」と名乗れます。また、特別な醸造方法であれば、精米歩合が60%以下でなくても「特別純米酒」と名乗れます。どのような醸造方法が「特別な醸造方法」なのかについてはとくに決まりがありません。ただし、「特別栽培米を原料にしている」「長期低温発酵で造られている」など、造り方にこだわりがあることを明記する必要があります。

本醸造酒

  • 原料:米・米麹・醸造アルコール・水
  • 精米歩合:70%以下

本醸造酒は醸造アルコールを添加した清酒で、すっきりした辛口が特徴です。クセが少なく香りが抑えられているため、食事とも合わせやすいです。

特別本醸造酒

  • 原料:米・米麹・醸造アルコール・水
  • 精米歩合:60%以下または特別な醸造方法

本醸造酒と同じ原料・製法で、精米歩合が60%以下または特別な醸造方法で造られた日本酒は、「特別本醸造酒」と名乗れます。特別な醸造方法といっても厳密に決まりがあるわけではないため、原料や製法に酒蔵のこだわりが出やすいです。

日本酒の歴史

日本酒の歴史

日本酒はいつ生まれ、どのように広まっていったのでしょうか。日本酒には2000年以上の歴史があるといわれています。ここからは、日本酒の起源や歴史について解説します。

日本酒の起源

日本酒の起源には諸説ありますが、縄文土器の中にヤマブドウの種が発見されたため、日本最古のお酒は縄文時代に果物から造られたお酒といわれています。弥生時代になると米による酒造りが始まったといわれており、西日本の九州や近畿が起源とされています。3世紀の「魏志倭人伝」にも日本人がお酒を嗜んでいたのがわかる記述がありますが、米を使った酒であったかは不明です。

歴史書に登場する日本酒

日本酒は日本最古の書物「古事記」に登場しています。「八塩折之酒」は、スサノオノミコトがヤマタノオロチを酔わせて退治する際に用いられたお酒です。高天原を追放されたスサノオノミコトは、出雲国(現在の島根県)で号泣している老夫婦に出会います。老夫婦の美しい娘、クシイナダヒメをヤマタノオロチから守るため、老夫婦に作らせた強い酒が八塩折之酒です。八塩折之酒の「八」にはたくさんという意味がある、何度も繰り返し醸したお酒という意味です。スサノオノミコトは酔い潰れたヤマタノオロチを退治し、クシイナダヒメと結婚しました。ただし、八塩折之酒の原料は不明です。

米を原料にした日本酒は、「大隈国風土記」に「口噛みノ酒」が記されていて、米を原料にした最古の酒と考えられています。口噛みノ酒とは、米を口の中に入れて噛み、唾液に含まれる酵素で発酵をすすめるものです。口噛みを行なうのは神社の巫女に限られていました。

時系列で見る日本酒の歴史

奈良時代には朝廷に「造酒司(さけのつかさ)」と呼ばれる役所が設けられ、貴族や豊作祈願の神事のために日本酒が造られていたといわれています。平安時代には酒造りが僧侶に広まり、僧侶が寺社で造るお酒は「僧坊酒(そうぼうしゅ)」と呼ばれました。酒造りを行なう寺院の筆頭格とされたのが、奈良県奈良市の正暦寺です。近代醸造法の基礎が確立された正暦寺は、「日本清酒発祥之地」の碑が建てられています。この時代のお酒は神事で使われるもので、庶民の口に入るものではなかったようです。

鎌倉時代には、民間にも酒造りが広まり、お酒が米と同等の価値を持つようになっていきます。冠婚葬祭や神事に飲むものであったお酒が、日常的に飲まれるようになっていきました。室町時代には火入れや二段仕込み法なども確立され、日本酒の製法が完成したといえます。江戸時代になると職人によって日本酒を大量生産できるようになり、商人によって庶民にも広まります。「寒造り」や「温和法」などの技術も発達して品質も向上しました。寒造りの製法が確立した伊丹(現在の兵庫県)が日本酒造りの中心になり、まもなく灘(現在の兵庫県)など名水のある地域に造り酒屋が多く生まれていきます。

明治時代には、酒税が国の大きな財政源となり、酒類の自家醸造が禁止になりました。また、国立醸造試験所が開設され、全国新酒鑑評会を開催することで日本酒の品質や安定性が向上していきます。また、桶からの量り売りから一升瓶で販売されるようになったことで規格が統一され、衛生面も進歩していきました。

まとめ

日本酒は種類が多くて難しい印象をお持ちの方もいらっしゃるでしょうが、種類の意味を知れば、自分好みのお酒を見つけやすいといえるでしょう。日本酒の起源は縄文時代といわれ、大変古い歴史を持っています。日本酒の歴史に思いを馳せながら、お気に入りの日本酒を見つけてじっくり味わってみてはいかがでしょうか。

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