2019年2月10日 | お役立ち情報
電気代を節約する!電気代が高くなる原因と節約法を紹介
冬や夏、エアコンなど家電をたくさん使用する時期はどうしても高くなってしまう電気代。「今月は(電気を)たくさん使ったから」と納得しつつも、まわりの人の話を聞いて「ひょっとしてうちの電気代は高いのでは?」と思った人も多いのではないでしょうか。
電気代を節約したいけれどどうやったら効果的に実践できるかわからない。そんな人のために、今回は電気代が高くなってしまう原因や節約法について徹底的に解説していきます。
電気代ってどれくらい?総務省のデータで見る平均額
毎月の電気代の支払いが高いか安いか。まずは総務省統計局のデータから「1世帯(二人以上)あたりの電気代支出」で電気代の平均額を見てみましょう。
2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | |
1月 | 13,857 | 15,107 | 12,319 | 11,546 | 13,404 |
2月 | 14,375 | 15,280 | 14,001 | 12,674 | 14,222 |
3月 | 14,051 | 14,344 | 12,819 | 12,216 | 13,534 |
4月 | 11,901 | 12,287 | 11,144 | 11,536 | 11,192 |
5月 | 10,364 | 10,488 | 9,394 | 9,577 | 9,439 |
6月 | 9,147 | 8,889 | 7,969 | 8,233 | 8,286 |
7月 | 9,056 | 8,697 | 7,911 | 8,446 | 8,666 |
8月 | 10,957 | 10,859 | 9,394 | 10,361 | 10,790 |
9月 | 10,891 | 10,093 | 10,031 | 10,538 | 11,354 |
10月 | 9,633 | 8,724 | 8,946 | 9,065 | 9,799 |
11月 | 9,312 | 8,434 | 8,057 | 8,946 | 8,772 |
12月 | 10,895 | 9,514 | 9,211 | 10,600 | – |
※総務省統計局 家計調査(家計収支編)時系列データ(二人以上の世帯)1世帯当たりの月ごとの電気代支出より
電気代は冬が高い!その原因は?
寒い季節と暑い季節、どちらも同じくらい電気を使用しているように思われますが、データを見ると毎年1~3月にかけて電気代が圧倒的に高いことがわかります。ここでは、冬の電気代が高くなる原因を探ります。
エアコンにかかる電気量は冬のほうが大きい!
冬は暖房、夏は冷房と同じようにエアコンを使用していても冬のほうが電気量が大きくなる原因は外気温との差にあります。
たとえば、猛暑日と呼ばれる35℃の暑さのとき、エアコンで室内を25℃に保つとその差は10℃。いっぽう最低気温0℃未満の真冬日に室内を25℃に保つとその差は25℃。冬のほうがはるかにエアコンに負荷をかけていることがわかります。
日照時間の短さが電気代に大きく影響!
冬は日照時間も短いため、室内の照明をつけている時間が長くなるほか、洗濯物を外干しできる機会も減るため乾燥機を使う頻度が多くなります。さらに、こたつや便座のヒーターなどさまざまな家電を使用するためどうしても電気代が高くなってしまいます
電気代の仕組みとは?
毎月の電気代は、次の4つの金額を合算したものです。
- 基本料金
- 電力量料金(1kWhあたりの単価×電気使用量)
- 燃料費調整額
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金
[基本料金]
携帯電話のように契約プランの定額を支払うため毎月の金額は同じになります。
[電力量料金]
電気の使用量によって支払う金額が変わってきます。1kWh(キロワットアワー)は電力量の単位で、1kW(1000W)の電気代を1時間(h)使い続けたときの消費電力量が1カ月の電気使用量になります。
[燃料費調整額]
電気をつくる燃料を輸入に頼る日本では、その燃料となる石油・石炭・液化天然ガス(LNG)を輸入する際に為替レートの影響を受けます。電気代には、この価格の変動に合わせて電気料金を調整する金額も含まれます。
[再生可能エネルギー発電促進賦課金]
風力発電・地熱発電・水力発電などの再生可能エネルギー発電を普及させることを目的に、電力会社が再生可能エネルギーを買い取る際の費用を消費者が負担するもの。kWhあたりの単価が全国一律で設定され、その単価に電気使用量をかけた金額が電気代に含まれます。ちなみに平成29年5月~平成30年4月分までの単価はkWhあたり2.64円に制定されています。
電気代を節約する方法とは!
続いては、電気代を節約する方法を紹介していきます。
自分の家庭に合った電力会社の「契約プラン」を選ぶ
電気代のデータを見ると、2016年は全体的に電気代が安くなっていることがわかります。2016年は電力の全面自由化が開始された年です。
電力会社はもともと各地域の電力会社10社(北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力)によって独占されていましたが、2000年の改正電気事業法以降、商社や石油会社、ガス会社などが相次いで新電力会社として参入。そして2016年の全面自由化によって、一般家庭でも、携帯電話の会社を選ぶように電力会社を選べるようになりました。
たとえば、ガス会社の「電気とガスのセット割」や、夜間の時間帯を安くした「夜間割」、基本料金0円などもあり、自分の家庭に合ったお得なプランを契約することで電気代を節約する家庭が増えています。
電気会社の電気代比較シミュレーションをWebでチェック
4人以上の世帯数から1人暮らしまで、世帯人数によって適正な電気代は変わってきます。Webには、地域や世帯人数、在宅時間などを入力することで、適正な電気代や最適なプランがシミュレーションできるサイトも用意されているので、気になる人はぜひチェックしてみましょう。
アンペア数を下げる
電気代の節約に、契約アンペア数を変更するという方法もあります。アンペア(A)とは電力の単位で、各家庭にはアンペアブレーカーが設置されています。
使用するアンペア数に応じて基本料金が設定されるため、はじめに契約アンペア数が適正かどうかを確認する必要があります。
<世帯人数による適正アンペア数の目安>
1人:15~20A
2人:20~30A
3人:30~40A
4人:40~50A
5人以上:50A以上
アパートやマンションで一人暮らしをする際、前に住んでいた人たちが4人暮らしで、契約をそのままにしていると、倍以上もアンペア数をムダにしてしまう恐れも…。10アンペア下げるとひと月で約200円~250円安くなります。
A(アンペア)は家電のW(ワット数)を電圧(日本の電圧は100V)で割ることで算出できるので、使用する家電のW数の合計から適正となるアンペア数を導くこともできます。
<家電使用時のワット数の目安>
ドライヤー:800~1200W
アイロン:1200W
電子レンジ:1300W
炊飯器:300~1300W
掃除機:1000W
洗濯機:500~1000W
テレビ(32型):150W
家電を新しいモノに買い替える
電気代を節約したいなら、いまお使いの家電製品を見直してみるのもおすすめです。エアコンや冷蔵庫、洗濯機など毎年省エネ性能をうたった新製品が発表されています。もちろん、価格もそれなりにしますが、毎月支払う電気代を考えると買い替え検討する余地は十分にあると言えます。
10年前の家電は消費電力が高い
「古くてもまだまだ使える」「買い替えるなんてもったいない」と10年以上も家電を使い続けている人もいると思いますが、ほとんどの家電の寿命は約10年。安全面からも買い替えをおすすめします。特にさまざまな家電において「省エネ性能」が飛躍的に進化し、10年前のモデルから買い替えた場合、年間電気代として1万円以上も節約できるケースも少なくありません。
買い替えにおすすめの家電
テレビ、エアコン、冷蔵庫、レンジ、洗濯機、掃除機、電気ストーブ、アイロン、ドライヤー、照明器具、etc…。家の中を見回してみると、あらためてたくさんの家電があることに気づきます。家電を買い替えて電気代を安くしようと思っても、いったい何を買い替えればいいかわからないという人は、特に電気代がかかる家電から検討されるといいでしょう。
<エアコン>
冬場に電気代が高くなるいちばんの原因がこの「エアコン」。最新のモデルには「エコ運転」はもちろん、人のいる位置や滞在時間などを感知するセンサーを搭載した、電気代をかしこく節約できるモノもあります。
<冷蔵庫>
24時間365日稼働しっぱなしで年間の消費電力量の多くを占める「冷蔵庫」を例に見てみると、きめ細やかな運転ができる「インバータ制御」や「真空断熱材」などが導入された省エネモデルでは、10年前のモノに比べて電気代が3分の1になるモノも。買い替えによって電気代が年間1万円以上節約できるケースもあります。
<照明器具>
白熱電球から蛍光灯、そして「照明器具」はいまやLEDの時代へ。LEDは約40,000時間の長寿命と白熱電球の約8分の1の消費電力を実現。室内の照明をLEDに交換することで、電気代を大きく節約することができます。
家電の使い方を工夫する、電気代節約のコツ
家電を使うときのちょっとした手間や心がけで、電気代を節約できます。すでに実践されている人も多いと思いますが、それぞれの家電における「電気代節約のコツ」を紹介します。
<エアコン>
- 暖房も冷房も必要なときだけつける
- 設定温度は冬20℃、夏28℃を目安とする
- ちょっとの外出だったらつけたままにする
- サーキュレーターなどを併用して室内の空気を攪拌(かくはん)する
- 遮光カーテンで日差しを遮る(冷房のとき)
- 2週間に1度を目安にフィルターをお掃除する
- 室外機のまわりにはモノを置かない
- 部屋の扉に「すきま風ストッパー」を置く(部屋の暖気(冷気)を逃さず、外からの冷気(暖気)を防げるため、節電に効果的なアイテムもあります)
<冷蔵庫>
- 設置の際、冷蔵庫の裏側に放熱スペースをあけておく
- モノを詰め込みすぎない
- ムダに扉を開け閉めしない
- 開けている時間を短くする
- 設定温度は適切に設定する
- 熱いモノは冷ましてから保存
<洗濯機・乾燥機>
- 洗濯の際は、洗濯物をつねに適量に保つ
- 洗剤も適量を投入
※すすぎ回数が増えて電気や水道を余計に使うことになる可能性があります。 - すすぎの際はお風呂の残り湯を使用する
- 乾燥機は電気代がかかるため、できるだけ外干しする
<炊飯ジャー>
- 保温時間を短くする→まとめて炊いて冷凍保存する
※ご飯の保温は4時間が目安。それ以上の場合、電子レンジで温め直すエネルギーのほうが少なくなります。約7~8時間以上保温するなら、2回に分けて炊いたほうがお得になります。 - 使わないときはプラグを抜く
<テレビ>
- つけっぱなしに注意。見ていないときは消す
- 長期不在のときはプラグを抜く
- 省エネモードを活用する
※部屋の明るさに合わせて、画面の明るさを自動調整してくれる「明るさセンサー」や、一定時間操作をしないと電源が切れる「自動OFF」機能などを活用する。
<温水便座>
- 夏(温かい時期)は便座の温度設定を切っておく
- 温水の温度設定は、中または小にしておく
- 便座のフタを開けっぱなしにしない
<照明器具>
- 約40,000時間の長寿命で、しかも消費電力が少ない(白熱電球の約8分の1)LEDに付け替える
- トイレなど電気の切り忘れが多い場所には、「人感センサー」タイプを設置する
<ホットカーペット>
- 必要な面積だけを使用する
<電源タップ>
パソコン、プリンター、無線ルーターなどさまざまなコードを接続するコンセントとして「スイッチ付きの電源タップ」を使用し、使わないときはスイッチをオフにしてムダな電力をセーブする
大切なのは節電の意識!ちょっとの手間と心がけで「できること」から実践あるのみ
2018年は電力大手10社、大手都市ガス4社が電気料金の値上げに踏み切りました。
そうした状況のなかで電気代を節約するためにも、今回ご紹介した「電気の契約プランの見直し」「家電の買い替え」「家電使用時における節電のコツ」を参考に、まずはできることからはじめてみてください。