2022年8月26日 | お役立ち情報
山を購入しても後悔しない?山購入のリスク・注意点を解説!
昨今はアニメやキャンプ好きな芸能人の動画によってキャンプを楽しむ人が増えており、アウトドア用の山を購入する人が増えています。山を購入すれば気軽にキャンプできたり、静かにソロキャンプを楽しんだりできるかもしれません。しかし、山を購入することはリスクを伴います。知らずに購入すると後悔するかもしれません。今回は山購入のリスクや注意点を解説いたします。
個人が山を買うにはどうすればいい?
個人でも簡単に山を購入できるのか気になっている人もいらっしゃるでしょう。山林の購入にはとくに許可などありませんので、他の不動産と同じように購入できます。
山を購入する方法
山を購入するには、いくつかの方法があります。購入したいエリアが決まっている場合は、その土地の不動産業者を訪ねてみましょう。昨今は山を購入したい人が増えているものの、売却を希望している人もいますので、地元の不動産業者なら紹介してもらえることもあります。ただし、住宅しか取り扱っていない不動産業者もありますので、まずは訪問する前に問い合わせてみましょう。
また、森林組合に問い合わせる方法もあります。森林組合は地域の山林事情に詳しいため、山を手放したがっている所有者を紹介してもらえるかもしれません。ただし、森林組合への加入が条件になっていることもありますので確認してみましょう。
比較的手軽な方法としては、山林売買サイトで現在売却中の物件を確認できます。画像や詳細な情報も記載されているため、希望に合う物件を探しやすいでしょう。
山を購入するときの手順
山を購入するときの一般的な手順をご紹介いたします。
- 不動産業者や森林組合、山林売買サイトなどで物件を探す
- 購入したい物件が見つかれば資料を取り寄せる
- 現地見学をし、地形や木樹、接道の有無などを確認する
- 購入を決めたら申込金を支払い、買付証明書を提出する
- 引き渡し日を決め、売買契約を交わす
- 残金の支払いを済ませ、引き渡しを受ける
- 不動産取得税を支払い、「森林の土地の所有者届出書」を提出する
山の購入や相続で手に入れたときは、山の所有者となった日から90日以内に「森林の土地の所有者届出書」を取得した山のある市町村の長に提出する必要があります。ただし、国土利用計画法に基づく土地売買契約の届出を提出している場合は必要ありません。
【参考】林野庁「森林の土地の所有者届出制度」
用途に合う山を選ぶ
山を購入するときは、1つの山を丸ごと購入するわけではないため、比較的手頃な価格で購入できる物件もあります。しかし、使い道が規制される物件もありますので、目的に合った物件なのか確認が必要です。
たとえば「市街区調整区域」に指定されていれば、基礎工事を伴う建物を建てられません。また、農林水産大臣や都道府県知事によって「保安林」に指定されていれば、森林の伐採も禁止されています。よく確認して選ばなければ、自分の思い通りに活用できない場合がありますので注意しましょう。
山購入のリスク
山の値段は立地条件によって異なりますが、比較的安く購入できる物件もありますので、購入を検討している人もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、山の購入にはリスクもあります。どのようなリスクがあるか確認してから購入を検討した方がよいでしょう。
手放したいときに買い手が見つからない可能性がある
山は比較的安い価格で購入できますが、住宅のように売買が活発ではありません。将来手放したくなったときに買い手がなかなか見つからない可能性があります。売却するときのことも考えて購入を検討した方がよいでしょう。
草刈りが大変
キャンプ場は整備されていますが、自分で山を購入すれば自分自身で草刈りが必要です。草刈りは重労働のうえに、せっかく刈っても1ヶ月もすればまた伸びてきます。キャンプに行くたびに草刈りに時間を費やすことになるでしょう。
野生動物が現れる可能性
山にはイノシシなどの野生動物が住んでいるので、購入した土地に現れるかもしれません。食べ物を放置しているとニオイで寄ってくるので危険です。たとえ埋めても掘り返され、柵などを設置しても簡単に壊されてしまうでしょう。
不法投棄される可能性
道路に面している物件は、ゴミを不法投棄されることもあるようです。大型ゴミを不法投棄された場合、処分費用は自己負担になります。
境界線で隣人とトラブルになる可能性がある
山を購入する場合、山を丸ごと手に入れるケースもありますが、山の一部を所有することが大半なので、同じ山に複数の所有者がいることになります。土地の所有者が変わっていくと境界線が曖昧になることも多く、隣人とトラブルになる可能性があります。トラブルを軽減するには、購入時にきちんと挨拶をしておくことが重要です。
相続が大変
山を所有したまま亡くなると相続人が困るかもしれません。毎年固定資産税がかかりますが、それ以上に山の維持や管理が大変です。購入するときは、将来の相続のことも頭に入れておく必要があります。
山を購入するときの注意点
自分の山を持つのは夢がありますが、山を購入するにあたって知っておきたい注意点が3つあります。購入を決める前に次のことを確認しておきましょう。
税金や維持費がかかる
山の購入には、土地代だけでなく、維持費用がかかります。まず、購入時に1回だけ「不動産所得税」が課税されます。不動産所得税の計算方法は「固定資産税評価額×税率」です。また、山は不動産なので、毎年固定資産税も課税されます。固定資産税の税額は「固定資産税評価額×1.4%」です。
固定資産税評価額とは、地目別に定められた評価方法で評価されるものです。地目には田・畑・宅地・山林などがあります。地目が「山林」であれば宅地のように固定資産税評価額が高くないため、一般的にはそれほど高額になることもないでしょう。また、山林の免税点は30万円なので、評価額が30万円未満であれば、固定資産税は課税されません。ただし、市街地に近い山林は土地の評価額が高いため、固定資産税の税額も高い傾向です。土地の評価額は地目より現況が優先されます。購入した土地に住宅を建てると「宅地」として評価されるため、固定資産税の課税額が高くなります。
また、間伐や草刈りなどの管理が必要になるため、業者に依頼すると費用が必要です。さらに台風などの自然災害によって道路に木が倒れたときなどは、自分で処理しなくてはなりません。自力で作業できるなら費用はかかりませんが、業者に依頼する場合は費用が発生します。
任意ではありますが、森林組合に入会すれば年会費も必要です。このように山を購入すると毎年さまざまな費用が必要になります。
自然災害時に責任が問われることも
自分が所有する山で土砂崩れが起こったり、倒木で道路をふさいでしまったりすると賠償責任を問われる可能性があります。自然災害時のリスクをできるだけ減らすためにも、土砂災害警戒区域に指定されていないか確認しておきましょう。
管理義務がある
傷んだ木や土砂崩れの可能性がある斜面を放置し、倒木や土砂崩れを起こして他者に被害を与えた場合、所有する山の管理不足として責任を問われます。山の所有者は災害などのトラブルが起こらないように適切に管理する義務があります。山を所有すると管理義務があることを考えて、軽い気持ちで購入せず慎重に検討した方がよいでしょう。
山を購入するときに確認すべきこと
山を購入して後悔しないためにも、次にあげることをしっかり確認しておきましょう。
土地の形状
山を購入するときは、現地調査をして土地の形状を確認しておきましょう。急な斜面が多い山は用途に合わないだけでなく、崩壊しやすいというデメリットもあります。
ハザードマップ
自分の山で土砂災害が起これば、責任を問われてしまいます。土砂災害警戒区域の土地はリスクが大きいため、ハザードマップを確認しておきましょう。
都市計画区域外か
市街化調整区域に指定されていると基礎工事を伴う建物を建築できません。建物を建てる予定がある場合は、都市計画区域外か確認しておきましょう。
境界線
地籍調査がされておらず、境界線が曖昧でトラブルの原因になることがあります。購入した区画が実際の広さと大きく異なることもありますので、森林簿などで境界線が決まっているか法務局に行って確認しておいた方がよいでしょう。
アクセスのしやすさ
キャンプ用に山を購入する場合は、アクセスのしやすさも確認しておきましょう。距離の問題だけでなく、他人の土地をまたがずに行けるか確認しておく必要があります。
山でのキャンプには虫よけが必需品
山には多くの虫がいるため、キャンプを楽しむには虫よけが必需品です。フマキラー「スキンベープミスト イカリジンプレミアム」は、虫よけ成分のイカリジンを15%配合した虫よけで効果は最大8時間も持続します。イカリジンは年齢制限・使用制限のない虫よけ成分ですので、子どもから大人まで安心してお使いいただけます。
山でのアウトドアは蚊だけでなく、ブユやアブなどさまざまな虫に刺される可能性があります。イカリジンの適用害虫はマダニ・ブユ・アブ・トコジラミ・ヤマビルなどと広範囲に及ぶため、夏のアウトドアにも適しています。。服の上からも使えますので、長袖や長ズボンを着用しているときもスプレーして山でのアウトドアを楽しみましょう。
まとめ
山を購入して自然の中に自分だけのリラックス空間を得るのは非常に魅力があります。しかし、山の購入にはリスクもありますので、たとえ手が届きやすい価格であったとしても慎重に検討した方がよいでしょう。
固定資産税はさほど大きな金額ではないかもしれませんが、その他の維持費や管理が大変です。万が一、土砂崩れを起こして山の下の民家に被害を与えるようなことがあれば、責任を問われます。そのようなリスクがあることを十分に理解し、慎重に検討してから決めましょう。