島根ってどんなところ?島根県の文化・食べ物・お祭り・県名の由来などを紹介!

島根ってどんなところ?島根県の文化・食べ物・お祭り・県名の由来などを紹介!

47都道府県を順にご紹介するシリーズ、今回は「島根県」です。かつて出雲国(いずものくに)、石見国(いわみのくに)、隠岐国(おきのくに)の三国が栄え、銀の産出では世界経済に影響を与えた歴史を持つ島根県。神話の舞台としても知られる島根県は、神々にまつわる壮大なロマンが現在も語り継がれています。

今回は、島根県の基本情報と文化、食べ物のほか、伝統行事や世界遺産などの魅力をご紹介します。

島根県の基本情報

はじめに、島根県の基本情報をご覧ください。

県の位置

島根県は北緯34~37°、東経131~133°に位置します。東は鳥取県、西は山口県、南は中国山地を挟んで広島県に接し、北は日本海に面しています。島根半島の北にある隠岐諸島は、貴重な地質や生態系が保護されていることから2013年に「世界ジオパーク」に認定され、2015年に「隠岐ユネスコ世界ジオパーク」の呼び名に変わりました。

県名の由来

島根県の由来は複数の説が伝わっており「しま」と「ね」が岩礁を意味する説や「島根」が高いところを意味する説、「島」は島国で、「根」は接尾語である説などさまざまな説があります。およそ1300年前に編纂(へんさん)された書物の「出雲国風土記(いずものくにふどき)」には、島根半島の東部が「島根郡」と記されています。

島根県の文化

島根県の文化

島根県に伝わる文化のうち、主なものをご紹介します。

神話の世界

島根県には古くから多くの神話が伝わっており、出雲国を大きくするために各地から国を引いて来て継ぎ足し、島根半島が誕生したとされる「国引き(くにびき)神話」、旧暦の10月に全国から八百万(やおよろず)の神々が集まるとされる「稲佐の浜(いなさのはま)」の伝説、大黒様がうさぎを助ける「いなばのしろうさぎ」の伝説などが有名です。

死後の世界とされる黄泉 (よみ)の国と、現世との境界と伝わる「黄泉比良坂(よもつひらさか)」は、神話の世界を肌で感じられると話題になり多くの人々が訪れます。

焼き物

島根県では18世紀の半ばから盛んに陶磁器が製造され、現在も県内には複数の窯元(かまもと)が存在します。国の伝統的工芸品に指定されている「石見焼(いわみやき)」は、江津(ごうつ)市を中心とする石見地方で製造される陶器を指します。石見焼は非常に丈夫なつくりで知られ、なかでも貯水用の水がめは当時の必需品として重宝されました。

そのほか、江戸時代からつくられている「布志名焼(ふじなやき)」「錦山焼(きんざんやき)」「楽山焼(らくざんやき)」などの焼き物が有名です。

石州半紙(せきしゅうばんし)

島根県内には和紙の材料である植物の「こうぞ」や「みつまた」が多く生育しているため、古くから多様な和紙がつくられています。国内でも最高級の品質を誇る石州半紙は、国の重要無形文化財とユネスコ無形文化遺産に登録されており、丈夫さと美しい光沢を生かして主に書籍や書道用の半紙、名刺などに用いられています。

石州半紙は奈良時代の歌人である柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)が伝えたとされ、江戸時代には浜田藩と津和野(つわの)藩で広く生産され全国に広まりました。

島根県の食文化・食べ物

島根県の食文化・食べ物

続いて、島根県の主な食文化をご紹介します。

出雲そば

日本三大そばの1つである出雲そばは、そばの実を殻(から)ごと挽(ひ)く「挽きぐるみ」の製法を取り入れたそば粉を使用しているため、やや黒い麺(めん)の色と栄養価が高い点が特徴です。

芳醇(ほうじゅん)な香りと風味、歯ごたえのよさも自慢で、「つなぎ」に使う小麦粉の量を全体の2割くらいと少なめにして製造しています。

出雲そばは、江戸時代に松江藩主が信州のそば職人を連れて来たことから広まり、温かい「釜揚げ(かまあげ)そば」や冷たい「割子(わりこ)そば」で食べられています。

しじみ

島根半島に位置する宍道湖(しんじこ)は、川の淡水(たんすい)と海の塩水(えんすい)が混ざった汽水湖(きすいこ)で、「ヤマトシジミ」の漁獲量が日本一を誇ります。宍道湖では昭和40年代からシジミ漁が始まり、昭和48年以降は漁獲規制によってシジミだけでなくウナギ、ワカサギなどの自然の恵みを守る活動が行われています。

シジミはカルシウムや鉄、カリウムなどのミネラルのほか、肝臓の働きを助ける酵素などを含み、シジミ汁やシジミご飯、佃煮(つくだに)などに調理したものを味わえます。

あご野焼き(あごのやき)

日本海側などの地域では、「トビウオ」を「あご」と呼びます。あご野焼きは日本海で獲ったトビウオのすり身を棒に巻きつけ、炭火の上で回しながら焼いた島根県の特産品です。ちくわに似た形をしていますが、歯ごたえや甘み、皮の焦げ具合といった風味が異なります。「野焼き」の名は、かつて火を使う作業を屋外で行ったことに由来します。

島根県内では複数のかまぼこ店などで販売されており、体験として実際に自分で炭火を使用して焼いたものをお土産に持ち帰れるお店もあります。

島根県の伝統行事・まつり

島根県の伝統行事・まつり

島根県に伝わる主な伝統行事やまつりは、次のとおりです。

佐陀神能(さだしんのう)

出雲国の三大社の1つである佐太(さだ)神社で、9月に奉納される神事芸能です。およそ400年の歴史があり、島根県の独特の文化として国の重要無形民俗文化財とユネスコの無形文化遺産に登録されています。佐陀神能は3部から成り、笛や太鼓の音色に合わせて伝統の衣装をまとった舞手(まいて)が神秘的かつ荘厳な舞を披露します。

佐太神社の御本殿の三社は重要文化財に指定されており、神社に祀られている佐太大神は、出雲国で最も尊い四大神の一柱(ひとはしら)と伝えられています。

大元神楽(おおもとかぐら)

大元神楽は江津市桜江町(さくらえちょう)に古くから伝わる神楽で、国の重要無形民俗文化財に指定されています。6~7年に一度の晩秋に夜を通して行われ、まるで神が降臨して乗り移ったような「託舞(たくまい)」や、ゆったりとした「六調子(ろくちょうし)」の舞などは、本来の神楽の方法や手順が正確に伝承された貴重な内容で一見の価値があります。

大元神楽は、島根県の西部の集落で農耕の神を祀る「大元信仰」に由来して誕生し、この地域だけの神に捧げる希少な神楽として大切に受け継がれています。

鷺舞神事(さぎまいしんじ)

およそ400年の歴史を誇る鷺舞神事は、国の重要無形文化財に指定されている古典芸能です。津和野町の弥栄(やさか)神社で毎年7月に開催され、桧(ひのき)でつくられた2羽の白い鷺が天狗(てんぐ)や神輿(みこし)などと津和野の街を悠々と練り歩きながら、複数のポイントで伝統的な美しい舞を優雅に披露します。

鷺舞神事はもともと京都から伝わったもので、現在では国内で唯一の鷺舞として高い評価を受けており、子どもたちによる愛らしい「子鷺踊り」も見どころです。

島根県の建築物・遺産

島根県の建築物・遺産

島根県の主な建築物や遺産は、次のとおりです。

出雲大社

大黒様として知られる「大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)」が祀(まつ)られている神社で、本殿は国宝に指定されています。国内で最古の歴史書とされる「古事記」には、大国主大神が天照大神(あまてらすおおみかみ)に国を譲った際に、出雲大社の前身となる宮殿の「天日隅宮(あめのひすみのみや)」を創建した神話が記されています。

「いなばのしろうさぎ」の神話で大黒様がうさぎを助けたあとに良縁を得たことから、出雲大社は男女だけでなく人々がともに栄える縁結びの神様として慕われています。

住所:出雲市大社町杵築東195
公式サイト:https://izumooyashiro.or.jp/

石見銀山(いわみぎんざん)

石見銀山は、1527年から1923年まで稼働した国内で最大級の銀山です。世界で流通する銀のおよそ1割が石見銀山のものと言われた時期もあり、世界経済に影響を与えたことなどから2007年にユネスコ世界遺産に登録されました。1800年代の後半から採掘の手法や装置などが近代化され、当時のまま保存された状態が貴重な考古学的証拠になっています。

石見銀山の周辺では、坑道や集落といった当時の人々の暮らしが伺える遺跡や、昔ながらの日本の風景が大切に守られている街並みなども見学できます。

住所:大田市大森町イ1597-3
公式サイト:https://ginzan.city.oda.lg.jp/

津和野(つわの)の街並み

島根県内には7つの日本遺産があり、旧津和野藩の城下町として栄えた津和野町は「津和野今昔~百景図を歩く~」のストーリーが認定されています。古来の人々の暮らしそのものが日本遺産の重要な構成要素になっており、津和野町に残されている伝統行事や街並みなどは、幕末の画集である「津和野百景図」を基にしながら大切に受け継がれています。

津和野城跡や赤い瓦(かわら)屋根の街並み、伝統の祭りといった当時の面影が色濃く残る津和野町には、国内だけでなく世界中から多くの観光客が訪れます。

住所:鹿足郡津和野町後田ロ253(津和野町 日本遺産センター)
公式サイト:https://tsuwano100.net/

島根県の県民の日

島根県は県民の日を制定していませんが、県内では2月22日を「竹島の日」、11月1日を「しまね教育の日」と条例で定めています。竹島の日は国土について考える日、しまね教育の日は島根県内に教育委員会が発足した日としてさまざまなイベントや取り組みなどが行われています。

まとめ

今回は、島根県の概要や各種の文化と伝統行事、遺産や建築物などをご紹介しました。古くから複数の神話が伝わる島根県には、全国の神々が集まるとされる伝説の浜や縁結びなどのお願い事ができるパワースポットのほか、世界遺産や美しい街並みといった魅力的な観光地が多く存在します。

島根県にお出かけの際は、人々が大切に守り伝えてきた歴史と文化を存分にお楽しみください。

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