2022年1月18日 | お役立ち情報
万博の歴史とは?日本で開催された過去の万博や大阪万博2025を紹介
2025年に大阪で万博が開催されることが決まり、楽しみにしている方も多いことでしょう。また、そもそも万博とはどういうものなのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
今回は、万博の歴史やこれまでに日本で開催された過去の万博についてご紹介いたします。また、2025年に開催される大阪万博2025のテーマや、予想される経済効果などについても解説いたします。
万博とは
万博とは、国際博覧会条約に基づき、フランスのパリに本部を置く博覧会国際事務局(BIE)に登録された国際博覧会のことです。条約では二以上の国が参加するものを国際博覧会とし、「博覧会とは、名称のいかんを問わず、公衆の教育を主たる目的とする催しであって、文明の必要とするものに応ずるために人類が利用することのできる手段又は人類の活動の一若しくは二以上の部門において達成された進歩若しくはそれらの部門における将来の展望を示すものをいう」と定義されています。
【参考】外務省「国際博覧会条約」抜粋」
万博の歴史
万博のはじまりは、1851年にロンドンのハイドパークで開催された「第1回ロンドン万国博覧会」です。当時のイギリスは産業革命が進み、農業中心の産業から工業国への転換期でした。イベント会場は鉄の柱とガラスでできた「水晶宮」という美しい建物で、おもにイギリスが出品した機械や薬品、陶器などが展示されました。イギリスはこの万博によって、自国の工業力を世界に知らしめることになったのです。
日本がはじめて万博に参加したのは、1867年(慶応3年)の第2回パリ万博で、「徳川幕府」、現在の鹿児島県にあたる「薩摩藩」、現在の佐賀県にあたる「鍋島藩」が参加。日本政府として初めて公式参加したのは、1873年のウィーン万博です。現在のようにテーマをもつようになったのは第1次世界大戦後であり、1928年に国際博覧会条約が署名され、国際博覧会はこの条約を基準として開催されるようになりました。
2種類の万博
万博には「登録博覧会」と「認定博覧会」の2種類があります。登録博覧会とは、5年以上の間隔をおいて開催される博覧会です。たとえば2005年に日本で開催された「愛・地球博」の後は、2010年に中国で「上海博」、2015年にはイタリアで「ミラノ博」が開催。2020年に予定されていたドバイ万博は、新型コロナウイルス蔓延の影響で2021年に延期となりましたが、2025年には日本で大阪・関西万博が開催されます。
一方、認定博覧会は、2つの登録博覧会の間に一回だけ開催されるものです。2012年に韓国で開催された「麗水(ヨス)博」、2017年にカザフスタンで開催された「アスタナ博」などが認定博覧会です。
過去に日本で開催された万博
日本では、過去に5回の万博が開催されています。1回目はいわずと知れた大阪万博ですが、実はこれ以前に幻となった万博があるのです。1940年に東京・横浜を会場とした万博が予定され、入場券を印刷・販売するまで準備が進んでいたものの、第二次世界大戦勃発のため、1938年に中止が決まりました。東京の勝鬨橋は、この万博のために造られたものということです。
それでは日本で過去5回開催された万博の詳細をご覧ください。
1.日本万国博覧会
日本ではじめて開催された万博は、1970年(昭和45年)3月15日〜9月13日までの183日間にわたって大阪千里丘陵で開催された「日本万国博覧会(略称:大阪万博、EXPO’70など)」です。日本を含む77カ国と4国際機関が参加し、総入場者数は6,422万人。テーマは「人類の進歩と調和」でした。
アメリカ館にはアポロ宇宙船の宇宙飛行士が月から持ち帰った「月の石」、ソ連館には実物の人工衛星などが展示され、長蛇の列ができました。また、テーマ館の一部として芸術家の岡本太郎がデザインした「太陽の塔」が建造され、現在でも万博公園のシンボルとなっています。
2.沖縄国際海洋博覧会
日本で2回目の開催となったのは、1975年(昭和50年)7月20日〜1976年(昭和51年)1月18日までの183日間にわたって沖縄で開催された「沖縄国際海洋博覧会(略称:沖縄海洋博など)」です。「海―その望ましい未来」をテーマとして日本を含む36カ国と3国際機関が参加し、総入場者数は349万人。沖縄本土復帰記念として開催され、世界ではじめて「海」をテーマにした国際博覧会となりました。
3.国際科学技術博覧会
3回目に開催された万博は、1985年(昭和60年)3月17日〜9月16日の184日間にわたって筑波研究学園都市で開催された「国際科学技術博覧会(略称:科学万博、つくば万博など)」です。日本を含む48カ国と37国際機関が参加し、総入場者数は2,033万人。「人間・住居・環境と科学技術」をテーマに、科学技術に対する国民の理解向上や、科学技術を通じた国際親善の貢献などに大きな成果をあげました。
4.国際花と緑の博覧会
4回目の万博となったのは、1990年(平成2年)4月1日〜9月30日の183日間にわたって大阪鶴見緑地で開催された「国際花と緑の博覧会(略称:花の万博、EXPO’90)です。日本を含む83カ国と37国際機関・18園芸関係などの国際団体が参加し、総入場者数は2,312万人。「花と緑と生活の係わりを捉え 21世紀へ向けて潤いのある社会の創造を目指す」をテーマに開催、「青いケシ」や門外不出とされてきた「肥後のシャクヤク」など、希少な植物を含む1200種類・250万本の草木が展示されました。
5.2005年日本国際博覧会
5回目の万博となったのは、2005 年(平成17年)3月25日〜9月25日の185日間にわたって開催された「2005年日本国際博覧会(略称:愛知万博/愛称:愛・地球博)」です。愛知県瀬戸市南東部、豊田市、長久手町が会場となり、「自然の叡智」をテーマに新しい文化・文明の創造を目指して開催されました。参加国は日本を含めて121カ国と4国際機関で、総入場者数は目標を大きく上回る2204万9544人を達成しています。
大阪・関西万博2025
2021年10月1日、1年間の延期となっていたドバイ万博が開幕しました。この万博の日本館では、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の魅力を発信する展示がおこなわれています。「大阪・関西万博2025」について詳細などを確認しましょう。
大阪・関西万博の開催概要
2025年に開催予定の大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマです。開催期間は2025年4月13日(日)〜10月13日(月)の184日間で、開催場所は大阪・夢洲(ゆめしま)です。夢洲とは、大阪湾に浮かぶ人工島3島のひとつで、総面積390ヘクタールのうち、155ヘクタールが大阪・関西万博の会場予定地とされています。世界とつながる海と空に囲まれた万博として、ロケーションを生かした企画や発信をおこなっていく予定で、来場者数は約2,820万人と想定されています。
大阪・関西万博のテーマ
大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。サブテーマは「いのちを救う」「いのちに力を与える」「いのちをつなぐ」で、コンセプトは「未来社会の実験場」です。
万博が開催される2025年は、持続可能な開発目標(SDGs)の目標年2030年まで残り5年となる重要な年なので、その実現に向けて「持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献」を目指しています。
また、日本の国家戦略Society5.0の実現に向けて、イノベーティブなアイデアを会場で実装していくための取組が展開されます。現在検討を進められている事業例には、「空飛ぶクルマで来場者に新たな移動体験を提供」「リアルとバーチャルを融合した未来のエンターテインメントの実現」などがあります。
会場は3つのエリアで構成
万博会場は3つのエリアで構成されます。会場西側の緑地エリアは「グリーンワールド」で、屋外イベント広場やエントランス広場、交通ターミナルなどがある開けた空間です。中央の「パビリオンワールド」は、パビリオンなどの施設が集まるエリアで、主動線となるリング状のメインストリートからすべてのパビリオンにアクセスできます。また、メインストリートの上部には、1周2㎞・幅約30m・高さ約12 mの巨大なリング状の大屋根を設置。大屋根の一部は海上にせり出し、大阪湾を臨めます。また、南側のエリアは「ウォーターワールド」で、飲食施設を配置する憩いのエリアとなっており、水上イベントの舞台にも利用されるということです。
大阪・関西万博の経済効果は?
大阪・関西万博の開催により、日本経済や大阪・関西の地域経済活性化、ビジネス機会の拡大による中小企業の経営強化が期待され、経済波及効果は2兆円と見込まれています。実際、過去に開催された5回の万博のうち、「大阪万博」「沖縄海洋博」「つくば万博」「愛・地球博」においては株価が大きく上昇しました。
唯一大幅に値を下げたのが、1990年開催の「花の万博」です。しかしこのときは、開催前の1989年12月に史上最高値を記録するほどであった株高が年明けから崩れて大幅下落、バブル崩壊へと連なっていったタイミングであることを考慮しなくてはならないでしょう。
「大阪・関西万博」でも、過去に開催された万博のように、大きな経済波及効果が期待されています。
TEAM EXPO 2025プログラム「共創チャレンジ」とは
TEAM EXPO 2025プログラムの共創チャレンジとは、大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を実現するため、自らが主体となり未来に向けて行動を起こすチーム活動のことです。
フマキラー株式会社も、共創チャレンジに登録しています。世界では年間70万人以上が、蚊を媒介とする病気によって亡くなっています。人のいのちや暮らし、環境を守るために殺虫剤は欠かせないものですが、「害虫」として退治している虫もまた、自然には欠かせない生き物です。虫を退治する会社だからこそ、虫と自然の関係・よりよい関わり方といった知的財産も継承できると考え、これからも「命の尊さ」「自然の尊さ」を伝えていきます。
まとめ
愛・地球博からちょうど20年後の2025年、再び大阪で万博が開催されます。想定来場者数は2800万人、経済波及効果は2兆円ということなので、日本経済の活性化に期待が高まります。
大阪・関西万博で楽しみな「空飛ぶクルマ」は、すでに実証実験もはじまりました。各国の最新技術に触れられる楽しみがある万博は、同時にひとりひとりがSDGsを意識する大切なきっかけにもなることでしょう。