怒りっぽい人 (性格) になる原因とは?特徴や心理を知って直す方法

怒りっぽい人 (性格) になる原因とは?特徴や心理を知って直す方法

性格には「優しい」「穏やか」など、さまざまなものがありますが、性格の悩みのひとつに「怒りっぽい」というのがあります。怒りの感情はぶつけるタイミングを間違えると、周囲の信頼も失うことがあるとても危険なものです。

しかし、そのことをわかっていても怒りの感情を抑えることができないという方は多くいます。

できることなら怒りの感情を出すことなく、幸せな生活を送りたいという方がほとんどです。そこで今回は怒りっぽい人の特徴、怒りやすい性格になる原因や改善方法などをまとめましたので解説します。

怒りっぽい人の特徴・性格・心理

怒りっぽい人の特徴・性格・心理

まずは怒りっぽい人の特徴や性格、心理状態はどうなっているかという点を確認しておきましょう。

根に持つ

元来、根に持つ性格の人は怒りやすいといわれています。根に持つタイプの人は「私は昔あなたからこんなことをいわれた」という感情をずっと持っており、相手の顔を見ると、その嫌なことをされたときのことを鮮明に思い出します。

その結果、イライラの感情が再び前面に出るようになり、最終的に怒りの感情をいろいろなところでぶつけてしまうことになります。

根に持つ性格の人は粘着気質なところもありますから、相手が何度も謝罪をしているのに「私は昔あなたから…」「あなたがしたことを絶対に忘れない」と事あるごとに投げかけ、優位に立とうとします。

自分が劣勢の立場のときにその過去の苦い経験を持ち出す癖もあるため、周囲の人間にとっては非常に厄介な存在ともいえるでしょう。

怒ればいうことを聞くと思っている

まるで駄々っ子のような特徴ですが、大人の中にも「怒れば何とかなる」という気持ちを持って、人生を生きている方がいます。勘違いしてほしくありませんが、怒るというのはときに必要になる行為でもあります。

具体的には協調性がまったくなく、毎日周囲に多大な迷惑をかけている人がいるときなど。このようなときは優しく説得して、それでも反省の心や改善の傾向が見られないようであれば周囲を守るためにも、怒るという行為が必要になるでしょう。

しかし、常に「怒ればいうことを聞く」という思考を持っている方は、自分が気に入らないことがあるとすぐに怒りの感情を相手にぶつけてしまうため、逆に周囲から煙たがられる存在になりやすいです。

「そんなことで怒る?」「自分に都合が悪いことがあるとすぐに怒るね」という方が、周りにいるようであれば、その人は怒ればいうことを聞くという感情を常に持っているかもしれません。

自己顕示欲が強すぎる

自己顕示欲とは、自己の存在を周りに認めてもらうために、自分を周囲にアピールしたくなる欲求のことです。

自己顕示欲は人であれば誰もが持っている欲求のひとつですが、自己顕示欲が強すぎる方は物事に対しての主張が強くなる傾向にあり、自分の意見が通らないと怒るという特徴があります。

自己顕示欲が強すぎる人は「自分の意見が通らない=自分という人間を否定された」という感情に陥りやすいため、それが怒りの感情となって前面に押し出されるようになります。

またこのようなタイプの人は常に自分が中心でいたいという願望があるため、いわゆる「自己中(自己中心的)」な人ともいえるでしょう。怒りによって自分の地位を確立させる傾向にもあり、周囲からは煙たい感じで見られることも少なくないようです。

精神的に余裕がない

仕事が忙しいとき、家事が忙しいとき、子育てが忙しいときなどは、イライラしやすくなりませんか?私たち人間は精神的に余裕がないと、イライラの感情が強くなりがちです。

「精神的余裕がない=ストレス」と受け取ることもできますが、ストレスが蓄積されると冷静な判断もできなくなり、周囲に八つ当たりしてしまうような人も少なくありません。

常に精神的余裕がなく、会社でも家でも怒りっぽい人というのは心が休まる場所がないともいえるでしょう。

怒りっぽい性格になってしまう原因とは?

怒りっぽい性格になってしまう原因とは?

瞬間湯沸かし器のようにすぐに怒る人も、生まれたばかりのころはそんなことはなかったはずです。なぜ、人は成長するにつれて怒りやすい人と怒らない人の差が激しくなるのでしょうか?ここでは怒りっぽい性格になってしまう原因をまとめましたので解説します。

周囲からの伝染

人には個性があり、1人、1人の性格、癖、習慣というものはまったく異なります。そのため、自分という人間は自分自身で作り出してきたオリジナル作品と見る方もいますが、実はそうではありません。

人は周囲の人間や環境からさまざまな影響を受けており、それによって性格や考え方なども日々変化しています。学生時代などに著名人の本を読んで「僕もこのような素晴らしい考えを持って、人と接していきたい」と感じたことはありませんでしょうか?

このような出来事は他人の影響を強く受けている代表的なケースといってもよいでしょう。性格も同じであり、周囲の人間や環境によって変化するようになります。幼少期に家族がいつも怒っていたという環境で過ごした人は、性格も怒りっぽくなりやすいといえます。

反対に悪いことをしたときに頭ごなしに怒るのではなく、優しく諭すように叱ってくれた家庭で過ごしたという方は、大人になっても冷静な考えで物事を解決する傾向にあります。

この傾向は幼少期だけではなく、社会人になっても同じです。過去の心理学の研究などにおいては、短気の人と一緒に過ごす時間が長いほど、その性格が伝染しやすいことがわかっています。

甘やかされて育った

怒りが身近にある環境で育つのも短気を生む原因ですが、逆に幼少期から甘やかされて育ってきたという人も要注意です。これは幼少期に叱られることがないまま育つと脳の前頭葉という部分が発達しないことが関係しています。

前頭葉は思考力、意思、創造力などを司る機能が詰まっており、怒りの感情をコントロールするのも前頭葉の役割です。

自分が悪いことをしたときに叱られた経験を持つ子どもは「叱られて、ガマンする」ことで前頭葉が刺激され、怒りの感情をコントロールすることができます。

ところが叱られた経験がまったくない子どもは、叱られた後にどう対処してよいかわからないため、大人になってから怒りやすくなるという特徴があります。

前述の「怒れば何とかなる」という思考が強すぎる方も、幼少期に「泣けばいうことを聞いてくれた」「わがままをいえば、何でもしてくれた」という家庭で育った可能性が大きいです。

人の言葉を悪く解釈する

人の言動を「悪い方向」で受け取ってしまう方は多いです。具体的には仕事でミスを起こしてしまい、上司から叱られたときに「○○さんはストレス解消のために自分を叱ってる」「この人は自分が嫌いだから怒っているんだ」と解釈してしまうなどが挙げられます。世の中には本当に自分の気分や感情のみで、部下を怒鳴る最悪の上司もいるでしょう。

しかし、今回一例で取り上げる上司はとても良心的な人間で、部下のことを真剣に考えてくれると評判であり、叱った原因もほぼ全員が「これは叱りたくなる気持ちもわかる」というものでした。

もちろん叱られる側の「怒られるの嫌だな」という気持ちも十分に理解できますが、原因は自分のミスでもあったため、このようなケースでは仕方なくお叱りを受け入れる人が多いです。

ところが人の言葉を悪く解釈するタイプの人は、自分の人間性を否定されたと感じてしまうため、精神的に余裕がなくなり、イライラしやすくなります。

さらに酷い方の場合はメールやLINEなどの返信が遅くなっただけで「自分のこと嫌ってんの?」と解釈してしまう傾向にあるため、周囲も非常に気を使うことになります。

自分に自信が持てない

意外に思うかもしれませんが、怒りっぽい人は自分に自信がないという感情を強く持っている傾向にあります。子どものころに自分の弱い点や自信がない点を周囲の同級生などからバカにされた経験はありませんでしょうか?

「子どもは正直者」という言葉があるように、小さいころは他人の欠点や失敗した点などを平気で指摘する傾向にあります。そして大人になるとその自信のない部分を周囲から指摘されないように「怒り」で壁を作ってしまう人もいます。

「自分の欠点を指摘されたらどうしよう」「営業成績が悪いことを周囲から責められたらどうしよう」など、恐怖に似た感情を強く持ちすぎると、精神的余裕がなくなるため、イライラしやすくなります。

怒りっぽい性格を直す方法

怒りっぽい性格を直す方法

「怒りっぽい性格を直したい」と感じている方は、今から取り上げる方法を実践してみましょう。効果が100%期待できるわけではありませんが、無対策時と比べると何かしらの変化が見られる可能性が高くなります。

ポジティブで笑顔が多い人とのお付き合いを増やす

怒りや文句が身近にある環境で育ってきた人は、将来的に怒りっぽくなりやすいという特徴があります。そのため、周囲に「ポジティブで笑顔が多い人」を増やすことを意識してみましょう。

特に意識しておきたいのが「笑顔」です。笑顔は脳内物質でもあるセロトニンとドーパミンの分泌を高める効果があります。セロトニンは不足すると精神のバランスが崩れて、怒りやすくなります。

またドーパミンはモチベーションアップなどに関係した脳内物質であり、分泌力が高まると前向きな性格になるといわれています。

この2つの脳内物質は笑顔によって分泌力を高めることができるため、怒りっぽい性格の方は日常生活の中で笑顔を実践するとよいでしょう。ちなみに笑顔になれる出来事がないという方は意識的に口角を上げて作った、作り笑顔でも問題ありません。

これはセロトニンとドーパミンは作り笑顔でもしっかり分泌されることがわかっているからです。

自分だけではなく、周囲の人間も変わってほしいという気持ちがある方は、自ら引っ張るという意識を持ち、笑顔で周りの人と接してみましょう。その笑顔の効果が自然と周囲にも伝わる可能性は十分にあります。

善意の解釈を持つ

先ほども解説したように人の言葉を悪意で解釈してしまうと、気持ちに余裕がなくなり、イライラしやすくなります。そのため、周囲の言動や行動を善意で解釈するような癖を身に付けておきましょう。

具体的には連絡をして何時間も返信がなかった場合は「自分のことが嫌いなんだ」と捉えるのではなく「大丈夫かな?何かあったのかな?」という気持ちを持つことが大切です。

このような善意の解釈で接することで相手も「大丈夫、心配してくれてありがとう」という気持ちになります。

逆に「お前、オレのことが嫌いだから返信しなかっただろ」という気持ちで接すると、相手も「は?何いってんの?」という心理状態になり、最悪の場合ケンカに発展してしまう可能性があります。

悪意で解釈するのは、相手のことを信用していない証拠でもあります。相手を信じる気持ちを持って、精神的に余裕がある状態を整えてから、コミュニケーションをとるようにしましょう。

自分の身の丈を知って行動する

甘やかされて育ってきたり、チヤホヤされながら育ってきた人というのは、自分の思い通りにならないとすぐにキレてしまう傾向にあります。これは心理学者などの間では「エンペラー症候群」ともいわれています。

エンペラー症候群の人は想像以上にプライドが高いため、上手くいかないことがあるとすぐに他人のせいにします。

物事が上手くいかないとき、向上心のある方は「なぜ失敗したのか?」「原因を探して、次に活かそう」といったように自分自身の行動を振り返ることができます。

しかし、プライドが高いエンペラー症候群の人は自分の欠点などを探すことはなく「上手くいかなかったのはあいつのせいだ」「天気が悪いから実力を発揮できなかった」といったように周囲の人や環境を責めます。

プライドが高すぎる人は失敗の原因を外部と決めつけてしまうため、常に周囲にイライラした感情をぶつけてしまう傾向にあります。

これを「自分にもどこか悪いところがなかったのか?」というような考えに持っていくと、周囲とも協調性がとれるようになり、イライラの感情も収まるようになります。

どんなに優れた人間でも欠点や弱点は必ずひとつはあります。人は1人、1人が持つ欠点や弱点を全員でカバーしながら支え合う生き物です。自分の身の丈を知って、周囲と協調しながら生きていくという気持ちを忘れないようにしましょう。

ゆっくり行動する

精神的に余裕がない人は「ゆっくり行動する」という点を意識してみましょう。人は忙しいときや精神的余裕がないときに、声を荒げて怒ってしまいがちです。

しかし、はっきりいって大きな声で怒鳴ったところで、忙しさや精神的余裕のなさが改善されるわけではありません。

ひとつひとつの行動をゆっくり行うことで「今、忙しいから後で対応するよ」「これから子どもにミルクをあげるからちょっと待ってて」といったように、冷静に対処できる可能性はグンと高まります。

また、ゆっくり行動していると「この作業を省けば忙しさが緩和されるのでは?」といったように、忙しさや精神的余裕がない理由が見つかり、改善傾向に向かうこともあります。

人は気持ちが高ぶっているときは、冷静な判断を行うのが難しくなります。ゆっくり行動し、気持ちを落ち着けることで性格の改善だけではなく、仕事や家事の効率性アップの方法も見つかる可能性は高くなります。

他人や平均値との比較をやめる

人は劣等感やコンプレックスを抱えすぎてしまうと「怒り」というバリアを張りがちです。劣等感などを持ってしまう原因はさまざまですが、そのひとつに「他人や平均値と比較する」ことが挙げられます。

「僕のテスト成績はいつも平均値以下」ということがわかると、精神的余裕がなくなり、常にイライラした感情を抱く方もいます。このように周囲との比較をすることによって、怒りやすい性格に変化することもあります。

これを改善するには、やはり他人や平均値との比較をやめることが大事になってきます。さらに上を目指すという目的で行う比較はまったく問題ありません。

しかし、比較をすることで「自分はダメな人間」という感情を抱く人は、比較という行為はしないほうがよいでしょう。それよりも「自分は自分なりに努力する」という意識を持って、毎日コツコツと頑張る方法が向いています。

現代社会は仕事、育児、遊びなどさまざまな分野で固定観念に捉われない生き方が注目を集めています。そのため、ひと昔前と比較すると「自分らしい生き方」を実現できる可能性は限りなく広がっています。

周囲と比べることなく、自分の色を出しながらのびのびと生活できる環境を整えることで、精神的にも余裕が生まれ、性格も穏やかになる可能性が高くなります。

怒りやすい性格を変えるのは1日、2日の努力では難しい!毎日コツコツを意識しよう

今回は怒りやすい人の特徴、性格、心理状態、原因、改善方法などを解説しました。怒りやすい人には穏やかな性格の人にはない特徴がいくつか見受けられます。

人の根本的な性格は幼少期のころに形成されるため、改善には大きな努力を必要とします。そのため、今から自分の怒りっぽい性格を直したいという方は「毎日コツコツ」を意識して取り組むようにしましょう。

改善までには多くの時間を要しますが「考え方」「周囲の環境」などを工夫することで、何かしらの変化が生まれる可能性は高いです。ゆっくりと少しずつ時間をかけながら、性格を改善できるように頑張ってみましょう。

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