お弁当の梅干しには本当に効果がある?お弁当を傷みにくくする方法と合わせて解説

お弁当の梅干しには本当に効果がある?お弁当を傷みにくくする方法と合わせて解説

気温の高くなる夏場、「お弁当を傷みにくくするために」と、よく用いられるのが梅干しです。しかし、本当に殺菌効果があるのでしょうか。

今回は、お弁当の梅干しには殺菌・防腐効果があるのかについて解説いたします。合わせてお弁当を傷みにくくするおすすめ食材や便利なアイテムについてもご紹介いたします。

お弁当に梅干しを入れる理由

お弁当に梅干しを入れる理由

お弁当を傷みにくくするために梅干しを入れるという方も多いと思います。しかし、それだけでは、お弁当全体の傷みを防ぐことはできないともいわれます。ではなぜ昔から、「お弁当には梅干しを入れるとよい」といわれるのでしょう。

梅干しの殺菌効果と防腐効果

梅干しは梅の身を塩漬けにし、よく乾燥させて作られる保存食です。塩分濃度が高く、余分な水分を含まないため細菌などの繁殖が抑えられ、腐りにくく長期保存ができます。これが梅干しのもつ「防腐効果」です。それに加えて、最大の特徴である酸っぱさ”のもととなるクエン酸には、「殺菌効果」があります。梅干しにはこの2つの効果があることから、お弁当に入れると傷みにくくなるといわれ、よく使われるようになったのです。

梅干しを入れてもお弁当は傷んでしまう

しかし、防腐・殺菌の両効果をもつ梅干しを入れても、お弁当全体が傷みにくくなるわけではありません。あくまでも梅干しが傷みにくい食材というだけのことであり、お弁当全体の傷みを防いでくれる効果はありません

「梅干しを入れたからお弁当は傷まない」と考えるのは間違いであることを確認しておきましょう。そして、傷みの原因となる行為や使う食材などに、十分注意するようにしてください。

減塩志向のいま、防腐・殺菌効果が期待できる梅は少ない

梅干しの防腐効果や殺菌効果が期待できるのは、塩分濃度が高いものです。減塩傾向にある昨今、スーパーなどで売られている梅干しは塩分控え目のものがほとんどといえます。

梅干しが食べられるようになったといわれる江戸時代、塩分濃度は約30%もあり、そのころからお弁当にも入れるようになりました。塩分の濃い梅干しはとても保存性に優れており、実際この時代の梅干しも現存しています。

塩分控え目な梅干しが多い現代においては、防腐効果や殺菌効果が期待できる梅干しを探すのは少し難しいかもしれない、ということも覚えておきましょう。

お弁当の傷みを防ぐ【3つのポイント】

お弁当の傷みを防ぐ【3つのポイント】

お弁当の傷みを防ぐには、3つのポイントがあります。それは、菌を「付けない・増やさない・やっつける」です。ここで一度、お弁当の傷みを防ぐ基本的なポイントを確認しましょう。

【参考】政府広報オンライン「食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント」

菌を「付けない」

お弁当を傷める原因となる雑菌やウイルスなどは、さまざまなものに付着しています。手はもちろん、包丁やまな板、菜箸にも付着しているおそれがあるでしょう。そのため、使うごとに洗剤できれいに洗い流して殺菌し、食材に菌を付けないことが大切です。

  • 調理前には必ず手を洗う

調理前に手を洗うだけでは心配という方は、おにぎりを素手で握らずラップに包むか、もしくは手袋を着用して形を整えるのがおすすめです。直接手に触れることはないので、おにぎりに菌が付く心配もありません。

  • 調理器具、キッチン台は清潔にする

使用前・使用後のお手入れを欠かさず、日々清潔を心がけましょう。

  • 生ものを切ったまな板と包丁は、その都度洗う

生ものを切ったまな板と包丁は、その都度洗剤を付けて殺菌しましょう。生の肉や魚に付いていた菌が、まな板や包丁を介しておかずに付着するおそれもあるので、注意が必要です。

菌を「増やさない」

菌をお弁当内に入れないというのが、お弁当を傷めない一番の方法でしょう。しかし、目には見えない菌に対して、油断は禁物です。付着防止の努力とともに、増やさないような環境づくりや工夫も大切です。

  • 汁気の多い具材は水分をよく切る

おひたしやきんぴらなど、汁気の多い具材をお弁当に入れることもありますが、その場合は水分をよく切るようにしましょう。

  • 冷ましてから蓋をする

高温多湿な場所は、雑菌の温床となります。ご飯やおかずが温かい状態で蓋を閉めてしまうと、蒸気が閉じ込められて水滴となり、傷みの原因になってしまいます。

  • お弁当を低温で保存する

お弁当の水分をできるかぎり減らしたら、低温で保存しましょう。雑菌は35~40℃まで上昇すると活発に増殖しますが、10℃以下では活動が緩慢になります。

特に梅雨から夏場にかけて、湿度や気温の高くなる日が多く、雑菌の繁殖しやすい環境になってしまうため、注意しなければなりません。

【参考】厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」

菌を「やっつける」

お弁当を傷める原因となる雑菌は、やっつけることが可能です。多くの細菌やウイルスは、加熱することで死滅します。目安は75℃以上、1分間の加熱です。これはあくまでも中心部分の温度ですから、卵焼きやハンバーグなどは中まで十分に加熱しましょう。ハムなど火を通さずに食べられるおかずもありますが、できるかぎり加熱することをおすすめします。

また、冷凍食品のおかずには再加熱が必要なものもあります。注意書きをよく確認のうえ調理しましょう。電子レンジ加熱の場合は、中まで火が通っているかどうか分からないこともあります。箸や爪楊枝などで、中まで火が通っているか確認してからお弁当に詰めると安心です。

お弁当におすすめ!傷みにくいおかず・食材

お弁当におすすめ!傷みにくいおかず・食材

お弁当が傷まないようにレシピを考えると、毎日同じようなものになりがちです。傷みにくいおかずや食材を使って、飽きのこないお弁当を作る参考にしてください。

揚げ物

唐揚げやエビフライ、天ぷらなどの揚げ物は調理のときに中までしっかりと火を通すため、傷みにくいおかずの代表です。煮物や野菜料理とは異なり、水分が出にくいのも理由のひとつです。「茶色いお弁当」になってしまわないよう、日替わりで一品ずつ入れるとバランスの取れたお弁当になります。揚げ物はバリエーションも豊富で、揚げるだけの状態で冷凍販売されているものもあり、とても便利なおかずです。

少量を朝に揚げる場合、フライパンに少しの油を敷いて揚げ焼き状態で中まで火を通すことも可能です。

きんぴら料理

汁気をしっかりと切れば、傷みにくいおかずとしておすすめです。お弁当のおかずとして入れるときは、濃い目の味付けをすると塩分濃度が高くなり、殺菌効果が期待できます。

夏場は特に汗をかき、体内の塩分も失われがちなので、一石二鳥です。ただし、殺菌効果が期待できるからといって、過度な味付けをするのは禁物です。健康を害さない程度に適度な味付けを意識しましょう。

自然解凍可能な冷凍食品

最近の冷凍食品には、自然解凍してそのまま食べられるものも多くあります。お弁当にそのまま入れるだけで、お昼の時間には食べごろの状態に解凍されています。お手軽さはもちろんのこと、お弁当を保冷してくれる効果も期待できる優れたおかずといえます。ただし、加熱処理をしないため、お弁当に詰めるときは箸や手袋を着用するなど菌を付けないように注意しましょう。

傷みにくい食材を混ぜた料理

ご飯やおかずに傷みにくい食材を混ぜるのもおすすめです。たとえば冒頭で、梅そのものは傷みにくい食材であることをご紹介いたしました。梅が接している部分には、殺菌効果が期待できるといえます。そのため梅を粒ごとお弁当にのせるよりも、細かく刻んで「混ぜ込み梅ご飯」にすると、より傷みにくくなるでしょう。

また、大葉も殺菌効果をもつ食材のひとつです。大葉特有の香り成分「ペリルアルデヒド」には、殺菌・防腐効果が期待できるといわれます。お肉をしそで巻いたり、細切りにしてご飯と混ぜ込んだりするのもおすすめです。

【参考】夏のお弁当対策|福岡市立こども病院・感染症センター

お弁当を傷みにくくするおすすめアイテム

お弁当を傷みにくくするおすすめアイテム

次に、お弁当を傷みにくくするおすすめアイテムをご紹介いたします。ご飯やおかずそのものだけでなく、便利なアイテムも上手に利用して、家族の健康を守りましょう。

保冷剤や保冷バッグ

菌の増殖が活発になる高温多湿な環境にしないためには、低温での保管が必要です。直射日光を避け、気温の高くなる場所に置いておかないことはもちろんですが、保冷剤や保冷バックを使って低温を維持しましょう。

蓋に保冷剤を入れるスペースが付いているお弁当や、かわいいデザインの保冷剤を見かけるようになりました。もちろん、ケーキを買ったときに入ってくる簡易的な保冷剤でも効果は十分にあるので、再利用してもよいでしょう。

おかずカップ

おかずカップを使っておかずとおかずの接触を防ぐと、傷みの原因を抑えられます。たとえば、きんぴら料理から水分が出てしまった場合でも、カップに入れておけば広がりを防ぐことができます。しかし入れなかった場合は、お弁当全体に水分がいきわたってしまいます。

野菜や食材を仕切りとして利用しているお弁当をよく見かけます。見た目はとてもきれいですが、衛生上おすすめはできません。おかずが接触している部分は傷みやすいため、レタスなどで仕切った場合、野菜の水分が原因で菌が繁殖するリスクも考えられます。

最近ではさまざまな色のカップがあり、100円ショップでも入手可能です。緑や黄色、赤のカップを使って、華やかなお弁当を作ってみてはいかがでしょうか。

食品用アルコールスプレー

食品用アルコールスプレーには、お口に入れても安全なアルコールが使われているので安心です。ご飯やおかずを詰め込む前のお弁当箱にスプレーすれば、傷みの原因菌を除去します。もちろん、食材に直接スプレーすることも可能です。「お弁当箱をしっかり洗えているか不安」「トマトやレタスなど生の野菜を入れたい」というときは、食品用アルコールスプレーで消毒するのがおすすめです。

フマキラーの「食品用」アルコールスプレーでお弁当の傷みを抑える

作るだけでも大変なのに、傷みにくい食材を使ったりさまざまな工夫をしたり、お弁当には考えることが多くて大変です。フマキラーの「食品用アルコール除菌フードキーパー」は、スプレーするだけでお弁当の傷みを抑えます。また、生鮮食品の鮮度長持ち効果も発揮。

「食べ物にアルコールをかけるなんて」と思う方もいるかもしれませんが、100%食品成分なのでお口に入っても安心です。持参後の管理がいまひとつ不安な子どもたちのお弁当も、スプレーするだけで安心して持たせることができます。

お弁当作りでひと工夫!傷み予防で家族の健康を守ろう

6月~9月は、食中毒が発生しやすい季節です。この時期は特に、お弁当作りへの注意が必要です。毎日何気なく作っているお弁当に、傷みの原因となる細菌やウイルスが潜むリスクもあるからです。

傷みにくい食材を選んだり便利なアイテムを使ったりして、安心してお弁当を食べられる対策をしましょう。家族全員が笑顔でいられるお弁当づくりの参考にしてください。

「For your LIFE」で紹介する記事は、フマキラー株式会社または執筆業務委託先が信頼に足ると判断した情報源に基づき作成しておりますが、完全性、正確性、または適時性等を保証するものではありません。

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