世界の感染症とその歴史。日本の感染症の歴史とあわせて紹介

世界の感染症とその歴史。日本の感染症の歴史とあわせて紹介

感染者の咳やくしゃみによって唾などの飛沫(ひまつ)を吸い込んでしまう「飛沫感染」や、ドアノブなど感染者が触れたモノに触れることでウイルスが付着してしまう「接触感染」など、感染症の感染経路はさまざまです。ほかにも、動物や虫、食べ物などを媒介して、瞬く間に被害を拡大する恐ろしい感染症。過去には、結核やマラリア、エボラ出血熱などが流行し、多くの人々が被害にあってきました。

そこで今回は、「感染症」について、種類や症状などを解説していきます。

人類を脅かす「感染症」とは

人類を脅かす「感染症」とは

細菌やウイルスなどが体に入り、増殖することによって起きる感染症。その症状には風邪やインフルエンザのように比較的軽症なものから、結核、敗血症など症状の重いものまでさまざまな種類があります。

感染症を引き起こす病原体として、細菌やウイルスを同じように捉えている人は意外と多いのではないでしょうか。細菌とウイルスは、どちらも非常に小さな病原体ですが、実はまったく異なる構造を持っています。まずはその違いについておさえておきましょう。

細菌とウイルスの違い

細菌とウイルスはどちらも人間に感染症を引き起こす非常に小さな病原体ですが、大きさや増殖能力の有無など、それぞれに違いが見られます。

細菌とは

細菌とウイルスの決定的な違いは、細菌は生物であるのに対し、ウイルスは生物とは完全に言い切れないところにあります。細菌は「細胞を持っている」「栄養を摂取し、そこからエネルギーを生産している」「細胞分裂を繰り返し、生存・増殖する」などの理由から生物であると言うことができ、ウイルスより大きく、光学顕微鏡によって観察することができます。

<細菌が原因となる代表的な感染症>

  • 百日咳
  • 結核
  • 梅毒
  • コレラ
  • ジフテリア
  • マイコプラズマ肺炎
  • 赤痢
  • 溶連菌感染症
  • O157などの腸管出血性大腸菌感染症

など

ウイルスとは

ウイルスは、生物と似たような構造を持っているものの、「細胞がない」「栄養を摂取したり、エネルギーを生産しない」「自力で動くことができない」「単体では自力で増殖できない」などの理由から完全に生物であるとは言い切れないという見方をされています。ウイルスは細胞がなく、細菌よりさらに単純な構造をしています。

<ウイルスが原因となる代表的な感染症>

  • 風邪
  • インフルエンザ
  • 水疱瘡
  • おたふくかぜ
  • 麻疹
  • 風疹
  • ウイルス性肝炎(A型・B型・C型)
  • デング熱
  • エボラ出血熱

世界の感染症

正しい情報に基づいて、万全の感染予防対策を

感染症の歴史は古く、紀元前のエジプトのミイラから天然痘の痕跡が見つかっています。

その後も、中世ヨーロッパで人口の3分の1が死亡したといわれるペストや、1918年から世界中で4,000万人が死亡したといわれるスペイン風邪が流行しました。ほかにも、ハンセン病、梅毒、麻疹(はしか)、コレラ、チフス、ポリオ、ウエストナイル熱など、さまざまな感染症のパンデミック(世界的大流行)は、多くの人命を奪うとともに、社会経済にも大きな影響を及ぼしてきました。

【参考】平成16年版 厚生労働白書 現代生活を取り巻く健康リスク 第2章

新興感染症・再興感染症

感染症に関する研究が進んだ19世紀後半、ワクチンの開発や衛生面の向上などにより、おもに先進国における感染症の死亡率が激減しました。しかし、1970年頃になると、まったく新しい感染症である「新興感染症」や、結核やマラリアのように、一度は発生数がおさまったものが「再興感染症」として、世界でさまざまな被害をもたらしています。

1970年代以降の感染症

  • エボラ出血熱
  • 後天性免疫不全症候群(エイズ)
  • 腸管出血性大腸菌感染症(O157)
  • C型肝炎
  • 変形型クロイツフェルト・ヤコブ病
  • 鳥インフルエンザ
  • SARS(重症急性呼吸器症候群)
  • MARS(中東呼吸器症候群)
  • 新型コロナウイル

など

数ある感染症のなかでも世界規模で長年にわたり流行している、結核・エイズ・マラリアは「三大感染症」と呼ばれ、地球規模の問題として世界的な支援が呼びかけられています。続いては、世界の感染症のなかでも代表的な疾病について紹介します。

結核

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結核はマイコバクテリウム属の細菌で、おもに結核菌によって引き起こされる感染症です。結核菌は1882年、ドイツの医師・細菌学者であるロベルト・コッホによって発見されました。

症状

肺結核の場合、はじめは咳・痰(たん)・発熱など風邪と同じような症状が出ます。咳が長引き(2週間以上)、次第に倦怠感が現われます。

時代・感染者数

紀元前のエジプトのミイラから結核の痕跡が見つかっているほど、結核は遥か昔から存在していた病気です。日本では、明治初期まで肺結核を指す病名として「労咳(ろうがい)」と呼ばれていたことからも、結核は肺を患うことが多い病気として捉えられていました。

2003年度のWHO(世界保健機構)の推計によると、世界人口の約1/3にあたる20億人が結核に感染し、そのうち毎年800万人の新たな結核患者が発生し、300万人(そのうち30万人は15歳未満の子供たち)が結核で死亡しており、その99%が発展途上国に集中していると報告されています。

現在の感染リスク

現代では感染者数も減ってきましたが、エイズが世界的に広がりHIV感染者が増え、結核感染者との重症化が心配されることから、結核は再興感染症として再び注視されています。

エイズ

エイズ(後天性免疫不全症候群)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞に感染し、免疫細胞を破壊して後天的に免疫不全を起こす疾患です。HIVに感染しただけでエイズを発症するのではなく、HIVに感染した人が免疫能の低下により、数ある合併症のいずれかを発症することでエイズにかかります。

症状

治療を受けずにいると、免疫力の低下により健康な人なら感染しないような病原体による日和見感染症や悪性腫瘍、神経障害などさまざまな病気にかかるようになります。

時代・感染者数

1981年にアメリカ・ロサンゼルスに住む同性愛男性に初めて発見され、症例報告されてから、わずか10年程度で感染者は世界中に100万人まで広がりました。

国連合同エイズ計画(UNAIDS)によると、2016年の時点で世界の感染者数はおよそ3,670万人と推定されます。新たな感染者および死亡者は減少傾向にあるものの、2016年の1年間で約180万人がHIVに感染し、約100万人がエイズ関連疾患で死亡。エイズの流行が始まって以来、約7,610万人がHIVに感染し、約3,500万人がエイズ関連の疾病で死亡したと考えられています。

現在の感染リスク

「死の病」と恐れられたエイズですが、近年、治療薬の開発が飛躍的に進み、早期に服薬治療を受ければ免疫力を落とすことなく、通常の生活をおくることが可能になっています。エイズ発症前にHIV感染を発見できれば、ほぼ確実に予防できるようになってきていることからHIVの早期発見がますます重要になってきています。

マラリア

マラリアは、マラリア原虫(単細胞生物)の寄生によって起こる病気で、おもにハマダラカという種類の蚊によって媒介されます。亜熱帯・熱帯地域を中心に感染者数が多く、世界的に重篤な感染症です。

マラリアとは、古代イタリアの言葉で「悪い空気(malaria)」の意味。その昔、人々は沼地に漂う淀んだ空気を吸い込むことで病気を発症すると考えてきましたが、実際はそこに生息する蚊に刺されることがきっかけで感染することがわかりました。

症状

マラリアにかかると高熱や頭痛、吐き気などの症状が現れます。マラリアには5つの種類(熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、四日熱マラリア、サルマラリア)があり、なかでも熱帯熱マラリアは発症から24時間以内に治療しないと重症化し、しばしば死に至ります。脳症、腎症、肺水腫、出血傾向、重傷貧血など、さまざまな合併症を引き起こすケースもあります。

時代・感染者数

マラリアの歴史をひもとくと、アフリカにおける霊長類の人獣共通感染症としての起源を持ち、時代的には先史時代から21世紀にまで及んでいます。

亜熱帯・熱帯地域を中心とした世界各国で流行していて、2013年度のWHO(世界保健機構)の推計によると、年間で罹患者は2億人以上、死亡者はおよそ200万人にも上ります。

現在の感染リスク

現在も、アジア、オセアニア、アフリカ、中南米地域などのおよそ100ヵ国でマラリアの流行が起こっています。マラリアにかからないためには、ハマダラカに刺されないようにすることが重要です。

【参考】感染症の話|NID国立感染症研究所

日本の感染症の歴史

世界の三大感染症のうち「結核」や「マラリア」は、日本にも昔から存在していた病気です。前述の通り、結核は明治初期まで肺結核を指す病名として「労咳(ろうがい)」と呼ばれていたほか、日本の古典などで出てくる瘧(おこり)とは、大抵がマラリアを指していたと言われています。また、江戸時代には「天然痘」や「コレラ」「梅毒」などが流行し、たくさんの命が奪われました。

現代の感染症

風邪やインフルエンザ、麻疹や水疱瘡など、今でもさまざまな感染症があります。ここでは近年流行した感染症について見ていきます。

O157などの腸管出血性大腸菌感染症など

1996年に大阪の堺市を中心として患者9,000人、死者12人を超える大規模食中毒事件が発生し、大きな社会問題となりました。堺市は小学生の集団食中毒を疑って調査を開始。患者の検便から腸管出血大腸菌O157を検出し、食中毒の原因菌と断定しました。

【参考】感染症の世界的傾向と対応

デング熱

2014年、デング熱の国内での感染例が69年ぶりに確認され、首都圏を中心に162名が感染の被害にあいました。デング熱は、蚊が媒介する感染症で、熱帯・亜熱帯を中心に世界100ヵ国以上で発生。日本では、国内に生息するヒトスジシマカがウイルスを媒介したと考えられています。

【参考】「デング熱」にご注意を! 予防策は「蚊に刺されない」「蚊を発生させない」 | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン

蚊を媒介とする感染症から身を守るために

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正しい情報に基づいて、万全の感染予防対策を

正しい情報に基づいて、万全の感染予防対策を

紀元前から21世紀の今日まで、まさに人類の歴史は感染症との戦いの歴史であると言えます。今回ご紹介した以外にも、数多くの感染症が存在しています。

原因となる病原体や感染経路が異なるため、予防方法はそれぞれ異なりますが、感染症のもっとも基本的な予防対策は、手洗い・うがい・マスクです。そして、情報が氾濫する現代においては、正しい情報に基づき落ち着いて行動することが大切です。

「For your LIFE」で紹介する記事は、フマキラー株式会社または執筆業務委託先が信頼に足ると判断した情報源に基づき作成しておりますが、完全性、正確性、または適時性等を保証するものではありません。