2019年3月20日 | お役立ち情報
職場の人間関係を改善する方法。最悪な状態を脱して気持ちよく働こう!
職場の人間関係がうまくいかず、ストレスを感じているという人は多いのではないでしょうか。
職場での人間関係のこじれは、肝心の仕事に集中できなくなる可能性もあり、ときに思わぬミスやトラブルを引き起こすかもしれません。ストレスだけでなく仕事のトラブルを防ぐという意味でも、職場の人間関係は良好な状態に保たれている方がよいでしょう。
そこで今回は職場の人間関係が悪化する原因や改善方法をご紹介いたします。
職場の人間関係の悪化は離職の原因にもなる
職場の人間関係は大きくこじれると、最悪の場合離職の原因にもなります。それを示すデータが厚生労働省の公表する資料にあります。まずは、以下の表をご覧ください。
離職理由 | 割合 |
賃金が不満 | 44.3% |
仕事上のストレスが大きい | 37.4% |
会社の経営理念・社風が合わない | 25.3% |
職場の人間関係がつらい(職場でのいじめ、セクハラ・パワハラを含む) | 24.4% |
自身のキャリアップのため | 22.2% |
仕事がおもしろくない | 21.6% |
会社や自分のキャリアに将来性がない | 21.0% |
労働時間が長い | 18.9% |
肉体的・精神的に健康を損ねたため | 17.3% |
結婚・出産・育児・介護のため | 15.8% |
会社都合のため(事業所の閉鎖、人員整理・解雇など) | 12.9% |
配偶者の転勤など家族の事情 | 6.8% |
勤務地が遠い・通勤が不便 | 5.0% |
その他 | 2.6% |
【参考サイト】厚生労働省「働きやすい・働きがいのある 職場づくりに関する調査 報告書」
上記の調査は、中小企業で働く常用労働者に対して、同僚がどんな理由で離職する場合が多いかを聞いたものです。離職の原因は人それぞれですが、24.4%の人が職場の人間関係の悩みを抱えて離職している可能性があります。
また、職場の人間関係の悪化はときに、うつなどの精神疾患を引き起こすこともあります。近年は「職場うつ」という言葉も使われるなど、職場におけるストレスが悪影響を及ぼすケースも増加しています。
このような理由から現在、職場の人間関係で悩んでいる人は、早めに対策をしていった方がよいと言えるのではないでしょうか。
職場の人間関係が悪化する3つの原因
業務を遂行する上では、職場の人間関係は良好にしておいたほうが良い結果が生まれやすいと考えられますが、それにも関わらず良好な関係を保つのが難しいのはなぜでしょうか。
ここでは職場の人間関係が悪化する原因を解説します。
価値観や考え方が異なる
職場はいってみれば、赤の他人同士が集まった場所です。同じ会社に入る前は、それぞれが違う環境で育ってきているため、一人ひとりが持つ価値観や考え方も大きく異なります。
このような価値観や考え方が違う人同士が集まった場合は、ひとつ間違うと言い争いなどのトラブルに発展する可能性があることも理解しておかなければなりません。
たとえばですが、あるプロジェクトを複数の人間で遂行させる場合、業務の進め方や方針などを巡って「自分は○○の方向で進めたい」「いやいや自分は○○のほうがうまくいくと思う」といった方向性の違いが生まれることがあります。
このような状況になった場合、人間関係が良好な職場だと、どこかで折り合いをつけながらプロジェクトを遂行することができます。
しかし、自分の価値観や考え方を業務に色濃く反映させたいという希望を持つ人たち同士が集まると、最悪の場合言い争いになってしまうことも考えられます。
一度感情的になって言い争いをしてしまうと、その後の関係もギクシャクしがちになるため、職場に対して余計なストレスを抱くようになります。
また、職場によっては同じ価値観や考え方を持つ人間同士で派閥やグループを作り、異なる考え方を持つ人やグループとの関係が悪化するケースもあります。
相手に問題がある
職場の人間関係がうまくいかないときは、相手に原因があることも考えられます。具体的には、相手に以下のような特徴が見られるときなどです。
- あいさつをしない
- 人の話を聞かない
- 自分の価値観や考え方ばかりを押しつけてくる
- 他人の価値観や考え方は全否定
- 協調性がない
- 普段から人の悪口ばかりいっている
いわゆる自己中心的な言動や行動をとっている人は、周囲から嫌悪感を抱かれる可能性があります。
自分だけではなく、周囲の人も同じような悩みを抱えている場合は、相手に原因がある可能性が高いです。そのため、このようなケースでは自分自身が何かを変える努力をする必要はないといえるでしょう。
自分に問題がある
職場の人間関係悪化は、自分自身に原因がある可能性も否定できません。具体的には、職場の人間関係がギクシャクするような言動や発言を自分自身がとっているなどが挙げられます。
自分に原因があって人間関係がうまくいかない場合は、「どこかみんなが自分を避けている」といった雰囲気になりがちです。こうなると仕事の悩みなどを打ち明けられる人もいなくなるため、職場で孤立しがちになり、職場の人間関係がうまくいかないと感じることになります。
職場の人間関係を改善する7つの方法
職場の人間関係は、会社や事業所の閉鎖などと違って個人レベルで改善が見込める悩みでもあります。ここでは職場の人間関係を改善する方法をまとめましたのでご紹介いたします。
1.あいさつを徹底する
やはりコミュニケーションの基本は「あいさつ」です。「あいさつをしない人には、自分からあいさつするを必要はない」という考えを持っている人も多いようです。
しかし、このような考え方だと、人間関係がギクシャクしている原因がその人だった場合、いつまで経っても悩みが解消されることはありません。
そのため、あいさつに限っては職場で会った人全員にするぐらいの気持ちで取り組むようにしましょう。また笑顔であいさつができると、より効果的です。
2.小さなことでも感謝の気持ちを伝える
毎日仕事をしていると、自分ができなかった作業を他の人にやってもらったり、ミスの後処理をしてもらうことも出てきます。このようなときは、恥ずかしがらずに感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
小さなことでも「ありがとう」と一言伝えておけば、相手も嫌な気分を抱くことはありません。また、ささいなことでもしっかりとお礼を述べておけば、今後同じようなことがあったときも周囲が手を差し伸べてくれる可能性が高くなります。
反対にお礼の気持ちをまったく伝えないでいると、周りの人も「○○さんの仕事を手伝うのは嫌だ」という感情を抱いてしまうかもしれません。今後の仕事を円滑に進める上でも、感謝の気持ちはしっかりと伝えるようにしましょう。
3.ミスを起こしたときは素直に謝る
「感謝の気持ちを伝える」と似たような取り組みですが、人は誰でも仕事でミスを犯すことがあります。このようなミスをしたとき、人はついつい他人のせいにするなど言い訳の言葉を並べがちです。
しかし、言い訳をすることで責任逃れはできるかもしれませんが、ミスによって迷惑を被った人の信用は失われてしまう可能性があります。
そのため、たとえミスや失敗の原因が他人にある場合でも、まずはしっかりと謝罪の気持ちを述べるようにしましょう。大抵の人は素直に謝罪をすれば許してくれますし、その後にミスが起きた原因を話せば親身になって聞いてくれます。
4.相手の話はしっかりと聞く
職場の人間関係がうまくいっていない場合、相手の話を聞く態度や姿勢を見直してみましょう。特に職場で人の話を聞くときにやってしまいがちな態度、姿勢には以下のようなものがあります。
- パソコン、書類を見ながら返事や会話をする
- 「今、忙しいから!」と感情的になってしまう
- 適当に相づちを打つ
職場は仕事をする場所ですので、どうしても人の話を聞いてあげられないタイミングがあります。しかし、相手の顔を見ずに、素っ気ない返事をしたり、適当に相づちを打つといった姿勢は、相手が抱く印象も決してよいものではありません。
また仕事が忙しいと、感情的になってしまうケースも少なくありませんが、このような態度も相手によっては萎縮してしまうことが考えられます。相手の話を聞く態度、姿勢によっては、その後の人間関係がギクシャクしてしまう可能性が高くなります。
そのため、相手から話を振られたときは、しっかりと相手のほうを向いてコミュニケーションをとることを心がけましょう。
仮に仕事が忙しいときなどは、「ごめん、今少し手が離せないから、また後で聞くよ」といったように冷静に対処することが大切です。このような対応であれば、相手も嫌な気分になることなく納得してくれます。
5.ポジティブな発言をする
前述のように職場において、人の悪口を言ったり、仕事の愚痴が多いなどのネガティブな発言は周囲も嫌悪感を抱きやすいです。
そのため、職場で人とコミュニケーションをとるときはできるだけポジティブな発言を意識しておきましょう。具体的には以下のようなコミュニケーションの取り方が挙げられます。
- 休憩中は趣味や休日の話などをする
- 相手の良いところを素直にほめる
- お互いの業務の進行状況や気付いた点などを発信する
職場は仕事をする場所ですので、どうしても話の内容は自分が受け持っている業務のことになりがちです。しかし、ずっと仕事の話ばかりでは息が詰まってしまうという人も多いです。
そのため、ときには趣味や休日の話などを織り交ぜながらコミュニケーションをとるといった工夫をしてみましょう。
また先ほど仕事の愚痴をいうのは好ましいことではないとお伝えしましたが、仕事をしているとより効率が良くなる方法や改善点が見つかることがあります。このような場合は、遠慮することなく上司や責任者に相談しましょう。
周囲が不快になる仕事の愚痴と、仕事をより円滑に進めるための発言はまったく違うものですので、自分や他の人、会社のためになる内容であれば積極的に発信していきましょう。
6.報連相は確実に行う
仕事の基本は報連相(報告・連絡・相談)です。特に同じプロジェクトに取り組んでいる人との報連相は大切にしておかないと、会社にも顧客にも迷惑がかかる可能性があります(例:取引先との大事な商談の日程を聞いていなかったなど)。
このようなケースになるとチーム内の雰囲気も悪化してしまう恐れがあります。そのため、仕事の基本である報連相は確実に行っておき、不要なトラブルを避けるようにしておきましょう。
トラブルが起きる件数を少なくできれば作業の効率も良くなりますし、余計なストレスがかかることもありませんので、人間関係を良好に保つきっかけになるかもしれません。
7.必要最低限の仕事は必ず覚える
これは特に「職場での人間関係は良好に保つ」という気持ちが強すぎる人が意識しておきたいことです。同じ職場で長く働くには、人間関係を良好に保つことは非常に大切です。
しかし、人間関係を良くすることばかりに意識が向いてしまうと、肝心の仕事内容や基本的な作業の進め方、手順などをまったく覚えられないというケースに陥る可能性があります。
職場は基本的に会社から与えられた業務を遂行する場所ですので、必要最低限の仕事は覚えなければなりません。
仮に他の人が1日かけて終わる仕事を2日、3日かけてやっていたら、周囲の人に迷惑がかかることがあります。そうなるとどんなに人間関係を良好にしようと頑張っても、思うような結果が得られない可能性が高いです。
1.必要最低限の仕事をしっかりと覚える
2.その後にゆっくりと時間をかけて人間関係の構築に動く
上記のような順序を忘れずに行動してみましょう。
ムリをして職場の人間関係を友人レベルにまで上げる必要はない
職場で友人と呼べるような存在ができると心強さを感じたり、仕事を進めやすくなるといったメリットがあります。
しかし、もともとコミュニケーションをとるのが苦手という人に知っておいてほしいのは「ムリに職場の人と仲良くなる必要はない」ということです。
前述のように会社というのは仕事をする場所です。そのため、人間関係に多少の問題があったとしても、スムーズに業務が遂行すればまったく問題はありません。
もちろん時間の経過とともに良好な人間関係を構築できるのが理想的ですが、どうしてもコミュニケーションをとるのが苦手な人は、以下のポイントを押さえておくようにしましょう。
- あいさつを徹底する
- 報連相をしっかりと行なう
- 仕事をしっかりと覚える
以上の3点を意識しておけば、周囲もそう嫌悪感を抱くことはありません。また、人間関係が原因で仕事に支障をきたしている場合は、上司などに相談して、別の部署への異動やチームメンバーの再編成を検討してもらうのもよいでしょう。
職場の人間関係改善は時間をかけてゆっくりと進めていこう!
職場の人間関係の悩みは、多くの企業で発生しています。そして人間関係の悩みはときに離職というケースを招きます。このような状況になると離職した本人はもちろんのこと、企業側も大きな損失となります。
そのため、職場の人間関係はできるだけ良好な状態に保つのが理想的です。職場の人間関係を改善するには、まず原因を突き止め、そこからそれぞれに合った対策を施していくという順序が大切です。
社会人の基本的なマナーはもちろんのこと、人間関係を悪化させない態度や姿勢を身に付けて、職場の雰囲気を良好にしていきましょう。