フランス式の家庭菜園「ポタジェガーデン」で収穫も楽しめる庭作りを!

フランス式の家庭菜園「ポタジェガーデン」で収穫も楽しめる庭作りを!

近年、国内で人気が急上昇している「ポタジェガーデン」をご存じでしょうか。ポタジェガーデンはハーブや野菜などを同じ敷地内に植え、観賞と収穫の両方を楽しむヨーロッパ伝統の菜園スタイルです。

ここでは、ポタジェガーデンの基礎知識やコンパニオンプランツの活用、ポタジェガーデンを作る手順と手入れ、収穫までの流れをご紹介します。

人気急上昇!ポタジェガーデンとは

人気急上昇!ポタジェガーデンとは

「ポタジェ(potage)」はフランス語で「混ぜ合わせる」という意味があるので、ハーブや野菜、果物、草花を一緒に植えた菜園を「ポタジェガーデン」と呼びます。

ポタジェガーデンは、5~6世紀のローマの修道院で自給自足の生活をするために、農園で野菜や医療用のハーブを混植したことが始まりと言われています。

その後、海外からさまざまな植物の品種が流通すると、ヨーロッパの貴族は豪華な庭園にポタジェガーデンを導入しました。次第に、ポタジェガーデンはフランスを中心に形を変えて受け継がれ、実用的でありながら色彩や立体感などを大切にした菜園のスタイルとして定着しました。近年では、国内でも無農薬栽培や有機栽培を行なうガーデナーの間でポタジェガーデンに取り組む人が増えています。

コンパニオンプランツを活用しよう

コンパニオンプランツを活用しよう

複数の植物を植える方式のポタジェガーデンは、よい影響を互いに与え合う「コンパニオンプランツ」を取り入れることがポイントです。

 コンパニオンプランツの目的

「共栄作物」「共生作物」などと呼ばれるコンパニオンプランツは、下記のようなメリットがあります。

  • 病害虫の予防

根に微生物が共生するネギ科の植物は、抗生物質の働きによってウリ科などに発症する病気を防ぐ役割があります。また、強い香りを放つセリ科やキク科、シソ科の植物を近くに植えると、害虫が寄り付かなくなります。一般的に、異なる野菜や花を混植することは、害虫が好むにおいを見つけにくいという効果があります。

  • 生育の促進

組み合わせによっては、互いに必要とする栄養分を融通し合う、微生物が老廃物を分解し合うなど、お互いの求める環境が整って生育がよくなります。また、マメ科の根に共生する菌は、空気中の窒素を取り込み栄養が豊かな土壌を作る役割があります。

  • 空間の有効利用

狭い土地を有効に利用して作物を育てる考えは、アジアでも古くから取り入れられていました。生育の時期や高さの差を利用し、同じ敷地内に異なる作物を植える「間植」もその1つです。ポタジェガーデンでは、狭い場所でもおしゃれな棚や箱などで高低差をつけ、見た目も楽しみながらコンパニオンプランツを組み合わせられます。

野菜やハーブとの組み合わせ

それでは、初心者でも育てやすいコンパニオンプランツを一部ご紹介します。

トマト ニラ 病気を抑制
ニンニク
ネギ
マリーゴールド 虫除け
セージ 風味の増加
パセリ
バジル 虫除け、風味の増加
ナスタチウム
キュウリ ニラ 病気を抑制
ニンニク
ネギ
バジル 虫除け
シソ
オレガノ 風味の増加
ラディッシュ 虫除け、乾燥防止
パセリ
トウモロコシ 生育がよくなる
ナス ネギ 病気を抑制
バジル 虫除け
ナスタチウム
マリーゴールド
エダマメ 生育がよくなる
パセリ 虫除け、乾燥防止
ブロッコリー ナスタチウム 虫除け
マリーゴールド
シュンギク
レタス
カモミール 虫除け、風味の増加
ショウガ ショウガの収穫期間の延長
トウモロコシ エダマメ 虫除け、生育がよくなる
インゲン
キュウリ 生育がよくなる
カボチャ 雑草や乾燥防止
ダイコン シュンギク 虫除け
レタス
ニンジン
マリーゴールド
サトイモ 生育がよくなる
ニンジン エダマメ 虫除け
ダイコン
タマネギ
イタリアンパセリ 虫除け、風味の増加
セージ

そのほか、マメ科のクローバーは窒素分を取り込み、ミミズを呼び寄せて土壌を改良する効果があるため、ポタジェガーデンの各所で育ててみましょう。

また、蚊やハエの虫除け効果があるゼラニウムをポタジェガーデンに点在させると、作業が快適に進められます。

 相性の悪い組み合わせ

お互いの生育を助け合うコンパニオンプランツがある一方、相性が悪い組み合わせもあるので一部をご紹介します。

キュウリ ナス 害虫が増加し生育を妨害
トマト
ニンジン
ナス トウモロコシ 光を奪い生育を妨害
ニラ イチゴ 生育を妨害
レタス
ネギ ダイコン 形が悪くなる
インゲン 生育を妨害
エダマメ
ニンジン インゲン 害虫が増加し生育を妨害

ポタジェガーデンに向かない植物

そのほか、ポタジェガーデンにおすすめしない植物を下記にピックアップしました。

ラベンダー 野菜の生育を妨害することがある
ローズマリー
ミント 繁殖力が強く他の生育を妨害
レモンバーム
スズラン 毒があるので菜園には不向き
スイセン

ポタジェガーデンを作る手順とポイント

ポタジェガーデンを作る手順とポイント

ここまで、ポタジェガーデンの概要とコンパニオンプランツについてお伝えしました。それでは、いよいよお気に入りのポタジェガーデンを作ってみましょう。

ただし、いきなり広い土地を手掛けると管理が行き届かない心配があるため、初心者は小規模なポタジェガーデンを作ることをおすすめします。

植える苗を選ぶ

初めに、ポタジェガーデンでどの植物を育てるか考えます。ご紹介したコンパニオンプランツの項目も参考に、植える苗を決めましょう。

初めてポタジェガーデンを作るときには、タネから育てるよりも苗を購入する方が簡単です。

管理に慣れてきたら生育や収穫の時期を考慮し、タネから育てるとさらに愛着がわくポタジェガーデンになります。

レイアウトを考える

植える苗が決まったら、次は敷地内のレイアウトを考えましょう。実際に採寸しながら、規模と組み合わせ、色彩や高さの利用など、簡単にデッサンをしてみるとより具体的になります。庭の場合は、地植えだけでなく鉢植えを取り入れると変化を楽しめます。

アイデアに行き詰ったときには、書籍やインターネットでポタジェガーデンを楽しんでいる人の様子を参考にしてみてください。

基本の土作り

苗選びやレイアウト決めと同時に、土作りを行いましょう。庭にある土を使うときには、下からよく耕し、ふるいにかけてゴミや小石、根などを取り除きます。夏は直射日光、冬は寒気に当てて2週間ほど置くと害虫が死滅します。その後、腐葉土やたい肥を混ぜて石灰を加え、1週間ほど置いて中和させます。

水はけの悪い土にはパーライトや赤玉土、川砂など混ぜ、水はけがよすぎる土には粘土質の高い土やピートモスをプラスします。プランターの土を再利用するときには、同様にゴミなどを取り除いた後に腐葉土やたい肥、石灰を混ぜ、大きめのビニール袋に詰めて口を閉じて1週間ほど直射日光に当てます。その後、水はけの状態を見てから肥料を混ぜて使用します。

苗の植え付け

土の準備ができたらレイアウトを参考に苗を植えますが、植え付けは炎天下を避けて夕方や曇りの日に行いましょう。苗は密生させず、成長後のサイズも考慮しながら適当な間隔を保ってください。

土に苗が入るくらいの穴を開け、軽く湿らせてから苗を置き、すき間ができないようにしっかりと土を入れます。株元にも土をかけ、軽く手で押さえてなじませます。水をたっぷりと与え、根付くまでは乾燥に気をつけながら様子を見ます。野菜の苗は、毎年同じ場所に同じ植物を植える「連作」をすると生育が悪くなるため、翌年は違う場所に植え付けましょう。

レンガや木枠などでDIY

ポタジェガーデンは、いかにも実用的な畑ではなくおしゃれな雰囲気を作り出すのが特徴です。仕切りにレンガや石、木枠、枕木などを用いてセンスよく装飾しましょう。DIYが得意な人は、仕切りや柵、棚、プレートなども作って楽しめます。

使う木材や小物などは、色合いやテイストをそろえると統一感のあるポタジェガーデンになります。おしゃれなポタジェガーデンが完成したら、SNSなどに投稿してみてはいかがでしょうか。

プランターでポタジェガーデン

ベランダや玄関前、駐車スペースなどの限られた空間にもポタジェガーデンを作ることができます。鉢やプランター、木箱などを使い、ハンギングなどで高低差もうまく利用しましょう。一般的な横長のプランターには1種類の植物を植え、相性のよい植物と並べると管理がしやすくなります。

プランターの土は乾燥しやすいので、毎朝の水やりが必要です。葉に泥がはねて病気にならないよう、土の近くで静かに水を与えます。真夏の炎天下ではしおれることもありますが、ほとんどの場合夕方になれば回復します。回復しないときには、日が落ちてから水やりをしましょう。

ポタジェガーデンの手入れと害虫対策

ポタジェガーデンの手入れと害虫対策

苗を地植えにした場合、根付いてからの水やりはほとんど必要ありませんが、極端に雨が少なく土が乾いているときは散水します。雑草が生えてきたら、その都度抜いてきれいな景観を保ちましょう。

コンパニオンプランツを取り入れても病気や害虫の被害に遭うことがあるので、毎日の観察は欠かせません。病害虫が見つかった所はすぐに除去し、周りの植物もチェックしてください。

ポタジェガーデンの収穫で食卓を彩る

ポタジェガーデンの収穫で食卓を彩る

ポタジェガーデンで育てた野菜が実ったら、時期を見て収穫を行います。植物は、昼間に光合成によって栄養分を作り出し、夜間に栄養分を蓄えるという活動をしています。トマトやキュウリなどの実が成る種類は早朝、ネギやホウレンソウなどの葉物は夕方の収穫がおいしいタイミングと言えます。

丹精込めて育てた野菜を調理し、食卓に出すときがポタジェガーデンのフィナーレと言えるでしょう。おいしくいただいた後は、「今度は何を育ててみよう?」と次のポタジェガーデンの計画を立てる楽しみが増えます。

近年では、食べられる花「エディブルフラワー」も人気があるのでぜひ挑戦してみてください。

ポタジェガーデンで観賞と収穫を楽しもう!

ポタジェガーデンで観賞と収穫を楽しもう!

今回は、ポタジェガーデンとコンパニオンプランツの活用、実際に作るポタジェガーデンと手入れ、収穫の楽しみまでをご紹介しました。

じっくりと植物の苗を選び、おしゃれなデザインを考えながらコツコツと作り上げるポタジェガーデン。時には失敗もあるかもしれませんが、自分で野菜を育てて収穫する喜びは何ものにも代え難い経験になることでしょう。

季節の移ろいや自然の恵みを大切にする生活を送りたい人は、ぜひポタジェガーデンに挑戦してみてください。

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