桃太郎の家来をキジの代わりに召集するとしたら、何にする?

桃太郎の家来をキジの代わりに召集するとしたら、何にする?

鬼ヶ島に鬼を退治しに行く日が迫っているというのに、キジが急遽、「バイトで来れない」ということになってしまいました。

そこで桃太郎と猿と犬が審査員となり、鬼退治に参加するメンバーの緊急オーディションを開催することとなりました。
オーディションには100名以上参加しましたが、最終的にはキジと同様、飛ぶことができるワシ、ニワトリ、蚊の3名が残りました。

3名それぞれが、自身のセールスポイントをアピールしたところ、あの方が選ばれることに!!

それでは1人ずつ鬼退治メンバーのオーディションの様子を見ていきましょう。

1人目はワシ

1人目はワシ

圧倒的な強さと存在感

「はじめまして。この度、オーディションに参加させていただきましたワシです。

私は全長で90センチほどありますし、体格的にもオーディションに参加したメンバーの中で1番優れていると思います。

攻撃力もありますし、鬼退治の戦力になると自負しております。ぜひよろしくお願いします!」

このようにアピールして、自分が必要な戦力であると桃太郎らに訴えかけました。

しかし、桃太郎は浮かない顔をしています。
ワシは確かに攻撃力がありますし、体格的にも優れています。
しかし、それがかえって桃太郎自身の存在感を薄めてしまうのでは無いか、と危惧していました。

実は数年前にワシと桃太郎はタッグを組んで他の鬼ヶ島に一緒に行ったことがあります。
その時、ワシが相手をバンバンやっつけてしまい、桃太郎が活躍する場面がほとんどありませんでした。

その活躍からメディアもこぞってワシを取り上げてしまうので、桃太郎は嫉妬していました。
その時の印象がよみがえり、桃太郎はやや不機嫌な顔をしていました。

鋭く尖った爪

オーディションに参加したワシは、非常に馴れ馴れしい性格がネックとなっていました。
桃太郎や犬や猿に話しかける際、ポンポンと肩を叩くつもりが、鋭い爪で肩をひっかいてしまう癖がありました。

参加したワシは桃太郎や犬や猿より年下ですが、非常にスキンシップが好きな性格です。

「そんなことないっすよー」と言いつつ、相手の肩を爪でひっかく癖があるので、桃太郎らは「鬼ヶ島に着く前に肩が擦り切れてボロボロになってしまうのではないか?」、という危機感を持っていました。

また桃太郎はきび団子をあげる際、きび団子だけでなく、爪で桃太郎の手のひらもえぐって取るワシが非常に嫌でした。

桃太郎は「ちゃんとお皿にきび団子を置いてから取れよ、分かったな?」と毎回怒っていたのですが、ワシはついつい桃太郎が手に持った段階から食べたくなってしまい、爪でえぐりながら取る悪癖がありました。

そういったデリカシーのなさも桃太郎は気になっていました。

我が強い

そして不採用となってしまった最大の原因が「我の強さ」です。
参加したワシは、事あるごとに桃太郎より前に行こうとする行動が目立ちました。

以前鬼退治に行った時も、「ワシがまず先に行きますね。」と言ったり、鬼退治が終わった時も、「ワシがまず、じいさんとばあさんに報告してきますね。」などと常に桃太郎より先に行動したがりなところがありました。

また、桃太郎と話し合いをすると、

「ワシの家ではそういうのはありえないっす!」
「ワシの地区では、やらないっすね!」
「ワシらの世代だとそういうのは無いんっすよ。」

などと生意気な口を利くので、ワシはオーディションで不合格となりました。
桃太郎はチャライ部分が大嫌いなので、その部分も審査対象となっていました。

2人目はニワトリ

2人目はニワトリ

飛行能力

ニワトリはキジ科の鳥なので、キジの代役としてはうってつけです
しかもオーディションに参加したニワトリは、ワシと違って非常に謙虚な性格で桃太郎らの心を掴んでいました。

しかし、オーディションの時の運動能力チェックで飛行能力の低さが問題になりました。

桃太郎に、「では思いっきりジャンプしてください」と言われ、思いっきりジャンプしたのですが、最大5メートル程度しか飛べませんでした。

「これでは鬼ヶ島に着いても入り口の門を越えて、相手の様子を見に行くことができないのでは?」という意見が犬や猿から出ました。

しかもニワトリは、「普段はもうちょっと飛べるんですけどね・・・」などと言い訳している部分も桃太郎らの心象を悪くしました。

「どうしてもスピードが遅く、飛行能力が乏しいのでキジのような偵察がニワトリにはできないのでは?」という声が上がりました。

また羽の白さが非常に目立つので、キジに比べて相手に見つけられやすく、すぐに倒されてしまうのではないかという部分もネックとなりました。

卵問題

オーディションに参加していたニワトリは、白色レグホンでした。
いわゆる普通の家庭用の卵を産むニワトリです。

しかしここで人一倍、卵にこだわりを持つ桃太郎が苦言を呈しました。

「俺は普段、烏骨鶏の卵しか食わへん。
烏骨鶏の卵の親子丼食ったことあるか?全然味ちゃうで!
申し訳ないけど、もし君(白色レグホン)が卵を産んでも、全然魅力的ちゃうな。」

などと異様なまでに卵へのこだわりを持つ桃太郎は、ニワトリ相手に凄んでいました。

猿や犬は、「僕らは白色レグホンの卵でも十分ですけどね」とフォローしましたが、桃太郎は「お前ら烏骨鶏の卵を食ったことないからわからんだけやねん!」と更に機嫌が悪くなってしまいました。

「こんな言い方してあれやけど、君(白色レグホン)が卵を産んでも、たいして金にならへんしな」などと、さらに暴言を吐いていました。

関西出身ではない桃太郎が関西弁になった時は誰も止められないので、猿と犬もただただやり過ごすしかありませんでした。

焼き鳥問題

桃太郎は卵も好きですが、焼き鳥はもっと大好きです。
桃太郎はニワトリに対する質問がちょっと異様なものでした。

最初は「鬼ヶ島に行く覚悟はできていますか?」などの質問だったのですが、次第に視点のズレた質問が増えてきました。

「あなた(白色レグホン)は焼き鳥で言うと、何本ぐらいになりますか?」
「普段からネギを持ち歩くことってできますか?」
「塩とタレの入れ物を身に付けて行くことはできますか?」

完全にねぎまとして食べようとしている桃太郎の気配を、猿と犬は感じ取ってしまいました。

鬼ヶ島に到着する頃には3人で戦わなければいけないと感じ、ニワトリの参加は見送られてしまいました。

3人目は蚊

3人目は蚊

薄い存在感

薄い存在感が何より桃太郎の心を引きつけました。
かつてワシに主役を奪われたという苦い経験から、いるかいないかわからないような蚊の存在は桃太郎にとって理想的でした。

オーディションで、「ここまで頑張ってこれたのは両親のおかげです」と謙虚な回答をするところも桃太郎好みの性格でした。

そして蚊は攻撃面でも役立ちます。
鬼は蚊の存在を気づかないので、3人(桃太郎、猿、犬)しか相手がいないと思い、油断します。

相手が油断した時に攻撃すれば、勝機が一段と高まるのではないかと桃太郎らは考えました。

相手(鬼)を痒くさせる

蚊の武器は何と言っても、相手を刺して痒みを与えること!
桃太郎や猿、犬と戦っているときに背後から回り込んで鬼の首元や足首などを刺していきます。

鬼は次第に痒みが気になり、金棒から手を離して首元をかいたり、足首をかいたりしています。

その隙に致命的なダメージを与えられるのではないか、と桃太郎らは考えました。

また、うまくいけば金棒から手を離した隙に、それを奪い取ることもできます。
金棒がなくなれば鬼は、ただの赤いオジサンです。

何の武器も持たないおじさんを棒や刀でボコボコにするのは、もはやいじめ状態ですが、それでも村に平和を取り戻すには妥協はいらないと考えました。

きび団子をほとんど食べない

蚊は総重量が2mg程度といわれています。
当然食べる量も少ないです。きび団子なんてほんのひとかけらしか食べません。

しかしこのことは、桃太郎にとって好都合でした。
桃太郎は大食漢で、きび団子をとにかくたくさん食べたいと日頃から思っていました。

「(蚊の参加が決まった場合)これなら1人分減って、その分俺が2人前のきび団子食べられる」と桃太郎は考えました。

そして、ただでさえ食べる量が少ない蚊に対し、桃太郎はさらに食べる量を少なくするよう、促していました。

確かに蚊は食べ物や血を吸うことで、飛行速度が落ちます。
そのことを桃太郎は知っていたので、蚊に対し、「きび団子は必要最低限の量だけ取って、食べ過ぎないようにしてください!」などと忠告していました。

写真撮影

鬼退治に成功すればメディアもこぞって取り上げられますし、新聞や雑誌の取材も増えます。

もし蚊がメンバーに加われば非常に小さいので、桃太郎は自分が真ん中にドカッと写れるのではないかと考えました。

今まではキジのスペースを考慮して、4人が均等の大きさで映るように意識していました。

しかし、キジに代わって蚊になれば、もはや3人グループのようなものです。
いきものがかりで言えば、吉岡清恵です。

桃太郎が真ん中に立つことで、「自分が主役」というのが改めて伝わるので、これは理想的だなと思いました。

また囲み取材でも蚊は「プーン」という嫌な音が出てしまうので、取材陣から嫌われてしまうだろうと桃太郎は思いました。
逆に言うと、その分桃太郎への取材が増えるので、特集記事などでも桃太郎に割くページが増えるだろうと考えました。

こういったメリットを考え、桃太郎は蚊を採用することにしました。

いざ鬼ヶ島決戦当日

このようにして、キジの代行緊急オーディションは最終的に蚊が選ばれました。

そしていざ鬼ヶ島決戦当日を迎えると、なんとキジが急遽参戦できるようになりました。
バイトのシフトの調整がついて、他の人がバイトに入ってくれることになり、キジも鬼退治に参加することになりました。

蚊にはすでに参加要請していたので、合計5人で鬼ヶ島に行くことになりました。
いつもより多い参加メンバーだったので、今まで以上に力を発揮することができ、無事、鬼を退治することに成功しました!

いざ鬼ヶ島決戦当日

皆さんがよく知っているおとぎ話の「桃太郎」も、実は見えてないだけでひっそりと蚊が参加していたかもしれませんね!

めでたし、めでたし!

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