2018年11月20日 | お役立ち情報
質問力を高める方法!質問力を鍛えてコミュニケーションスキルをアップさせる
質問力とは不明点や疑問点、興味に思うことなどを周囲に聞く力を指します。質問するだけなら簡単と感じるかもしれませんが、中には上手な質問の仕方ができないと悩む方もいます。
質問力は長い目で見たときに、物事を順調に進行させるだけではなく、人生の質も高めてくれる可能性があります。今回は質問力向上で得られるメリットや高める方法をご紹介します。
質問力を高めることで得られるメリットとは?
質問力はどのようなシーンにおいても重要性が高いとされていますが、質問力向上によってもたらされる具体的なメリットを把握している人は決して多くはありません。まずは質問力を高めることで得られるメリットを把握しておきましょう。
物事に対する問題や疑問を解決できる
質問力アップによってもたらされる代表的なメリットは、抱えた問題や疑問をあっという間に解決できる可能性が高いことです。どんなに勉強ができたり、仕事ができる人でも世の中すべてのことを知っている人はいません。
特に初めて経験することや任される仕事などはわからないことだらけです。中には他人に頼ることなく、1人で問題や疑問を解消しようとする人もいます。
このような1人で頑張って問題を解消しようとする姿勢も素晴らしいですが、効率性の面から見ると決して推奨できるものではありません。
質問力が高い人はわからないことがあると積極的に質問をします。この質問によって問題点や疑問点が解消できるため、物事が効率よく進むようになります。
目標を達成しやすくなる
目標には大小さまざまなものがありますが、大抵の場合は目標を達成するまでに何かの壁に当たります。具体的には「売上が目標額に達成しない」「勉強で良い成績が残せない」などがあります。
このような状況に陥ったときに質問力が弱い人は「やっぱり自分はダメだ」「自分にできるわけない」といった負の感情を強く抱くことになります。しかし、質問力が高い人は自分や周囲に目標を達成できない理由を問います。
「売上が目標額に達成しない原因や理由は何なのか?」「テストで良い成績が残せない原因は何なのか?」。このような疑問を自分や周囲に投げかけ、問題を把握し、適切な対処を施していく。
この流れを繰り返すことで、目標を達成する上で立ちはだかるさまざまな壁をひとつずつ壊す(解消する)ことができます。その結果、当初設定していた目標にたどり着く確率も上昇します。
質問は相手にするものだけと思われがちですが、自分自身に問いかけることもあります。失敗したからといって落胆するのではなく「失敗の原因は?」「失敗しない方法は?」といったさまざまな「?」を投げかけることが、目標を達成する上では大切です。
プライベート・仕事においてのミスが減る
「わからないことを解消しておく」というのはプライベート、仕事どちらのシーンにおいても大切なことです。
夫婦共働きの旦那さんの場合は「掃除用具はどこに保管してあるのか?」「普段使う食器はどこにしまってあるのか?」といったことを、事前に奥さんに確認しておけば、仮に奥さんが残業などで遅くなっても自分で対処することができます。
また仕事でわからないことを放置して、そのまま進めると会社全体に大きな迷惑をかけるミスを起こすこともあります。これによって会社の経営状況も悪化する可能性があります。
普段から疑問点や不明点がある方は周囲に積極的に質問をする癖が身についているため、ミスなく作業を進めることができます。
また都度、疑問点を解消することで「これでよいのかな?」「大丈夫かな?」といった不安感も消されるため、良好な精神状態で作業に取り組むことができます。
コミュニケーションスキルがアップする
意外に思うかもしれませんが、質問力の高さはコミュニケーションスキルのアップにも繋がります。質問は上手く利用すると、相手のことを深く知ることができたり、お互いの仲を深めることができます。
「話すことがないな」「この人とどうやって打ち解けよう」という問題にぶつかったときに、質問力が高い人は得意の質問を武器にコミュニケーションをとることが多いです。その結果、誰とでも会話ができるコミュニケーションスキルも身につくことになります。
質問の種類を知る
質問は大きく分類すると「クローズドクエスチョン」「オープンクエスチョン」の2種類があります。質問力を高め、コミュニケーションスキルを伸ばす上では大切なことですので、2つの特徴や違いを見てみましょう。
クローズドクエスチョン
クローズドクエスチョンとは簡単に説明すると「YES」「NO」で答えられるような質問や、回答範囲が限られている質問のことを指します。具体的には以下のようなものです。
- あなたは未成年ですか?成人ですか?
- 日本の首都は東京ですか?
- 書類の提出期限日は明日ですよね?
クローズドクエスチョンは回答の選択肢が非常に少ないため、質問をするほうもされるほうも「簡単」というイメージを持ちやすいです。
クローズドクエスチョンが使用される主なシーンは、初対面の人とコミュニケーションをとるときや仕事などで確認をするときです。具体的には「○○さんは東京出身の方ですか?」「○○さんは明日休みですか?」といったものです。
おそらくこのような会話をしたことがある人は多いでしょう。初めに簡単な質問をし、そこから深い話題に突っ込んでいくこともできるため、まだ性格や人柄などを把握していない相手とコミュニケーションをとるときは有効な質問方法です。
またクローズドクエスチョンは「会議を進めますが準備はよろしいですか?」「次のテーマへ進みますがここまでで質問などある方はいますか?」といったように、その場をコントロールしたいシーンでも使うことができます。
オープンクエスチョン
「会話を広げる質問」「拡大質問」とも呼ばれるのが「オープンクエスチョン」です。オープンクエスチョンとは相手に対して、回答範囲を設けずに自由に返答できる質問のことを指します。具体的には以下のようなものです。
- ○○さんがこの会社に入ったきっかけは何ですか?
- なぜ今の会社で10年間も働いているのですか?
- 独立したきっかけは何ですか?
これらの質問はクローズドクエスチョンのように、明確な答えというのがありません。10人に同じ質問をしても10通りの答えが返ってくることも予想されます。このように明確な答えがない質問のことをオープンクエスチョンといいます。
正しい答えというのが皆無のため、質問をする人も「このような考え方もあるのか」といったように、新しい世界を知ることができます。場合によってはその話題で大きく盛り上がることもあるでしょう。
居酒屋でおじさんたちが「今年のプロ野球はどうだ?」「今年は○○が強いだろう」「いや、今年の○○は弱いだろう」といった議論で盛り上がっているシーンなどは良い例です。
社会人になるとオープンクエスチョンが必要になる場面は多くなりますので、しっかりと身につけておくことをおすすめします。
質問力を高める方法を徹底解説!
質問力に関する基本を知ったら、後は実際に質問力を高める方法を実践していきましょう。ここでは質問力を高めるときに意識しておきたい心構えや行動を解説します。
「質問する=恥」という意識を捨てる
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」ということわざがあります。このことわざには、知らないことは積極的に質問するべきという意味が込められています。誰でもわからないことを聞くときは恥だと感じますが、それはあくまでも一時の恥です。
わからないことをそのまま放置したことが原因で大きなミスを起こすと「一時の恥」から「一生の恥」に変わります。「○○さんのミスはとんでもなかったな」と長期間に渡って、噂をされることもあります。
このような一生の恥を回避するには積極的に質問するという姿勢を貫くことです。知らないまま物事を進めるのと、理解した状態で物事を進めるのでは抱える不安感にも大きな違いがあります。精神的に楽な状態で物事を進めるためにも、多くの一時の恥を経験しておきましょう。
アドバイスを求めてみる
いつも1人で黙々と物事を進めている人は、誰かにアドバイスを求めるのもよいでしょう。具体的には「○○の件、どうすればよいかな?」「○○さんだったら、どう動きますか?」などです。
仮にこのアドバイスが役に立つことがなくても、これを繰り返すことで「質問する癖」は身につけることができるため、将来的な作業効率化には大きな効果を発揮します。
また周囲のアドバイスがきっかけで、問題や疑問を解消できる新しいアイデアが生まれる可能性もあります。
相手が答えやすい質問から入っていく
まだ信頼関係が構築されていない状態での質問には若干の注意を払う必要があります。相手によっては「初対面でいきなりその質問する?」といった感情を抱く可能性があるからです。
具体的には年齢や結婚の有無などは、初対面の人には話しづらいという方もいます。仮に相手が返答しにくい質問を投げかけた場合、相手は今後あなたに対して口を閉ざす可能性もあります。
そのため、特に初対面の人に対しては、質問する「内容」に注意しておきましょう。最も無難なのは趣味や興味があることを聞くことです。
「趣味は何ですか?」という質問をし、相手から「サッカーです」という答えが返ってきた場合は、今後サッカーの話題で楽しくコミュニケーションをとることができます。深い質問をするのは、相手との距離が近くなってからにしましょう。
時折、自分の話や意見も織り交ぜる
これはコミュニケーション能力を伸ばす方法としても推奨されていますが、質問攻めになると、相手によってはうんざりしてしまう可能性があります。そのため、適度に自分の体験談や意見も織り交ぜながら質問するという手法も身につけておきましょう。
具体的には質問に対する答えが相手から返ってきたら「そうなんですね、実は僕も○○さんと似たような経験をしたことがあって…」などの言葉を返します。相手と似たような体験談を話すことで、相手もあなたに対して親近感を覚えやすいです。
同じ経験をした人はそのときの楽しみやツラさを理解しているという意識も働くため、その話題で盛り上がることもあるでしょう。
特定の人と仲良くなりたい気持ちがある方は、積極的に取り入れることをおすすめします。ただし、相手に仲間意識を植えつけさせたいからといって、真っ赤なウソをつくのはNG行為です。
フット・イン・ザ・ドアを利用する
フット・イン・ザ・ドアとは本来の要求を通すために、まずは簡単な要求からスタートし、段階的に要求レベルを上げる方法です。これは人間の心理を上手に利用した交渉テクニックのひとつであり、マーケティングやビジネスの世界でよく使われています。
ちなみにこの名称は「セールスマンはドアに足を入れることができれば勝ち」という話が由来となり、つけられたとのことです。フット・イン・ザ・ドアの基本的なやり方や方法は以下のとおりです。
① まずは「YES」「NO」で答えられる簡単な質問から入る
② ①で得た回答に対して深く質問する
③ ②で得た回答に対してより深く質問する
私たち人間は一度要求を受け入れると、次の要求も飲みやすいという性質があります。フット・イン・ザ・ドアはこの性質を利用した手法です。最初に簡単な質問から入ると相手は要求を飲んで質問に対する答えを返してくれます。
こうなると相手はすでに一度要求を飲んでいますから、心理的には断りにくい状態になっています。ここから段階的に質問レベルを上げていくことで、相手の本質的な考え方などを引き出すのがフット・イン・ザ・ドアの本来の目的です。
もちろんこの手法は誰にでも通用するものではありません。しかし、大抵の人はいきなり答えづらい質問をされるよりも、少しずつコミュニケーションをとりながら、徐々に質問レベルを上げたほうが答えを返しやすいのは事実です。
「○○の件に対して深い話を聞きたい」「○○さんの心の中に閉まってある考え方を知りたい」といったときには、一度フット・イン・ザ・ドアを試してみましょう。
質問する目的や意味を理解しておく
やみくもに質問をすると相手にも迷惑がかかりますし、何より自分の質問力を高めることができません。
質問するときは、質問をする目的や意味を理解しておきましょう。具体的には「質問することで何を得たいのか?何を知りたいのか?」といった点を把握する必要があります。
- 相手の持っている知識や能力の情報を引き出したい
- 自分が疑問に感じていることを解決したい
- 単に相手がどう思っているかを聞きたい
- 質問によってコミュニケーションをとり、自分のアイデアを採用させたい
- 質問を上手に使って、思い通りに仕事を進めたい
このように質問をする目的などはそれぞれ異なります。質問の目的や意味を理解せずに質問をすると、本来知りたかったはずの情報が得られないこともあります。
その結果、質問前と同じような失敗を繰り返す可能性が高くなります。質問をするときは一度頭の中で内容を整理してから質問をするようにしましょう。
質問力を高めてプライベートも仕事も充実させよう!
質問力は失敗を防ぐだけではなく、人生を成功させる上でも必要となるスキルです。中には「他人に質問ばかりするのもどうかと思う」という方もいます。しかし、質問によって不明点や疑問点が解消されることで、物事が上手く進行する可能性は非常に高くなります。
物事が上手く進めば自分も相手も気持ちよく日々の生活を送ることができます。質問力を高めるさまざまな方法を実践し、プライベートも仕事も充実させてみましょう。