気になる虫を見てみよう!

コガネムシのなかま

樹液をなめるカブトムシ

♠全長♦見られる時期♣分布■見つかる場所♥食べ物♂オス ♀メス絶滅危惧種日本固有種
●すべてコガネムシ科です

カブトムシ

東アジアを代表する大型のカブトムシで、頭部の角はすくい投げに適した形をしています。北海道に分布するものは、移入されたものと考えられています。

♠♂35～85mm ♀33～53mm♦6～9月♣北海道（移入）、本州、四国、九州、沖縄諸島■森林♥樹液※画像は♂／日本本土亜種（大型個体）

サイカブト

成虫は、ヤシやパイナップルをからす害虫です。幼虫は、ヤシのくさったみきや肥料用のたい肥を食べます。季節に関係なく、成虫と幼虫が見られます。

♠33～47mm♦一年中♣南西諸島（移入）■畑など♥ヤシの新芽 ※画像は♂

コカブト

成虫は樹液で見られるほか、ほかの昆虫をおそったり、死がいを食べたりします。幼虫は、くち木を食べます。成虫は1年以上生きます。

♠18～26mm♦4～11月♣日本全土■森林♥樹液、昆虫※画像は♂

シロスジコガネ

マツ類の林にすみ、幼虫は木の根を食べます。成虫は何も食べません。

♠27～35mm♦6～8月♣北海道～九州■海岸林※画像は♂

カナブン

個体によって色のちがいがあり、緑色のものもいます。

♠23～32mm♦6～9月♣本州、四国、九州■森林※画像はかっ色個体

コガネムシ

夕方に葉を食べているようすが見られます。

♠16～24mm♦5～8月♣本州、四国、九州■河原、畑

シロテンハナムグリ

樹液などでふつうに見られます。

♠18～25mm♦5～12月♣北海道～南西諸島■森林、公園

ダイコクコガネ

日本最大のフン虫で、牧場のウシのフンなどで見られます。牧場が少なくなったことや農薬の影響で、数が大きくへっています。

♠18～34mm♦5～10月♣北海道、本州、九州■森林、牧場♥フン

探してみよう!

カブトムシやクワガタムシの成虫は、クヌギやコナラ、ヤナギなどの樹液に集まります。

クヌギ

コナラ

カブトムシの幼虫は、落ち葉やワラがつみ上げられてくさったところをほったり、くさった木をどかしたりすると、その下で見つかります。

クワガタムシのなかま

ノコギリクワガタ

♠全長♦見られる時期♣分布■見つかる場所♥食べ物♂オス ♀メス絶滅危惧種●すべてクワガタムシ科です

ノコギリクワガタ

雑木林や川ぞいの林に多く、クヌギやコナラ、ヤナギ類などの樹液に集まります。灯りにもよく飛んできます。

♠♂26～77mm ♀25～41mm♦5～10月♣北海道～九州■低地の雑木林など※画像は♂

ミヤマクワガタ

平地から山地にかけて、はば広い標高の広葉樹林にいます。時間に関係なく、樹液に集まります。

♠♂29～78mm ♀25～46mm♦5～9月♣北海道～九州 ■平地～山地の広葉樹林♥樹液※画像は♂

オニクワガタ

山地にすみ、幼虫はしめってやわらかいくち木で育ちます。成虫は何も食べません。

♠♂14～27mm ♀16～23mm♦7～9月♣北海道～九州■落葉広葉樹林※画像は♂

ネブトクワガタ

広葉樹のほか、モミなど針葉樹の樹液にも集まります。

♠♂10～36mm ♀14～27mm♦5～9月♣本州～南西諸島■平地の広葉樹林♥樹液※画像は♂

オオクワガタ

樹液が出る木の、木のほらや木の皮のすき間にすみます。雑木林のほか、東北地方ではブナ林にも生息します。

♠♂27～76mm ♀25～47mm♦5～10月♣北海道～九州■平地～山地の落葉広葉樹林♥樹液※画像は♂

ヒラタクワガタ

アジアに広く分布します。雑木林のほか、川ぞいの林や、南西諸島では照葉樹林などにいます。

♠♂18～84mm ♀21～43mm♦5～9月♣本州～南西諸島■平地の広葉樹林♥樹液※画像は♂

スジクワガタ

平地から山地にかけての広葉樹林にいます。

♠♂13～40mm ♀14～24mm♦5～10月♣北海道～九州■平地～山地の広葉樹林♥樹液※画像は♀

コクワガタ

平地から山地にかけてのいろいろなかんきょうにいます。

♠♂17～54mm ♀21～34mm♦5～10月♣北海道～九州、トカラ列島■平地～山地の森林、公園♥樹液※画像は♀

樹液の出る木がない場所なら、くさったバナナをあみぶくろなどに入れて木につり下げておくと、クワガタムシなどが集まってきます。

ホタルのなかま

川面を飛び交うゲンジボタル

♠全長♦見られる時期♣分布■見つかる場所♥幼虫の食べ物♂オス ♀メス日本固有種
●すべてホタル科です

オオオバボタル

日中に活動し、光りません。幼虫は陸生です。

♠10～15mm♦5～7月♣本州、四国、九州■森林♥ミミズなど※画像は♀

ゲンジボタル

夜に活動し、オスとメスは光で交信します。東日本と西日本で、光る間かくなどにちがいがあります。幼虫は水生です。

♠♂11.5～16.0mm ♀14～18mm♦5～7月♣本州、四国、九州■川♥カワニナなど※画像は♀

ヒメボタル

夜に活動し、オスとメスは光で交信します。幼虫は陸生です。

♠♂7.0～11.5mm ♀4.5～8.0mm♦5～7月♣本州、四国、九州■森林、草地♥巻貝など※画像は♂

ヘイケボタル

夜に活動し、オスとメスは光で交信します。幼虫は水生です。

♠♂6.0～8.5mm ♀8～11mm♦6～8月♣北海道～九州■池、水田♥モノアラガイなど※画像は♀

ホタルが光る理由は、オスとメスが交信するほか、体に毒があることを敵にしめすためであるとも考えられています。

キリギリスのなかま

●分類♠体長♦見られる時期♣分布■見つかる場所♥食べ物♫♩鳴き声♂オス ♀メス日本固有種

ヤブキリ

地いきによって鳴き声がちがいます。

●キリギリス科♠♂35～40mm ♀36～45mm♦6～10月♣北海道～九州■草地、林のへりなど♫♩ジーーーー…／シリリリリ…※画像は♂

ニシキリギリス

はねの側面の黒いもようは、すじ状です。

●キリギリス科♠♂29～37mm ♀30～40mm♦6～10月♣本州（近畿地方、中国地方）～南西諸島（奄美大島以北）■河川しき、草地など♫♩ギース・チョン※画像は♂

ハヤシノウマオイ

前あしのトゲは、えものをしっかりとらえることができます。

●キリギリス科♠22～25mm♦夏～秋♣本州、四国、九州■草地、林のへり♥昆虫、樹液など♫♩スイーッチョン※画像は♂

クツワムシ

大きな声でさわがしく鳴きます。

●クツワムシ科♠32～35mm♦秋♣本州、四国、九州■林のへり、河原♫♩ガシャガシャガシャ画像は♂／緑色型

バッタのなかま

おんぶをするオンブバッタのオス（上）とメス（下）

●分類♠体長♦見られる時期♣分布■見つかる場所♥食べ物♫♩鳴き声♂オス ♀メス日本固有種

オンブバッタ

都市部や庭先にも生息する、もっともよく見られるバッタです。地いきによっては、半数近くがかっ色型になります。

●オンブバッタ科♠♂17～22mm ♀33～35mm♦夏～秋♣日本全土■草地※画像は♀／かっ色型

ツチイナゴ

バッタ科では本土でゆいいつ成虫で越冬します。

●バッタ科♠♂40～45mm ♀40～60mm♦秋〜初夏♣本州～南西諸島■草地、林のへり♫♩ジャジャジャッ…※画像は♀

コバネイナゴ

農薬の影響で一時は少なくなりましたが、近年では回復しています。はねの長さは、生息場所によってちがいがあります。

●バッタ科♠♂16～33mm ♀18～40mm♦8～11月♣北海道～九州■しめった草地、林のへり※画像は♀

ショウリョウバッタ

オスとメスで体格に大きな差があります。オスは飛ぶときにチキチキと音を出すので、チキチキバッタとよばれることもあります。

●バッタ科♠♂30～40mm ♀63～68mm♦8～11月♣本州～南西諸島■草地、河川しき※画像は♀／かっ色型

ショウリョウバッタモドキ

いつも葉にそってじっとしています。敵に見つかるとクルッと葉のうらにかくれます。

●バッタ科♠♂20～28mm ♀30～42mm♣本州～南西諸島■草地、河川しき※画像は♀

トノサマバッタ

開けた草地に多く、人が近づくとすぐに飛んでにげます。

●バッタ科♠♂26～50mm ♀36～62mm♦6～11月♣日本全土■草地、河川しきなど♫♩シュシュシュシュッ…※画像は♀／緑色型

クルマバッタ

自然状態の良い森の近くの草地で見られます。後ろばねのこい黄色い部分が、羽ばたくと車のタイヤが回っているように目立ちます。

●バッタ科♠♂26～36mm ♀46～56mm♦7～11月♣本州～南西諸島■草地※画像は♀／緑色型

カワラバッタ

自然度の高い河原に生息します。敏感に危険を察知してすぐに飛んでにげます。

●バッタ科♠♂18～23mm ♀33～36mm♦7～9月♣北海道～九州■河原※画像は♀

トノサマバッタより少し大きいぼうにたこ糸を結び、たこ糸を引いて目の前で動かすと、メスとまちがえてオスのトノサマバッタが抱きついてきます。

トンボのなかま

流れの上をパトロールするオニヤンマ

●分類♠体長♦見られる時期♣分布♂オス ♀メス

ハグロトンボ

平地～丘陵地の川や用水路にすみ、都市部の川でふえることもあります。

●カワトンボ科♠54～68mm♦6～8月♣本州、四国、九州※画像は♀

ギンヤンマ

平地～丘陵地の広い池や沼を好み、ヤンマとしてはめずらしく、連結したまま産卵します。

●ヤンマ科♠65～84mm♦5～10月（南西諸島は一年中）♣日本全土※画像は♂

オニヤンマ

平地～山地の小川にすむ日本最大のトンボです。オスは流れの上や林道を往復して飛び、パトロールします。

●オニヤンマ科♠80～114mm♦6～10月♣北海道～九州、奄美大島、沖縄島※画像は♂

オオヤマトンボ

オスは開けた沼や湖の岸にそってパトロールします。

●ヤマトンボ科♠78～92mm♦5～9月♣日本全土※画像は♂

アキアカネ

平地～山地の水田や湿地にすみます。夏は山ですごし、秋に平地に下りてきます。

●トンボ科♠32～46mm♦6～12月♣北海道～九州※画像は♂

シオカラトンボ

もっともふつうに見られるトンボで、平地～山地の池や沼、湿地、水田に広くすみます。

●トンボ科♠47～61mm♦5～10月（南西諸島では3～12月）♣北海道～九州、南西諸島（奄美群島、沖縄島）※画像は♂

オニヤンマのオスは、扇風機やエアコンの室外機などの回転するプロペラをはばたくメスとかんちがいして、近づく性質があります。

セミのなかま

木のみきにとまったニイニイゼミ

♠全長（頭部からはねの先端まで） ♦見られる時期♣分布♫♩鳴き声♂オス ♀メス日本固有種
●すべてセミ科です

ニイニイゼミ

各地でよく見られます。木の種類を問わずみきにとまり、朝から暗くなるまで鳴き続けます。

♠33～38mm♦6～9月♣北海道～南西諸島（沖縄島以北）♫♩チ――※画像は♂

コエゾゼミ

ブナの生える林に生息します。オスの腹弁は左右が重なりません。

♠48～56mm♦7～8月♣北海道、本州、四国♫♩ビ――ン※画像は♀

クマゼミ

朝と夕方に鳴きます。西日本では、平地でもっとも多い大型のセミです。腹弁はオレンジ色です。

♠63～70mm♦6～9月♣本州（関東地方以南）～南西諸島♫♩シャーシャー…／ワシワシワシ…※画像は♂

アブラゼミ

日本を代表するセミとして知られます。世界的には、はね全体に色がついた種は少数派です。

♠55～70mm♦7～9月♣北海道～九州♫♩ジー、ジリジリ…※画像は♂

ヒグラシ

朝と夕方を中心に、すずしげな声で鳴きます。灯りによく飛んできます。

♠41～50mm♦6～9月♣北海道～九州、奄美大島♫♩カナカナカナ※画像は♂

ツクツクボウシ

8月中旬から鳴き声が目立ち始め、夏の終わりを告げるセミです。

♠41～47mm♦7～9月♣北海道～九州、トカラ列島♫♩オーシンツクツク、オーシンツクツク※画像は♂

チッチゼミ

秋にマツ類の枝の上で鳴きますが、そのすがたはなかなか見つかりません。ツツジ類の枝に産卵します。

♠27～32mm♦8～10月♣北海道～九州♫♩チッチッチッチッ…※画像は♂

ミンミンゼミ

東日本では平地でふつうに見られますが、西日本では山地にすみます。

♠55～63mm♦7～9月♣北海道～九州♫♩ミーンミンミンミンミ――※画像は♂

ぬけがらを
集めてみよう!!

セミのぬけがらは、とても集めやすく、よく観察すれば種の名前がわかります。

チッチゼミ

ニイニイゼミ

クマゼミ

日本には36種ものセミのなかまがいて、小さな国としては数が多いです。

チョウのなかま

樹液に集まるオオムラサキ

●分類♠前ばねの長さ♦見られる時期♣分布♥幼虫の食べ物♂オス ♀メス
前ばねの長さ

アゲハ（ナミアゲハ）

市街地や畑など、明るく開けた場所でよく見られます。さなぎで越冬します。

●アゲハチョウ科♠35～60mm♦4～10月♣日本全土♥カラタチ、サンショウ、カラスザンショウ、ミカン類など※画像は♀

キアゲハ

海岸や山地の明るく開けた草むらでよく見られます。アゲハよりこい黄色です。

●アゲハチョウ科♠36～70mm♦4～10月♣北海道～九州♥シシウド、アマニュウ、セリ、ニンジン、パセリなど※画像は♀

クロアゲハ

市街地や畑でよく見られます。南西諸島のメスは、後ろばねの赤いもようが大きくなります。

●アゲハチョウ科♠45～70mm♦5～10月♣本州～南西諸島♥カラスザンショウ、ハマセンダン、ミカン類、カラタチなど※画像は♂

ヤマトシジミ

もっとも身近に見られるチョウのひとつです。日当たりのよい場所で、地面近くを飛びます。

●シジミチョウ科♠9～16mm♦4～11月♣本州～南西諸島♥カタバミなど※画像は♂

モンシロチョウ

もっともよく見られるチョウのひとつです。キャベツなどの畑に多く生息します。

●シロチョウ科♠20～30mm♦3～11月♣北海道～南西諸島♥キャベツ、アブラナなど※画像は♂

モンキチョウ

平地～山地でよく見られます。メスには黄色型と白色型があらわれます。

●シロチョウ科♠22～33mm♦3～10月♣北海道～南西諸島♥シロツメクサ、ゲンゲなど※画像は♂

オオムラサキ

日本の国蝶です。丘陵地の林に生息し、樹液に集まります。東日本では黄色型、西日本では白色型が多くなります。

●タテハチョウ科♠43～68mm♦7～8月♣北海道～九州♥エノキ、エゾエノキ※画像は♂／黄色型

モンシロチョウはもともと日本に分布せず、はるかむかし、ダイコンなどとともに海外から持ちこまれたとする説があります。

カマキリのなかま

いかくするオオカマキリ

♠体長♦見られる時期♣分布■見つかる場所♥食べ物♂オス ♀メス●すべてカマキリ科です

コカマキリ

地面の近くにすみます。たまに緑色の個体が見つかります。

♠♂36～55mm ♀46～63mm♦9～11月♣本州、四国、九州■林のへり、草地♥昆虫など※画像は♀／かっ色型

ウスバカマキリ

世界に広く分布します。日本では、かぎられた場所の草地で見つかります。

♠52～66mm♦9～11月♣日本全土■河川しき、草地♥昆虫など※画像は♀／緑色型

オオカマキリ

昆虫だけでなく、トカゲや小鳥のような小動物もつかまえて食べます。オスはほとんどがかっ色型で緑色型はとてもめずらしいです。

♠70～95mm♦8～11月♣北海道～九州■林のへりの草地♥昆虫、小動物※画像は♀／かっ色型

ハラビロカマキリ

木の上にすみます。公園の木のみきでも見られます。

♠♂45～65mm ♀52～71mm♦9～11月♣本州～南西諸島■林の中やへり♥昆虫など※画像は♂／緑色型

カマキリ（チョウセンカマキリ）

河原や田畑のわきのような開けた草地を好みます。

♠65～92mm♦9～11月♣本州～南西諸島■草地、河原♥昆虫など※画像は♀／緑色型

カマキリをあやつる虫

ハリガネムシという線形虫の幼虫は、水の中で生まれます。幼虫は、カゲロウなどに丸のみされると、さらにそれを食べてしまったカマキリの体内に寄生します。やがて成長したハリガネムシは、カマキリの体に指令を出して水辺の方に歩かせ、カマキリが水につかると腹部をやぶって出てきます。

▲ハリガネムシに寄生されたオオカマキリ

交尾のとき、オスはメスに食べられることがあります。一方、オスは複数のメスと交尾できる方が有利なので、食べられないように行動します。