気になる虫を見てみよう!

ハチのなかま

セイヨウミツバチ

分類体長見られる時期分布♂オス ♀メス有毒

クロアナバチ

ツユムシ類を狩ります。あれ地の地中に巣を作ります。

アナバチ科20~30mm7~10月本州~南西諸島

オオスズメバチ

世界最大のスズメバチ。木のうろや土の中に巣を作ります。

スズメバチ科働きバチ26~38mm 女王バチ40~44mm ♂27~40mm4~11月本州、四国、九州※画像は働きバチ

コガタスズメバチ

雨の当たらない場所に巣を作ります。

スズメバチ科働きバチ21~27mm 女王バチ25~29mm4~11月日本全土

キイロスズメバチ

都市部でも見られます。働きバチの数は多く、攻撃性も高いです。

スズメバチ科働きバチ17~26mm 女王バチ24~26mm ♂20~23mm4~11月北海道~南西諸島

セグロアシナガバチ

攻撃性が高く、巣に近づくとおそってきます。

スズメバチ科働きバチ・♂16~23mm 女王バチ23~24mm4~11月本州~南西諸島

クマバチ

かれ枝の内側に巣を作ります。春に、オスがなわばりをはるのが見られます。

ミツバチ科18~25mm4~10月 北海道~九州※画像は♂

セイヨウミツバチ

養蜂のために海外から導入されました。

ミツバチ科女王バチ15~20mm 働きバチ12~14mm ♂15~17mm日本全土(移入)※画像は働きバチ

ニホンミツバチ

日本在来のミツバチです。木のうろや建物のすき間に巣を作ります。

ミツバチ科女王バチ13~17mm 働きバチ10~13mm ♂12~13mm本州、四国、九州※画像は働きバチ

ハチミツを作る養蜂

ハチミツはミツバチの働きバチが花のみつを集めて加工したもので、成虫や幼虫の食料として巣にたくわえられます。人は古くから食用や薬用のために、野外の巣からハチミツを採取してきましたが、やがてミツバチを飼育してハチミツを得る養蜂が行われるようになりました。養蜂に適した品種の改良も行われています。

▲養蜂では、ミツバチが作った巣板を切り落とし、遠心分離機にかけてハチミツだけをしぼりとります。

有毒・危険マーク

毒をもっていてさわると危険なものにつけています。また、カやダニなど危険な感染症を媒介するものにもつけています。

おしえて!!フマキラー虫博士

ハチ生態ハチ生態

ハチは、大きく3つのグループに分かれるよ。ミツバチなど花の蜜を集める「ハナバチ」、アシナガバチやスズメバチなどバッタや芋虫などを狩る「狩りバチ」そしてコマユバチなど虫の卵や幼虫などに寄生する「寄生バチ」。それぞれ特徴が全く違うんだ。
女王と働きバチの関係
ハナバチと狩りバチの仲間は、女王の娘が働きバチで、家族で巣を作ってるんだよ。だから働きバチは全てメスなんだ。オスは新しい女王が羽化する時期にしか出てこないんだ。
ハチの巣作り
スズメバチの巣の材料は、朽ち木や土を唾液で固めたもの。ミツバチは働きバチが分泌した蝋物質で作るんだ。巣が一番大きくなるのは夏から秋にかけてで、この時期のハチは攻撃的になるんだよ。

巣別れ
ミツバチは新女王が羽化する直前になると、女王が働きバチを連れて引っ越すんだ。これが「巣別れ」。ニュースなどでミツバチの球ができたと報道されるのは、引っ越す時にハチが集まってできる「分封蜂球」だよ。

益虫
ハチは種類によって、農作物を食い荒らす芋虫を食べてくれるものや、蜜や花粉を集めるためにいろんな花に飛んでくる習性を生かしてトマトやピーマンなどのハウス栽培に活用するなど人の役に立つ「益虫」でもあるんだ。ハチミツづくりもミツバチの力を借りているんだよ。
外来種の問題
ハウス栽培には飼育に向いた、ヨーロッパ原産の「セイヨウオオマルハナバチ」が使われているんだけど、逃げ出して野生化しているんだ。その結果、元々日本にいたマルハナバチが負けて、数が減少してしまったんだよ。
寄生バチ
芋虫などに卵を生み付ける「寄生バチ」というのもいるんだ。孵化した幼虫はその芋虫を食べて成長するんだよ。ゴキブリの卵に寄生するハチもいるんだ。

ハチの毒
スズメバチは強い毒を持っている。「毒のカクテル」と言われるほど、いろんな成分を含んでいるんだ。この成分により、刺されるとアナフィラキシーショックを引き起こすことがあり、手当が遅れると死に至ることもあるんだ。
黒いものは注意!
人を刺すこともあるスズメバチは危険。黒い色が一番刺されやすく、色が薄くなるほど刺されにくいんだ。人の髪に寄ってくる危険もあるので白い帽子を被るなどの防御は効果的。ミツバチはなかなか刺さないよ。

ハエのなかま

人の血をすうヒトスジシマカ

分類体長見られる時期分布見られる場所食べ物♂オス ♀メス危険

トワダオオカ

日本最大のカです。血はすいません。

カ科10~13mm5~9月本州~九州、沖縄島森林花のみつなど※画像は♀

オオクロヤブカ

人や家畜から吸血します。幼虫は汚水にいます。

カ科6.0~7.5mm5~11月本州~南西諸島花のみつ、血液など※画像は♀

ヒトスジシマカ

日中活動し、デング熱などの病気を媒介します。

カ科4~5mm5~10月本州~南西諸島花のみつ、血液など※画像は♀

アカイエカ

夜行性で、寄生線虫(フィラリア)などを媒介します。

カ科5.5mm3~11月日本全土花のみつ、血液など※画像は♀

セスジユスリカ

幼虫は有機物の多い水にすみます。大発生して問題になります。

ユスリカ科5.5~6.0mm一年中北海道~九州市街地※画像は♂

アシマダラブユ

人や家畜をおそって吸血します。

ブユ科2.5~4.0mm5~9月北海道~南西諸島(沖縄島以北)山地血液※画像は♀

アカウシアブ

人や家畜などから吸血し、牛白血病ウイルスを媒介します。

アブ科23~33mm北海道~九州山地、草地血液

ハナアブ(ナミハナアブ)

花に飛んできます。幼虫は下水溝などの汚水中に生息します。

ハナアブ科14~15mm日本全土市街地

イエバエ

屋内へよく侵入します。

イエバエ科6.5~7.0mm日本全土市街地

▲シカの血をなめるアカウシアブ

カの幼虫・ボウフラ

カのなかまの幼虫は、全身をぼうをふるように泳ぐので「ボウフラ」とよばれます。

ヒトスジシマカの幼虫。幼虫は水中の細かい有機物などを食べます。

ヒトスジシマカは、草むらや公園の日かげなどでもっともよくさしてくるカです。

おしえて!!フマキラー虫博士

アブ生態アブ生態

蚊はどうして血を吸うの?
産卵のため。人やいろんな生物から吸った血を消化して、卵を産むための栄養にするんだ。つまり、血を吸うのはメスだけ。オスは血じゃなくて花の蜜を吸うんだよ。ちなみに吸血しなくても産卵できるチカイエカ、という種類のカもいるよ。

蚊は何に反応する?
寝室に侵入して刺すのは「アカイエカ」、昼間に公園などで刺しに来るのは黒に白い縞模様の「ヒトスジシマカ」。人の吐いた息や、足の匂い、汗の匂い、体温に反応して飛んで来るんだ。「体温が高く、汗をかいている人」は刺されやすいので注意。

蚊に刺されるとかゆくなる
蚊が血を吸うときに出す唾液に含まれている成分(タンパク質)のために、アレルギー反応が起きる。これがかゆくなる原因なんだ。歳をとるにつれ、刺される回数も増えると、刺されてもかゆくなくるんだって。
蚊は病気をうつす
国内では日本脳炎、海外ではデング熱、ジカ熱、マラリアなど蚊が媒介する病気はたくさんある。とくにマラリアは年間1億人以上が感染し、40万人以上の方が亡くなっている。日本では刺されてもかゆくなるだけで済むことが多いけど、海外では死に至る感染症にかかる可能性もあるんだ。
  • ユスリカの生態
  • 蚊に近い仲間

蚊の幼虫「ボウフラ」と同じような生活を送っていて、幼虫は水の中で過ごすんだ。魚の餌になっていて、生態系の中でも大切な役割がある。成虫も姿は蚊に似ているけど、吸血しないのが違うところ。成虫は水を飲むだけで餌を取らない種類もいるんだ。

  • ブユの生態
  • 山で出会う小さな虫

日本に70種類ほどいるうち何種類かは血を吸う。蚊よりもかなり小さく、気が付いたら刺されていた、ということもよくあるよ。ブユの幼虫も水の中で育つけど、流れのある清流にしか生息できないからキャンプや山登りに行かないと出会わないんだ。

  • アブの生態
  • 刺されると非常に痛い

国内100種類ほどのうち、10種類ほどが吸血。やはりアブも産卵のための栄養確保が目的で、血を吸うのはメスだけ。吸血時に皮膚を切り裂くため、非常に痛くなる。「ハナアブ」という花に集まるアブは花粉の運び屋として重要な役割があるよ。

  • イエバエの生態
  • ゴミの埋立地で大発生

いろんな感染症を媒介する虫の1種。餌は動物質のタンパク質で、ひと昔前はゴミの埋立地なんかで大発生していたんだって。現在は衛生環境が改善し、見かけることが少なくなっているんだ。

ゴキブリのなかま

くだものの皮を食べるクロゴキブリの成虫と幼虫

分類体長分布(野外に定着していない地いきをふくむ)見られる場所食べ物
♂オス ♀メス日本固有種

ワモンゴキブリ

家の中に出る種ではいちばん大きなゴキブリです。あたたかい場所や市街地で見つかります。

ゴキブリ科♂33~40mm ♀30~35mm日本全土人家、温室、市街地※画像は♂

クロゴキブリ

家の中でもっともよく見られるゴキブリです。

ゴキブリ科♂29~33mm ♀25~32mm北海道~南西諸島(沖縄島以北)人家、森林※画像は♂

ヤマトゴキブリ

日本にむかしからいたゴキブリです。野外では夜にクヌギなどの樹液に集まります。

ゴキブリ科♂約25mm ♀19~23mm北海道、本州、九州人家、森林※画像は♂

チャバネゴキブリ

一年中あたたかいビルや飲食店などの屋内で見つかります。

チャバネゴキブリ科♂12mm ♀10~12mm北海道~九州、南西諸島(奄美群島~八重山列島)人家※画像は♂

サツマゴキブリ

木にできたすき間や、石垣の間で見つかります。漢方薬として利用されることもあります。

オオゴキブリ科♂23~29mm ♀30~35mm本州〜南西諸島人家のまわり、森林※画像は♂

オオゴキブリ

森の中にある、しめったくち木の中でくらしています。

オオゴキブリ科♂36~45mm ♀38~45mm本州、四国、九州、石垣島、西表島森林くち木※画像は♂

オオシロアリ

かれた木の内部を食べてくらしています。木造建築物は食べません。日本最大のシロアリです。

オオシロアリ科はねアリ11〜12mm、兵アリ16〜19mm、働きアリ10〜15mm7〜8月四国(高知県)、九州(鹿児島県)、南西諸島(奄美群島以北)林の中かれた木※画像は兵アリ

ヤマトシロアリ

林の中のかれ木を食べてくらし、木造建築物に被害をあたえることもあります。しめった木しか食べることができません。

ミゾガシラシロアリ科はねアリ7mm、兵アリ3〜6mm、働きアリ3〜5mm4〜5月北海道〜南西諸島(トカラ列島以北)林の中、人家かれた木※画像は働きアリ

イエシロアリ

世界でもっとも木造建築物への被害が大きいシロアリです。水を飲んで運ぶことができるので、かわいた場所の木材でも食べることができます。

ミゾガシラシロアリ科はねアリ7〜9mm、兵アリ4〜7mm、働きアリ4〜6mm6〜7月本州〜南西諸島林の中、人家かれた木※画像は働きアリ

もとは御器(フタのある器)をかぶる虫という意味の「ゴキカブリ」でしたが、明治時代から「ゴキブリ」とよばれるようになったといわれています。

おしえて!!フマキラー虫博士

ゴキブリ生態ゴキブリ生態

世界に4000種、日本には50種類ほどがいると言われている。家の中で見かけることが多いけど、実はほとんどは森林性。主に朽ち木や落ち葉、動物や昆虫の死骸といった腐食物を食べて、土にかえす役割を果たしているんだ。
クロゴキブリは家屋内に
人家にも入り込むゴキブリの1種。成虫になるまで1年から2年。冬になると成虫は死ぬけど、最近の機密性の高い住宅は冬でも暖かく、冬も生き延びてることもあるんだって。
クロゴキブリは飛ぶ?
退治しようとしたら飛んできた、と言われることがあるけどクロゴキブリは翅が貧弱で上に向かって飛ぶことはできない。でも高いところからグライダーのように滑空することはできる。高いところに登ったあと、滑空して落ちてくることはあるよ。

チャバネゴキブリは飲食店などに
クロゴキブリと違って寒い場所が苦手なので、飲食店やホテル、工場など年中暖かい場所で見かけるゴキブリ。卵から成虫になるまでが早いため、年中発生している。飲食店では薬剤で繰り返し駆除するから、逆に薬剤に強くなってしまうことも。
ゴキブリの有効利用
実は海外では、ゴキブリが漢方薬の材料として使われていたり、貴重なたんぱく源として食用されてるところもあるんだ。また、海外の大きなゴキブリはペットとして飼育されているところもあるんだよ!

ゴキブリは群れる
ゴキブリのフンに含まれる物質が集合フェロモンの役割を持っていて、群れる習性がある。冷蔵庫の裏とか引き出しの奥深くなどの住みやすい環境に集まるんだ。

音に敏感
ゴキブリはほとんどが夜行性。だから目は退化してあまり見えてないのでは、と言われているけどかわりに音(正確には空気の振動)に対してはとっても敏感。暗闇でも、空気の流れで敵の動きが分かる、ということ。後ろから近づいたのに逃げられた、というのは空気の流れを感じているからなんだ。

病気を運ぶ
ゴキブリは人家や飲食店の中で、人が食べるものの上を歩いたり食べたりするんだけど、その時に細菌などを付着させることがある。それにより食中毒の原因となったり、病原性大腸菌を運んでしまうこともあるんだよ。

昆虫以外の節足動物①
クモのなかま

糸で作った産卵台に卵を産みつけるコガネグモ

分類体長見られる時期分布見つかる場所♂オス ♀メス有毒●すべてクモ目です

セアカゴケグモ

オーストラリア原産の外来種。側溝などの人工物に不規則な形の網をはります。有毒なので注意が必要です。

ヒメグモ科♀7~10mm ♂3~5mm一年中日本全土(移入)人家のまわり※画像は♀

オニグモ

夜間に巨大な円形の網をはります。体色は緑がかることもあります。

コガネグモ科♀20~30mm ♂15~20mm6~10月日本全土人家のまわり、森林※画像は♀

コガネグモ

X字型やその一部を省略した白帯を網につけます。高知県や鹿児島県では本種のメスを戦わせるクモ合戦が行われます。

コガネグモ科♀20~30mm ♂5~7mm5~9月本州~南西諸島草地※画像は♀

▲円形の網につけられた
X字型の白帯

ジョロウグモ

大型種です。円形の網のたて糸・横糸の本数が多く、網の目も細かいです。網の前後に粘着性のないバリアー網をはります。

コガネグモ科♀20~30mm ♂6~10mm夏〜秋北海道〜九州森林※画像は♀

ゴミグモ

網の中心部にゴミや食べかすを集め、クモ本体はそこにひそみます。

コガネグモ科♀10~15mm ♂8~10mm4~9月本州、四国、九州人家のまわり、森林※画像は♀

アシダカグモ

夜間、家屋の内外を歩き回ってえものをとらえます。

アシダカグモ科♀20~30mm ♂10~25mm一年中本州~南西諸島人家のまわり※画像は♀

アリグモ

アリに擬態しています(オスの上あごは長い)。草地や林の草や木の上などでよく見られます。

ハエトリグモ科♀7~8mm ♂5~6mm6〜8月日本全土公園、森林

コガネグモの白帯は何のためにあるの?

コガネグモのなかまの円形の網についた白帯には、種類や白帯の形によって2つの役割があるようです。ひとつは、紫外線を反射することで、えものを網におびきよせる機能。もうひとつは、クモのすがたをかくしたり、鳥の気をそらすことで捕食から身を守る機能が明らかにされています。

クモの糸は鉄よりも強く、のびちぢみするため、そのじょうぶさはあらゆる人工の糸よりもすぐれています。

おしえて!!フマキラー虫博士

クモ生態クモ生態

クモは頭胸部と腹部の2つに分かれ4対8本の足があるため、頭、胸、腹に分かれて3対6本の定義を満たした昆虫の仲間ではない。ほとんどの種類が捕食性で生きた動物などを捕まえて食べるんだ。ただし、口の形は咀嚼に向いてない。消化液を捕まえた動物の体内に注入して液状にしてすするんだよ。
クモの網
餌を捕まえるための網には円網や不規則網、ボロ網、扇網など色々な形があるんだ。また、ムツトゲイセキグモは粘球のついた糸(投げ縄)を振り回してガを捕まえるんだって。ほかには網とは別に穴を掘ったり糸で袋状の巣を作るクモもいるよ。

網を作らないクモ
餌を捕まえるための網を張らないクモもいるんだよ。アシダカグモは徘徊性のクモで、動いて虫を捕まえているし、アリグモはアリに擬態して、通りかかったアリに襲い掛かって捕食しているんだ。
毒の強いクモ
セアカゴケグモやハイイロゴケグモなどゴケグモの仲間は強い毒を持っている。神経に作用する毒を含んでいて、噛まれた場所以外で症状が出ることも。でもゴケグモは自分から人間を襲うことはないので、滅多に人を噛むことはないよ。噛まれないように注意しようね。

クモの糸の色々な使い方
糸はクモが巣を作る材料だけど、落下した時の命綱や、卵を包む卵のうなど他にも使い道があるんだ。例えば生まれたての小さな子グモの長距離移動。お尻から少しだけ糸を出して、糸に当たる風の力を利用して、遠くまで飛ぶことができる。また、クモの糸は細いけど強いと言われている。それを参考に、繊維を作る研究も進んでいるんだって。

鳥を食べる?
体が大きいクモといえばタランチュラの仲間。中には足を伸ばすと20cmを超えるものも。これくらい大きくなると虫だけでなく、時には小鳥を襲って食べてしまうんだよ。ついたあだ名が、鳥を食べるので「バードイーター」。
クモは益虫
クモは生きた虫を捕まえて食べる。害虫を食べてくれることもあるので、人にとって良い虫といえるね。屋内にいるアシダカグモはゴキブリを食べることもあるので、まさに益虫だよ。

昆虫以外の節足動物②
ダニ/ムカデなどの
なかま

ヒトの血をすうフタトゲチマダニ

分類体長見られる時期分布見つかる場所食べ物♂オス ♀メス危険

フタトゲチマダニ

ヒト、野生のほ乳類、鳥類に寄生し、吸血します。放牧牛の害虫としても有名です。危険な病原体を媒介します。

マダニ目マダニ科約4mm北海道~南西諸島森林、草原血液※画像は♀

イエダニ

家にすむネズミ類に寄生し、吸血します。ヒトの血をすうこともあります。

トゲダニ目オオサシダニ科0.6~1.0mm日本全土人家血液

アカツツガムシ

幼虫は、ネズミに寄生し、体液をすいます。体液をすうときに、つつが虫病を媒介します。

汎ケダニ目ケダニ亜目ツツガムシ科0.24mm(幼虫)本州(北部)河川しき体液※画像は幼虫

ケナガコナダニ

さまざまな食品やタタミで大発生することがあります。

汎ササラダニ目ササラダニ亜目コナダニ小目コナダニ科♂約0.3mm ♀約0.4mm日本全土人家など貯蔵食品など

ゲジ

「ゲジゲジ」の別名があります。家の中で見つかることもあります。

ゲジ目ゲジ科30mm日本全土

トビズムカデ

とても長生きで、成熟するまで3年ほどかかります。10年近く生きた例もあります。かまれるとはげしいいたみが1日以上続きます。

オオムカデ目オオムカデ科130mm本州〜南西諸島(奄美大島以北)

ヤケヤスデ

庭先や人家のかべなどでよく見かけます。世界中に分布しています。

オビヤスデ目ヤケヤスデ科25mm日本全土

オカダンゴムシ

庭や公園など、人の手が加わったところで多く見られます。ヨーロッパ原産です。

ワラジムシ目オカダンゴムシ科16mm日本全土(移入)倒木や石、プランターの下など死がいや落ち葉など※画像は♂

ナミワラジムシ

ヨーロッパ原産で、世界中で見られます。

ワラジムシ目ワラジムシ科13mm北海道〜九州(すべて移入) 倒木や石、プランターの下など死がいや落ち葉など

ヤエヤマサソリ

尾は小さく、人をさすことができません。メスのみで繁殖します。

サソリ目ヤセサソリ科20mm一年中先島諸島木の皮の下、石のすき間

ほとんどのダニは小型で、1mm以下から数mmのものがほとんどです。

おしえて!!フマキラー虫博士

ダニ生態ダニ生態

ダニは4対8本の脚を持っていて昆虫ではないんだよ。イエダニは人から吸血するダニ。人のふけや垢、食料品を餌にするケナガコナダニは人を噛むことはないけど、その死骸やフンを吸い込むとアレルギー症状を起こすこともあるんだ。屋外では、ネズミなどから吸血する「ツツガムシの仲間」や、植物の葉から汁を吸う「ハダニ」などがいる。
ダニが増える時期
ケナガコナダニなど屋内性のダニは、湿気が高くなる夏場に増える傾向。イエダニのような寄生性のダニは、季節問わず繁殖しているけど、やっぱり動物が活発に動く夏場に活発的になるんだ。

食料品で増える?
小麦粉を餌にして増えるダニがいて、暖かい場所に保存すると混入したダニが中で大繁殖する。この小麦粉で作った料理を食べるとダニを食べることになり、アレルギー症状を引き起こすことも。小麦粉が使われている食料品は冷暗所で保管しよう。

  • マダニの生態
  • 吸血する時間が長い

マダニは野生生物から吸血するんだけど、吸血する時間が長く時には数日に渡ることも。だから吸血中に病原体をうつされることが多いので注意。最近は中型のほ乳類が都市部に住み着くこともあり、それを吸血源としてマダニが市街地で見つかることも。

  • ムカデの生態
  • 足100本?

死んだ動物や昆虫を食べる腐食性の生き物。口にとがった牙をもっていて、そこから毒を出すんだ。噛まれるととっても痛い。湿気が多いところを好むよ。ムカデは漢字で「百足」と書くけど、実際にはそんなに多い種類は少なく、日本で一番よく見る「トビズムカデ」は23対46本の脚だよ。

  • サソリの生態
  • 日本には2種類生息

沖縄の宮古島などに生息するマダラサソリと西表島などに生息するヤエヤマサソリ。ともに朽ち木の中などで生活しているので人との接点は少ないけど、毒を持っているよ。マダラサソリは人家に入ることもたまにあるので注意。

  • ツツガムシの生態
  • 非常に小さいダニの仲間

卵から孵ったばかりの幼ダニが吸血する時に「つつが虫病」をうつすことがあるんだ。河原や山林に多く、普段はネズミから吸血しているけど、ハイキングなどで山を訪れた時に刺されて病気になることも。

  • ダンゴムシ・
    ワラジムシの生態
  • ジメジメしたところが
    大好き

落ち葉などを食べる腐食性動物。びっくりすると丸まる。特に害はないけど、まれに生きた植物を加害することがあるので、農業害虫となることもあるんだよ。