2017年9月5日 | お役立ち情報
人間不信に陥ったときの症状と克服方法 - 人が信じられない原因
人が生きていく上で避けては通れないのが人間関係の構築。良好な人間関係を築くことは学校、職場、ご近所付き合いなどさまざまなシーンで要求されます。社会に出ている大半の人は順調とまではいかないものの、大きなトラブルになるような人間関係の歪みというのはありません。
しかし残念ながら『今は人を信じることができない・・・』という精神状況になっている方もいます。人間不信は生きていく上では百害あって一利なしです。今回は現在、人が信用できないという方に役立つ人間不信の原因や克服法を解説したいと思います。
人が信じられなくなる原因とは?
まずは人間不信になる主な原因を見てみましょう。
友人や恋人の裏切り
今まで接点がない人から酷い仕打ちを受けたというのであれば『世の中には常識知らずの人間もいるもんだな』という一言で片付けることはそう難しくはないでしょう。しかし、これが長く信頼していた友人や恋人となると問題ありです。
人は文字通りお互いが支え合いながら生きている生き物です。そのため今まで楽しい時も悲しい時も一緒にいた人間に裏切られることで『自分はこれから誰を支えにして生きていけばいいのか・・・?』という感情が心を支配します。
最悪な例だと一番信頼していた親友が自分の恋人を奪っていったなどがありますね。この例では親友と恋人に同時に裏切られたというWパンチでもあるため、本人としては相当な衝撃を受けるのは当然。
また大切な友人が陰で『あいつとの関係切りたいんだけどタイミングがわからなくてね』などと言っていたことを噂で聞いてしまうと『今まで一緒に遊んだ時の笑顔は偽りだったのか?』という気持ちになり、これらが決め手となって『もう誰も信じることはできない』という感情が植えつけられていきます。
付き合いが長い人間であればあるほど裏切られた時の衝撃度は大きく、人間不信に陥りやすいともいえるでしょう。
人間関係を上手に構築できなかった
人が信じられなくなる前は友達を作りたいという積極的な姿勢でコミュニケーションをとってきたという方もいると思います。しかし残念ながらこの人間関係の構築が苦手、上手でないという人も世の中にはいます。このような人が最終的に『人との付き合いは難しいな・・・』という感情を抱き、人間不信に陥りやすくなります。
『私が喋るとどうも周りがシーンとする』『自分が喫煙所に行くと周囲の雰囲気が重たくなる・・・それまではみんなで盛り上がっていたのに』など避けられている雰囲気を感じることにより『自分の居場所はどこにあるのか?』という気持ちになります。
このような気持ちになったら危険信号のサインですね。『自分が人の輪に加わっても誰も得はしないようだし、人と関わることをやめようかな』となってしまい人を信用する心は失われていきます。
周囲からの嫉妬、恨みによる嫌がらせ
人の嫉妬、恨みは怖いといわれますがこれらの感情というのは時に執拗な嫌がらせに発展します。このようなケースでは嫌がらせを受ける本人に心当たりがある場合は一言謝罪の言葉を述べれば収まることもありますが、問題は恨みを買われる理由がわからない時。
この場合は相手が何に対して自分に妬みや恨みを持っているのかがわからないため、大きな恐怖感が心の中を支配します。またこのケースでは根も葉もない噂が時間の経過とともに広まることもあり、周囲から避けられる可能性も大きくなります。
このような状態になると嫌がらせを受けている本人は『周囲の人間はみんな私に対して恨みを持っている』というような錯覚に陥りやすく、人に対して異常なまでの恐怖感を抱くようになるでしょう。
人間不信に陥ったときに現れる主な症状とは?
人間不信に陥る原因がわかったところで、今度は人が信じられなくなった時に現れやすい主な症状をご覧ください。『自分は大丈夫』という方も似たような症状がある場合は要注意です。
他人の言っていることが信じられなくなる
会話をしている時、常に『それ本当?』『どうも信じられないな・・・』という感情が心の中にある場合は要注意。この症状は前述の『大切な人に裏切られた』という経験がある人に現れやすいのが特徴であり、その時のトラウマが心から離れないことが原因となっています。
『人を信じたらまた自分が傷つくだけだ!』という防御反応が異常に高まっているともいえるでしょう。このような状態になると実際に裏切られた人数は1人であるにも関わらず、世の中の人間全てが自分を裏切るんだという考えが極端に強くなっているため、症状改善には少し時間を要する可能性もあります。
人を寄せつけずに孤独が好きになる
異常なまでに孤独を好むようになると人間不信に陥っている可能性は大でしょう。このような方は『孤独であればもう裏切られる心配もない』『1人であれば変な誤解をされることもない』という気持ちが心の中を埋め尽くしています。人と接することで生まれる苦痛から逃れられるなど、非常に楽な環境に身を置けるというのも孤独が好きになる要因です。
また症状が重くなると家にいる家族すら寄せつけなくなるため、こうなると改善までには時間を要することになるでしょう。症状が軽い場合でも『結婚は相手に利用されて終わるだけだからしないほうがいい』『職場での会話は必要最低限でとにかく早く家に帰りたい』という考え方が強い人は要注意です。
恐怖感が異常に強くなる
人と接する度に怯えてビクビクしてしまう。普通の人見知りとは明らかに違う態度や表情が前面に出ている場合は要注意。これは前述の周囲の人間からの嫉妬や恨みによる嫌がらせから起こりやすいのが特徴です。
『周りの人間全員が私に攻撃してくる・・・』『今度は誰が自分に嫌がらせをしてくるのか・・・?』という心理状態になっているため、実際には味方の人間でも恐怖感を感じてしまうのです。
恐怖感が異常に強くなる状態が続くことで非常に大きなストレスも蓄積されるため、うつ病といった精神疾患を患う可能性も高くなってしまいます。誰もいないのに急に発狂したり、泣き出すこともありますがこれは本人の中で妄想が現実化したために起きる症状でもあります。
笑顔などが消え表情が乏しくなる
人間不信になると人を信用する、人に心を開くということがなくなるため、必然的に無表情になることが多くなります。『人がいる前で不用意に笑顔を見せて隙を作ってはいけない』という警戒心も影響しているでしょう。笑顔を見せるというのは『私はあなたたちに心を開いていますよ』という一つの表現法でもあるため、人が信じられない時に笑顔を作るのは当然難しいですよね。
職場や学校でみんなが笑える会話をしているのにそこでも1人だけ無表情だったり、心の底から笑えないという方は要注意です。また笑顔がないと周囲も『あいつ、いつも無表情で空気も悪くなるから少し距離を置こうか』という気持ちになってしまうため、このような状態が続くことで孤立する可能性も高まります。
人間不信を克服する方法は?
人間不信の時に現れる主な症状を取り上げました。ここからは実際に人間不信を克服する方法を解説したいと思います。大掛かりなものから比較的簡単に実践できる方法まであるため、自分に合った克服法を試してみましょう。
生活環境を変えてみる
今の環境で人間不信に陥った場合にはいっそのこと引越しをして生活環境を変えてみることをおすすめします。人間というのは嫌になった場所や人などが視界に入ることでその時の記憶が蘇って精神的な苦痛が常に与えられる傾向にあります。また自然と防衛反応が起きるため、周囲に対しても警戒心が非常に強くなるでしょう。このような時は今の環境を全て捨てることを考えるのは全然問題ありません。
新しい環境に引っ越せば前の環境が視界に入ることもなくなるため、時間の経過とともに徐々に人間不信の症状も改善できる可能性が高くなります。また新しい環境になることで自然と新鮮な気分になり『ここでもう一度頑張ろう』という前向きな気持ちを手にすることもできます。
信じられる場所や人を探す
生活環境を変える、という克服法と少し似ていますが裏切られた人間のことは『所詮、この程度の人間』と考えて、もう一度自分の信じられる場所や人を探してみましょう。長年連れ添った友人や恋人に裏切られても他の人はまだ裏切り行為をしたわけではありません。
人間不信に陥りやすい人の特徴は全く関係ない人でも信用できないと思ってしまうことです。実際に裏切られた人数は1人、2人であるにも関わらず『もう誰も信用できない』という心理状態になってしまうと、人との関わりをやめてしまうのは当然ですね。
このような感情を抱くことで社会から孤立してしまうのです。この最悪の環境を作らせないために大切なことは『あくまで裏切った人間はあいつ1人のみ』という気持ちを持つことです。
『他の人は関係ない、あいつだけが自分に対して最悪なことをした』という意識を持つことで少なくとも他の人とは普通に接することができるようになります。また周囲の信頼できる人に裏切られたことを相談すれば『そっか、そいつは災難だったな』と慰めてくれたり、同情してくれることもあります。
そこから『今度、飲みに行くけど一緒に行く?』と誘われることもあり、新たな人間関係構築ができる可能性も決してゼロではありません。また自分の好きなことや趣味を共有できる場所に出向くのもおすすめです。
釣りが好きであれば気分転換に海や川に出掛けることで、同じ釣り好きの人との新たな出会いがあるかもしれません。ダーツが好きであればダーツバーなどに出向くことで同じ趣味を持った人に出会える可能性もあります。『もう誰も信用できない』という気持ちを持つのではなく『疫病神も去ったし、新たな出会いを求めて頑張ろう』という前向きな姿勢で日々の生活を過ごしてみましょう。
周囲に過度な期待をしない
人間不信になった原因が『裏切られた』という人は他人に対して『こうしてほしかった』『あの時はこんな行動をとってほしかった』という大きな期待感を抱きすぎるという特徴があります。
そしてその期待したことを相手が実行してくれなかった時に『裏切られた気分・・・』となってしまうわけですね。人を信頼することは社会で生きていく上で大切ですが、過度な期待はあまり良くありません。
どんなに付き合いが長い友人、恋人でも育ってきた環境や考え方は異なるため相手に自分が考えていることを実行してほしいと望むのは的外れです。相手に期待をすればするほど意見の食い違いがあった時に『裏切られた気分だ!お前はもう味方ではない!』という過度な被害妄想が現れる可能性もあります。
このような症状が出る前に現在の周囲に期待しすぎる考え方を改めてみましょう。相手に多くを求めない、自分が考えていることと全く正反対の行動をとっても『自分は自分、他人は他人』という意識を常に持つことです。自分の考え方を周囲にも押しつけるガチガチの人間関係は必ずどこかで破綻します。緩めの平和スタイルを貫くことでストレスのない毎日を過ごすことができます。
まずは自分が人を信じることから始める
人間不信になるとどうしても『もう誰も信用しない!』という感情が前面に出てきます。このような感情が優位になると人前に出てもコミュニケーションをとらなくなります。また周囲の人が気遣ってわざわざ話しかけにきてくれても不信感が前面に出た状態だとどうしてもどこか上の空の対応になってしまいます。
こうなると気遣ってくれた周囲の人まで『いつも1人でかわいそうだから話しかけたのにあんな態度じゃこっちも疲れるから、もう放っておこうか』という気分になり最終的には誰も近寄らなくなるでしょう。
これは全ての人が信頼できないという感情があることで起こりやすい孤立のパターンです。前述のように人間不信になる原因を作ったのは誰か?ということをもう一度考えて『自分のことを気遣ってくれる人は味方なんだ』という気持ちを持つようにしましょう。
全ての人が信頼できなくなる気持ちもわかりますが、このような感情をいつまでも心に置いておくと人間不信の克服は難しくなります。まずは人を信じる気持ちを持って少しずつ周囲の人との会話を増やしていきましょう。
人と接するのが久しぶりで不安があるという方は、最初は信頼できる両親や兄弟と会話をするのもおすすめです。人を信じる気持ちがあれば自然と笑顔を作れるようになり、周囲に心を開くことも可能となります。
症状が深刻な場合は早めに精神科や病院での治療を
今回は人間不信に陥る原因や現れる症状、克服法を解説してみましたがいかがでしたでしょうか?人間不信に陥る原因や現れる症状は人それぞれですが、一度人を信じられなくなると改善までには時間を要することが多いです。
そのため少しでも『人に対する見方が変わったかな?』という心当たりがある方は人間不信を克服する方法を実践してみましょう。初期段階であれば自力で解決できる可能性は高いです。
しかしいつも気分が憂鬱、仕事や学校も行かなくなった、部屋から一歩も出なくなったなど通常の社会生活を送るのも困難な時は自己解決が難しいため、早めに精神科や病院での治療を受ける必要があります。
また人間不信になると人と話すだけで大きなストレスになるためタンパク質、ビタミン、ミネラルなどを含む栄養バランスが整った食事を意識して摂取することも大切です。
【参考】食事 ~ストレス解消法~ │ 特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
『人が信じられない今の自分を変えたい』と思っている方は症状改善に向けてコツコツと頑張ってみましょう!