日本の祝日・記念日一覧!祝日になった歴史や変遷も紹介

日本の祝日・記念日一覧!祝日になった歴史や変遷も紹介

日本では、「国民の祝日に関する法律(祝日法)」において複数の祝日が休日に制定されています。カレンダーの赤い数字を見ると「今月は祝日がある!」とうれしくなるかもしれませんが、その日が制定された意味や由来を知る人は少ないのではないでしょうか。

今回は、日本の祝日の一覧と概要、祝日を制定した歴史や変遷について紹介し、日本の主な行事や記念日の一覧も解説します。

日本の祝日一覧

日本の祝日一覧

はじめに、日本の祝日の一覧をご紹介します。2024年3月現在、休日に制定されている祝日は16日です。

元日

1月1日は、新年の始まりを祝う日として1948年(昭和23年)に制定されました。古くから、元日は1年の豊作や幸せを司(つかさど)る「歳神様(としがみさま)」を迎える行事を行ないます。な「元旦(がんたん)」とは、1月1日の午前中を指します。

成人の日

成人の日は「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」(1)日として1948年に1月15日が制定されましたが、2000年(平成12年)に1月の第2月曜日に変更されました。2022年(令和4年)の民法の改正で成人を18歳に変更したものの、多くの地域では20歳を対象にした成人式を開催しています。

建国記念の日

建国記念の日である2月11日は「建国をしのび、国を愛する心を養う」(2)日として1966年(昭和41)に制定されました。2月11日は、神武(じんむ)天皇が即位した旧暦の1月1日を太陽暦に換算して定めた「紀元節(きげんせつ)」が由来です。

天皇誕生日

1948年に昭和天皇の誕生日である4月29日が祝日に制定され、1989年(平成元年)から当時の天皇陛下の12月23日に変更されました。2020年(令和2年)から、現在の天皇陛下の2月23日が天皇誕生日として引き継がれています。

春分の日

春分の日は、1948年に「自然をたたえ、生物をいつくしむ」(3)日として制定されました。例年では3月20~21日ごろで、前年の2月に国立天文台が公表して翌年の春分の日が決定します。この日は太陽が真東から出て真西に沈み、昼と夜がほぼ同じ長さになります。

昭和の日

昭和天皇の誕生日である4月29日を指し「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」(4)日とされています。昭和の日は、2005年(平成17年)に制定、2007年(平成19年)に施行されました。

憲法記念日

憲法記念日の5月3日は「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」(5)日として1948年に制定されました。日本国憲法は、1946年(昭和21年)11月3日に公布、翌年の1947年(昭和22年)5月3日に施行されています。

みどりの日

「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」(6)日として1989年に昭和天皇の誕生日である4月29日が制定されました。その後、2007年に4月29日を昭和の日に、5月4日をみどりの日に変更して現在に至ります。

こどもの日

こどもの日の5月5日は「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」(7)日として1948年に制定されました。別名の「端午の節句(たんごのせっく)」とは、邪気(じゃき)をはらう中国の行事に由来します。本来の5月5日は、男児だけでなく全ての子どもを対象にしています。

海の日

7月20日の海の日は「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」(8)日として1996年(平成8)に制定されましたが、2003年(平成15年)に7月の第3月曜日に変更されました。7月20日は、1876年(明治9年)に明治天皇が東北の巡幸から船で横浜に帰航した日で、長く「海の記念日」として親しまれていました。

山の日

山の日の8月11日は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」(9)日として2016年(平成28年)に制定された最新の祝日です。国土の約75%が山地である日本は山の恩恵を受けていること、夏休みやお盆休みに人々が山に親しむことなどから考えられました。

敬老の日

敬老の日は「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」(10)日として1966年に9月15日が制定されましたが、2003年に9月の第3月曜日に変更されました。古くから9月15日は高齢者に関する日として定着しているため、現在も「老人の日」の名称で感謝を捧げて長寿をお祝いする日とされています。

秋分の日

1948年に「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」(11)日として制定されました。例年では9月23~24日ごろですが、春分の日と同様に前年の2月に国立天文台が公表して翌年の秋分の日が決定します。秋分の日も、昼と夜がほぼ同じ長さです。

スポーツの日

スポーツの日はかつて「体育の日」と呼ばれ「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」(12)日として1966年に10月10日が制定されました。10月10日は、1964年(昭和39年)に開催された東京オリンピックの開会式の日に由来します。

2000年に、体育の日は10月の第2月曜日に変更されました。後の2020年に「スポーツの日」と改名し趣旨についても「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」(13)と変更されました。

文化の日

文化の日の11月3日は、1948年に「自由と平和を愛し、文化をすすめる」(14)日として制定されました。もともと11月3日は明治天皇の誕生日で、1946年の同日に公布された日本国憲法が文化的な内容を示したことから命名されました。

勤労感謝の日

勤労感謝の日の11月23日は、1948年に「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」(15)日として制定されました。かつて、11月23日は天皇がその年に獲れた新しい穀物を神に供えて食する「新嘗祭(しんじょうさい)」の休日とされていました。

【出典】(1)~(15)e-gov 法令検索「国民の祝日に関する法律」

日本の祝日の歴史・変遷(へんせん)

日本の祝日の歴史・変遷(へんせん)

次に、日本の祝日が制定された歴史と変遷についてご紹介します。日本の祝日は、国民がよりよい社会と豊かな生活を築くために、お祝いや感謝、記念の気持ちを持つ日として国民の祝日に関する法律(祝日法)で定めたものです。

1948年(昭和23年)に、最初の祝日として元日、成人の日、天皇誕生日、春分の日、憲法記念日、こどもの日、秋分の日、文化の日、勤労感謝の日の計9日が施行されました。後の1966年(昭和41年)に建国記念の日、敬老の日、体育の日を追加して祝日は計12日になりました。

1973年(昭和48年)に、日曜日と祝日が重複した際に月曜日が休日になる「振替休日」が誕生します。1985年(昭和60年)には、祝日と祝日の間にある平日を休日にする「国民の休日」が誕生し、1988年(昭和63年)の5月4日に適用しました。

1989年(平成元年)の「みどりの日」の設定により天皇誕生日が12月23日に変更され、1995年(平成7年)の法改正により1996年(平成8年)に海の日が追加されて祝日は計14日になりました。

2000年(平成12年)と2003年(平成15年)年の法改正により、土日から続く連休になるように祝日を移動させる「ハッピーマンデー制度」が誕生しました。具体的には、成人の日、海の日、敬老の日、体育(現:スポーツ)の日が該当します。

2007年(平成19年)の昭和の日の設定により、みどりの日が5月4日に変更され、振替休日の曜日を問わない移動が可能になりました。2016年(平成28年)に山の日が追加されて、現時点の祝日は計16日です。

また、皇位継承により天皇誕生日が2020年(令和2年)から2月23日に変わりました。同年は開催を予定していた東京オリンピックに向けて体育の日がスポーツの日に改名され、実際に開催された翌年にかけて一時的な祝日の変更がありました。

日本の行事・記念日一覧

日本の行事・記念日一覧

続いて、休日ではないものの、日本で親しまれている主な行事や語呂合わせによる記念日の一覧をご紹介します。皆さんはこの日にちを見て、何の日かわかりますか?

1月7日

1年の節目である「人日(じんじつ)の節句」と呼ばれ、無病息災(むびょうそくさい)や健康長寿を願って「七草粥(ななくさがゆ)」を食べる風習があります。

1月11日

お正月にお供えした鏡餅(かがみもち)を下げて、木槌(きづち)などで割りお汁粉(しるこ)や雑煮(ぞうに)にして食べる「鏡開き(かがみびらき)」の日です。

1月15日

15(いちご)の語呂合わせと、収穫や出荷のピークの時期に合わせて「いちごの日」として広まり、果物店や洋菓子店などでイベントを行なっています。

2月3日

立春(りっしゅん)の前日である「節分(せつぶん)」は、邪気(じゃき)を祓(はら)うために豆まきをしたり、鰯(いわし)の頭を柊(ひいらぎ)の枝に刺したものを玄関に掲げたりする風習があります。

2月14日

3世紀ごろのローマの司祭であったバレンタインの命日で、国内では1950年代に洋菓子店が「バレンタインデー」として女性から男性にチョコレートを贈る風習を広めました。

2月22日

「ニャンニャンニャン」の語呂合わせから、1987年(昭和62年)に愛猫(あいびょう)家などで構成される組織とペットフードの工業会が「猫の日」として制定しました。

3月3日

女児のいる家庭で雛(ひな)人形を飾って健康や幸せを祈る「雛祭り」は、正式には「上巳(じょうし)の節句」と呼ばれます。また、33(みみ)の語呂合わせから1957年(昭和32年)に耳鼻咽喉科の学会が「耳の日」を制定しました。

3月14日

バレンタインデーにプレゼントをもらった男性が女性にお返しを贈る「ホワイトデー」は、1980年代に飴(あめ)菓子の組合がキャンディーを贈るイベントを開催して広まったとされます。

4月1日

「エープリル・フール」は、西洋において4月1日の午前中に嘘(うそ)をついたりいたずらをしたりしてもよいとする「April fool’sDay」の風習が日本に伝わったものです。

5月1日

「メーデー」は、1886年(明治19年)5月1日にアメリカの労働者が8時間労働を要求したストライキなどが起源とされます。国内では1920年(大正9年)に代々木公園で第1回が開催され、禁止と復活を経て現在も労働者が権利を求める日として受け継がれています。

5月第2日曜日

母親に日頃の感謝を伝える「母の日」は、1900年代にアメリカの女性が社会活動に勤しんで亡くなった母親に白いカーネーションを供えたことが起源とされます。

6月4日

6(む)4(し)の語呂合わせから、かつて歯科医師会が1928年(昭和3年)から1938年(昭和13年)まで「虫歯予防デー」を実施していました。現在は6月4~10日を「歯と口の健康週間」として口腔(こうくう)のケアを呼びかけています。

6月10日

「時の記念日」は、1920年(大正9年)に時間を尊重・厳守して生活の合理化や改善を進める目的で、当時の文部省が出資した外郭(がいかく)団体が制定しました。671年(天智天皇10年)の6月10日に水時計がつくられたことに由来します。

6月第3日曜日

「父の日」は、1900年代にアメリカの女性の提唱がきっかけとなり、父親の誕生月である6月の第3日曜日が制定されました。国内では、1980年代にメンズファッションの協会が「無事を願う」意味を持つ黄色のキャンペーンを開催して全国に広まりました。

7月7日

「七夕(たなばた)」は、天の川を挟む牽牛星(けんぎゅうせい:ひこぼし)と織女星(しゅくじょせい:おりひめ)が年に一度だけ会う伝説に基づく祭りです。本来は「しっせき・しちせき」と呼ばれる節句の1で、機織り(はたおり)をする棚機津女(たなばたつめ)が機屋(はたや)にこもって神の降臨(こうりん)を待つことが由来とされます。

8月7日

8(は)7(な)の語呂合わせから、1961年(昭和36年)に耳鼻咽喉科に関する学会が制定した「鼻の日」です。当時は副鼻腔炎(ふくびくうえん)の患者が多かったため、早期発見と早期治療を目的とする啓発活動を行ないました。

9月1日

1960年(昭和35年)に、自然災害の知識を深めて備えを確認する日として「防災の日」が制定されました。1923年(大正12年)の同日に関東大震災が起きたこと、立春から数えて「二百十日(にひゃくとおか)」に当たる同日に台風が多く襲来することに由来します。

10月31日

「ハロウィーン(ハロウィン)」は、秋の収穫を祝って悪霊(あくりょう)を祓う欧米の祭りが起源で、仮装した子どもたちが練り歩きお菓子をもらう風習があります。国内では1980年代に雑貨店がパレードを行ない、1997年(平成9年)にテーマパークで開催されたイベントがきっかけで全国に広まりました。

11月1日

「ワンワンワン」の語呂合わせから、1987年(昭和62年)にペットフードの工業会が「犬の日」として制定しました。

11月15日

一般的な「七五三(しちごさん)」は、男児は3歳・5歳、女児は3歳・7歳に祝いますが、年齢は地域によって異なります。子どもが帯を使用して着物を着る儀式が起源とされ、大正時代に関東で定着したのち、高度経済成長期を過ぎて関西に広まりました。

11月22日

11(いい)22(ふうふ)の語呂合わせから、1988年(昭和63年)に余暇の開発を目的とする組織によって「いい夫婦の日」が制定されました。

12月24日・25日

12月24日の「クリスマスイブ」は25日の前夜祭、25日の「クリスマス」はイエス=キリストの誕生日です。国内の導入は1856年(安政3年)とされ、1875年(明治8年)に銀座の女学校で祝ったことが最初という説があります。

12月31日

1年の最後の日で「大晦日(おおみそか)」や「大晦(おおつごもり)」と呼ばれます。「晦日」は月の末日を指し、年末の特別な日のため「大」が付きます。大晦日は、寿命や家運を「細く長く」伸ばすとされる年越しそばを食べ、108つの煩悩(ぼんのう)を取り除いて新年を迎える意味の除夜(じょや)の鐘を聞く風習があります。

祝日・記念日一覧から日本を知ろう

祝日・記念日一覧から日本を知ろう

今回は、日本の祝日の一覧と概要、制定の歴史や変遷のほか、日本の主な行事や記念日について解説しました。日本の祝日は国民の豊かな生活を目的にして制定され、複雑な歴史とともに現在も継承されています。

日本の祝日や行事、記念日の意味や由来を理解しながら1年を過ごすと、さらに新しい世界が広がるかもしれません。

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