2023年5月10日 | お役立ち情報
山形ってどんなところ?山形県の文化・食べ物・お祭り・県名の由来などを紹介!
【写真提供】公益社団法人山形県観光物産協会
47都道府県を順にご紹介するシリーズ、今回は「山形県」です。
山形県はその名の通り山に囲まれた県です。日本百名山に数えられる蔵王山、鳥海山、月山、吾妻山、朝日岳、飯豊山の六座があり、多くの登山ファンを魅了してやみません。
今回は、豊かな自然とおいしいものに恵まれた山形県の魅力をお伝えします。
山形県とは
はじめに、山形県の基本情報をご紹介します。
県の位置
山形県は東北地方の日本海側にあり、東経約139°〜約140°、北緯約37°〜39°に位置します。宮城県、秋田県、福島県、新潟県に隣接しています。
県名の由来
山形県の県名は、平安初期の「和名類聚抄(わみょうるいじゅうしょう)」という資料に今の山形市の南側を「山方(やまがた)郷」といったことに由来があるといわれています。
山形県の文化
【写真提供】公益社団法人山形県観光物産協会
山形県に伝わる文化のうち、主なものをご紹介します。
精神文化
山形で受け継がれている文化のひとつに、精神文化があります。精神文化とは「自然を尊び、自然に感謝する心が生み出した文化」のことで、出羽三山信仰や草木塔などが挙げられます。
出羽三山は「羽黒山」「月山(がっさん)」「湯殿山(ゆどのさん)」の総称です。江戸時代には「西の伊勢参り、東の奥参り」といわれ、全国に名を知られる霊山となりました。
羽黒山は現在の幸せを祈る山(現在)、月山は死後の安楽と往生を祈る山(過去)、湯殿山は生まれ変わりを祈る山(未来)として敬われ、出羽三山をめぐることは生まれ変わりの旅といわれています。
月山や湯殿山は冬季の参拝ができませんが、羽黒山は冬季でも登れます。
山道の羽黒山杉並木は「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で三つ星を獲得した美しい杉並木です。月山は出羽三山の中でもっとも高い山で、八合目の弥陀ヶ原湿原は高山植物が豊富です。湯殿山にある湯殿山神社の本宮は裸足になり、お祓いを受けてからでなければ参拝できません。湯殿山の御滝神社では滝行を体験できます。
草木塔(そうもくとう)とは、草木の恵みに感謝し、採取した草木を供養する気持ちから建立された石塔です。山形県内でもとくに置賜地方に多く見られます。米沢市の入田沢塩地平にある1780年に建立された草木塔は、現存する中で最古のものとされ、米沢市の有形文化指定財に指定されています。
天童将棋駒
天童市の将棋駒産業は全国の9割以上を占めるといわれています。江戸時代後期、生活の困窮にあえぐ藩士を救うため、当時の天童織田藩の用人職だった吉田大八が将棋駒の制作を藩士に奨励したことが天童将棋駒の振興のきっかけになったといわれています。
山形仏壇
山形は東北一の仏壇生産地として知られ、主に山形市、天童市、尾花沢市、酒田市で製造されています。
山形仏壇は、江戸中期に江戸で技術を学んだ星野吉兵衛が山形に戻って伝えたのが始まりといわれています。山形は森林資源に恵まれ、良質な漆が採取できたため、早くから漆産業が発展していました。信仰深い地域なので、星野吉兵衛が山形へ仏壇の技術をもたらしたことをきっかけに仏壇制作が盛んになっていきます。
江戸時代に入ると最上川の水運の発達で紅花の取引が行われるようになり、京都や大阪から優れた技術や文化が伝わったことも重なって、仏壇制作が急速に発達しました。
明治期には7つの工程に分業して量産可能な体制をとり、山形の重要な地場産業に発展しました。山形仏壇は堅牢で荘厳な中にも木の温もりが感じられる金仏壇で、昭和55年(1980年)に国の伝統的工芸品指定を受けています。
山形県の食文化・有名な食べ物
【写真提供】公益社団法人山形県観光物産協会
続いて、山形県の主な食文化をご紹介します。
さくらんぼ
山形はさくらんぼの生産量が日本一で、全国の7割を占めるといわれています。なかでも高級品種「佐藤錦」の発祥地である東根市は、全国の2割の生産量を誇っています。
山形でさくらんぼの栽培が始まったのは明治8年です。当時、全国で育成が始まりましたが、成功したのは山形とその周辺だけでした。雨に弱いさくらんぼにとって、山に囲まれて空梅雨になることが多い山形の気候が適していたためです。
令和5年は大玉でツヤがある新品種「やまがた紅玉」が本格デビューする予定です。
芋煮
芋煮は里芋が収穫される秋から冬にかけて山形でよく食べられる郷土料理です。基本的な具材は里芋、牛肉、こんにゃく、ねぎでしょうゆ味ですが、地域によって味付けに違いがあります。
たとえば日本海側の庄内地域では牛肉の代わりに豚肉を使い、味付けは味噌仕立てが定番です。河原で家族や友人と芋煮会を行ったり、運動会や地域行事など野外で芋煮を作ったりすることもあります。
玉こんにゃく
玉こんにゃくは、3cmほどの玉状のこんにゃくを串に刺した山形のソウルフードです。水を使わずしょうゆだけで煮るのがおいしい食べ方です。観光地やイベントなどで販売されています。スーパーでは味付け前の玉こんにゃくが販売されており、家庭料理としても親しまれています。
だし
だしは山形の夏の定番料理です。暑さで食欲がなくなる時期に、きゅうりやなすなど水分が多い野菜を青じそやみょうがなどの香味野菜と一緒に刻んで和え、味付けしたものです。山に囲まれ高温多湿で夏の暑さが厳しい村山地域を中心に食べられてきたといわれています。
家庭では大きめの容器に盛り、それぞれご飯の上に乗せて食べる食べ方が一般的です。飲食店ではだしを使ったアレンジメニューも提供されています。
ラーメン
総務省が2023年2月7日に発表した家計調査によれば、山形市は1世帯あたりの中華そば支出費が全国1位です。山形県はご当地ラーメンの宝庫といわれています。
- 酒田ラーメン(酒田市)
- とりもつラーメン(新庄市)
- 冷やしラーメン(山形市)
- 米沢ラーメン(上山市)
- 赤湯ラーメン(赤湯市)
魚介スープに自家製麺の「酒田ラーメン」や、とりもつがトッピングされた「とりもつラーメン」。「冷やしラーメン」は、麺もスープも冷たくて氷入りで提供されることもあり、うだるような暑さの夏でも涼しく食べられます。
鶏がらスープにちぢれ麺の「米沢ラーメン」、味噌ベースに辛味噌がトッピングされた「赤湯ラーメン」というように、山形県内ではさまざまなご当地ラーメンが食べられます。
だだちゃ豆
だだちゃ豆は庄内地方の鶴岡市鶴岡地域で栽培されているブランド枝豆で全国的にも有名です。「だだちゃ」とは庄内地方の方言で「お父さん」という意味です。一般的な枝豆に比べるとサヤの表面が茶色い毛で覆われ、豆の間は深くくぼんでいることが特徴で、口に入れると広がる甘みや噛むほどに感じるコクが絶妙です。
山形県の伝統的な行事・まつり
【写真提供】公益社団法人山形県観光物産協会
山形県に伝わる主な伝統行事や祭りは、次のとおりです。
山形花笠まつり
山形市で毎年8月5日〜7日の3日間に行われる山形花笠まつりは、約14,000人の踊り手と100万人の観客を集める山形県の夏の風物詩です。
山車を先頭に「ヤッショ、マカショ」の勇ましい掛け声と花笠太鼓が響き渡り、花笠音頭に合わせてあでやかな衣装の踊り手が十日町から文翔館前までの1.2kmをパレード。県の花でもある「紅花」をあしらった花笠がダイナミックにうねり、華やかな光景に包まれます。
新庄まつり
新庄まつりは毎年8月24日から3日間にわたり、新庄の夏をしめくくるイベントです。1756年、新庄藩藩主戸沢正諶(とざわまさのぶ)公が大凶作による飢饉で心身が疲弊した領民たちに活気と希望を持たせ、五穀豊穣を願うために天満宮の祭礼を領内で行ったのが起源とされています。
豪華絢爛を競う山車行列、古式ゆかしい御輿渡御行列(みこしとぎょぎょうれつ)、新庄城址で舞う荻野・仁田山鹿子踊り(はぎの・にたやまししおどり)などの歴史絵巻が繰り広げられます。山形県では唯一のユネスコ無形文化遺産です。
米沢上杉まつり
米沢上杉まつりは毎年4月29日〜5月3日に開催されます。初日の4月29日は上杉神社、松岬神社の例大祭と開幕パレードが行われます。メインイベントは5月3日に開催される川中島の合戦です。
上杉軍、武田軍合わせて約700名の武者が入り乱れる迫力満点の戦国絵巻です。上杉謙信が単騎で武田軍へ切り込み、信玄との一騎打ちを再現した名場面も見られます。まるで戦国時代にタイムスリップしたような感覚を味わえるでしょう。
山形県の建築物・遺産
山形県の主な建築物や遺産は次のとおりです。
宝珠山立石寺
山寺の通称で知られる宝珠山立石寺は、貞観2年(860年)に天台座主第3世慈覚大師円仁によって建立されました。
松尾芭蕉の「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の句でも知られています。山全体が修行と信仰の場になっていて、奥之院までの石段は全1015段もあります。石段を登ることで煩悩が消えるといわれています。
山寺の玉こんにゃくは「力こんにゃく」と呼ばれ、登る前に食べて力をつけていく人もいるようです。
住所:山形県山形市山寺4456-1
公式サイト:https://www.rissyakuji.jp
羽黒山 五重塔
羽黒山は会津や平泉とともに東北仏教の中心であったため、数々の文化財が残っています。国宝に指定されている五重塔は、羽黒山参道、一の坂登り口の杉並木の中にあり、東北地方では最古の塔で平将門の創建と伝えられています。
現在の塔は、約600年前に庄内の領主で羽倉山の別当であった武藤政氏が再建したとのことです。近くの巨杉は樹齢1000年といわれています。
所在地:鶴岡市羽黒町手向 羽黒山
公式サイト:http://www.dewasanzan.jp(羽黒山神社)
山居倉庫
酒田は江戸時代、北前船の寄港地として繁栄しました。その名残が感じられるのが山居倉庫です。1893年に建てられた米保管用の倉庫で、収容能力は10,800tです。最上川に隣接するため、船に米を積み込むにも便利でした。NHK朝の連続テレビ小説「おしん」のロケ地にもなっています。
住所:酒田市山居町一丁目1番20号
公式サイト:https://www.city.sakata.lg.jp/bunka/bunkazai/bunkazaishisetsu/sankyosouko.html(酒田市)
まとめ
今回は、山形県の文化や郷土料理・ご当地グルメ、伝統行事、建築物などについてご紹介しました。自然豊かな山形県には出羽三山や松尾芭蕉も訪れた山寺など、一度は訪れてみたいスポットがたくさんあります。魅力的な郷土料理やご当地グルメも豊富なので、休日を利用して訪れてみてはいかがでしょうか。