2022年9月15日 | お役立ち情報
和歌山ってどんなところ?和歌山県の文化・食べ物・お祭り・県名の由来などを紹介!
【画像提供】(公社)和歌山県観光連盟
47都道府県を順にご紹介するシリーズ、今回は「和歌山県」です。県庁所在地の和歌山市は、古くは徳川御三家のひとつ紀州徳川家の城下町として栄えてきました。海・山・川の大自然に恵まれた和歌山県は熊野三山や高野山などの世界遺産を有し、美しい自然景観や自然を楽しめるアクティビティが豊富です。今回は和歌山県の魅力をご紹介いたします。
和歌山県とは
はじめに、和歌山県の基本情報をご紹介いたします。
和歌山県の場所
和歌山県は東経134〜136°、北緯33〜34°に位置しています。日本で最も大きな半島である紀伊半島の南西に位置し、面積の8割以上を山地が占めています。県の面積は約4,725㎢で、47都道府県中30番目の広さです。
和歌山県は南北に距離が長いため、北部と南部では気候が異なります。和歌山市などの県北部は瀬戸内海式気候で、年間を通じて天気が安定し、降水量が少ないことが特徴です。一方、新宮市や潮岬などの県南部は太平洋岸式気候で、日照時間が長くて夏は比較的涼しく、冬は暖かい傾向があります。また、台風の影響を受けやすいため、降水量が多いことが特徴です。
県名の由来
羽柴秀吉が1585年に紀州征伐後、「岡山」や「若山」と呼ばれた地に現在の和歌山城を築き、景勝地の「和歌浦(わかのうら)」から「和歌山」と改名したことが由来です。
和歌山県の文化
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和歌山県に伝わる文化のうち、主なものをご紹介いたします。
和歌の聖地「和歌の浦」
和歌の浦は、和歌川の河口に広がる干潟を中心に、南は熊野古道の藤白坂、西は紀伊水道に面する雑賀崎までの和歌浦湾を取り巻く景勝地です。今から1300年前に聖武天皇がこの地の眺望に感動して、この風景を末長く守るように命じました。行幸に従った万葉集の歌人・山部赤人は「わかの浦に 潮満ちくれば 潟をなみ 芦辺をさして 鶴鳴きわたる」と詠んでいます。平安時代に紀貫之が山部赤人の歌を「古今和歌集」で取り上げたことから和歌の聖地として崇められるようになりました。、「和歌の浦」と呼ばれるようになったのは、和歌の名人・衣通姫が和歌の神として玉津島に祀られたからです。後の天下人や藩主も和歌の浦に魅了され、多くの文化芸術が育まれてきました。和歌の浦は平成29年度に日本遺産に認定されています。
捕鯨
和歌山県太池町は、古式捕鯨発祥の地です。太池町の海はクジラの南下と北上の通路にあたるため、通年クジラが見られます。1606年に、和田忠兵衛頼元は、複数の突き捕り船を組織化して捕鯨する方法を考案しました。この方法が、日本における捕鯨の発展の礎となります。その後、網取り法によって、太地町は全国的に知られるようになり、日本の古式捕鯨発祥の地といわれるようになりました。
紀州備長炭
紀州備長炭発祥の地は、田辺市・秋津川地区です。備長炭とは白炭のうちウバメガシ(カシ類を含む)を炭化したものを指します。火力が強く、遠赤外線が食材の中まで熱を通すため、短時間でおいしく焼き上げることや、水を浄化するなどの特徴があります。備長炭の産地は日本にいくつかありますが、最高品質といわれるのが紀州備長炭で、備長炭の中で価格がもっとも高いとされています。
ニット製品
和歌山は国内の丸編みニットの40%を生産し、全国シェア1位です。1900年代初頭、和歌山市に5台のスイス製丸編み機が導入され、大正末期にはすでに丸編みニット生地の生産量が全国シェア1位でした。和歌山のニット産業は100社以上の企業が活動し、国内外の高級ブランドに利用されています。
アドベンチャーワールド
白浜町のアドベンチャーワールドは、広大な敷地に「サファリワールド」「マリンワールド」「プレイゾーン」があるテーマパークです。中国国外でのジャイアントパンダの飼育施設でアドバンチャーワールドは世界一の繁殖実績があります。2022年7月現在、7頭のジャイアントパンダが暮らしています。
住所:和歌山県西牟婁郡白浜町堅田2399番地
公式サイト:https://www.aws-s.com
和歌山県の食文化・有名な食べ物
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続いて、和歌山県の主な食文化をご紹介いたします。
南高梅
和歌山県の梅の収穫高は、全国の6割を占めています。中でもみなべ町は一大産地で、最高級の梅「南高梅」のふるさとです。南高梅は、皮が薄く、種が小さく、実がやわらかいのが特徴です。梅干しや梅ジュース、梅酒など、さまざまな商品となり、日本だけでなく海外でも人気があります。
湯浅醤油
湯浅町は醤油発祥の地です。鎌倉時代に中国から金山寺味噌の作り方を持ち帰った僧が製法を教えているとき、湧き出た上澄み液が美味だったことから醤油が生まれたといわれています。江戸時代になると徳川御三家紀州藩の保護を受け、100軒近い醸造所が立ち並びました。現在も昔ながらの製法にこだわった醤油醸造所があります。
みかん
令和2年のみかん収穫量は、和歌山が全国の収穫量の22%を占めていて、平成16年産より17年連続で国内第1位です。とくに有田地域は有田みかんの産地として有名です。紀伊半島の中程に位置する有田地域は一年を通じて温暖で、気温の寒暖差が少ないため、柑橘類の栽培に向いています。
【参考】農林水産省 近畿農政局「作物統計調査 令和2年産みかんの結果樹面積、収穫量及び出荷量(近畿)」
和歌山ラーメン
地元で「中華そば」と呼ばれているご当地ラーメンの「和歌山ラーメン」は、基本的に2種類の味に分かれています。1つは路面電車の停車場に軒を並べていた屋台が発祥の「醤油系」で、あっさりした味わいが特徴です。もう1つは、豚骨スープと醤油の味わいがマッチした「豚骨醤油系」で、全国的には和歌山ラーメンといえば豚骨醤油系を指します。ほとんどの店にサバの押し寿司「早寿司」やゆで卵が置いてあり、ラーメンを待つ間に食べるのが一般的です。
めはり寿司
めはり寿司は塩で漬けた高菜におにぎりを包んだもので、熊野地方の郷土料理です。名前の由来には諸説ありますが、以前は大きなおにぎりだったため、目を張るように口を開けることから名付けられたといわれています。
生マグロ
那智勝浦町の勝浦漁港は、延縄(はえなわ)漁法による生マグロの水揚げ日本一を誇ります。紀伊半島の東側に位置する那智勝浦町は、太平洋に面していて海岸線はリアス式海岸です。勝浦漁港は天然の好漁港なので、古くから漁業が盛んでした。勝浦漁港に水揚げされるマグロはすべて延縄漁法を用い、船内で活け締めにして処理してから氷温で冷水保存され、一度も冷凍されずに流通します。
和歌山県の伝統行事・まつり
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和歌山県に伝わる主な伝統行事や祭りは、次のとおりです。
那智の扇祭り
日本三代火祭りのひとつ「那智の扇祭り」は、熊野那智大社の例大祭で毎年7月14日に斎行されています。「那智の火祭り」と呼ばれていましたが、平成27年に「那智の扇祭り」として国の重要無形民俗文化財に指定されています。
那智の瀧前で繰り広げられる御火行事と呼ばれる神事では、参道を清めるために白装束の男たちが約50kgの燃え盛る大松明を担ぎ、「ハリヤ、ハリヤ」と大声を掛けながら急な石段を上り降りします。
熊野速玉大社例大祭(御船祭)
毎年10月15日〜16日に行われる熊野速玉大社の例大祭は、国の重要無形民俗文化財です。16日の御船祭では、熊野川で9隻の早船が御船島を3周する競漕が繰り広げられます。
和歌山県の建築物・遺産
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和歌山県の主な建築物や遺産は次のとおりです。
熊野本宮大社
紀伊山地の東南部にある田辺市の「熊野本宮大社」、新宮市の「熊野速玉大社」、那智勝浦町の「熊野那智大社」は熊野三山と呼ばれ、熊野古道や高野山の金剛峯寺や吉野・大峯の金峯神社や大峯山寺とともに「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されています。
熊野参詣道の中遍路を歩くと最初にたどり着くのが熊野本宮大社です。杉木立に囲まれた158段の石段を上がり、神門をくぐると檜皮葺の社殿が現れます。主祭神は家津美御子大神(スサノオノミコト)です。かつては「大斎原(おおゆのはら)」と呼ばれる中洲にありましたが、明治22年の洪水で多くが流失し、流失を免れた上四社三棟が明治24年に現在地に移築・再建されました。
住所:和歌山県田辺市本宮町本宮
公式サイト:http://www.hongutaisha.jp
熊野那智大社
熊野那智大社の礼殿は、463段の石段を上った標高500mの位置にあり、社殿6棟からなります。、御主神は夫須美神(ふすみのかみ)です。
社殿は権現造りで、隣には那智山青岸渡寺の本堂が並んでいます。青岸渡寺は西国三十三番礼所巡礼の第一番であったため、明治時代の神仏分離令を免れました。
住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山1
公式サイト:https://kumanonachitaisha.or.jp
熊野速玉大社
熊野速玉大社は、摂社・神倉神社の巨大な岩の御神体「ゴトビキ岩」に降臨した熊野権現を勧進するため、景行天皇の時代に社殿を造営したと伝えられています。主祭神は熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)と熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の夫婦神です。社殿は鮮やかな朱塗りで、境内には平重盛お手植えの御神木ナギの木がそびえています。神宝館には約1,200点の国宝が保管されています。
住所:新宮市新宮1番地
公式サイト:https://kumanohayatama.jp
那智の滝
那智山の奥の大雲取山から流れ出る流水が重なり合い、大滝となっているのが那智の滝です。水柱の落差は133m、銚子口の幅13m、滝壺の深さは10m以上です。落差は日本一で、毎秒1トン程度の水量が流下しています。
所在地:東牟婁郡那智勝浦町那智山
公式サイト:https://kumanonachitaisha.or.jp/pavilion/waterfall.html
高野山
高野山は、約1200年前に弘法大師・空海が開いた真言密教の聖地です。標高約900mの山上盆地に広がる高野山全域を「総本山金剛峯寺」とし、「奥の院」「壇上伽羅」は二大聖地とされ、多くの信仰を集めています。現在でも境内には117の寺院があり、50以上の寺院は宿坊として宿泊できます。
住所:和歌山県伊都郡高野町高野山132
公式サイト:https://www.koyasan.or.jp
和歌山城
白亜の天守閣で知られる和歌山城は、和歌山市中心部にある虎伏山(とらふすやま)にあり、市街地を見渡すことができます。天正13年(1585年)に豊臣秀吉が弟の秀長に築城させ、元和5年(1619年)に徳川家康の10男・頼宣(よりのぶ)が入城。紀州55万5千石の城となりました。現在の天守閣は戦災後の昭和33年(1958年)に再建されたものです。
住所:和歌山県和歌山市一番丁3
公式サイト:http://wakayamajo.jp/index.html
友ヶ島
友ヶ島は、紀淡海峡に浮かぶ地ノ島、虎島、神島、沖ノ島の総称です。この中の沖ノ島は旧日本軍の要塞施設として使われていたため、当時を偲ばせる砲台跡が点在していて、まるでアニメのような世界観が人気となっています。洋式灯台や展望台などもあり、風光明媚な散策コースとして人気の観光地です。和歌山市の加太港からフェリーに乗って20分程度で到着します。
友ヶ島汽船公式サイト:https://tomogashimakisen.com/main/
橋杭岩
串本から大島に向かって大小40もの岩がそそりたつ橋杭岩(はしぐいいわ)は、約850mの長さがあります。海の浸食によって岩が橋の杭のように見えることから、この名前がつきました。弘法大師と天邪鬼が賭けをして、一夜でこの奇岩群を立てたという伝説も残っています。吉野熊野国立公園地域に属している、国の名勝天然記念物です。
住所:東牟婁郡串本町鬮野川
公式サイト:https://kankou-kushimoto.jp/spots/橋杭岩
県民の日とその由来
和歌山県で県民の日にあたるのが、11月22日の「ふるさと誕生日」です。これは明治4年(1871年)11月22日に、和歌山・田辺・新宮の紀州3県が統合し、和歌山県になったことに由来します。このふるさと誕生日は条例によって定められており、「県民の皆さんが郷土について理解と関心を深め、ふるさとを愛する心を育み、自信と誇りをもってより豊かな郷土を築きあげることを期する日」らしく、県内29の文化施設が無料開放されます。
【参考】和歌山県「ふるさと誕生日〜和歌山県誕生150周年〜」
まとめ
今回は和歌山県にスポットを当て、基本情報と主な文化や食べ物、伝統行事、建築物などをご紹介いたしました。世界遺産を有し、美しい自然景観やテーマパーク、グルメなど魅力が多い和歌山県は近年、観光地として世界中から注目されています。ぜひ和歌山県に足を運んでみてください。