デジタル時代の今だからこそ手書きの良さを見直そう!メリットを解説

デジタル時代の今だからこそ手書きの良さを見直そう!メリットを解説

デジタル化が進んでいく一方で、手書きの良さも見直されています。とくにコロナ禍ではストレスケアのため、手書きの日記や手帳が人気となっているようです。デジタル時代の今だからこそ、手書きの良さを再確認してみてはいかがでしょうか。今回は、手書きのメリットについて解説いたします。

手書きがもたらすメリット

デジタル化に慣れてしまうと、手書きは手が疲れるうえにスピードも遅いため、効率が悪いように思えるかもしれません。しかし、手書きにはタイピングにはないメリットもあるようです。手書きがもたらすメリットについて、さっそく確認しましょう。

目標を達成しやすくなる

目標は紙に書いて誰かと共有することで、より達成しやすくなるといわれています。アメリカのドミニカン大学の心理学マシュー教授は、目標を紙に書くこと・それを共有することが、目標達成率アップに効果があることを科学的に証明しています。

マシュー教授の実験では、参加者を5つのグループに分けて目標に取り組ませています。その結果、目標達成率は次のようになったということです。

  1. 目標を書かない…達成率43%
  2. 目標を紙に書く…達成率61%
  3. 目標を紙に書いて行動計画を立てる…達成率51%
  4. 目標を紙に書いて行動計画を立て、友人に約束する…達成率64%
  5. 4に加えて週ごとに進捗状況を友人に報告する…達成率76%

【参考】GAIL MATTHEWS「GOALS RESEARCH SUMMARY

目標を紙に書いた場合の達成率は、書かない場合の1.4倍になっています。また、紙に書いて行動計画を立てて友人と共有し、進捗状況を週ごとに報告すれば、さらに達成率が上がるということです。

目標を立てても3日坊主に終わりがちな方は、まず紙に書き出してみるとよいでしょう。それから行動計画を立てて、毎週友人に進捗状況を報告すれば、達成率が大幅にアップするようです。

また、「夢は、紙に書くと現実になる」の著者ヘンリエッタ・アン・クロウザー氏によると、大きな夢を実現した人に共通することは、夢を紙に書いていたことだそうです。書くことは、脳幹のRAS(網様体賦活系)にある細胞を刺激します。RASとは、目に入ってくる膨大な情報を必要なものか不要なものか振り分けるフィルターです。書くことで、RASが大脳皮質に「目覚めろ。注意を払え。細かい点まで見逃すな」という信号を送ります。脳は夢を達成するため、チャンスのサインを見逃さないよう自分自身に注意を呼び起こすといわれています。

理解が深まる

理解が深まる

タイピングで記録するより、手書きでノートをとるほうが長く記憶していられるといわれます。プリンストン大学のパム・ミュラー氏とダニエル・オッペンハイマー氏の研究によると、パソコンでノートをとる学生より手書きでノートをとる学生のほうが、概念的情報をより長く記憶していられることがわかっています。パソコンでノートをとると、一字一句そのまま情報をメモしますが、手書きの場合は自分で情報を処理し、取捨選択して書き留めるからです。

一般的にはパソコンのほうがより早く多くの情報を記録できるので、効率が良さそうに思われます。しかし実際は、手書きすることによって理解が深まるため、学習効率が良いのは手書きのほうだということです。

脳を活性化させられる

文字を手書きすることは、脳の活性化にも効果があるといわれています。東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授によれば、自分の手指で書くことが脳の前頭前野を活性させるということです。前頭前野は「考える」「記憶する」「感情のコントロール」などの働きを担っている部分であり、衰えると物忘れが増えたり、感情的になったりしやすくなります。川島教授は脳トレのゲームやテキストを数多く監修されており、文字をなぞり書きするテキストもそのひとつです。

自律神経が整う

自律神経が整う

自律神経が乱れると、心身の不調を引き起こします。順天堂大学医学部の小林弘幸教授によると、寝る前に手書きの「3行日記」をつけることで自律神経が整うそうです。3行日記には、「よくなかったこと」「よかったこと」「明日の目標」の3つを順番に書きます。日記によって自分を客観視できるので、気づきが生まれて悪い流れを止め、良い方向へとコントロールできるようになるということです。

3行日記には、原則手書きというほかにもいくつかのルールがあります。

  • 就寝前に書く
  • 日付・曜日を記入する
  • 簡潔に書く
  • 丁寧に書く
  • 一人のときに書く

文字には心の状態が現れやすく、文字の乱れは自律神経の乱れを示します。ゆっくりと丁寧な文字で書けば心も穏やかになるため、自律神経のバランスを正常に戻せるということです。

3行日記を習慣にすれば、自律神経が整って気持ちが落ち着くだけでなく、目標を達成しやすくなるかもしれません。日記を続ける自信のない人でもほんの3行だけでよいので、気負わずにはじめられるでしょう。

思考を整理しやすい

考えや気持ちを整理したいときは、パソコンを使うより手書きのほうが向いているといえるでしょう。文字の大きさや色、囲み、図、アンダーライン、イラストなど、思いつくまま自由自在に表現できる手書きだからこそ、頭の中の考えを整理しやすいことでしょう。

漢字を忘れない

仕事で書類を作るときは、パソコンを使うことが多いでしょう。プライベートで誰かに連絡するときも、メールやLINEが主流となりました。そのため、手書きをする機会がめっきり減ったと同時に、漢字を思い出せなくなった経験のある方も多いのではないでしょうか。

パソコンやスマートフォンで文章を作成するのに慣れると、いざ手書きしようとした際に簡単な漢字が思い出せなくて困ることがあるものです。手書きの習慣をつけることで、この悩みも少しずつ軽減されるでしょう。

手書きのほうが、気持ちが伝わる?

手書きのほうが、気持ちが伝わる?

昨今のコミュニケーションツールは、メールやSNSが中心となりました。連絡したいときに、その場ですぐ送信できるので便利です。その一方で、年賀状に手書きでメッセージが書かれていたり、プレゼントに手書きのカードが添えられていたりすると、相手の気持ちが伝わって思わずほっこりしませんか。手書きはタイピングの文字より温かく、気持ちがよく伝わるようです。

時間をかけて丁寧に書くことが大切

「手書きのほうが気持ちが伝わる」ことを科学的に実証したのが、アナログ価値研究会による「手書きの価値の実証実験」です。

「ゆっくり時間をかけて心を込めて書く」「自分の書ける最高のスピードで、できるだけ早く書く」「指定された文章をタイプする」の3つの条件で、身近な友人へ誕生祝いのメッセージカードを書くという設定の実験がおこなわれました。その結果、手書きの文字はタイプされた文字に比べて、「思いが込められている」というポジティブな印象を読み手に与えうることが判明したそうです。さらに、たとえ手書きであっても速記した文字では効果が弱いことが実験でわかりました。書き手が運動のコスト(時間)をかけて文字を書くことが、「心が込められている」と認識されるために必要ということです。

タイピングは丁寧な印象を与える

またタイピングの文字は、「思いが込められている」と読み手に感じさせる度合いがもっとも低いものの、「丁寧である」と感じさせる度合いは速記よりも高いという結果が出ています。つまりタイピングは短時間で入力できるだけでなく、相手には丁寧な印象を与えるのです。誰でも読みやすい文字で伝えられるため、効率の良いコミュニケーション手段といえるでしょう。

手書きとタイピングは、目的に合わせて上手に使い分けるのが賢明といえそうです。

【参考】株式会社NTTデータ経営研究所「手書きや紙の持つユニークな価値について 心理科学・脳科学的アプローチで検証〜応用脳科学コンソーシアム「アナログ価値研究会」〜

手書きの手紙を送る効果やメリット

手書きの手紙を送る効果やメリット

手紙を送るには、便箋・封筒・切手を用意しなくてはなりません。文字を書いたり投函したりする手間もかかり、相手に届くまでに日数がかかるというデメリットもあります。しかし最近は、手紙の良さを見直す人が増えているようです。

手書きの良さを確認したところで、最後に手書きの手紙を送る効果やメリットをご紹介いたします。

気持ちが伝わる

時間のかかる手書きには、「自分のために時間をかけて手紙を書いてくれた」と相手を喜ばせる効果があります。タイピングの文字より温かみがあり、気持ちもよく伝わります。お礼の気持ちを伝えたいときは、手紙を書いてみてはいかがでしょうか。たとえば贈り物が届いたときは、電話でお礼を伝えた後に手紙を書くことで、感謝の気持ちがより伝わるでしょう。

印象が良くなる

ビジネスでもプライベートでも、感謝の気持ちは電話で簡単に伝えられます。しかしあえて手紙を送ることで、思いを込めたことが伝わります。「丁寧な人」「礼儀正しい人」という印象もより強まるでしょう。

相手の手元に残る

メールやSNSでのやりとりは読んだらそれで終わりでも、手紙は捨てずに取っておくという方もいることでしょう。保存している手紙を、何年もたってからふと読み返すという方は意外に多いようです。相手の手元に残り、思い出になるというメリットがあります。

まとめ

手書きをすることによるさまざまなメリットをお伝えいたしました。タイピングのほうが何倍も早くメモできますし、漢字変換機能があるため、迷わずにどんどん入力できます。しかし、手書きには「理解が深まる」「脳を活性化させられる」などのうれしいメリットがあるため、勉強するときには積極的に手書きを取り入れた方がよいでしょう。

また、手書きすることで目標を達成しやすくなるというメリットもあります。お気に入りのノートに目標を書き、友だちに進捗状況を報告するようにすれば、目標をより早く達成させられるかもしれません。

さらに手書きには、相手を喜ばせる効果もあります。久しぶりに手紙を書いたりメッセージカードを送ったりしたくなった方は、ゆっくりと時間をかけて心を込めながら書くときっと喜ばれるでしょう。

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