2021年7月4日 | お役立ち情報
ベルトのお手入れ方法を解説。頻度や必要な道具、長持ちさせる方法は?
実用的なものからおしゃれなものまで、豊富なデザインが楽しめるベルト。ファッションの引き立て役として毎日のように使いながらも、「ベルトのお手入れは必要?」と疑問に思う方が多いのではないでしょうか。
今回は、ベルトをお手入れする理由と使う道具、素材別のお手入れ方法をご紹介し、ベルトを長持ちさせるポイントについても解説いたします。
ベルトのお手入れが必要な理由と頻度
そもそも、なぜベルトのお手入れが必要なのでしょうか。
ベルトの傷みを予防
ベルトには汗や皮脂、食べこぼしなどのほか、ほこりや糸くずなどが付着しています。汚れのついたベルトをそのままにしておくと、色落ちやひび割れ、カビなどが発生しやすいので気をつけましょう。
また、ズボンやスカートにつけたままにしたり、床やソファーなどに放置したりすると、型崩れを起こす心配もあります。定期的なお手入れを心がけて、大切なベルトの傷みを防いでください。
お手入れの頻度
基本的に、ベルトのお手入れはワンシーズンに1回くらいが目安です。汗をかく夏の間はカビが発生しやすいため、月に1回くらいの頻度でチェックしましょう。本革(ほんがわ)のベルトを本格的にお手入れするときは、使いはじめの1年は月に1~2回、翌年からは数ヵ月に1回くらいが目安です。
ベルトのお手入れに必要な道具
お手入れに必要なものは、次のとおりです。ただし、ベルトの素材によっては使えないものもあるので注意してください。
ブラシ類
革(かわ)のベルトの汚れを落とすときは、各種のブラシを使います。本格的なお手入れには革製品用の馬毛(うまげ)や豚毛(ぶたげ)のブラシを使用しますが、化学繊維のブラシでも構いません。スエードなど起毛の加工を施したベルトのお手入れには、ゴム製のブラシもあるとよいでしょう。
クリームやワックス
革製品の汚れを落とすときは、専用のクリーナーやレザーソープを使用します。仕上げには、保湿用のクリームまたはワックスを用意しましょう。なお、ワニ革やヘビ革などのエキゾチックレザーのお手入れには、専用のクリームを使ってください。また、色がついた靴用のクリームは色落ちの心配があるため、使用を控えましょう。
柔らかい布など
ベルトのお手入れには、古いTシャツや肌着、柔らかいタオルなどが数枚あると便利です。あらかじめ、作業しやすいサイズに切っておきましょう。お手入れをすると布に汚れや色がつくので、作業後に処分できるものを選んでください。
防水スプレー
仕上げに防水スプレーをかけて、汚れや水分からベルトを守りましょう。通気性が大切な革製品には、内部の水分を適度に外へ逃がすフッ素系の防水スプレーを用意してください。エキゾチックレザーの仕上げには、それぞれの専用スプレーを使用します。
ベルトのお手入れの方法
それでは、ベルトのお手入れを素材別にご紹介いたします。
本革のベルトのお手入れ
牛革などの本革を使用したベルトのお手入れは、次のとおりです。
① 水分をとばす
はじめに、ベルトをハンガーなどにかけて陰干しし、付着した水分や汗を蒸発させます。直射日光に当てたりドライヤーで乾かしたりすると、ひび割れすることがあるので避けてください。
② 汚れを落とす
ブラシや柔らかい布などを使って、表面についたほこりを落とします。表側だけでなく、裏側や穴、縫い目などの汚れも落としましょう。ブラッシングやからぶきで落ちない汚れは、布に専用のクリーナーやレザーソープをつけて拭き取ります。
ただし、裏側が毛羽立っている「一枚革(いちまいがわ)」や起毛している「スエード(スウェード)」などのベルトは、表側だけクリーナーを使用してください。汚れを落とした後は、陰干しして乾かしてから次の作業にとりかかりましょう。
なお、エキゾチックレザーはお手入れの方法が異なるため、商品の説明書に従って作業してください。革製品の汚れが落ちないときは、専門の業者に依頼するとよいでしょう。
③ 保湿する
乾いた布を用意し、保湿クリームをつけて本革の部分に塗り込みます。革によってはシミになることがあるので、目立たない部分でテストしてから使用しましょう。塗り込むときは、布に少量をつけながら丁寧に作業してください。
④ 仕上げをする
乾いた布で余分なクリームを拭き取ったら、防水スプレーを吹きつけます。換気した部屋か屋外で、ベルトから30cmほど離してスプレーしてください。最後に、金具の部分をから拭きして仕上げましょう。陰干しして乾燥させたら、本革ベルトのお手入れは終了です。
ベルトの裏側のお手入れ
ベルトの裏側が次のような素材の場合は、お手入れが異なります。
毛羽立ちのあるタイプ
一枚革のベルトは、裏側にブラシをかけるとさらに毛羽立つため、指やピンセットなどでほこりを取り除きましょう。毛羽立ちを抑えるときは、専用のワックスとへら、小さめの空きびんまたはスプーンなどを用意してください。
裏側を手でなでて、繊維が自然に寝る向きを確認します。へらでワックスを薄く伸ばしたら、びんの表面またはスプーンの背などを使い、繊維の向きに沿ってワックスを塗り込みます。作業が終わったら、陰干しして乾かしてから使用してください。
スエードやヌバックなど
スエード(suede)とは牛革などの裏側を加工したもので、スエードの毛足が長いタイプを「ベロア(velour)」、鹿(しか)革などの表側を加工したものを「ヌバック(unbuckle)」と呼びます。「バックスキン(buckskin)」は鹿革の表側を加工したものですが、国内では起毛加工の革を総称して呼ぶこともあります。
起毛加工の革の手入れは、ブラシで汚れを落とす方法で構いません。使い込んだものには専用スプレーを吹きつけ、ゴムのブラシで繊維の向きを整えましょう。ときどき防水スプレーをかけると、汚れや水分の付着を防ぐことができます。表側が起毛加工の革ベルトも、同様にお手入れをしてください。
合皮(ごうひ)のベルトのお手入れ
次に、合皮ベルトのお手入れについてご紹介いたします。以下、「①水分をとばす」については上記と同じなので省略します。
合皮について
合皮とは「合成皮革(ごうせいひかく)」の略で、樹脂を加工して本革のように作ることから「フェイクレザー」とも呼ばれます。本革よりも扱いが簡単ですが、表面がはがれたり割れたりしやすいので、定期的なお手入れを心がけましょう。
② 汚れを落とす
水を含ませた布を固く絞り、汚れを拭き取ります。汚れがひどいときは、少量の中性洗剤をつけて拭いてください。汚れが落ちたら、洗剤が残らないようにしっかりと拭き取って乾かしましょう。
③ 仕上げをする
合皮は、クリームなどで保湿する必要はありません。ツヤを出して見た目をよくしたいときは、合皮専用のローションなどを使用してもよいでしょう。ただし、使用の際はベルトの取扱説明書に従ってください。合皮は劣化すると表面がベタベタすることがあるので、ほかのものと接触しない場所に収納しましょう。
布のベルトのお手入れ
布ベルトの素材には、綿100%や綿とポリエステルなどの混紡(こんぼう)、各種の化学繊維があります。
② 汚れを落とす
基本的にはブラシでほこりを落とし、汚れがひどいときには水にぬらして固く絞った布で拭くか手洗いをしましょう。手洗いの場合は、洗面器などに水を入れ、少量の中性洗剤を溶かしてからベルトを洗います。水を入れ替え、泡が出なくなるまですすぎます。
ただし、商品によっては色落ちや型崩れの心配があるので、取扱説明書に従ってお手入れしてください。
③ 仕上げをする
水拭きや手洗いが終わったら、タオルなどで残った水気を吸収するとよいでしょう。クセやシワがつかないように形を整え、風通しのよい場所で陰干ししてください。しっかりと乾燥したら、全体に防水スプレーをかけます。
ゴムなどのベルトのお手入れ
続いて、ゴムやラバー、シリコン製のベルトのお手入れ方法をご紹介いたします。
ゴムとラバー、シリコンについて
国内ではゴムとラバーを同様に扱うことが多く、表面がツルツルしたものや布状で伸縮するものがあります。
シリコンとは「ケイ素:Si」のことで、自然界には「二酸化ケイ素:SiO2」として多くの鉱物の中に存在します。資源として使われるものは、主に「石英(せきえい)」と呼ばれる「ケイ石(せき)」です。ケイ石が化学変化や蒸留の工程を経て、ゴム状のシリコン製品に生まれ変わります。
② 汚れを落とす
一般的に、これらの汚れは水拭きや手洗いで落とすことができます。ベルトがきれいになったら、形を整えて陰干ししてください。
③ 収納の注意点
ゴムやラバー、シリコンのベルトは軽くて扱いも簡単ですが、傷がつきやすく日光に長く当たると劣化するので気をつけましょう。また、長く接触したものから色移りすることがあるため、なるべく周囲のものと触れない場所に収納してください。
メッシュのベルトのお手入れ
細い革などが編み込まれたメッシュベルトのお手入れは、基本的に素材別の方法で問題ありません。ただし、重なり合った部分に汚れがたまりやすいため、丁寧にお手入れしてください。本革のメッシュベルトには、専用の保湿クリームもあります。布製などのベルトを手洗いしたときは、形を整えてから陰干ししましょう。
ベルトを長持ちさせる【5つのポイント】
お気に入りのベルトを長持ちさせるには、次の5点を心がけてください。
① 水分を避ける
先述のとおり、ベルトに水滴や汗などをつけたままにするとカビが発生することがあります。着替えの後はベルトを放置せず、ハンガーなどにつるして水分を蒸発させましょう。また、水拭きや手洗いの後は、しっかりと乾かしてから収納してください。
② 緩めに締める
きつく締めすぎると、体だけでなくベルトにも負担がかかります。ズボンやスカートが下がらない範囲まで緩め、体とベルトの間に余裕をもたせて使用しましょう。
③ ハンガーにつるす
服につけたまま収納したり床に放置したりすると、型崩れやひび割れが起こることがあります。ベルト用のハンガーなどを用意し、つるして収納してください。
④ 直射日光を避ける
日光に長く当てると、ベルトのひび割れや色落ちなどの原因につながります。水分を蒸発させるときや収納するときは、直射日光を避けましょう。
⑤ 定期的なお手入れ
ベルトを長持ちさせるには、定期的なお手入れが欠かせません。ご紹介した方法を参考にして、素材に合ったお手入れを心がけてください。
ベルトの収納と保管方法
最後に、ベルトの収納・保管方法についてご紹介いたします。
収納のアイデア
ベルト用のハンガーは、ポールにかけるタイプや扉に取りつけるタイプが一般的ですが、突っ張り棒やワイヤーネットにフックをかけた簡易的なものでも構いません。ネクタイなどの小物類と一緒に収納できるタイプもあるので、好みに合わせて選びましょう。
ベルトを丸めて収納する方法は場所をとらずに便利ですが、型崩れやひび割れ、色移りなどの心配があるため、カジュアルなものや安価なものでお試しください。
ベルトや衣類の保管には
ベルトや衣類を収納するクローゼットやタンスに湿気がこもると、カビが発生することもあります。扉を閉めたままにせず、ときどき開けて空気を入れ替えてください。また、内部にほこりがたまりやすいため、衣替えや整理などで衣類を出したときは掃除機をかけるとよいでしょう。
クローゼットやタンスの除湿には、フマキラーの「激乾 洋服ダンス用」がおすすめです。除湿だけでなくカビやにおいも防ぐ無香の優れもので、ピレスロイド系、パラジクロルベンゼン系の防虫剤との併用も可能。ポールにかけて使用し、1~2ヵ月で粒がゼリー状になったらお取替えください。
ベルトをお手入れして長持ちさせよう
今回は、ベルトをお手入れする理由と使う道具、素材別のお手入れ方法のほか、ベルトを長持ちさせる5つのポイントについてご紹介いたしました。常日ごろから、着替えの後はベルトを放置せず、日陰につるして水分をとばしてください。素材に合わせた定期的なお手入れを心がけ、お気に入りのベルトを長持ちさせましょう。